―主体的に原因究明・安全確認しない防衛省
![]() |
抗議する(前列左から)上原ひでき伊丹市議、山下参院議員、辰巳参院議員、金田氏、 (後列左から)服部よしひろ伊丹市議、ひさ村真知子伊丹市議ら |
この問題について日本共産党の山下芳生・辰巳孝太郎両参院議員、井上哲参院議員(秘書)、宮本岳志衆院議員(秘書)、金田峰生国会議員団兵庫事務所長、伊丹市議団、豊中市議団は四日、防衛省近畿中部防衛局を訪ね、厳重に抗議し説明を求めました。
対応した同局の本間克哉管理部長は、▽同機は米軍海兵隊普天間基地所属の輸送機MV22オスプレイであり、山口県の岩国基地から神奈川県の厚木基地へ向かっていた▽パイロットがコックピット(操縦室)内の警告灯が点灯したのを確認したため標準的な安全手順に従って午後二時ごろ着陸した▽(米軍の)「整備員」による点検の結果、安全性に問題がないことが確認されたため翌日午後一時四十五分ごろ大阪空港を離陸し、厚木飛行場を経由したのち午後三時五十分ごろ木更津飛行場に着陸した▽伊丹・豊中・池田三市と兵庫県、大阪府に情報提供をした▽米軍に安全管理の徹底を文書で求めた―などの経緯を説明しました。
しかし、質疑応答のなかで、▽防衛局は現場に職員を派遣したものの、数メートルの距離から見ているだけ、▽米側から点検が終わったので間もなく離陸するとの説明を受けたが、警告灯がどの地点を飛行中に点灯したのか、点灯の原因は何だったのかについては確認していないことが明らかになりました。
伊丹市議団(注)は、大阪空港の周辺は住宅地であり、住民から不安の声が上がっていること、民間機は厳重な安全基準に従っているのに、原因も確かめないまま離陸させることはあり得ないと批判しました。
豊中市議団が、米軍機が二〇一五年に三十八回など頻繁に大阪空港を利用しているが、地元には知らされてないと指摘したのに対し、防衛局は、▽給油などで利用しているかもしれないが、米軍側からはその都度、報告はなく局としては把握してない▽地位協定で米軍は着陸料を課されず、空港から防衛局に肩代わりを求められ、事後的に利用を把握できることがある―と答えました。
山下副委員長は、今回の「緊急着陸」について、原因の究明や飛び立つ前の安全確認を防衛省が主体的にしていないのは、国民の安全に責任を負っていない―と厳重に抗議しました。大阪空港はじめ民間空港を米軍が日常的に利用していることを防衛省が把握していないのは由々しき事態だと対応を求めました。
さらに、米軍機がわがもの顔に飛び回っていることが今回の「緊急着陸」で改めて浮き彫りになった、ひきつづき地方議会と国会で追及していくと述べました。
各市議団、市民団体も要請
日本共産党のねりき恵子県議と宝塚市議団は一日、オスプレイの伊丹空港緊急着陸問題で、中川智子宝塚市長に緊急の申し入れ。米軍への抗議、原因、飛行ルートを明らかにさせること、部品落下等市内での被害確認、市街地上空飛行禁止など再発防止を申し入れました。中川智子宝塚市長は、「(伊丹空港の)10市協と相談しており、強く抗議したい。根本には日米地位協定の問題がある。みなさん(ねりき恵子議員と、宝塚市議団)と協力していきたい」と応えました。日本共産党伊丹市議団と川西市議団は四月二日、尼崎市議団は三日、それぞれの市長に対し、①直ちにオスプレイの緊急着陸に関して米軍に対し強く抗議すること②トラブルの原因と飛行目的を外務省、防衛省を通じて明らかにすること③落下物等近隣住民への被害はなかったかどうか調査し明らかにすること④市街地上空の飛行禁止など再発防止を米軍と外務省、防衛省に求めること―を要請しました。
新日本婦人の会兵庫県本部は二日、安倍首相、岩屋防衛大臣、兵庫県知事に抗議文を送りました。戦争をする国づくりSTOP伊丹連絡会も三日、上空飛行禁止の要求などを市長に要請し、街頭でアピールをしました。
米軍機の民間空港利用(着陸回数)
米軍は日米地位協定第5条で民間空港・港湾の利用を認められており、しかも着陸料や入港料が免除されています。同条1項に基づく日米合同委員会合意では、米軍による民間空港の利用は「緊急の場合」に限られています。しかし、一部の空港では米軍機の利用が常態化しています。(「しんぶん赤旗」政治部安保・外交斑『検証 日米地位協定』より)
空港名 2012年 13年 14年 15年 16年 17年 福 岡 69 50 59 59 66 94 長 崎 104 48 42 33 28 48 奄 美 34 1 46 62 36 37 種子島 2 0 12 38 2 7 名古屋 20 5 13 24 39 37 大 阪 37 5 11 38 4 3 仙 台 32 16 29 13 15 20
(兵庫民報2019年4月14日付)