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2019年5月26日日曜日

県民の願いを省庁へ(下)

――金田峰生氏と日本共産党県・市議団


日本共産党の金田峰生国会議員団兵庫事務所長、入江次郎県議、苦瓜かずしげ・村原もりやす両姫路市議、山本賢司香美町議は五月十四日、「医師不足問題」と「風力発電事業問題」について厚生労働省、環境省、経済産業省から説明を受け、要請しました。大門みきし参院議員が同席しました。

厚生労働省医師不足解消を

姫路医療センター(独立行政法人国立病院機構)では、今年三月に外科医五人が退職、京都大学からの補充が得られず、手術予定患者を他病院に転送するなどの事態が起こり、金田氏らはこれまで状況の聞き取りなどを行っていました。
今回、「派遣医を常勤医にする」「内科との連携を強める」などで、「これまでと同等の医療提供ができる見通しとなった」との報告がありました。
一方、大学が派遣医を引き上げるなどによる県内病院の〝医師不足〟は深刻であり、さらに在宅医療の〝受け皿〟も整っていないのに、国は患者を在宅へ誘導しています。
「医師確保について厚労省はどう認識し、対策を講じようとしているのか」との問いに厚労省の担当者は、「都道府県に計画をつくってもらい、例えば医師が多い地域から少ない地域に派遣してもらうなど、医師の偏在を調整する」と説明。金田氏は、「安定した地域医療の提供と医師の負担軽減のためにも、常勤医の確保を基本とするべきです」と主張しました。
入江県議は、在宅医療需要の増加の一方、在宅医療にあたる医師が減少傾向にあると指摘。「若手医師確保のための環境整備を進めて欲しい」と要望しました。

環境省・経済産業省

新温泉町大規模風力発電事業に反対
新温泉町で進められようとしている大規模風力発電事業計画について環境省と経済産業省に聞き取りと要請を行いました。
環境省の担当者は、地元住民から不安の声が寄せられている風車騒音に関して、「超低周波音・低周波音と健康影響については、明らかな関連を示す知見は確認できない」と説明。
大門氏は、「環境省が騒音問題(聞こえるかどうか)だけを解決しようとすれば、低周波の問題はおざなりにされ、事業者に都合よく解釈されることになる」と指摘。金田氏は、「現時点で絶滅危惧種をはじめ自然環境破壊を回避できない事は明らか。環境省は環境を守る省なのだから、当該事業に反対して頂きたい」と迫りました。
山本氏は、事業者名の変更などから、住民の間で事業者への不信感が広がっており、事業者の説明は信用されないと指摘。金田氏は、地元は強く反対しており、地元住民の合意を重視するとの大臣答弁に応じて当該事業を認めないよう、強く求めました。
また、地域主体の再生可能エネルギー事業の推進を要請しました。

(兵庫民報2019年5月26日付)

新温泉巨大風力発電問題を考える会が学習会

野鳥と共存できる環境を子どもたちへ残そう

新温泉巨大風力発電問題を考える会は五月十七日、新温泉町で「巨大風力発電で棲息する野鳥はどうなる」と題し、日本野鳥の会ひょうごから講師を招き、学習会を開き、三十七人が参加しました。
最初に、考える会の中井次郎代表が経過報告。「熊谷地区に二件の反対看板が設置された。県知事も四月十五日の県・市町懇話会で反対を表明した。しかし、国会での岩渕友参議院議員(日本共産党)の質問に世耕弘成経済産業大臣は『違法性がなければ中止できない』と答弁した。事業が強行される恐れもある。最後まで油断はできない。本日の学習会は、野鳥の棲息を通して、自分の住み暮らす町はどんな町かを考える機会になれば幸いです」と述べました。
講師を務めたのは日本野鳥の会ひょうご研究グループ研究員の下土居知子さん。
下土居さんは、日本野鳥の会ひょうごが昨年三月から行った調査で、七十八種類の野鳥が確認され、特にクマタカ、サシバが事業予定地の真ん中に棲息していることが判明し、新温泉町長あてに風力発電施設建設中止を申し入れたことなどを報告しました。
さらに、風車を運搬する際に山を削ること、低周波、バードストライク(野鳥が風車にぶつかる)、生活圏の分断などの被害が予測されると指摘し、野鳥と共存できる環境を子どもに残すべきだと訴えました。
―中井次郎(新温泉町議)

(兵庫民報2019年5月26日付)

金田峰生「憲法いかし国民幸福度トップクラスめざそう」

連載エッセイ11

憲法九条改定に反対する署名に若い自衛官が何人も応じているという話を聞きました。
安倍首相は自衛隊が憲法違反の存在だと自衛官の子どもが悲しむなどと言いましたが、子どもが悲しむのは、お父さんやお母さんが遠い戦場に行かされ、命を落とすことです。憲法九条が自衛官の命も守ってきました。
「攻めて来たらどうする」ではなく攻めて来られないように、戦争を起こさないように、日本は憲法九条を生かした主体的・積極的な平和外交を行い、憲法九条をアジアのルールに広げるべきです。
憲法十三条は「すべて国民は個人として尊重される。生命、自由および幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と謳っています。私は素敵な条項だと思いますが、安倍政権はこの憲法をみっともないというのです。そんな政権が社会保障を良くする訳はありません。国民の権利・民主主義を守るはずがありません。平和も民主主義も壊す安倍政権の改憲は断固として阻止しなければなりません。
立憲主義を取り戻すために、集団的自衛権行使容認閣議決定を撤回しなければなりません。そのためには安倍政権を倒し、立憲野党が多数派となり、政権を握らなければなりません。みなさんと野党の共同、そして野党共闘を握って離さず、全力を尽くします。
憲法通りの政治で、国民幸福度トップクラスの国づくりをめざしたいと思います。
(日本共産党国会議員団兵庫事務所長)

(兵庫民報2019年5月26日付)

加西市議選:井上芳弘氏が9選

加西市議選(定数十五・立候補十七人)は五月十九日投開票で行われ、日本共産党の井上芳弘氏(67)=現=が九選、現有議席を確保しました。
井上氏の地元から新人三人が立候補するなどいままでになく激しい選挙戦となったもと、井上氏の得票は千百五十八票、得票率五・一〇%(投票率六二・六八%)。
前回は千三百四十一票、得票率五・五七%(立候補十九人)、二〇一七年衆院比例での日本共産党の得票は千二百四十三票、得票率六・三二%でした。

(兵庫民報2019年5月26日付)

憲法守れ平和が一番スタンディングIN川西


安倍九条改憲NO!全国市民アクション川西実行委員会は、十九日に阪急川西能勢口駅前アステ歩道橋で「憲法守れ平和が一番スタンディングIN川西」を行い百二十人が参加しました。

二部構成の一部は憲法を知り、語り、守ろうと呼びかけ、長野たかしさんの歌や憲法クイズ、子どもたちのアピールなど文化行事で盛り上がり、二部は護憲派議員によるアピール。
訴える金田氏(中)と大門参院議員(左)

日本共産党の大門みきし参院議員が、安倍改憲の危険性を告発し軍事費拡大につながる消費税の増税を止めて改憲阻止しようと訴えました。金田峰生参院兵庫選挙区予定候補は、維新議員の戦争発言を許してはいけない、平和外交と九条をアジアのルールに広げようと訴えました。立憲民主党は、桜井周衆院議員が国会の議論を報告し、原発廃止を訴え、安田真理参院兵庫選挙区候補は憲法と平和を守る決意を述べました。社民党は、服部良一元衆院議員が大阪の都構想、カジノなど維新と対峙する共闘のたたかいを紹介し、「オール沖縄」のような運動を呼びかけ、大椿裕子参院比例候補が自身の雇い止め経験も紹介して「八時間働けば普通に暮らせる社会」を取り戻そうと訴えました。超党派の川西市議もそれぞれ訴え、参加者全員で「九条壊すな」プラカードを掲げてコールしました。
―吉岡健次(川西市議)

(兵庫民報2019年5月26日付)

伊丹革新懇が総会・記念講演会

消費税、戦争、そしてカジノ――こんなものいらない!と思いきり叫ぼう

伊丹革新懇は五月十八日、第七回総会を伊丹市立図書館「ことば蔵」で開催し、五十五人が参加しました。
総会に先立って開いた記念講演会では、フリージャーナリストの西谷文和氏が「こんなものいらない!消費税、戦争、そしてカジノ」と題して講演しました。


西谷氏は、消費税はいらない、税金は金持ちからとるのが当たり前という話を皮切りに、戦争の話へと進み、南スーダンの自衛隊宿営地から帰還した隊員が鬱・PTSDを発症し自殺者まで出るような危険な状態であったことなどを映像で示しました。国会答弁ではこういった真実を隠し、テレビなどのメディアでもニュースに流されない状態にされていること、これまでも戦争で儲けたい人々が戦争を始めるためにメディアを使って国民に嘘の情報を流してきたことを、アメリカ、ドイツ、日本の例を挙げて説明しました。
また、安倍政治と維新政治には親和性があり、フェイクニュースで言葉の置き換えを駆使したり、カジノだけでは反対がでる可能性が高い事業を「万博」という大義のもと、協力しあってすすめていると指摘しました。
最後に西谷氏は、今、重要なのは「忘れない」「あきらめない」「騙されない」こと、「こんなものいらない!」と思い切りさけぶことであり、「アベ政治」打倒の契機となるのが次の参議院選挙、今こそ野党と市民の共同を進めていこう、と訴えました。
総会では、兵庫革新懇からのメッセージの後、会員である立憲民主党の桜井周衆議院議員と相崎佐和子新県議(六月十一日から)が挨拶、日本共産党の上原ひでき伊丹市議と立憲民主党の高橋あこ同市議も紹介されました。事務局から「昨年度の活動報告」「会計報告」「今年度の活動方針&年間行事計画」「予算案」「役員案」が提案され、すべて承認されました。
―中島隆夫(同革新懇)

(兵庫民報2019年5月26日付)

星和台・鳴子九条の会が総会・学習会

生活と深くかかわる九条を守ろう

吉田弁護士の講演を聞く

神戸市北区の星和台・鳴子九条の会が五月十九日、第十四回総会と学習会を開きました。
総会では、佐野経子事務局長が、この一年間で三千万署名を八百三十二人に広げるなど大きな成果の上に、生活と深くかかわる九条を守る活動のさらなる強化をと訴えました。
学習会では、吉田維一弁護士が「ストップ! 改憲発議――九条改定で変わる私たちの生活とは」を演題に講演。安倍政権が今後五年間でF35戦闘機に一・七兆円、「いずも」空母化に五千億円、一機百億円のオスプレイなど二十七・五兆円もの軍事費をつぎこもうしているが、税金は年金、医療、介護、給付型奨学金制度拡充など暮らしと平和を守るために使うべきだと述べ、九条を守ることが今、とくに大事になっていると強調しました。
―泊満春(同会)

(兵庫民報2019年5月26日付)

兵庫県平和委員会定期総会

平和への流れさらに前進させよう

兵庫県平和委員会は五月十八日、神戸市内で定期総会を開催しました。
総会では、▽昨年から北東アジアで南北首脳会談、初の米朝首脳会談が行われるなど、武力でなく話し合いによる懸案事項の解決という平和の流れが大きく前進したこと▽この流れを前進させる私たちの活動が重要なこと▽しかし国内では、沖縄県知事選挙、豊見城市長選挙、那覇市長選挙で「辺野古への米軍新基地は要らない、普天間基地の即時閉鎖・撤去」を訴えるオール沖縄の候補が勝利したにもかかわらず基地建設をやめない安倍政権の異常な姿が鮮明となっていること―などの情勢が報告されるとともに、▽兵庫県平和委員会が全県に沖縄県知事選挙・県民投票支援を呼びかけ、それに応じて七百人を超える人々から四百十五万円もの募金が寄せられ、二十名以上の現地支援者を送り出すなど、全国的にも先進的な活動で沖縄の運動に貢献できたこと―が紹介されました。
また、新入会員が「私は今まで平和委員会の呼びかけがありませんでした」「声を掛けると入会者はもっと増えるのでは」と発言するなど活発な議論が行われました。

講演する千坂さん

総会のあと特別講演を日本平和委員会事務局長の千坂純さんが行いました。千坂さんは、自衛隊が殺し殺される戦場に向かう準備として「負傷者をどうするか」「戦死者が出た時の対応」などの訓練が行われていること、命令に従う組織づくり一つの表れとして「防衛大学でのいじめの実態」が裁判で明らかとなっていることをあげ、「改憲がめざす中身をリアルに知らせることが大切だ」と訴えました。
―田中信一(兵庫県平和委員会)

(兵庫民報2019年5月26日付)

兵庫県自治体問題研究所総会記念講演

自治体戦略2040構想と地方自治・地方財政

兵庫県自治体問題研究所は五月十八日、神戸市内で、総会に続いて、記念講演会を開催。約七十名が参加しました。平岡和久・立命館大学教授が「自治体戦略2040構想と地方自治・地方財政」と題して講演しました。


総務省の研究会が報告し、第三十二次地方制度調査会での議論のもとになっている「自治体戦略2040構想」は、超高齢化、労働力減少が進む二〇四〇年頃には自治体改革が不可避として、①スマート自治体―AI等により業務の標準化、職員数を半減②公・共・私による暮らしの維持―「公」であるスマート自治体はサービス供給をやめ、公共私の協力関係の調整役に、「共」は地方部では地域運営組織、大都市部では地域を基盤とした新たな法人、「私」は観光、地域交通、子育て支援等でのシェアリングエコノミー③圏域マネジメントと(府県と市町村の)二層制の柔軟化―市町村連携の圏域行政を標準とし、それ以外は府県が補完④東京圏のプラットフォーム――を提起しています。
「構想」について平岡氏は、地方統治構造改革の一環、道州制への布石、集権的な行財政合理化至上主義・公共サービスの産業化、地方自治や公共性・多様な基礎的自治体の存立を壊すもの、圏域行政の標準化は地方交付税の単価切り下げ・総額の抑制につながる――などと批判しました。
また、「構想」の内容が既に施策化されているとして、地方交付税のトップランナー方式、公共施設等総合管理計画、公営企業改革(上下水道の広域化、コンセッション方式等)、自治体業務プロセスの標準化・共通化(自治体の独自性を奪う)、窓口業務の民間委託などを批判的に紹介しました。
こうした動きに対して平岡氏は、公務・窓口業務を公務員が担うことによって住民ニーズの把握や他施策との連携も可能になること、上からの連携強制ではなく、各自治体が自前ではできない部分について対等・平等な連携に取り組むべきこと、自治・公共性・人間性を擁護してこそ成長戦略になること、税財政改革による基礎的・普遍的サービスの無償化など再配分機能を高めること――などを強調しました。
―岡田裕行(同研究所副理事長)

(兵庫民報2019年5月26日付)

沖縄格安ツアーで辺野古、米軍基地、沖縄戦を学ぶ

成山太志(兵庫労連議長)


首里城

「沖縄三泊四日レンタカー付きで三万円の格安ツアーに」と誘われ、十二日から郵政ユニオンの仲間と四人で行ってきました。私は知事選挙応援では二回行きましたが、基地も戦跡も見てないので良い機会でした。
格安ツアーとあって飛行機の時間が中途半端です、那覇空港着後、レンタカーを借りてホテルにチェックインする頃にはすでに夕方、一日目が終わりました。

辺野古のフェンス

二日目は、辺野古のゲート前と漁港の座り込みテントを訪問、テントでは東京から沖縄に移住して三十七年という男性が現状について説明してくれました。

座り込みテント

その後、古宇利島と美ら海水族館に寄って、嘉手納基地が一望できる「道の駅かでな」の展望台へ。想像以上に広大で展望台からでは全体を写真に納められません。

嘉手納基地

それから普天間基地が一望できる嘉数高台公園の展望台へ。やや遠目ですが密集地に隣接している様子が分かります。あのオスプレイが並べて駐機してあるのも確認できました。

普天間基地

また展望台の横には旧日本軍のトーチカがありました。トーチカはコンクリート製で厚さ一メートル、中は二メートル四方の空間があり兵士三人が入っていたそうです。前面に銃撃用の穴が二つ、裏面には六十センチ四方ほどの小さな出入口が地面すれすれに開いていました。前面は砲撃でコンクリートが崩れ鉄筋がむき出しでした。

トーチカの前面

翌日の資料館で知ったのですが、普天間あたりから首里城までが沖縄戦の激戦地でアメリカ軍は四キロ進むのに四十日を要したそうです。

平和の礎

三日目は首里城を見学した後、南部にある平和祈念公園に、資料館を見学し、「平和の礎」では沖縄戦の犠牲者二十万人以上という数の多さを実感しました。ひめゆりの塔と資料館に行くと修学旅行生が大勢来ていました。私もできればもっと若い頃に見ておくべき資料館だったと思いました。最後の見学地は瀬長亀次郎の「不屈館」と決めていましたが、あいにく休館日、残念でした。

(兵庫民報2019年5月26日付)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記

副島圀義

「被爆者への信頼」は被爆者援護の基本精神ではないのか

四月二十六日、原告Nさんと郷地秀夫先生の証言を聴きました(大阪地裁第二民事部)。
長崎で被爆した時、四歳だったNさん。お父さんが肝臓がん、お兄さんが白血病で早くに亡くなり、ご自身も貧血、声帯ポリープ、甲状腺機能低下症、大腸ポリープなど次々と病気をし、乳がんで原爆症認定を申請しました。
国側が被爆との関係を認めようとしない理由は「八月十日、十一日に母に連れられて爆心地近くの三菱兵器工場跡におじさんを探しに行った」ということが疑わしい、というものです。被爆者健康手帳申請書や原爆症認定申請書などに書かれていることの多くはNさんがお母さんから聞かれたこと。
国側代理人は「お母さんから初めて聞いたのはいつ頃だったか」「原爆が落ちた時、お母さんはどうしていたか」「おじさんやおばさんが証明書を書いていることとお母さんから聞いた話とに食い違いがあるが…」などと質問しますが、闘病中で八十一歳のNさんは「今でははっきりと思い出せない」「よくわからない」「そこに書いているとおりだと思うが、よく覚えていない」と率直に答えられました。
国側代理人は、郷地先生にも「医師意見書に、Nさんが爆心地近くに行ったと書いているが、それはNさんから聞いたことか?」と質問しました。
これに対して先生は、「患者さんから聞いたことを信頼しないでどうして医師が務まるか? そもそも、被爆者の訴えを受けとめることが『被爆者援護制度の基本精神』ではないのか。被爆者を疑ってかかることがおかしい」と批判しました。
問題の根本に迫ることばだと強い印象をうけました。
「原爆投下の直後に幼子を連れて爆心地近くに行くのか?」との国側の追及に対しても郷地先生は「原爆投下直後の惨状下で、幼子を一人残して行くのか?」と直球で反論しました。
同時に原告側は、郷地先生がただ「被爆者の肩をもって」証言しているのではないことも明らかにしました。先生は二千人もの被爆者医療に携わりながら、原爆症認定申請での医師意見書を出したのは、国の基準や司法判断に照らしても、認定されて当然のケース三百件だけなのです。

国の不法行為に、きちんと審判を

五月十五日は、大阪地裁第二民事部が審理してきた三人の方についての最終弁論。原告・高橋一有さんと愛須勝也弁護士が意見陳述しました。
ここではとくに「国の不法行為にきちんと審判を下してほしい」との訴えをご紹介しようと思います。
冒頭、国側代理人は「淡路登美子さんの国家賠償請求に対する反論を高橋さんについても援用したい」と述べました。
ふだん、公開の法廷ではほとんど発言することのない国側代理人が、あえて結審の場でこう述べたことに注目しました。
愛須弁護士は、
―被爆者援護法の制定から四半世紀たち被爆者が高齢化、記憶も断片化するなかで、国の不当な対応は見逃すことのできないものだ。
―十年前、「もうこれ以上裁判で争う必要がないように」と、国と日本被団協が合意したにもかかわらず、国は司法判断に従おうとしない。
―ほんらいなら謙虚に陳謝し、認定のありかたを抜本的に改めるべきなのに、機械的な線引きに固執してきた。
―被爆からの長く苦しい人生のなか「せめて、この病気が被爆によることを認めてもらいたい」と申請するも、一片の却下処分。これが承服できないと病身を押しての提訴。そして地裁で勝訴して喜んだけれど、国の控訴により、大きな精神的ショックを受けて病状が悪化し、死去した被爆者もおられる。
―国の態度が被爆者に強烈な精神的苦痛、肉体的負担を与えたことは明白だ。故意といってもよい注意義務違反だ。
―いっこうに反省のない国にその姿勢を改めさせるために、原爆症認定にとどまらず、国家賠償責任を命じていただきたい――と要望しました。
高橋さんも、
―他の方の裁判で国側代理人が被爆者に「嘘つきを問い詰めるように尋問する」のを傍聴。あんな目にはあいたくないと思った。しかし、自分たちが受けた被害を語らねば、原爆のことがなかったことにされてしまう、と思い、あえて認定申請し、また提訴した。
―被爆者の苦しみをきちんと受け止めた正しい判断を下してほしい――と訴えました。

全国で大詰めを迎えるノーモアヒバクシャ訴訟ですが、「大詰めを迎えるのは、裁判だけではない」と感じたことです。
六月十五日には「全面勝利をめざすつどい」も開かれます(十四時から大商連会館にて)。

(兵庫民報2019年5月26日付)

「治安維持法と現代の国民統制」

――内田博文氏の講演パンフを無償で


治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟兵庫県本部(会長=岡正信)は、昨年十月の結成三十五周年記念集会で行われた、内田博文九州大学名誉教授の記念講演「治安維持法と現代の国民統制」を収録した冊子(A4判十八ページ)を刊行しました。
内田氏はこの講演で一九三一年の「満州事変」から日中戦争、太平洋戦争へと突き進んでいった「戦争への道」で猛威を振るった治安維持法の教訓を読み取り、平成になってすすんだ権利運動の抑圧、共謀罪の制定は「一般市民に無関係か」と問い、治安維持法と共謀罪の類似点を鋭く指摘。最後に「ナチスドイツを許したのは実は国民自身だったと自己批判し……戦後、ドイツは国民に対し『主権者としての能力と意識と勇気を持て』と教育をすすめている」ことを紹介しました。
その上で、内田氏は、「我々一人ひとりが市民として、国民として、日本国憲法の担い手という自覚を持って……必要な能力、勇気と知識を身につけ……政府を誤った道へ行かさないようにしていくことが必要ではないか」と訴えました。
*
同盟県本部では、この冊子を無償で普及しています。希望者は同県本部事務局(神戸市中央区元町通六丁目6-12、Fax078・371・7376)まで申し込んでください。送料は申込者の負担です(郵便切手百四十円分)。
―祝教允(同同盟県本部常任理事)

(兵庫民報2019年5月26日付)

兵庫山河の会「山河」より

元号にかこつけし報道垂れ流す天皇利用の政治危うし
 安武ひろ子

端島ゆく枠のみ残れる高層のアパートに聞かむかつての栄華
(端島―軍艦島) 石井敏子

おおかたの吾の思い出も元号にくくられて後とけだしてゆく
 古賀悦子

外遊にいそしむ官僚十連休何がうれしい我は日常
 塩谷凉子

夏みかんたわわに実る萩城下トンビ悠々旋回したり
 古谷さだよ

巻きひげを揺らしからすのえんどうはフェンスにふわり巻き付かんとす
 新井 幸

お見舞いの帰りに夫に見送られ振り向きたるにいまだ手を振る
 鵜尾和代

二人もの同志迎えし歓迎会握手する手の温もり忘れぬ
 岸本 守

生活の続きの中に死はありてミカンが半分テーブルの上
 山下洋美

桜散りハナミズキ咲く候となり萎えた体も少し回復
 大中 肇

今二十歳成人式なりと祝うなり戦時中では兵士となりし
(無言館での成人式に) 西澤 愼

午前から割引価格のスーパーの駐車場にベントレー光る
 山下 勇

(兵庫民報2019年5月26日付)

ひなたぽっころりん〈640〉


(兵庫民報2019年5月26日付)

観感楽学

「日本国憲法を守り」責務を果たすのか、「憲法にのっとり」責務を果たすのか。「即位後朝見の儀」での天皇朗読文中、憲法への態度で文言に違いがあることを翌日の新聞は指摘していた。あらためて全文を比較してみた▼いずれにせよ「朝見」という呼称とあのやり方は国民主権の原則を踏み外している。それにくわえてこのたびの朗読内容には、見過ごすことのできないことが二点あった。それは「守りか、則りか」という単語レベルの問題ではもはやない▼新天皇が前天皇の行為を讃えそれを受け継ぐというのはどちらにもあるが、今回は「歴代の天皇のなさりように心をとどめ」が付け加わっている。おどろくことに現憲法とは無縁の天皇にも思いをいたし自己研鑽すると「決意表明」しているのだ。神武までさかのぼるのか▼いまひとつは天皇の責務と憲法の関係。前天皇の場合には「日本国憲法全体を守ることを前提にして責務を果たす」となっていたのが今回は「憲法にのっとり…象徴としての責務を果たす」と憲法遵守の範囲が象徴規定にのみ限定されている。この朗読文の内容についても安倍政権の責任が問われる。憲法「乗っ取り」は許さない。(T)

(兵庫民報2019年5月26日付)

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