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2019年5月12日日曜日

STOP!安倍改憲5・3兵庫憲法集会に9千人

戦争させない、9条壊すな!総がかり行動兵庫実行委員会


憲法記念日の五月三日、「戦争させない、九条壊すな! 5・3兵庫憲法集会」が神戸市中央区の東遊園地で開かれ九千人が芝生広場を埋めました。
集会を呼びかけたのは、兵庫県憲法共同センター、戦争をさせない千人委員会・ひょうご、九条の心ネットワークが共同する「総がかり兵庫県実行委員会」。ことしで三回目の開催となりました。
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川口さん

集会はラジオパーソナリティの小山乃里子さんの司会で進行。戦争反対・護憲・反原発・沖縄基地建設反対などの運動にとりくむシンガーソングライター・川口真由美さんが開会の前と後に「闇は光に勝てない/うそはまことに勝てない/真実は沈まない/私たち 諦めない」(「真実は沈まない」)などを熱唱し参加者を励ましました。

羽柴弁護士

羽柴修弁護士が主催者挨拶で、「平和が続いてきたのは草の根の運動と憲法九条があったから」「無関心は戦争の最大の友達だ」と指摘し、「九条に何をも付け加えさせない」ため心を込めて訴えようと呼びかけました。

落合さん
ゲストスピーカーとして招かれた作家の落合恵子さんは、改憲をめざし、天皇・改元を利用して国民の意識をコントロールしようしている安倍政権に対し、ほんとうの生きる喜びを得るためには私たちは怒らなくてはだめなのだと指摘。世界を変え、前へ進む道をつくってきたのは市民だったと強調しました。憲法は私たちのホームランドであり誰にも明け渡せないと述べ、集会後、参加者一人ひとりが周りに訴えようと呼びかけました。
集会では、オール沖縄会議からの連帯メッセージが紹介されました。
また、立憲民主党の安田真理さんと日本共産党の金田峰生さんが紹介され、七月の参院選へ向けての決意を表明しました。


集会後、参加者は三コースに別れて元町までパレードを行い、市民に訴えました。

(兵庫民報2019年5月12日付)

第41回憲法を守るはりま集会

時代が求めているのは憲法を活かすこと

第四十一回憲法を守るはりま集会が「時代が求めているのは活憲」を掲げ五月五日、姫路市市民会館で開かれました。


集会は一部で、この集会を通じて生まれた平和を歌う合唱団・希望の合唱と井上ひさし「子どもにつたえる日本国憲法」などのスライドと朗読、二部で伊藤千尋さんの講演「憲法を生かす日本~今の日本を変えるには」が行われました。
松本滋実行委員長が開会挨拶し、発議させない憲法を守るたたかいが、ますます重要だと語りました。

講演する伊藤さん

伊藤さんは、「辺野古や沖縄の住民投票でも若者が動きだし、変わって来ている。市民の運動で政治は変わる」と東欧や韓国の例を紹介。メディアに頼らずネットで拡散する力は高齢者にもあり、楽しく運動し、あきらめないことが大事だと訴えました。
吉田竜一弁護士が閉会挨拶で、まだ関心がないような人たちをいかに結集するか、集会を力にがんばろうと呼びかました。

(兵庫民報2019年5月12日付)

宝塚市議:横田まさのり「誰もが暮らしやすい市政へ全力投球」

がんばります! 日本共産党の新人議員

東阪神メーデー会場で:(左から)となき正勝市議、たぶち静子市議、ねりき恵子県議、横田まさのり市議、田中こう市議

今春行われました宝塚市会議員選挙におきましては、皆様からの多くのご支援、ご支持をいただきまして本当にありがとうございました。
正直、当確ぎりぎりの得票数で、結果が出た深夜、帰宅すると妻は顔面蒼白状態。「もうこんな心臓の悪いことはいやや」と愚痴られました。しかしその後、妻はすぐに続けてこう言いました。「四年後は自分で二千票ぐらいとる気で頑張ってや」。その通りです。当選したこの地点は言うまでもなくゴールではありません。今、私はようやくスタートラインに立たせていただいたわけで、これからがいわば「本番」。そしてこれからの仕事ぶりが全て四年後の選挙にも繋がる、そのことを肝に銘じて市議としての一日一日の仕事を大切に、誠実に行っていきたいと思っています。
これまで私は二十年ほど障がい者福祉の現場で働いてきました。そこで知り合った利用者、またご家族の皆さんからいただいた励ましの言葉を私は忘れることができません。「福祉の現場を知っているのはあんたや。しっかり頑張ってや」。
私は選挙期間中、「障がいのある方が暮らしやすい町は誰もが暮らしやすい町です」と訴えてきました。このたび当選させていただいたおかげでその思いを直接、議会に届けることができます。どうか皆さん、これからも色々、ご意見ご要望お聞かせください。
私、横田まさのり、いよいよ「市政に向けて全力投球」です!

(兵庫民報2019年5月12日付)

播磨町議:野北ともみ「いのち・暮らし第一の播磨町に」

がんばります! 日本共産党の新人議員

田中久子前町議(左)、松岡光子町議(右)とともに訴える野北町議

四月二十一日投票の統一地方選で初当選しました野北ともみです。
二十五年の長きにわたり町議会議員として活動されてきた、田中久子さんから無事バトンを引き継ぐことができ、また、長年守ってきた複数議席を獲得できたことを、まずは喜びたいと思います。
昨年十二月に立候補を決意したときは、同居家族も親戚もなく、それまでほぼ職場と自宅の往復で、近所付き合いもあまりなかった状況での船出でした。そんななか、支持者の方や近隣地域の方々への訪問活動を地道に続け、対話を重ねていくうちに、住民の皆さんの要望が見えてきました。
先輩議員団の活動により、中学校給食の実現や子どもの医療費中学校までの無償化等で、子育て世代のお母さん方からは、子育てし易いとの声が多かった反面、高齢者の方からは高すぎる国保税や町内の交通機関がない等の声が多く聞かれました。
そういった住民の皆さんの声を受け、私は「三つの緊急提案」として、①町政アンケートでも一番要望の多かった、高すぎる国民健康保険税の引き下げ、②町内の交通手段の確保として、実現に至っていないコミュニティバスまたは、高齢の方へのタクシー券の配布、③子育て支援政策として給食費の無償化――の三点を、五日間の短い期間でしたが、特に重点的に街頭で訴えて選挙戦をたたかってきました。結果は、皆さんの応援もあり無事当選を果たすことができましたが、この先、町議会議員としての四年間が本当の勝負だと思っています。
今、勤労統計データの捏造などで明らかになったように、実質賃金や年金収入が下がっている中、食料品等の値上げが相次いでいます。また、十月からの消費税の引き上げや、税金・医療費等の負担が増え続けており、住民のみなさんにご協力いただいた「町政アンケート」にも、暮らしに対する不安が多く寄せられています。
こうした皆さんの声を播磨町政に届け、住民が主人公の立場で、「平和・いのち・暮らし第一の町政」実現のために全力で頑張ってまいります。

(兵庫民報2019年5月12日付)

姫路市議:村原もりやす「生まれ育った姫路に元気な未来を」

がんばります! 日本共産党の新人議員

市民と握手を交わす村原もりやす市議

前回は三十三票差で次点となり悔しい思いをしましたが、日本共産党は十二年ぶりに四議席を獲得し、議案提案権を持つこともできました。本当に多くの皆さんに支持をいただき、お世話になりました。
私は業者の経験、そして姫路民主商工会の局長・専務理事として活動してきて、本当に弱い立場で働いている業者が多くあり、日々悩み、苦しんでいる様子を見てきました。私も業者の時代には誰にも相談できず悩む日々をすごしたときがあります。しかし、民商で相談し、多くの皆さんと関わり合い、助けていただきました。
私の強みを生かし、暮らしや生活を守るため地元でも自治会長として、また姫路医療生活協同組合の理事として奮闘していますが、市内全域の皆さんに関係する社会保障や福祉なども再勉強し、少しでもよりよい生活が送れるよう、奮闘していきます。
地元の地域で二回のモモタロー宣伝を行い、地域の皆さんには本当にお世話になりました。「暮らしと生活を守るために奮闘し、要求実現のために行動します」と訴えました。有言実行で新人議員らしく精一杯頑張り、「生まれ育った姫路に元気な未来を!」をスローガンに、市民の皆さんが安心して暮らせる姫路をめざし、力を尽くしてまいります。


(兵庫民報2019年5月12日付)

女性後援会「子どもの日」宣伝ラリー


日本共産党兵庫県女性後援会が五月五日、恒例の「子どもの日」宣伝ラリーを行い、王子公園前・元町大丸前・板宿商店街南・西区西神中央駅前の四カ所で街頭演説。金田峰生参議院兵庫選挙区予定候補を中心に、味口としゆき・森本真・林まさひと神戸市議、市川幸美西区女性後援会長がそれぞれ訴えました。
連休の家族連れでにぎわう各地で、親子連れや中高年の人々が女性後援会が配布したチラシを受け取り、消費税増税反対・憲法九条改悪反対の署名に応じてくれました。大丸前では中年の男性が署名のあと、金田さんの演説を最後まで聞いて、「支持しています」と握手したり、西区では「安倍さんはやめるかな?」と言いながら署名をした高齢の女性が「頑張って」と期待の声をよせてくれました。宣伝カーが移動中も次々と手を振っての激励がありました。
この宣伝ラリーには各地の女性後援会から合計四十二人が参加。憲法署名は十四筆、消費税署名は九筆あつまりました。五月二十六日二時から大丸前での「志位委員長を迎えての街頭演説」の案内のチラシを配布し参加を呼びかけました。

(兵庫民報2019年5月12日付)

消費税増税中止を:西宮で藤井聡さん招き講演会


四月二十七日西宮市で、京都大学大学院教授の藤井聡さんを講師(写真上)に「消費税UP(10%)で、庶民の暮らし・商売はどうなるの?――十月消費税増税は中止を!――」(主催=藤井聡講演会を成功させる西宮の会、よびかけ団体=西宮中小商工協会、西宮民主商工会、憲法を生かす阪神連絡会、西宮革新懇)の講演会を開催しました。
藤井聡教授は、京都大学教授として、消費税増税はとんでもない話だと警告し続けている基本的立場を明らかにして、消費税増税は、「消費が減ると同時に所得も減っている。悪魔のスパイラスで消費が減り所得が減る」とわかり易く解説しました。実際のデーターも示しながら消費税増税すると「消費がカクンと下がるとともに、それ以後の成長率が鈍くなる。実質賃金も伸びなくなる」「消費が伸びなくなって所得が下がって経済が破壊され」「税収も減り借金(赤字国債)が増える」ことを解明しました。
安倍政権がマスコミ、財界の力を利用して、消費増税の世論づくりをすすめている実態も明らかにしながら、「十月消費税増税の凍結を判断させるためには国民世論にかかっている。国民が持っている唯一の圧力、政府・政権・権力に対する圧力は、投票行為です。もしも消費増税をするんだという政党が与党でいたら、落とせばいいんです。あるいは逆に消費増税凍結するんだという政党を応援してもいい。それしか方法がない」と強調しました。
閉会挨拶で、関西学院大学教授の冨田宏治さん(西宮革新懇代表世話人)は、「こういう話をできるだけ多くの方に広げて頂きたい。国民の暮らしや経済を守るために、それこそイデオロギーの違い、政治的な立場の違いそうしたものを超えてどうか力を合わして、できる事をご一緒に進めさせて頂きたい」と訴えました。開会挨拶は、魚谷直生西宮中小商工協会会長が行いました。
―樫村庸一(西宮革新懇)

(兵庫民報2019年5月12日付)

朝日新聞支局襲撃事件を忘れない集会


二十九歳の小尻知博記者が殺害された事件から三十二年となった五月三日、「平和と民主主義を進める西宮・芦屋の会」は、五・三集会「朝日新聞阪神支局襲撃事件を忘れない 言論・出版・表現の自由を活かそう」を西宮市役所東館大ホールで開き、二百名以上が参加しました。
最初に安宅正博会長の呼びかけで、小尻記者や世界各地で殺害されたジャーナリストらを悼み黙祷を行いました。
今年の講演者は、いわゆる「ヘイト本」を考える特設コーナーを設置するなどの取り組みを積極的に行っているジュンク堂書店難波店店長の福嶋聡さんで、テーマは「書店と民主主義~『ヘイト本』と向き合いながら~」でした。
福嶋さんは、一定の国や民族への憎悪をあおる「ヘイト本」が数多く出版され、かなりの販売部数をあげているなどの事実を述べた上で、「ヘイト本」を店頭から外さず置き続けていることを紹介しました。そして「『ヘイト本』は排除の論理に立っている。だからといって現実にある意見を店頭から外して隠してしまってもその意見は消えてなくなるわけではないし、外すことはこちら側から排除の論理に立ってしまうことになる。むしろ意見を露わにし、その意見を知っていくことが大切で、それが民主的な社会の実現に必要なのではないか」などと述べました。
また新聞やテレビの情報はスポンサーの影響を強く受けるが、社会情勢も反映し多様な意見を主張する書籍を置く書店は民主主義そのものでもあると指摘しました。
安倍政権が行おうとしている憲法改悪に反対し憲法を生かす運動を進めようと奮闘している私たちにとって広範な人々との対話が重要です。これを進めていく上で、大きな示唆を得た有意義な講演でした。
―上田隆(平和と民主主義を進める西宮・芦屋の会)

(兵庫民報2019年5月12日付)

ゴンチャロフ長時間パワハラ過労自死事件解決を求める会が三宮で市民に訴え

〝遺族への謝罪と全面解決を〟


ゴンチャロフ製菓で働いていた前田颯人さんがパワハラと長時間労働に追い詰められ二〇一六年六月、自死。労働災害は認定されましたが、会社は「過重労働やパワハラがあったという認識はない」との見解を撤回していません。同社労組や市民でつくる「解決を求める会」は「労災を真摯に受け止め社会的責任を果たせ」の団体署名二百九十九筆、個人署名三千二百五十七筆を三月に社長に提出しています。解決へ向けさらに世論を広げようと四月二十一日には三宮マルイ前で署名・宣伝を行いました。
宣伝には颯人さんの母・和美さんや同社の青年労働者も参加して訴えました。横断幕やビラを見たろうあ者が筆談で激励してくれるなど、市民の関心を集めました。

(兵庫民報2019年5月12日付)

「私たちの青年集会」

奪われる睡眠・疲労回復時間…、学び、生活できる社会を


「大学に入ったばかりの学生がバイトに追われて深夜ゼロ時を過ぎて家に帰る実態はおかしい」「せっかく好きな仕事に就こうと努力したのに、長時間労働が原因で辞めてしまったり命を落としてしまう現状をなんとかしてほしい」
四月二十八日に開かれた「私たちの青年集会」では青年の切実な実態が交流されました。
集会では、まず初めに集めてきたアンケート結果について報告。「労働によって奪われている生活時間」では「睡眠時間」「疲労回復」「食事」などが上位を占めており、人間として生きていくのに最低限必要な時間が奪われていることが明らかになりました。
続いて、実際に働いている労働者の実態を告発。今年の二月まで看護師として働いていたNさんは「夜勤なのに、気がついたら夕方十八時ごろ日勤の人と一緒に帰るような働き方だった。月の残業は百時間を超えていたが、最初の一カ月は『ちょっとしんどいな』という感覚だったが、それがエスカレートし『早く楽になりたい』と思うようになった。気づいたら眠剤を大量摂取して病院に運ばれるということも経験した」と深刻な実態を話しました。
集会にあたって野党各党に参加を呼びかけ、立憲民主党の桜井周衆院議員と社会民主党兵庫県連からメッセージが寄せられ、日本共産党国会議員団兵庫事務所長の金田峰生さんが参加しました。
金田さんは「日本は、まがりなりにも立憲主義の国だが、安倍政権が憲法を無視している。立憲主義というのは、憲法によって、国民が権力者を縛るということ。この憲法に、働くことについてどのようにうたわれているでしょうか」と話をきりだし、日本国憲法で保障されている労働基本権や生存権、幸福追求権などについてふれ「八時間働けばふつうに暮らせる社会を作ろうと訴えていますが、この呼びかけが新鮮に受け止められています。それだけひどい社会になってます。全国統一の最低賃金、同一労働同一賃金のシステムを作り、EUで当たり前になっている残業規制やインターバル規制などのルールを確立しなければなりません」と訴えました。
また学費・奨学金問題についても「高すぎる授業料を引き下げて無料を目指す。さらに学ぶことには生活がつきものだから、そこも含めてバックアップすることは当然必要です」と訴えました。
集会に参加した青年は「今の長時間労働が、多くの青年に社会と関わる時間をなくさせていることは深刻だと思った。『知る機会』が今の社会によって奪われていることについてもっと多くの人に知ってもらいたいと思った」「政府が日本国憲法をしっかりと守っていたら理想的な国になるというのは納得なので、安倍政権を市民と野党で倒して実現させたい」などと感想を寄せています。

(兵庫民報2019年5月12日付)

借上復興住宅「被災者追出し裁判」の不当判決に対する弁護団声明

二〇一九年四月二十四日 借上復興住宅弁護団・団長 佐伯雄三

神戸地方裁判所尼崎支部第二民事部は、本日、借上復興住宅の入居者に対する明け渡し訴訟について、入居者の退去を求める西宮市の請求を認める不当な判決を言い渡した。
私たち借上復興住宅弁護団は、現在、疾病のため転居困難な入居者を、公営住宅から追い出し、健康を大きく損なうこととなる神戸地方裁判所尼崎支部第二民事部の無慈悲な判決を強く批判する。
本日の判決は、借上復興住宅制度が創設された際に、新設された「事前通知」(公営住宅法二十五条二項)を怠った場合でも、「借上期間」満了を理由とすれば、住宅困窮者の追い出しを認めるものであるが、入居前の通知がない場合に貸主が期間を理由に明け渡しを求めることができないという法理は、同じ賃借人である以上、公営住宅の入居者も民間の賃借人と同様の保護を与えられなければならず、我が国の民間住宅と公営住宅の賃貸借において異なることがあれば、それは自ら住宅を確保することが困難な住宅困窮者を劣等処遇に置くものであり、明確に憲法十四条第一項に反する差別である。
本判決に対しては大阪高等裁判所へ控訴し、本判決の憲法および法律の問題点を是正していく。借上復興住宅からの転居が困難な入居者は、日々の健康な生活が自治体から脅かされ、健康が削り取られている。自治体からの理不尽な明け渡し請求を受けることなく、命と健康なくらしの基本である「住まい」が安心して確保されるように市民の皆様のご理解、ご支援のもと、大阪高等裁判所での審理に向けて、引き続き闘っていく。

(兵庫民報2019年5月12日付)


大門みきし「天皇の政治利用を許さない」

連載エッセイ39
大型連休中はテレビも新聞も「令和」「令和」とうるさいほどでした。個人的にも、高校時代に付き合っていた彼女の名前が令子でしたので、「令和」の字を見るたび、けんかのあと謝って仲直りした場面を思い出してしまいます。これから何千回思い出すことでしょう。
しかし「令和」には護憲の意味もあるとか。考案者とされる中西進・大阪女子大名誉教授は、「令和」のもとになった万葉集の大伴旅人の歌には権力者に対する批判がこめられており、「令和」の意味も「はっきりとした平和」と解釈すべきだとし、憲法九条の大切さを強調されています(「日経」五月一日付「令(うるわ)しく平和築いていく」)。
安倍首相にとって中西さんの解釈は想定外だったようですが、とにかく中西さんの思いとは逆に、憲法改悪に執念を燃やし、天皇の政治利用をさらに進めようとしています。
前天皇も新天皇も、被災者に寄り添う姿や平和を願う真摯な言葉から国民の人気は高く、世論調査でも八割近くが皇室に親しみを感じています。天皇による「ふわっとした国民統合」が広がっているとの指摘もあります(「朝日」五月二日付)。安倍首相はこの「ふわっとした国民統合」に乗っかり、天皇の平和への思いも「平和のための改憲だ」などと称して利用しようとするでしょう。
天皇の政治利用を許さず憲法九条を守るたたかいは、天皇と同じ気持ちで平和が続くことを願う保守的な方々とも共同できる課題だと思います。
(日本共産党参院議員)

(兵庫民報2019年5月12日付)

亀井洋示「鎬を削る」

(兵庫民報2019年5月12日付)

みんぽう川柳〈四月〉「友達」

選者 島村美津子

特 選

友がいて晩菜一品やりとりす
 神戸市 伊藤マツ子

【評】日常生活の一部を切り取った何気ない温いこの句に忽ち虜になりました、
こんな友達が近くにいてくれたらどれ程生きやすいことか、でも考えてみたら昔はどこの家でもご近所とこんなやりとりがあったのではないでしょうか。
淡路にお住まいの川柳仲間の話では「食べ助け」と言う習慣があって、沢山作物が取れた時などご近所に配って助けてもらうのだそうです。
マツ子さん九十三歳、三千万署名に、選挙活動に、街頭にたっていらっしゃる姿をよく見かけます、しゃんとされて、九十三歳はまだまだ元気、熱い連帯の拍手を送りたいと思います。

入 選

増税を止める投票友と行く
 神戸市 玉山歳子

桜に友至福の時は短くて
 神戸市 熊谷敏子

会いたいな思って会える友大事
 神戸市 藤田幸子

釣り友も今は杖友でも元気
 明石市 川路政行

友人と語り合いたい補聴器で
 神戸市 高馬士郎

少子化で友だち百人できるかな
 神戸市 梶山洋枝

チューリップじゃれてはにかむ一年生
 尼崎市 中内眞佐子

夜間高校仕事勉学いまも友
 芦屋市 梶原嘉代子

友達は困った時のリトマス紙
 明石市 長井真理子

久しぶり友の名忘れしゃべり出す
 明石市 上河規江

旧姓で呼び合う友も後二人
 神戸市 山本尚代

よろこびも悲しみも本は友達
 尼崎市 富田明美

振りむけば数多の友に助けられ
 神戸市 松尾美恵子

被災地は月を閑居の友とする
 神戸市 長尾粛正

(兵庫民報2019年5月12日付)

兵庫山河の会「山河」より

配水管の噴き出す水音響くのみ焼野が原の不気味な静寂
 (昭和二十年三月 神戸空襲) 安武ひろ子

貝殻をマリア像とあがめたる重き沈黙遺品は語る
 (天草 津崎集落にて)  石井敏子

病院の待合室になつかしき讃岐なまりが耳に入り来る
 塩谷凉子

冬去りて指の冷たさ戻り来んエニシダの鉢われは贖う
 古谷さだよ

受け継がん安倍打倒の志しろたえ満つる梅に誓えり
 延原ちづ

コンビニの宅配サービスフル活用外出困難老夫婦のさま
 新井 幸

梅散りて彼岸過ぎたる庭先に赤き芽吹きの芍薬見つけぬ
 鵜尾和代

埋め立ては許しはせぬぞ沖縄県民は今日も多くの座り込み続く
 (うちなん) 西澤 愼

男女格差世界ランキング百十位貧困格差もしだいに広がり
 大中 肇

コンビニのおでんはきのうでおしまいに春一色の行楽弁当
 古賀悦子

(兵庫民報2019年5月12日付)

観感楽学

二〇一九年のゴールデンウィークは十連休という大型連休でした。私は、地元を離れ遠方に住む息子が帰省し、久しぶりに会えたという嬉しいゴールデンウィークでした▼ただ息子の携帯電話が連休中に壊れてしまうというアクシデントがありました。休み中でも仕事の用件が携帯電話に入るため早速、携帯電話を買い替えに行きました。店員さんが壊れた携帯電話から新しい携帯に住所録など必要なデータを移行。そのとき息子が「写真データもちゃんと移さないとね」と言いました▼私は以前にソフト会社で働いており、携帯電話の開発にも長く携わっていました。そのときに聞いた話を思い出しました▼初めて携帯電話にカメラ機能をつけるという案が会議に出されたとき上層部は猛反対したそうです。反対の理由は「携帯電話にカメラ機能を必要と誰も思わない」ということだったそうです。しかし、今では携帯電話にカメラ機能がついているのは当り前です。この固定的な考え方にとらわれない発想力の大切さを感じた事を思い出しました▼固定的な考えにとらわれることなく「柔軟な発想」で周りを見直すと新たな気づき、改善点があるかもしれませんね。(ふ)

(兵庫民報2019年5月12日付)