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2019年11月3日日曜日

ヒバクシャ国際署名推進のつどい:核兵器禁止条約発効へ運動さらに大きく:兵庫県原爆被害者団体協議会:一生続く被爆の苦しみ知らせ核兵器の価値観変えよう


兵庫県原爆被害者団体協議会(兵庫被団協)が「ヒバクシャ国際署名推進のつどい」を国連軍縮週間初日にあたる十月二十四日、神戸市勤労会館でひらき、平日午後にもかかわらず会場の多目的ホールは満席となりました。
被爆七十五年の二〇二〇年を核兵器禁止条約の発効と「禁止から廃絶へ」の転換の年とするため、「ヒバクシャ国際署名」運動をさらに大きく広げようとひらかれたもので、同署名キャンペーンリーダーの林田光弘氏が「二〇二〇年に向けたヒバクシャ国際署名の役割」について講演しました。
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岡邊理事長

講演に先立ち、兵庫被団協の岡邊好子理事長が主催者挨拶。十五歳で被爆、父を亡くした経験を語るとともに、三十五年間、小中学校などで被爆体験と平和の大切さを語り、「子どもたちに理解が広がって良かった。命の続く限りこの仕事を続けたい」と述べました。

いとう芦屋市長

県内の市町長からも多数の祝辞が寄せられ、出席した、いとうまい芦屋市長は祝辞で「世界には火種があちこちにありますが、七十四年前の悲劇の時代を繰り返さないよう活動していきたい」と述べ、参加者とともに林田氏の講演に耳を傾けました。
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林田氏

講演で林田氏は、二〇一七年に成立した核兵器禁止条約は、前文に「ヒバクシャ」と明記しており、被爆者が体験を発信し続けた運動がこの条約を作ったこと、核兵器の非人道性が認められ、核兵器にたいする価値観の転換期を迎えていることなどを指摘。廃絶へ向け小国が大国と対等に議論する上で核兵器禁止条約というルールが必要であり、まず、発効させなくてはならないと強調。十月十八日現在、七十九カ国が署名、三十三カ国が批准(五十カ国以上の批准から九十日後に発効)していることも報告しました。

オンライン署名ページ
オンライン署名ページ:https://hibakusha-appeal.net/signature/

どのようにして核兵器の価値観を変えるかについて林田氏は、対人地雷禁止を実現したキャンペーン――戦後も放置された地雷が子どもたちはじめ多くの命を奪っている現実を知らせ、安全保障上必要だとの価値観を覆した――やICANの「核兵器にお金を貸すなキャンペーン」――核兵器産業からのダイベストメント(投資引き上げ)を大銀行に働きかける――などの例を紹介しました。
とりわけ、被爆者自身が生きているかぎり続く被爆の苦しみの実態を語り続け、核兵器の特異な非人道性を明らかにしていることの重要性を強調。海外向けメッセージ動画〝HIBAKUSYA〟が完成したことも紹介しました。



署名については、全国千七百二十四市町村のうち千百七十三市町村長、二十都道府県知事が署名、個人署名は千五十一万七千八百七十二人分(九月二十日現在)にのぼっていることを報告。署名活動のなかでの対話の広がりの大切さを指摘しました。
さらに、被爆者と若者が交流し、語り合う「ヒバクシャと出会うカフェ」、神戸大学大学院生らが作成した全国会議員、都道府県知事、市町村長の立場を調べられる「核兵器Yes or No!?  議員ウォッチ2019」、広島女学院中学高等学校の生徒らがとりくんだ地図と証言を組み合わせて広島原爆の実相をウェブやARアプリ伝える「ヒロシマ・アーカイブ」など若者たちのとりくみも紹介しました。

議員ウォッチ


ヒロシマ・アーカイブ

つどい後半では各団体の取り組みが報告され、交流しました。

(兵庫民報2019年11月3日付)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:2019-10-15

気になる「医学的な解明」や「結審期日ありき」の訴訟指揮

副島圀義

十月十五日、大阪高裁では、二件の控訴審弁論が続けて行われました。

Tさんについての第一回弁論では、裁判長が国側に「慢性肝炎とは何か、について次回期日までに反論を」求めました。国側が時間不足と躊躇するのに対し、「医師意見書も早くに出ている。一審以来数年もやっている。新しい審査の方針もずいぶん前に出ているのだから」と督促。
裁判長の関心は「慢性肝炎についての放射線被ばく起因性」にあるようでした。
そもそも国は、原爆被害だけの「他の戦争被害とは異なる特殊の被害であることにかんがみ」被爆者援護施策は例外中の例外、との考えに固執してきました。原爆症認定にあたって、個々の発病と放射線被ばくの因果関係の立証を、被爆者に要求することの根本が、そこにあります。
「慢性肝炎についての医学的解明」を求めるような訴訟指揮がたいへん気になったことでした。

苑田朔爾さんについての第二回弁論で裁判所は、映像を使っての原告側意見陳述も、原爆放射線の専門家の証人採用も認めませんでした。
「補充の意見書提出」も「反論」も、時限を切って「次回一月二十九日で結審としたい」と表明。たいへん性急な訴訟指揮ぶりが気になったところです。高齢の原告のことを配慮した審理の促進ならいいのですが。

被爆者が原爆症認定のあり方の抜本的な改正を求めて集団訴訟、ノーモアヒバクシャ訴訟を起こして十六年。ほとんどの裁判で被爆者が勝訴してきました。
その結果、機械的な基準のあてはめではなく、被爆の実相にむきあった総合的な判断が必要との「流れ」ができてきたのですが……。
ここにきて「核抑止」や原発への固執、戦争での加害責任の否認、等々「逆流」を感じざるをえません。「戦争での犠牲を国民は受忍しなければならない」との考え方を国民的な広がりで打ち破らねば、と、最近ますます思うのです。

(兵庫民報2019年11月3日付)

兵庫県議会:指定難病医療費助成改善を求める請願:庄本議員が賛成討論


兵庫県議会本会議で十月二十五日、日本共産党の庄本えつこ議員は、兵庫県保険医協会提出の「国の指定難病医療費助成制度の改善に関する」請願に対し、採択を求める討論を行いました。
庄本議員は、二〇一四年に成立した「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)の成立に伴い、指定難病すべてに「重症度基準」が導入されたことで、全国で十四万六千人、兵庫県では、五千七百三十八人が「重症度基準」により、「軽症」と認定され、医療費助成の対象から外されたと指摘。「難病を抱えている知人は、服薬と注射により症状がコントロールされていることで『軽症』と判断され、医療費助成から外され、治療費が高くて困っている」と実例を紹介し、指定難病医療費助成制度について、重症度基準による選別をやめ、「軽症」者を含めたすべての指定難病者を同助成の対象とすることなどを求める請願の趣旨に賛同し、採択を主張しました。
この請願は、自民、維新、県民連合等が反対し、不採択となりました。

(兵庫民報2019年11月3日付)

兵庫県18年度決算:日本共産党・きだ議員が反対討論:消費税引き下げ、生活密着型の公共事業など主張


兵庫県議会で十月二十五日、本会議が開かれ、二〇一八年度決算議案などへの表決が行われました。日本共産党は二〇一八年度決算認定議案二十三議案中十四議案に反対し、きだ結議員が討論を行いました。

消費税増税

きだ議員は、消費税八%への増税により、二〇一八年度、地方消費税収の割合が県税収入の二七・八%と税収の中心にすわっていることを批判。増税による負担増は年間一人当たり六万円、二〇一四年の八%への税率引き上げ後の累計で二十六万円となり、消費が冷え込み、小売業の廃業などが相次いでいるなか、今回の一〇%への増税が小売業の廃業に拍車をかけていると指摘しました。
きだ議員は、緊急経済対策として、消費税一〇%増税をやめ、五%に引き下げさせること、大企業優遇税制をやめ、中小企業と同等の法人税課税とすることなどを国に強く要請することを県に求めました。

新行革プラン

また二〇一八年度が、県新行革プラン最終年度として、県単独医療費助成、私立学校経常費補助等を減額してきたことを批判。県職員と行政経費の三割削減を行ったことに対して、「県民サービスの低下と職員の長時間・過密労働を蔓延化させてきた」と指摘し、災害時など緊急対応も含めて適切な職員配置を求めました。

高速道路整備

さらに、大阪湾岸道路西伸部整備事業費や、名神湾岸連絡線、播磨臨海地域道路計画など不要不急の高速道路整備とあわせて、二〇一八年度策定された「ひょうご基幹道路ネットワーク整備基本計画」には、淡路島と和歌山県を結ぶ紀淡連絡道路構想や、神戸空港と関西空港を結ぶ道路構想等が位置づけられていることを指摘。「不要不急で、巨額の費用を要する高速道路整備から、防災・減災対策、老朽化対策等地域循環型、生活密着型の公共事業へ転換すべきだ」と主張しました。

県営住宅

県営住宅管理戸数が、二〇一八年度だけでも五万一千六百六十七戸から五万七百九十四戸へと八百七十三戸削減されたことについて、きだ議員は、「物価上昇に賃金上昇が追い付かず実質賃金は増えていないなか、低廉な家賃で住宅を供給するという県営住宅への期待がますます高まっている。管理戸数削減は認められない」と批判しました。

(兵庫民報2019年11月3日付)

チェンジ生き生き西宮市民の会が防災対策講演会:地域の特徴と過去の教訓生かした対策:国の施策転換の必要も

講演する小川さん

「チェンジ生き生き西宮市民の会」が十月二十七日、西宮市立勤労会館で、『頻発する豪雨災害に向き合う』と題した講演会を行いました。講師は、「二十一世紀の武庫川を考える会」代表の小川嘉憲さんです。
「会」は昨年十二月に小中一貫校に関する市政シンポジウム第一弾を開催しており、それに続く第二弾として行われました。
この種のテーマの講演では、自助・共助・公助を強調し自己責任を前提とした安全対策の情報提供に終わるものが多いようです。今回の講演はそうではなく、小川さんは、近年の異常気象の傾向を踏まえ、西宮地域固有の地質・地形などの特徴に基づいた豪雨対策を詳しく報告しました。
これらの特徴とこれまでの災害の教訓をしっかりと踏まえた今後の対策として、①大気中の二酸化炭素の削減②武庫川下流部の河川整備③土砂対策・砂防堰堤と無理な開発ストップ④排水路、貯留排水管、防潮堤と水門、排水ポンプの整備―の四点にまとめて提起しました。
これらはいずれも、国などの行政の関わりがなくては不可能なものです。
国の増加する防衛費と減少する河川対策費のここ数年の変化を示した棒グラフを示し、国の政策転換の必要性を指摘しました。
また、地域を歩いてみんなでつくるハザードマップや防災ピクニック、地域で避難所を探して市に開設を促すなど、市民がすぐできる提起もありました。
私たちは、台風19号による大水害など現実に各地で起こる水害の惨状を目の当たりにしており参加者は熱心に聞き入りました。
講演後の質疑応答では、多くの市民が発言しました。ある自治会長は当該地域固有の課題や行政への要望そしてすでに自主的に行っている取り組みを報告。他の参加者からも災害弱者のための避難所運営、避難所そのものの安全性、法定数を満たしていない消防士数や正規公務員の削減など様々な観点からの指摘・提起がありました。
閉会挨拶で新日本婦人の会西宮支部長の立垣満里さんは、「たいへん意義深い会だった。また『会』に多くの課題をいただいたのでみなさんとともに取り組んでいきたい」と述べました。
―上田隆(西宮芦屋地域労働組合総連合)

(兵庫民報2019年11月3日付)

西はりま後援会まつり:楽しく交流深め政治変える力大きく

くつろぐ参加者

「野党連合政権を樹立して、倒そう安倍政権」をテーマに第三回日本共産党西はりま後援会まつりを十月二十七日に開催。昨年に引き続き福崎町のさるびあドームに約四百人が集いました。
一部は後援会長の松本滋氏の挨拶にはじまり、岩見武三市川町長、嶋田正義前福崎町長、森原健一県後援会長、岩崎修西播地区委員長が来賓挨拶をしました。
入江次郎県議をはじめ各市町の党議員の紹介があり、入江県議が代表して挨拶しました。続いて大門みきし参院議員が四十五分にわたり記念講演。たいへんわかりやすく政治の情勢を話しました。
二部の演芸は、元気よく太鼓の演奏からはじまり、歌謡、ギター弾き語り、新舞踊、太極拳、バンド演奏(ちんどんショー)……昨年同様多様・多彩な出し物で大いに盛り上がりました。
模擬店は十八ブース。ビンゴゲームも楽しみ、いろいろな景品に大喜びでした。
地域色を生かした、ホルモン焼きうどん、芋煮、炊き込みご飯、おでん、から揚げ、ぜんざい、たこ焼きなどで参加者は舌鼓を打ちました。抹茶、もち麦製品や産直野菜の販売、雑貨バザーもにぎわいました。似顔絵コーナーでは特徴をうまくとらえた画風に驚きや笑いが。
昨年に増して交流を深めることができた楽しい後援会まつりになりました。
会場で、これまで共産党の活動によく協力していただいていた二人の方が入江県議と谷川真由美姫路市議の働きかけで入党を決意。安倍政権を倒す大きな力が増えました。
―西井勝彦(神崎後援会長)

(兵庫民報2019年11月3日付)

日中友好協会兵庫県連合会が協会創立69周年記念講演会:強制連行・強制労働の実態に驚き


日中友好協会兵庫県連合会は十月二十七日、兵庫勤労市民センターで協会創立六十九周年記念講演会を開催、四十一人が参加しました。青木茂氏(日中友好協会愛知県連)が「中国人強制連行・強制労働と万人坑(人捨て場)」と題して講演しました。
青木氏は、主に「一九三一年から一九四五年まで、日本の企業が日本軍を用心棒として、中国東北部(満州)から華北・華中・華南の海南島に至るまで、強制連行・強制労働により犠牲となった中国人の遺体が埋められ、中国の人々が『万人坑』と呼ぶ特異な『人捨て場』が数えきれないほど存在している」と話しました。
青木氏は、自らが訪問し、印象に残っている万人坑として、『北票炭鉱万人坑』(遼寧省「旧熱河省」北票市)死者三万一千人、「大同炭鉱万人坑」(山西省)死者六万人余について、自ら現地で撮影したリアルな写真を映し説明。二カ所とも、占領し、支配下とした「炭鉱」で、強制連行・凄惨な強制労働で死亡させた無数の遺体(人骨)が鮮明に映し出され、その中には「ミイラ化」した遺体や「生き埋め」にされ無念な表情を残す犠牲者もリアルな映像で確認できました。
最後に青木氏は、「強制連行」について、「撫順炭鉱」だけでも敗戦までに石炭二億トンを略奪し、強制労働で二十五万人を死亡させ、三十カ所以上の万人坑を残している。
講演後、青木氏は、参加者からの質問に応えながら、これは閣議決定により、「日本国内への労働力確保」で日本へ強制連行した三万八千九百三十五人、死者六千八百三十人と比較しても桁違いに多い、中国全土での強制労働四千万人に及ぶ犠牲を生み出した日本企業の営利活動と日本軍の侵略行為の史実は消し去ることはできず、この事実は、「侵略を否定する歴史改竄主義者やその筆頭格である安倍晋三首相ら」への回答となるでしょうと結びました。
参加者からは、「日満商事の記録にある、中国人労工を『資材』の『消耗』として記録されていたことに怒りを覚えた。食事もほとんど与えず、石炭・鉄を採掘させて正に人捨て場をつくったのですね。強制連行、労働は中国全土で四千万人と紹介され大ショック。スライドで見た人骨の様子は『南京』の比ではない大量なものでした」との感想が寄せられています。
―前田清(同連合会)

(兵庫民報2019年11月3日付)

市民アクション川西実行委員会が集会:新聞記者・望月衣塑子さんが講演:本質見抜き、安倍改憲許さないためがんばろうと訴え


安倍改憲NO!全国市民アクション川西実行委員会が主催し、十月二十七日、川西市商工会館で、民主主義とは何かをテーマに東京新聞記者の望月衣塑子さん(写真)の講演会を開催しました。市民と野党の共闘による三回目の市民大集会です。
司会は日本共産党の黒田美智市議会議員、主催者挨拶は、ひょうご県民連合の北上哲仁県議会議員が行いました。立憲民主党の桜井周衆議院議員が来賓の挨拶で、アジアでもアメリカでも民主主義が問われ、日本でも国民の危機感が高まっている。安倍政権とメデイアのあり方を問い直そうと呼びかけました。


望月衣塑子さんは、豊富な資料と新聞記者としての綿密な取材を通じて、表現の不自由展・その後への補助金交付廃止など表現の自由への侵害、赤土土砂使用の真実を隠して強行される沖縄辺野古新基地建設、徴用工訴訟に関わる韓国への経済制裁、アメリカ言いなりの武器爆買い、望月さんの記者としての質問への一年半以上続く妨害など、安倍政権を鋭く批判しました。
安倍政治による改憲は、こうした民主主義破壊と同根で進み、米国と一緒に戦争する国づくりであることの本質を見抜き、これを許さないために頑張りましょうと訴えました。
閉会挨拶は立憲民主党の山下隆志川西市議が行いました。市民と超党派の議員の参加で会場はいっぱいになりました。日本共産党からは吉岡健次市議、北野紀子市議が参加しました。
―今西清(川西実行委員会事務局)

望月さんの講演は十一月十五日に神戸でも予定されています。

新聞記者・望月衣塑子講演会

11月15日(金)18時30分~20時30分、神戸市勤労会館7階大ホール/講演「記者からみた安倍政権―メディア規制、表現の自由の問題など」望月衣塑子(東京新聞社会部記者)/資料代1,000円/主催者事務局:民放労連サンテレビジョン労働組合、兵庫県労働組合総連合/問い合わせ(月~金10時~17時):Tel. 078‐335‐3770

(兵庫民報2019年11月3日付)

電力労働運動近畿センター開設20年:原発問題・電力問題でも大きな役割


電力労働運動近畿センター二十周年の集いが十月二十七日、大阪市内で開催されました。
この会は関西電力が共産党員や異論を持つ労働者を思想差別・迫害したことに対し職場に憲法の風をと争議を行い解決した原告を中心に結成、その後労働運動だけでなく原発問題や電力問題で大きな役割を果たしてきました。集いでは、柳井光男センター幹事長が二十年の歩みを振り返り「さらなる出発」に職場の労働者と歩み続けたいと語りました。
大島堅一龍谷大教授が「原発にしがみつく日本に未来はあるか」と題して講演しました(写真)。
福島原発事故で「原発は安全、安い」との主張は破綻し、世界で原発からの撤退がすすむなか、再稼働に固執する安倍政権の異常さを解明。再稼働に向けて若狭に原発建設二基分を越える一兆円が投入されていること、還流問題は元助役の個人的資質でなく原発建設の利権構造そのものだと指摘。原発ゼロの政府つくり後世に負の遺産を残さない政治をと訴えました。
第二部は、シャンソン歌手の堀田さちこさんのステージ。来賓挨拶では、日本共産党の清水ただし衆議院議員が関電闘争の意義に触れて敬意を表明、原発疑惑解明への決意を語りました。

(兵庫民報2019年11月3日付)

2019年秋の基地調査:但馬地域:オスプレイ飛来の証言も

大森幹雄(兵庫県平和委員会)

多々良木ダムでの聞き取り

兵庫県平和委員会と安保破棄兵庫県実行委員会の共催で二〇一九年度秋の基地調査を行っています。十月二十五~二十六日は但馬地域で、米軍機の低空飛行=攻撃訓練の状況を調査しました。
一九九四年以降二十五年間に及ぶ調査であり、カラーのミニパンフとこの一年間の動きをまとめた資料の二種類を作り地元での運動に役立つように配慮しました。
今年は二月六日にオスプレイ二機の飛行が鉢伏高原・国際スキー場近辺で現認、「インスタグラム」に『オスプレイ飛んでた』と写真が投稿されブラウンルートにオスプレイ飛んだのか?と問題になり(注)、六月にも調査を行いました。
初日は雨で轟高原・鉢高原と顔見知りの方には会えなかったため、資料を置いて宿に戻りました。途中ブナの森から湧き出る美味しい湧き水をボトルに汲みました。山椒魚にも会え、自然の恵みに感謝しました。
さのう高原にあるスカイビラさのうで地元の方と交流。情報共有と監視ネットワークの充実と連絡体制を強めることが話し合われました。
翌日は天気が回復し、喜楽苑、銀山湖、生野ダムをへて多々良木ダムへ。関西電力の車が停まっていたので声をかけると「管理事務所の二階に立ってると米軍機が目の高さ位で突入して来た」との貴重な体験を聞くことができました。資料を渡すと、上司に届けますとのことで通報用紙も渡して協力をお願いしました。
この後、いつも貴重な情報をいただく元町議の小林さん宅に資料を届け、近くのよふど温泉の露天風呂で疲れを癒し調査を終了。秋色に染まる但馬の山々を眺めながら岐路に着きました。
次回の予定は、十一月十七日(日)九時三十分JR姫路駅改札口集合で自衛隊・姫路駐屯地へ(資料代五百円要)。軍拡の実態を現認して運動に生かして下さい。
(注)二月四日~十五日まで滋賀県あいば野演習場にて日米合同演習が行われ、オスプレイは四日から七日までの四日間、毎日二機が参加していました。二月六日に鉢伏高原で目撃された機体は、時間帯からみて、この日米合同演習に参加した機体と推察されます。

(兵庫民報2019年11月3日付)

『12か月の未来図』:神戸映画サークル協議会11月例会:教師と移民の中学生たちの成長に拍手


この作品はフランスにおける教育問題、特に大都市郊外での中学校を舞台としている。
フランスには「郊外問題」という日本では聴き慣れない言葉が存続する。
十九世紀以降、社会の発展に伴う労働力不足を補うためにフランスでは北アフリカから沢山の移民を国策として受け入れてきた。二十世紀後半から経済が上手く回らなくなったフランスでは不況の影響や経済的不安から大都市郊外に沢山の移民が住むようになり、失業、貧困問題が拡がり、治安が悪くなっていった。
この映画はそんな郊外にある中学校にパリから一人のフランス語(国語)教師が一年つまり十二カ月の期限つきで赴任してくる。
パリの有名な進学高(高校)から赴任してきたフーコーは様々な問題を抱えた生徒たちに戸惑いながらも自分の信念に基づき、試行錯誤の中、生徒たちと心を通わせ、学ぶことの大切さを教えていく。
重いテーマだが作品全体を貫くユーモア精神が見る者に笑いを誘い、生徒と先生の成長に拍手を送りたくなる、そんな作品だ。

映画『12か月の未来図』

2017年フランス/107分/11月21(木)・22日(金)①11時②14時③19時(11月は土曜日の上映はありません)/神戸アートビレッジセンターKAVCホール/一般当日1,700円(前売1,300円)、シニア・障がい者・大学生以下1,300円/Tel. 078‐371‐8550、URL http://kobe-eisa.com/


映画公式サイト: http://12months-miraizu.com/

(兵庫民報2019年11月3日付)

菊本千永モダンダンスステージV:つながる命を踊る


「藤田佳代舞踊研究所モダンダンス公演 菊本千永モダンダンスステージV」が十一月九日に行われます。
菊本さんは、命の多様な在り方をテーマに作品を創ってきました。「命は流れていると感じます。空間上の移動だけではなく、その命が現代の命につながっていることは時間を流れる命を考えさせます。命は多様な在り方で次の命をつなぎ、広げてきました」―、今回のリサイタルで発表される作品はそのことに思いを寄せて選んだと菊本さんは語ります。
「月の森にねむる」のテーマは顧みられることのなくなった命。ひっそりと目覚め、誰に知られることもなくまたひっそりと眠りにつく命を踊ります。
「カクレミノを編む」のテーマは変容する命。幼虫がさなぎになり成体となるように変容を余儀なくされた命を踊ります。
「満ちる・10拍子の歌」のテーマはいま目の前で生きている命。
初演「across―わたしが生まれる」のテーマはつながっていく命。「多くの命が押し出してくれたから、今わたしはここに生きていることができ、そしてわたしもまた多くの命の一部として、他の命を押し出す存在である」ということに主題をおいて、「時計の刻む時間を超えた時間と命の流れ」を踊ります。

菊本千永モダンダンスステージV

11月9日(土)17時開場・17時30分開演、東灘区民センターうはらホール/当日3,500円(前売り3,000円)/主催:藤田佳代舞踊研究所 Tel. & Fax 078‐822‐2066、http://www2s.biglobe.ne.jp/~fkmds/index.htm

(兵庫民報2019年11月3日付)

山下よしき「若い世代は待っている」:連載エッセイ20


感動の一言でした。十月二十六日に党本部で行われた「全国青年・学生党員決起集会」。二十代の党員十人の発言の瑞々しいこと。
なにより、若者の要求と関心、変革の願いに、党綱領が全面的にこたえる力をもっていることが浮き彫りとなりました。
いま青年・学生は、学費・奨学金の問題、低賃金で不安定な働き方、ジェンダー平等の願いとかけ離れた現実など、自らの切実な要求とともに、格差と貧困、気候変動、核兵器や平和への関心を高め、生き方を真剣に模索しています。
発言では、民青同盟での党綱領と科学的社会主義の学習が、こうした模索と変革の願いにこたえる魅力となっていることや、日本共産党員になって変革者としての生き方をつかんだ喜びが、生き生きと語られました。
もうひとつ、驚いたのは若いみなさんの成長の速さです。
八月に入党したばかりのある大学一年生は、仕送りゼロで複数のバイトを掛け持ちし、月五万円で生活していることを「しょうがない」と考えていたそうですが、「政治のことを仲間と一緒に語れる」と四月に民青同盟に加盟。「科学的社会主義の学習が一番良かった。生産手段を社会化すると、こんなにも労働者は搾取されなくなるのか」と「新しい世界」を知った感激を語ってくれました。まさに「知は力」です。
全国から寄せられた感想には、同世代の発言に共感し、励まされ、元気をもらった声があふれていました。若い世代は党との出会いを待っています。
(日本共産党参院議員・党副委員長)

(兵庫民報2019年11月3日付)

老朽原発うごかすな!:姫路から関電本店までリレーデモでつなごう!

姫路駅を出発するデモ

月 日
出発地
集合
出発
到着地
距離
11月
2日(土)
JR姫路駅 10時 10時30分 JR曽根駅 13時
10.0km
3日(日)
JR曽根駅 10時20分 JR加古川駅
9.0km
4日(月)
JR加古川駅 JR明石駅 16時
19.9km
6日(水)
JR明石駅 JR須磨駅 14時
12.4km
13日(水)
JR須磨駅 JR神戸駅 13時
8.2km
20日(水)
JR神戸駅 JR住吉駅
9.3km
27日(水)
JR住吉駅 JR西宮駅
8.5km
12月
4日(水)
JR西宮駅 阪神尼崎駅
7.0km
8日(日)
阪神尼崎駅 関西電力本店
8.9km


呼びかけ集会「こんなに超危険! 若狭の原発」



11月2日、神戸市勤労会館で、木原壮林さん(元日本原子力研究所)の報告、リレーデモの呼びかけ・討論が行われました。



主催:老朽原発うごかすな! 姫路から関電本店までリレーデモ実行委員会、連絡先 Tel. 090‐5886‐8364(高橋)、Tel. 090‐9989‐7129(菅野)

(兵庫民報2019年11月3日付)

亀井洋示「直球でアウト!」


(兵庫民報2019年11月3日付)

観感楽学

「小諸なる古城のほとり、雲白く遊子悲しむ」(藤村)、「あれが安達太良山、あの白く光っているのが阿武隈川」(光太郎)などと詩人に詠まれ、日本人の心の故郷でもある美しい大河が暴れ川となって氾濫した。台風15号、19号と立て続けに襲われた関東や東北地方にまた大雨が降り目を覆うばかりの大災害になっている。千曲川、阿武隈川、多摩川など名だたる大河がかくも脆く決壊するなど信じられない災害である▼自然と共生するのが人間社会とはいえ、「百年に一度」といわれる台風や大雨が、毎週のように襲来して被害をもたらす、住民はたまったものではない▼私も一九六七年、神戸の宇治川が氾濫した時、土手下の川沿いの道を歩いていて、突然、噴出した濁流に飲み込まれそうになった体験があり、今も恐怖の記憶として残っている▼ところで、なぜ大河川の氾濫が続くのか、地球温暖化などの気候変動といわれるが、田んぼや耕地面積が減少し、大地の保水力が失われたのもその原因の一つかもしれない▼宮沢賢治は、「グスコーブドリの伝記」で、身を挺して自然災害(干ばつ被害)に立ち向かう感動的な男の話を書いたが、かつてない大災害がなぜ発生するのか? 被害をもたらす原因を政府が科学的に分析して対策を講じないと住民は安心して暮らせない。イージスアショアだのステルス戦闘機などに莫大な金を使っている時ではない。軍事費よりも災害対策に財源を!(D)

(兵庫民報2019年11月3日付)