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2019年8月25日日曜日

「戦争をやめるためできることをしたい」―小学生が感想:尼崎平和のための戦争展


第24回あまがさき平和のための戦争展を終えて

――松岡宗治
第二十四回尼崎平和のための戦争展を八月十六日から三日間、尼崎市立中央北生涯学習プラザで開催。のべ約五百人が参加しました。
見出しの言葉はお母さんと一緒に来た小学生の女の子の言葉です。「私は戦争のことを知りたくなり、見に来ました。戦争やかく(核)は人の命をうばい、さらに人の幸せまでうばうことを知りました」と感想を寄せ熱心に展示物を見たり本も読んだりしていました。お母さんは「この子最近戦争に関心を持つようになってきて」と言われていました。

中学校の沖縄修学旅行の取り組みを紹介

今年は尼崎の十七中学校のうち十校が沖縄への修学旅行を企画・実施していましたので、全中学校の三年生に渡せるチラシを各校に持って回り配布していただきました。
そのうちの三校の担当の先生から聞き取りをし、その取り組みや感想などを展示しました。
▽各校とも二年生のときから平和学習にとりくみ、沖縄県人会から講師を招いて話を聞いたり、ドラマ「さとうきび畑の唄」などの鑑賞、民謡「てぃんさぐぬ花」の練習、沖縄戦の調べ学習、千羽鶴折りなど様々な取り組みを重ねて、修学旅行へ出発しています。
▽沖縄では、平和祈念公園では各校とも「平和セレモニー」集会を開き、平和宣言や歌、千羽鶴の奉納などを行っています。また、ガマに入り同年代の学徒隊の苦しみや辛さなどを聞き、思いをはせていました。
▽生徒たちは「私は死にたいと思うときがあるけど、『さとうきび畑の唄』を観て、もう二度と死にたいなんて思わないでおこうと思いました」「もっと早くに降参していれば、一般人も軍人も、こんないっぱい死ななくてすんだのにと怒りもわいたし、かけがえのない命を無駄にするな!」など率直な気持ちを語っています。
*
戦争展当日、先生と一緒に参加した中学生の一人が映画「スパイ戦史」をみて、「戦争は過去に起こってもう終わったことではなく現在、生きている私たちにも関係があって、これから戦争や同じ過ちをしないように私たちが止めていかないといけないことがわかりました」と感想を述べていました。

高校生の「原爆の絵」を展示


また今年は広島原爆資料館から広島市立基町高校生と被爆体験証言者との共同制作による「原爆の絵」を借りて、二十点あまり展示しました。会場では「高校生は体験者の話を聞いて絵にするときに咀嚼することになります。記憶の継承としては素晴らしい手法だと思います」「この絵を描く過程を思うと心苦しく、しかし希望も感じました」など、多くの方が食い入るように見入っておられました。


恒例の語り部コーナーでは、原爆被害者の会や中国残留日本人と家族を支援する「コスモスの会」から体験を語っていただきました。
(第二十四回あまがさき平和のための戦争展実行委員会事務局長) 

(兵庫民報2019年8月25日付)

炎天下23人、沿道の励ましも:2回目の北播磨平和行進


――岸本高志
八月四日に第二回北播磨平和行進を二十三名の参加で行いました。加東市平和行進として三年行ったあと、昨年から加西市、加東市、小野市、西脇市、多可町で北播磨実行委員会を結成して行っています。
当日は、最高気温三十六度以上の相当な暑さが予想される厳しい炎天下でしたが、何とか無事に行進ができました。
朝の八時半に滝野文化会館前(旧滝野町役場前)駐車場に集合し、主催者から「二度と核兵器を使用させない。再びヒバクシャをつくらない。一歩でも二歩でもご一緒に歩きましょう」と訴えがありました。井上芳弘加西市議も「暑いですが、歩きながら原水爆禁止を呼びかけましょう」と挨拶しました。その後、道路通行時の注意を確認。平和行進旗とゼッケンは県原水協から借りました。
九時頃、はりま中央民商の先導車を先頭に出発。時折沿道から市民の皆さんが出て来て励ましてくれます。途中、三回行進を止めて給水時間を取りました。歩く速度はゆっくり。途中からの参加者もありました。
予定通り十時五十分に加東市の「非核宣言都市」の標柱に到着しました。歩き通した皆さんの晴れやかな笑顔を前に、「来年もご一緒に、一歩でも二歩でも歩きましょう」と実行委員会から呼びかけました。
(北播磨平和行進実行委員会)

(兵庫民報2019年8月25日付)

荒田平和盆おどり:「地域の子どもたちに伝えていきたい」


神戸市兵庫区内の民主団体や労働組合などが実行員会をつくり取り組んできた「荒田平和盆おどり」が今年も八月十九日・二十日の二夜、荒田公園で開かれました。震災での数年間の中断を経て五十回を超える開催です。
実行委員の井村弘子さんは、「近隣では盆踊りをやめるところも出てきましたが、地域のまつりとして子どもたちに伝えていきたい」と語っています。

(兵庫民報2019年8月25日付)

原水爆禁止世界大会海外代表と交流会:米韓欧とっておきの話を交流


兵庫県原水協は八月十日、原水爆禁止世界大会に参加した海外代表を招き交流会を行いました。兵庫県では毎年、世界大会の成果を学び、海外代表から直接、それぞれの運動のとっておきの話を聞き、交流するためのつどいを開催してきました。来県したのは、ライナー・ブラウン(国際平和ビューロー・IPB共同代表)、ジョゼフ・ガーソン(アメリカフレンズ奉仕委員会)、エレン・トーマス(国際婦人平和自由連盟米国支部)、ヌーリ・ロナヒー(同前)、アラン・ショーブ(同前)、イ・ジュンキュ(韓国キョレハナ平和研究センター研究員)の各氏。
冒頭、兵庫県原水協の津川知久・筆頭代表理事が、今年の世界大会の特徴として、被爆七十五年・二〇二〇年を核兵器廃絶への歴史的転機の年にするために、被爆者の訴え、青年・高校生のたちあがり、市民社会と諸国政府の共同の前進、来年の原水爆禁止世界大会inニューヨークの意義、禁止条約に反対する安倍政権を追いつめる「市民と野党の共闘」の前進などについて報告しました。
梶本修史事務局長がゲストと兵庫県の平和運動との深いかかわりを紹介した後、五つのテーブルに分かれて、交流を深めました(各テーブル通訳付き)。それぞれ日韓関係、トランプ政権の核兵器政策、欧州のたたかいなどについて意見交換が行われました。イタリア、ノルウェーの家族を持つ方も参加し、国際色豊かな交流が交わされました。
最後に、ライナー・ブラウン氏が、「ヨーロッパでは気候変動問題で青年がたたかいの中心になっている。原水爆禁止運動の新たな広がりを作る教訓にすべきだ」、イ・ジュンキュ氏が、「安倍政権が意図的に作る日韓敵対関係は、今日のような市民交流の拡大で乗り越えることができる。そういう政治を両国でがんばって実現しよう」などゲストそれぞれから感想が述べられました。
来年のニューヨークでの世界大会に多数が参加できるように、「ヒバクシャ国際署名」を広げることを誓い合いました。
―梶本修史(兵庫県原水協事務局長)

(兵庫民報2019年8月25日付)

シンポ中止の誤り認め暴力による脅迫・政治的な圧力許さぬ断固たる意思表明を:憲法会議有志ら神戸市長と実行委員会に要望

申し入れる憲法会議有志

「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督・津田大介氏が参加し八月十八日に開催予定だったシンポジウム「2019年―2020年、アートは異物を受け入れるのか」(十八日開催予定)を神戸市とTRANS―KOBE実行委員会が中止した問題について、憲法改悪阻止兵庫県各界連絡会議(兵庫県憲法会議)の有志が八月十八日、声明(要望)を作成し、翌十九日、神戸市長とTRANS―KOBE実行委員会に提出しました。その内容は次のとおりです。

神戸市による津田大介氏参加シンポジウム中止決定に対する要望

愛知県で開かれている国際芸術祭のなかの「表現の不自由展」と題する展示が、暴力的な脅迫と政治家による不当な圧力により中止に追い込まれたのは、表現の自由の保障にとって由々しき事態です。私たちは、日本国憲法の保障する自由を守るために、多くの人々が芸術祭に対する不当な圧力を許さないという姿勢を毅然と示すべきだと考えます。
ところが、神戸市とTRANS―KOBE実行委員会は、この中止決定を受けて、国際芸術祭で芸術監督を務める津田大介氏を招いて今月十八日に開催予定だった「アートは異物を受け入れるのか」と題するシンポジウムの中止を決定しました。
報道によれば、津田氏を呼ぶことに対する抗議などがあり、「このタイミングで津田さんを迎えれば、シンポジウムの趣旨に沿わない議論になるおそれがあり、この秋から始まる芸術イベント自体に悪影響が及びかねないと懸念している」と説明されています。
しかし、こうした説明では、今回の決定が、具体的な暴力的妨害のおそれがないにもかかわらず、単なる「抗議」を契機にシンポジウムの中止を決定したものではないかと評さざるをえません。「おそれ」も「悪影響」も具体的ではなく、あまりにも抽象的すぎて、シンポジウムを中止するやむを得ない理由にはならないからです。たとえ具体的な暴力的妨害のおそれがあるとしても、警備体制を充実させればシンポジウムの平穏な開催は可能です。
神戸市とTRANS―KOBE実行委員会のシンポジウム中止決定は、結局のところ、自分たちの意に沿わない見解を封じ込めようとする勢力に屈服・迎合する結果となり、論争的なテーマに関する表現を萎縮させ、日本社会を「物言えぬ社会」とする動きに手を貸すものと言わざるをえません。
私たちは、日本国憲法の保障する自由と民主主義を発展させる立場から、今回の神戸市とTRANS―KOBE実行委員会の決定が自由な社会の実現に逆行する効果をもつことに深い憂慮を抱いています。
神戸市長とTRANS―KOBE実行委員会には、愛知県の国際芸術祭の「表現の不自由展」に対する暴力による脅迫や政治的な圧力を絶対に許さないという断固たる意思表明をしていただくとともに、今回のシンポジウム中止決定が重大な間違いであったと認めていただくよう、強く要望します。

(兵庫民報2019年8月25日付)

シンポジウム中止問題で日本共産党神戸市議団が申し入れ「開催中止撤回を」


「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督・津田大介氏が参加し八月十八日に開催予定だったシンポジウム「2019年―2020年、アートは異物を受け入れるのか」(十八日開催予定)を神戸市とTRANS―KOBE実行委員会が中止した問題について、日本共産党神戸市会議員団は八月九日、開催中止の撤回を求め、神戸市当局に申し入れました。その内容は、以下の通りです。
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アート・プロジェクトKOBE 2019:TRANS―シンポジウム「2019年―2020年、アートは異物を受け入れるのか」が中止されることになりました。開催中止の理由として「これからのアートと社会の関係、新しい美術館や芸術祭のあり方について、公平な場で広範な議論を交わすことを目的としておりました。大変遺憾ながら、現状を鑑みるとその実現は難しいと判断し」たことが挙げられています。 事の発端は、愛知県で開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展の一つ「表現の不自由展・その後」が政治的圧力や脅迫によって中止に追い込まれたことです。今回のシンポジウムには、このトリエンナーレの芸術監督である津田大介氏が招かれており、市役所や実行委員会事務局には「津田大介氏を呼ぶことには反対」という抗議の声が寄せられたことが、中止の大きな要因となっているとマスコミ報道は指摘をしています。自民党・上畠寛弘市議、日本維新の会・外海開三市議らは、津田氏の登壇に「断固反対」と表明し、神戸市民文化振興財団に面会を求め、登壇者の見直しなどを直接要請していたとされています。
憲法二十一条は「一切の表現の自由は、これを保障する。検閲はこれをしてはならない」としており、不当な抗議には、毅然と対処することが求められます。愛知県の企画展を端緒にした様々な表現活動が委縮されることはあってはなりません。神戸市当局および神戸市民文化振興財団は、規制・統制ではなく、表現の自由を守る立場で毅然とした対応をすべきです。
シンポジウム開催の中止に抗議するとともに、脅迫に対しては、憲法と民主主義を守る立場で毅然とした対応をし、シンポジウムの開催中止決定を撤回することを求めます。

(兵庫民報2019年8月25日付)

日本共産党県議団が県政懇談会:精神福祉家族会連合や行政書士会はじめ各界各層から要望つぎつぎ


日本共産党兵庫県議団は八月五日、県政懇談会を開き、二十団体二市議団が参加しました。
冒頭、きだ結政務調査会長が、六月から始まった新議会について報告。新しい会派構成などとともに、県庁等再整備計画、学校給食無償化、地域医療構想、地域創生、地位協定の見直し、消費税増税中止など団として行ってきた六月議会での論戦を紹介しました。
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懇談会では、参加した団体から、▽精神障害者が、地域で安心して暮らせるよう、交通費補助など行うようにしてほしい(精神福祉家族会連合)▽持続可能で多様性と包括性のある社会の実現(SDGs)の取り組みを地方創生とともに積極的にすすめてほしい(行政書士会)▽公立病院の統廃合については、病床削減ありきではなく、跡地医療体制の確保等含め、医療後退にならないようにしてほしい(保険鍼灸師会、保険医協会)▽熊本、広島、大阪、兵庫と残されている中学での少人数学級の実現をまずすすめてほしい(兵庫教組)▽看護師の奨学金を復活させてほしい(民医連)▽認可外施設を無償化の対象にする場合、子どもの安全を保障する一定の基準を設けるような条例を各市町でつくらせるようにしたい(兵保連)▽地方の公共交通の充実をすすめてほしい(新婦人)―などの要望がだされました。
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要望や質問に対し、五人のメンバーから、それぞれコメントを行い、最後に、ねりき恵子団長が、「出された要望は、団一丸となって実現のために奮闘する」と発言しました。

(兵庫民報2019年8月25日付)

神鋼製鉄所降下ばいじん:「生活と環境を考える会」発足へ――日本共産党加古川市議団がとりくみ


従来から問題となっている神戸製鋼所加古川製鉄所からの降下ばいじんについて、日本共産党加古川市議団が別府町で開いた市政報告会で市民から「どうにかならないか」という要望が寄せられました。同議員団は、十分な対応ができていなかったという反省の上に立ち、来年度予算要望会と合わせて科学の目で地域を見ようと「生活と環境を考える会」の準備を呼びかけています。
八月十日には、日本科学者会議・元神戸大学の後藤隆雄氏を招いて学習会を開催しました。地域で二十年来空気環境を監視しているグループ花水木の川谷俊子さんが、自作の俳句「春はあけぼの喘息発作の胸の音」を披露し、「ひと月に一平方キロメートルあたり三トン以下」という神戸製鋼所の自主管理目標値に疑問を投げかけました。
また、環境計量士の今井和雄氏は、降下ばいじんは地面ではわかりにくいが、白いところに降ると真っ黒だとわかる。猛毒性はないといわれているが、人の感受性はさまざまで、日本の公害防止の到達点は低いと指摘しました。
後藤氏は、宇宙の物質とエネルギーの総和は一定、創生したり消滅したりしないことや、エントロピーの法則について説明し、便利さだけを追求している社会のありように警告を鳴らして、みんなでできる環境学習として、市民で降下ばいじんを測ろうと提案しました。党市議団は市民と一緒に取り組むことにしました。
―岸本建樹(党加古川市議団長)

(兵庫民報2019年8月25日付)

9年目迎えたたたかい〝年末までに全面的な解決を〟:JAL県争議支援連絡会が総会


JAL争議兵庫県支援連絡会は八月五日、神戸市勤労会館で第七回総会をひらきました。二〇一〇年の大晦日に整理解雇された百六十五名のパイロット・客室乗務員を、職場に戻すためのたたかいは九年目を迎えました。
総会では客室乗務員の労働組合・CCUから平岩元美書記長が、この一年間の動きについて報告を行いました。
昨年五月十四日にJALがこれまでの労務方針の変更とLCC新会社発足発表を行い、争議解決に向けた「特別協議」を実施。その中でJALへの経験者採用制度や、LCCへの採用など「雇用の機会の提供」がJALから提案されました。
原告から最終的に二十名以上が応募したが、JALはすべての応募者を不採用としました。
組合は、このようなJALの対応について、これまでの「特別協議」の位置づけを見極め、解決に向けて争議団と労働組合が現状認識を一致させて解決に向けて団結を確実なものとしていくことが必要だと報告されました。
そもそも、この解雇争議はJALが経営破綻したことにより、整理解雇問題協議中に労働組合のスト権行使に対して支配介入を行い、組合が東京都労働委員会に救済を求めている中で整理解雇を強行したことが争議の発端です。
整理解雇は不当だとして東京地裁に提訴しましたが、原告の請求を棄却し、二〇一五年二月に最高裁は原告敗訴の判断をくだしました。
しかし、その後に不当労働行為を認める最高裁判決が確定し、整理解雇問題の協議の過程でJALが憲法違反、労組法違反を犯したことが確定しました。
これにより、解雇は労働者の責にないうえ、不当労働行為を行ったJALの社会的責任が問われることになりました。
争議団の内田妙子団長は、特別協議中の宣伝自粛の要請について理解を求め、今年末までの解決に向けての協力を訴えました。
総会では、活動報告、行動提起、役員提案、会計監査報告が行われ、争議解決に向けて支援していくことを確認しました。
―岡崎史典(同連絡会事務局長)

(兵庫民報2019年8月25日付)

国会議員団兵庫事務所だより:公約実現へさっそくとりくみ―最低賃金、道路公害、外貨建て保険……

参議院選挙でのご支援、ありがとうございます。
兵庫の議席奪還はできませんでしたが、比例で山下よしき副委員長を再選頂くことができました。
日本共産党国会議員団兵庫事務所は、さっそく公約実現にむけ取り組みを始めています。

兵庫労働局に申し入れる金田所長(右)、小林労働部長(その左)

七月三十日には、金田峰生事務所長と小林明男党県労働部長が、兵庫労働局に、①最低賃金を直ちに千円に引き上げ、千五百円をめざすこと②中小企業への抜本的かつ大胆な支援を行うこと③「地方最低賃金審議会」審議委員選抜基準を明らかにし、審議内容を公開すること―などを申し入れました。
また金田氏はこの間寄せられた相談事案について、八月六日~七日に上京し、市田忠義議員事務所、大門みきし議員事務所を通じて、政府当局と折衝しました。
市田事務所では、神戸市須磨区で神戸市が強行を狙う道路計画の公害紛争への対応について、環境省と総務省の各担当部署に話を聞きました。
大門事務所では、「外貨建て保険」について、金融庁の担当課長から状況と当局の対応について聞き取りました。
「外貨建て保険」に関わる苦情は、二〇一二年の五百九十七件から二〇一八年に二千五百四十三件と増えており、その多くは、保険会社や銀行側の説明不足です。
金融庁も問題視しており、説明の仕方や資料表記等の改善、過去の契約分についても顧客の利益を守る立場で誠実に対応するよう指導を要請しました。

(兵庫民報2019年8月25日付)

ひなたぽっころりん〈644〉


(兵庫民報2019年8月25日付)

観感楽学

ことしの原水爆禁止世界大会は「被爆七十五年の来年を、核兵器廃絶に踏み出す転機の年にする」ことを確認した。そのために被爆の実相をひろく伝え「ヒバクシャ国際署名」を世界で数億あつめ、来年四月の原水爆禁止ニューヨーク世界大会に持ち寄ることを決意した▼平均年齢が八十二歳をこえた被爆者の「せめて生きている間に」という思いを、いま青年たちが継承している。被爆者からの聞き取りでつかんだものを絵筆をとって表現する高校生。被爆証言を手に携え、そのゆかりの地に立って証言を朗読する若者。そんな営みを彼らは「自分化する」「自分事とする」と表現している▼「~化」はたとえば「見える化」とおなじ類いの造語。自分事とは他人事をもじった言い方。いずれもわが家のどの国語辞典にも見出し語としては存在しない。同義の「わが事」は、「わが事と下り坂に走らぬものなし」などのことわざも含めて載っている▼でも「自分化」「自分事」には、本人の行動とその行動による内面的成長が込められているように思われる。高校生の描いた原爆絵画展は県内でも行われ、訪れた人は被爆者と高校生の二つの思いに心を揺さぶられた。(T)

(兵庫民報2019年8月25日付)