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2019年6月2日日曜日

〝希望と安心の日本〟へ展望ひらこう:志位委員長が神戸で訴え


日本共産党の志位和夫委員長は五月二十六日、神戸元町・大丸前で山下よしき副委員長・参院議員(比例予定候補)、金田峰生国会議員団兵庫事務所長(参院兵庫選挙区予定候補)とともに街頭演説を行い、参議院選挙での野党共闘の勝利と日本共産党躍進で〝希望と安心の日本〟への展望をきりひらこうと訴えました。また、弁護士の川元志穂さんが野党共闘と日本共産党への期待を語りました。強い陽射しにもかかわらず約二千人が足を止め、熱のこもった訴えに拍手でこたえました。
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金田氏は、「お金が無くて必要な医療を受けられず、手遅れで亡くなった方がいます。過労死や過労自殺、労災死亡事故が後を絶ちません。若い人たちが授業料を払えず、進学を諦めたり、退学を余儀なくされたりしています。そんな理不尽、そんな不幸を無くしたい」と述べ、「憲法と福祉法をまっすぐに具体化し、実現する政治をやろうではありませんか」と訴えました。


山下氏は、「若者を海外の戦場に送り出す暗い社会に戻すことは許せない。安倍九条改憲ストップを」と呼びかけました。
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志位氏は、「消費税増税の中止 くらしに希望を――三つの提案」を紹介。七・五兆円規模で暮らし応援の政策を実行することは、消費税を三%減税するのと同じ経済効果があると強調しました。
安倍政権の「大学無償化」は〝看板に偽りあり〟だとして、すべての学生・短大生・専門学校生を対象に学費をただちに半減、段階的に無償化するとともに、月三万円の給付奨学金制度を七十万人分つくるという日本共産党の提案を紹介しました。
平和の問題では、兵庫県でもオスプレイが飛行するなど米軍による主権侵害が起こっていると指摘。日米地位協定を改定、さらに日米安保条約を廃棄し、対等平等の日米友好条約を結び、本当の独立国といえる日本をつくろうと呼びかけました。
米国が二月に行っていたことが明らかになった未臨界核実験について核不拡散条約に違反するとともに核兵器禁止条約発効をめざす世界の努力に逆行、北朝鮮非核化の交渉にも悪影響を及ぼす、と強く批判。それに追随するのではなく核廃絶の先頭にたつ日本政府をつくろうと訴えました。
また、丸山穂高衆院議員の「戦争」発言について、「根本には維新の会自身の憲法否定の体質がある」と指摘。安倍政権、自民・公明とともに、「最悪の別動隊」である維新の会に厳しい審判を下そうと訴えました。
志位氏は、希望は市民と野党の共闘にあると強調し、参院選では三十二の一人区で野党候補を一本化し、自民・公明とその補完勢力(維新)を少数に追い込もうと力をこめ訴えました。

(兵庫民報2019年6月2日付)

弁護士・川元志穂さんの応援スピーチ

国民の生活守る野党共通政策を――共産党さん、山下さん、金田さん頑張って

日本共産党街頭演説(五月二十六日、神戸元町・大丸前)での弁護士・川元志穂さんの応援スピーチを紹介します。(文責編集部)

弁護士の川元志穂さん

きょう私は立憲主義を守るため、野党共闘を応援する市民の立場で共産党、山下さんと金田さんの応援に参加させていただきます。
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私は、もともと自由に生きるのが大好きで、自由を守るための憲法が大好きでした。でも政治は何かどろどろしていると思って、あまり好きではなく、無関心を貫いていました。
ところが二〇一三、一四年の頃、特定秘密保護法ができたり、集団的自衛権行使容認の閣議決定や安保法制の成立というのがあって、――政治に関心を持たないと憲法自体がもう壊されてしまう。そうなると私が大好きな自由もなくなってしまう。政治に関心を持とう。憲法を守るために野党共闘を応援しよう――そう思って市民団体に入り野党共闘の応援をしてきました。
しかし、いくら活動しても野党共闘への支持はなかなか高まらず、選挙でも良い結果が出せない。なぜなんだろうと、ずっと不思議に思ってきました。その理由が最近やっと自分に腑に落ちるような形で分かるようになってきた気がしています。
なぜなんだろう。私が腑に落ちた理由というのは、経済政策です。
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メディアでは景気が良いと、このところずっと日本は景気が良いという風に報道されてきました。しかし二〇一七年末の世論調査では、景気回復を実感していないという回答が八二%を占めるという状況があります。
そして統計の不正が発覚し、明らかになったところによれば、私たちの実質賃金は下がっているということです。
派遣法が変わったことによって、派遣社員などの不安定な立場で働かざるを得ない人も増えています。働き方改革や入国管理法の改定によって、働く人はますます苦しい立場に追いやられています。しかも、若者は学生のころから奨学金のローンを背負い、就職したてのころからその返済に苦しめられるっていう状況があります。
そんななかで、私たち庶民が消費に回せるお金も減り、それによって、中小企業、日本の大多数を占める中小企業の経営もとても苦しい状況になっているといわれています。
日本の国のなかでお金が回らなくなっている。こんな状況で世界経済に何かあれば、私たちの生活が本当に、徹底的に壊されてしまうかもしれない。今そんな状況にあります。
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大多数の国民の願いは、――こんななかで消費税を一〇%に上げるなんてとんでもない。そして消費税引き上げストップだけでも足りない。むしろ引き下げてほしい。緊縮財政をとるのではなく、お金持ちではなく、庶民の側に国が積極的にもっとお金を回してほしい。積極的に財政出動をしてほしい。つまり反緊縮政策をとってほしい――そういうことだと思います。
ところが、野党は消費税の引き上げには反対と言うものの、本当にそれができるのか? また、野党側が政権をとったときに緊縮財政をとり、結局、私たちの生活を苦しめるのではないか?――国民からそういうふうに疑われているのではないかと思います。
もし、今の与党が、消費税引き上げ凍結を掲げて、衆参同日選挙に踏み切れば、衆議院と参議院で三分の二以上の圧倒的な勝利となり、憲法改正についての話もすぐに進んでしまう。そういう状況になりかねません。
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共産党さんはこれまで徹底的に庶民の立場に立ち、消費税反対、お金持ちからもっと税金をとろうとずっと言ってこられました。積極的に財政出動をして庶民の側にお金を回すべきだということもずっと言ってこられました。
いまこそ経済政策について野党共闘の中身をもっと進めて、国民の願いにこたえられる野党共闘にする。そのことが本当に求められると思います。
いまはイデオロギーの違いを問題にするのではなく、自由や立憲主義を守るためだけでもなく、経済、すなわち私たちの生活を守るために野党共闘をする。その中身を共通政策をさらに進める。それが求められていると思います。
そのなかで、共産党さんの役割は大きい。共産党さんに頑張っていただきたい。
そんな思いで、私は共産党さんと山下さん、金田さんを応援しています。ぜひ、国民ために、消費税引き下げ、そして反緊縮などについても頑張っていただきたいと思っています。

(兵庫民報2019年6月2日付)

山下よしき「『死者』が権力を縛る九条」

連載エッセイ16

憲法九条は、机の上でできたものではありません。日本国民三百十万人、アジアの人々二千万人もの犠牲をもたらした、日本が起こした戦争への深い反省から生まれました。「戦争はしない」「戦力は持たない」と決意した九条には、内外の犠牲者の無念、残された者の平和への願いが刻まれています。
ある雑誌で対談した「保守」を自認する哲学者の中島岳志さんは、「保守の立憲主義は、基本的に国民が権力を縛っていて、この国民の中には死者が含まれていると考える」と述べました。まさに、戦争で犠牲となった「死者」が権力を縛っている。それが憲法九条です。「死者」の縛りを解こうとする安倍総理は、もはや「保守」とは言えません。
九条は、誕生後、国民に広く定着し、日本社会の姿形を決める根幹となりました。自衛隊員が海外で「殺し、殺される」ことのない状態をつくり、軍事費を抑制することで民生分野中心の経済成長を促しました。科学と文化が人類の福祉増進に貢献する基礎となったのも九条です。
私は、こうした九条が戦後の日本社会で果たした役割について、安倍首相の認識をただしましたが、首相からは一言も返ってきませんでした(二〇一七年十一月)。九条が果たした役割について一言も語ることができない人に、九条を変える資格はありません。
過去の「死者」の無念を踏みにじり、新たな「死者」をつくろうとする為政者を止めるのは、いま生きる私たちです。
(日本共産党参院議員・党副委員長)

(兵庫民報2019年6月2日付)

三田市長選挙:長谷川よしき氏を擁立

―あたたかい三田市政をつくる会


三田市長選挙は、七月十四日告示・参院選と同日の七月二十一日投票で行われる予定です。
あたたかい三田民主市政をつくる会は、日本共産党三田市議の長谷よしき氏(67)を無所属候補として擁立することをこのほど発表しました。
長谷川氏は、「市民病院と中学校を守ります」と訴え、市民病院は現在の場所で存続充実/中学校統廃合はいったん白紙に戻し、住民の意見を十分に尊重/中学校卒業まで子どもの医療費をふたたび無料に/どこに住んでいても安心の外出支援――などの政策を掲げています。

(兵庫民報2019年6月2日付)

党灘区委員会:子育てママ・パパのためのサークル&交流会

若い世代に寄り添う党に

今回のパパは味口としゆき市議ひとり。

日本共産党灘区委員会は五月二十四日、「子育てママ・パパのためのサークル&交流会」をひらきました。同委員会では、四月の県・市議選挙の結果を受け、「若い世代の意見を聞こう」「若い人に寄り添う党になろう」と話し合い、その企画として開催したものです。
最初に、味口俊之・神戸市議が挨拶し、「七月参議院選挙は絶対に勝ちたいと思っています。そのためにも、子育てで苦労しているみなさんの意見をぜひ聞かせてほしいのです。政治のこと、日本共産党のこと、地域のこと、みなさんの願いや思いを教えてください」と呼びかけました。
参加者は全員、小学生の子どもがいるママでした。最初に話題になったのは、小学校の仮設校舎の問題。「近所にまたマンションが建てられようとしている。今でも成徳小学校はエレベーター付きの仮設校舎ができているのに」「高羽小学校と同じように改善を求めてほしい」と切実な思いが話されました。
また、こうした企画に初めて参加したお母さんが、「神鋼の火力発電所は目の前にあるから気になるけど、情報がないから、どう考えていいか分からない」と話すと、神鋼石炭火力発電所増設中止を求める裁判に関わっている女性は「何回もチラシをまいて、チラシを見てくれる人もいるけど、未だに知らない人も多いってことですね」と応じました。
この他、「情報提供は、あれば知りたい」「自分たちが思ってる事があれば、議員が動いてくれると初めて知りました。声をあげられる場所があるんですね」「政治に関心のないママ友も連れてきたい」「味口さんの情報提供が二十分は長すぎる」などたくさんの意見が出されました。
次回は六月十四日十時から弓木南住宅集会所でひらきます。
―味口としゆき(神戸市議)

(兵庫民報2019年6月2日付)

兵庫県憲法会議が総会・学習会

安倍壊憲の向こう側に日米安保同盟の未来予想図

憲法改悪阻止兵庫県各界連絡会議(兵庫県憲法会議)は二〇一九年度総会を五月二十一日に開催。まず憲法学習を行ない、「日米安保同盟の未来予想図?―二〇一八年度アーミテージ゠ナイ報告」をテーマに木下智史関西大学教授(憲法会議幹事)が、トランプ・安倍関係の背後にある動きを解説しました。
木下氏は、▽二十一世紀に入り冷戦終了後から始まった日米軍事同盟が繰り返し強化されてきたこと▽米国の戦略国際問題研究所内から発信されている「アーミテージ゠ナイ報告」も今回の四次まで行われてきたこと、とりわけ二〇一二年の三次報告が最も日本に厳しい要求(原発再稼働、TPP、集団的自衛権解禁など)をし、安倍政権がこれに忠実に従っていること▽一方でトランプ登場後の揺れ動く政策の渦中で、今回の四次報告はかなり雑駁な点があること―などを解説しました。
さらに、トランプ政権は、米国製武器爆買い、日中貿易問題に象徴される経済問題でのアメリカへの忠誠も求めています。
いま、「安倍壊憲」とたたかうなか、「壊憲の向こう側にある」こうした事実について、参加者から幾つも質問が出され、互いに理解を深めました。
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総会では、上脇博之事務局長から二〇一八年度の活動報告、二〇一九年度の方針が提起され、憲法をめぐる全国情勢、兵庫県内情勢もリアルに報告され、これに伴う活動方針も提案されました。
参加者から、今年から毎月行われているミニ学習やきょうの木下教授の講演もあったが、恒常的な憲法講座を開いてほしいとの要望も出されました。
今回の総会で、上脇博之教授に替わり、福嶋敏明神戸学院大学教授が兵庫県憲法会議の事務局長に就任しました。
―速水二郎

(兵庫民報2019年6月2日付)

10月消費税10%ストップ!:毎月第4土曜宣伝


「十月消費税一〇%ストップ!兵庫県ネットワーク」が五月二十五日、元町大丸前で定例宣伝行動を八団体(兵庫県保険医協会、兵商連、県労連、新日本婦人の会県本部、消費税なくす会など)から二十一人の参加で行いました。
今回は立憲民主党から桜井周衆議院議員が連帯の挨拶を行い、国会情勢と増税へのデメリットを話しました。

桜井周衆院議員

各団体からもそれぞれに消費税増税反対を訴えました。日本共産党の西ただす神戸市議は「お金持ちへの所得税や大企業の法人税優遇をやめるべきです。それが公平な負担ということです」と訴えました。

西ただす神戸市議

政府関係者から、増税延期や凍結の声が聞こえる中、消費税一〇%増税を行うよりも軍事費や、輸出産業への多額の消費税還付金など今の税金の使い方を見直せば、社会保障費の問題や、教育無償化などに十分対応ができるはずです。
世間は「増税はもう決定事項」と半ばあきらめのムードが漂っていますが夏の参議院選挙も含めてまだまだ巻き返すことができます。
この街頭宣伝行動は、毎月第四土曜日十三時から元町大丸前で行っています。
―大林克実(兵庫民医連)

(兵庫民報2019年6月2日付)

沖縄が問う日本の民主主義――関学の会が講演会

「〝連帯する〟とは何か? 自身で考え、できることからやっていってほしい」

沖縄を考える関西学院の会(代表=長岡徹法学部教授)が講演会「沖縄が問う――日本の民主主義」を五月二十五日、同大学上ヶ原キャンパスで開催しました。講師は一九年二月二十四日に行われた沖縄県民投票の際にハンガーストライキを行い世間の関心を集めた元山仁士郎氏(「辺野古」県民投票の会代表)と沖縄戦後史研究家の櫻澤誠氏(大阪教育大学准教授)。
元山仁士郎さん
元山氏は県民投票の実際の様子や舞台裏などを詳細に報告し、「沖縄に〝連帯する〟〝意思に応える〟とは何か?ということをみなさん自身で考えてほしい」と聴衆に提起。そして、「県民投票のことを周りに知らせたり、デモに参加したり、近くの議員に〝県民投票を尊重せよ〟という意見書を採択するよう働きかけたりなど、できることをやっていってほしい」と具体的な行動を促しました。

櫻澤誠さん
櫻澤氏は沖縄戦後史における「民主主義」の実践課程(一九五六年の「島ぐるみ」闘争から、現在の「オール沖縄」に至るまでの経緯)を史実を基に解説。その中で同氏は「『島ぐるみ』は〝対米軍〟が意識されていたのに対して、『オール沖縄』は〝対日本〟が意識されている」と、その根本的な違いを明らかにしました。そして、「民主主義を踏みにじるような政権が存在しているのも、我々の民主主義の結果なんですよね」と問題提起を行いました。
―ひぐち光冬(西宮市議)

(兵庫民報2019年6月2日付)

どうなる?2020年以降の電力事情

兵庫電力の会が学習会

「どうなる? 二〇二〇年以降の電力事情」をテーマにした学習会を兵庫電力の会が五月二十五日、あすてっぷKOBEで開きました。
「電気をつくる=発電所」「電気を買って使う=家庭や工場・ビルなど」、そのため「電気を届ける・運ぶ」設備が必要で、交通で言えば道路・鉄路に当たるモノが、送電線・配電線です。
日本は約七十年前、列島を九つの地域に分け、地域ごとに電力会社をつくり、「発電・送配電・電気の小売り」を各地域一社で独占するという形で運営されてきました。この形態は近年、原発立国政治のもと高い電気料金への批判もあり、二〇〇〇年頃から「電力自由化」がはじまり、二〇一六年から一般家庭も電力会社を自由に選べる様になりました。
そしていよいよ二〇二〇年四月から、例えば関西電力の場合も、電気をつくる、届ける、売り買いする、これら部門のすべてを分割するようになります(これは「電力システム改革」と呼ばれています)。そうなると「電気代はどうなる?」「どこから電気買うの?」「電柱や電線の維持はだれがするの?」「関電は素直に従うの?」などの疑問だらけです。
この日、電力兵庫の会・速水二郎さんが豊富な資料で市民にわかりやすく解説しました。原発の電気をやめて太陽光や風力の電気が爆発的に増えていますが、市民の目に映っているのは原発にしがみついて、関電と大阪ガスによる顧客の奪い合いや囲い込み合戦です。この大本の問題点もリアルに指摘。送電線・配電線を公平・公正に維持運営する大切さ、さらに経済的弱者も困らせない電気代の最低保障の確立、などの具体策も提起しました。
速水さんは最後に、スマートメーターがほとんどの家庭に付けられるなか、このビッグデータが日本型監視社会の一翼を担わないように消費者の基本的人権の擁護も強調しました。
参加者から「何で関電が原発にしがみつくのか、その理由が知りたい」の質問が出され、参加者が互いに解説しあう形となり、理解が深まりました。

(兵庫民報2019年6月2日付)


カンキン行動神戸が360回


関西電力兵庫支社前で毎週金曜日に続けられている「カンキン行動」の三百六十回目が行われました。
参加した市民が「関電本店を包囲する全国集会に参加してきた。御堂筋を二時間デモ、太鼓の音が元気だったので疲れなかった」「福島県からの避難者の訴訟が大阪であったので参加してきた。原告の森松さんは日本国憲法に基づいて、被曝しない権利について主張していた。やはり憲法が大事」「ここでの行動もそうだが、『諦めない』ということが大事」など次々と発言しました。
終了後は関電兵庫支社前から三宮センター街を通ってマルイ前までパレードを行い、「手のひらを太陽に」「およげたいやきくん」の替え歌でアピールしました。通行人からも手拍子や拍手などの反応が相次ぎました。

(兵庫民報2019年6月2日付)


ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記

副島圀義

「自らを救い、私たちの体験を通して人類の危機を救おう」の精神でのたたかい

五月二十三日、大阪地裁。お二人の訴えについての判決は、Wさんが勝訴、Tさんが敗訴との結果でした。


判決後の報告集会で愛須勝也弁護士は「提訴から五年半、難しい事件だった」「糖尿病も慢性腎不全も、放射線起因性がほとんど認められてこなかった」と述懐。
そのうえで、慢性腎不全(IgA腎症)の放射線起因性が認められたWさんについての判決について「国側の主張を退け、低線量領域
を含めて慢性腎不全発症への放射線起因性を認めた判決の意義は大きい。これは原爆症審査基準の見直しを求める根拠となるだろう。それだけに、この判決に従え、控訴はするな、と求めることがたいへん重要」と強調しました。

いっぽう、慢性肝炎と糖尿病で認定を求めてきたTさんについて、被爆との関連性を国は認めようとせず、判決もそれを覆さなかったわけです。
報告集会でTさんは「たぶん控訴して引き続きたたかうことになると思う」と表明されました。
私は昨年十月三十一日にTさんが証言されたときの傍聴記に、次のように書いたことを思い起こしています。
―Tさんはいつも傍聴席におられます。
「国の言い分は原発事故や核実験の被害を極力認めないことにもつながる。そんなことを許してはならないと思っている」とも言われました。
Tさんはまさにご自身の病気と被爆とのかかわりを、原発事故や核実験の被害につながる課題としてたたかってこられたのです。
「自らを救い、私たちの体験を通して人類の危機を救おう」(日本被団協結成宣言)の精神だと、あらためて感じさせられました。

(兵庫民報2019年6月2日付)

旧優生保護法の違憲性を認めよ―被害者側が主張


旧「優生保護法」によって不妊手術や人工妊娠中絶手術を受けさせられた兵庫県内の障害者五人が国の責任を問い、起こした裁判の弁論(第三回期日)が五月二十三日、神戸地裁で行われました。
昨年九月に提訴した聴覚障害者の小林宝二さん(87)・美子さん(86)夫妻と八十代夫と七十代妻の夫妻に加え、今回から二月に提訴した脳性まひのある鈴木由美さん(63)の裁判が一緒に審理されることになりました。
原告は、本人に説明・同意もなく不妊手術を行ったことは、個人の尊厳と幸福追求権を保障する憲法十三条に違反していること、国は優生思想にもとづく手術を実施しないよう指導すべき義務を怠ったばかりか積極的に推進したことを追及。
また、一九九六年の旧優生保護法改正時点で九八%の被害者について、「除斥期間」(損害賠償の請求権が消滅する期間)である二十年が経過していることを分かっていながら、同法被害者について除斥期間の適用対象から除外する法律を制定することを怠り、国の賠償責任を定めた憲法十七条に違反していると主張しています。
一方、被告である国側は、こうした憲法違反だとの原告の主張に対し、反論の必要はないとしか答えようとしていません。

(兵庫民報2019年6月2日付)

神戸演劇鑑賞会6月例会:青年劇場『みすてられた島』


みすてられるか、みすてるか。二〇XX年。ある島で突然起きた「独立話」に、島民は大騒ぎ。「独立」するってどんなこと?寝耳に水の話にとまどった。
夏の夕暮れ。とにかく、島の有力者たちは島長・児島の家に、次々と集まってきた。児島家では日常の生活が営まれている。その中で、ちゃぶ台を囲み、島の独立についての話が始まった。国を作るには、まず、〝憲法〟が必要だと切り出した。「憲法」って? 聞き慣れない言葉に、それって漢方のこと? 違う。では、「条文」って、薬の錠剤のこと? 憲法についての島民の知識はこの程度のもの。しかし、独立を、自分のこととして考えた島の人は、頭を絞りながら、この問題と向き合った。最後に残った問題は〝平和〟のこと。熱心な話し合いが続き、「武力の保持は放棄する」ことで決着が付いた。
けれど、島の独立問題は憲法だけではなかった。島に残るか、出てゆくか。島の未来は。問題が山積していた…。
この舞台は群像劇で一人、ひとりが主人公。舞台を流れているのは喜劇。俳優の熱演も、熱が入れば入るほど、面白い。が、舞台は、どこか、現代を生きている私たちの問題と似ている。笑いながら、考えてみませんか。
作者・中津留章仁は大分県出身で、日本の現代をしっかり見据え、リアルに描く、旬な作家です。
―小谷博子
秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場公演 『みすてられた島』
作・演出=中津留章仁 出演=吉村直、藤木久美子、葛西和雄ほか/①6月11日(火)18時30分②6月12日(水)13時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金1,000円と月会費2カ月前納)、月会費3,500円(大学生2,000円、中高生1,000円)/Tel. 078‐222‐8651、Fax078‐222‐8653

(兵庫民報2019年6月2日付)

亀井洋示「本音を言われて大あわて」


(兵庫民報2019年6月2日付)

観感楽学

日本は比較的犯罪の少ない国といわれるが、それでも殺人や強盗などの事件は毎日のように報道される。ところで、自分や家族が襲われ被害を受けることを想像したことがあるだろうか。また被害者や家族の生活がその後どうなったか、思いをはせたことがあるだろうか▼二〇〇二年三月、元尼崎市議の藤本護さんは、以前から生活相談に乗り、面倒を見ていた男に突然襲われた。一緒にいた妻は刺殺され、藤本さん自身も重傷を負った。懲役二十年の刑が科せられた加害者はアルコール幻覚症による心神耗弱とされ刑は半分に減刑、十年後に出所してきた。危険を避けるため藤本さんは姫路へ転居。その後、犯人が死去し、危機は回避されたが、裁判所が決定した損害賠償額は、資産能力のない犯人からとりようもない。これが被害者の現実の姿である▼理不尽な被害を受けながら何の補償もない悲惨な被害者の実情を訴え、救済するため「犯罪被害者補償を求める会」がシンポジウムを開催する。九十歳になるFさんは、「犯罪被害者を支える制度を」神戸から発信しようと自治体に足を運び、「せめて自賠責程度の補償を国が立て替え払いし、加害者に請求する制度を」と国に求める運動を起こしている▼考えてみれば「明日は我が身」。苦しんでいる犯罪被害者の声を聞き支援の輪を広げたい。シンポジウムはJR元町駅北側の兵庫県学校厚生会館で六月八日(土)十三時三十分から。(D)

(兵庫民報2019年6月2日付)