レッド・パージ七十周年記念兵庫のつどいが九月二十二日、神戸市内で開催されました。
レッド・パージが一九四九年七月から開始され今年が七十年に当たることから、兵庫県レッド・パージ反対懇談会と諸団体が実行委員会をつくり開催しました。
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松田隆彦日本共産党兵庫県委員長、鈴木章治レッド・パージ反対全国連絡センター事務局長が来賓挨拶。松田氏は、レッド・パージの引き金の一つになった松川事件について昭和天皇が〝アメリカがやって共産党のせいにした〟と法相から聞いたと述べていたとNHKが「拝謁記」についての報道で紹介したことをあげ、共産党員やたたかう労働組合の排除のレッド・パージは政府の責任、被害者の名誉回復と憲法違反の安倍暴走政治を打ち破ろうと呼びかけました。
レッド・パージ再審弁護団の松山秀樹弁護士が、裁判で何が問われ、明らかになったかを特別報告。レッド・パージは単なる解雇事件でなく、思想信条という民主主義の根幹にかかわるものを理由に、いわれなき「企業破壊者」「暴力分子」の烙印を押され社会から排除され苦難の人生を強いられた。裁判は負けたが、裁判で①法廷で今につづく被害実態を証言記録させた②占領軍の命令・指示でなく政府による行為であることが立証された③講和条約成立後の不作為を認めたと意義を強調。各県の弁護士会も人権救済勧告を出し、埼玉県弁護士会からは「警告」まで出ていると紹介し、今後の運動で解決をと展望を語りました。
兵庫労連、兵庫民医連、兵商連、国民救援会、治安維持法国賠同盟から連帯挨拶。レッド・パージ被害者が兵庫県下で県民の共同の運動をすすめてきた先輩たちの歴史を語り解決へ決意を語りました。
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大橋さん |
レッド・パージ被害者で元原告の大橋豊さんは、共に裁判をたたかった故川崎義啓さん・故安原清次郎さんについて紹介。戦後の民主化を求める運動のなかで神戸中央電報局に多くの「赤旗」読者もいたが、そういう労働組合と党を敵視し攻撃したのがレッド・パージだと語りました。
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畑野議員 |
記念講演は畑野君枝日本共産党衆院議員が行いました。畑野氏は、自身の父がパージされた体験も交え、レッド・パージは悲惨な戦争体験を経て憲法に体現された平和な国をつくろうとした人たちが弾圧された暴挙について語りました。
党台風十五号対策本部事務局長でもある畑野氏は、台風15号災害対策での政権や東電の無策の根源に国民のくらし・民主主義に無関心な姿勢があると批判。いま安倍政権下で民主主義を脅かす異常な事態が続いているが、政権側が国民に追い詰められていると指摘し、市民と野党の共闘の発展について語り、衆院選挙で新しい政権をつくり、解決をと訴えました。
(兵庫民報2019年10月6日付)