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2019年3月24日日曜日

日本共産党が県予算組み替え提案

子どもの医療費中学三年まで無償化、高すぎる国保料引き下げなど


三月十三日の兵庫県議会予算特別委員会で総括質疑が行われ、日本共産党兵庫県議団が十九年連続となる予算組み替え動議を行い、提案説明に庄本えつこ議員がたちました。
はじめに庄本議員は、知事提案の予算案を批判。国民の消費も県民の実質賃金も引きあがらず、暮らしがたいへんとなっているなか、消費税一〇%への増税を前提とし、さらに、阪神・淡路大震災後に「創造的復興」として空港や港、高速道路など大型公共事業を促進してきた借金返済のために、県「行革」を引き継ぐ「行財政運営方針」のもと、社会保障を抑制、医療・福祉を削り、人件費を抑制し深刻な長時間・過密労働で苦しむ教職員を削減するなど、県民の暮らし、福祉、教育を切り捨てるものとなっていると指摘しました。
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その上で庄本議員は党県議団提案の予算組み替え案について説明。ムダ・過大・不要不急な事業――一般会計の約一・八%、三百六十三億円――を削減。百十六億円を県民の福祉や教育、暮らしなどを充実させる予算につけかえ、二百億円の借金を減らすとの概要を説明しました。
庄本議員は、増額分として、子どもの医療費を中学校三年生まで無償化するととともに、高すぎる国民健康保険料を引き下げるための子どもの均等割減免、加齢性難聴者補聴器購入補助、小六までの少人数学級拡充、大学生の給付制奨学金の県制度創設など、福祉、子育て、教育などに重点配分するとしました。
また、中小企業に直接支援する施策として、住宅店舗リフォーム助成事業、長時間労働是正支援事業などを新設するほか、兵庫型奨学金返済支援制度の拡充なども盛り込みました。農業は、中山間地の小規模家族経営を支援するサポート事業を新設し、予算を計上。石炭火力発電規制の条例策定など、脱石炭、原発をすすめる施策とともに、再生可能エネルギーを普及させるための予算配分も行っています。
削減する事業として大阪湾岸西伸部整備費など高速道路関連予算、但馬・神戸など空港関連予算、大企業呼び込み型で破綻している産業立地補助金、同和事業、マイナンバー関連などを提案。不要不急の事業を見直せば、県民要求実現のための財源を確保することができるとしました。
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討論では、他会派からは、「不要不急な事業を削減し、福祉、教育などに重点配分するという趣旨に賛同できる部分はある」などとしつつ、自民、公明、県民連合、維新などが組み替え動議に反対し、提案は、否決されました。

《県予算組み替えの主な内容》単位は千円(1,000=100万円、1,000,000=10億円)

1.医療・福祉分野の支援を強める

◦国民健康保険料の15歳未満の子どもの均等割減免(新)1,232,100
◦「行革」で廃止された老人医療費助成制度復活(新)450,000
◦重度障害者児医療費助成〈世帯合算をやめる〉(拡)86,000
◦難病医療費の非課税者の無料継続(拡)35,000
◦加齢性難聴者補聴器購入補助〈1人4万円を10000人に補助〉(新)400,000
◦看護師学生就学資金貸付金の復活(新)18,000

2.子育て・教育への支援

◦こどもの医療費通院・入院とも中学3年生まで無償化(拡)6,168,100
◦「第3次行革プラン」で行われた母子家庭等医療費給付事業助成の所得制限と一部負担金増額を元に戻す(拡)169,000
◦待機児童対策・保育士確保のための保育士等処遇改善の予算増(拡)90,000
◦県独自の大学生向け給付制奨学金を創設する(新)396,000
◦35人学級を小学校6年生まで実施(拡)1,115,000
◦私立高校の経常費補助単価カットをやめる(拡)31,468
◦朝鮮学校の振興費補助の削減をやめる(拡)27,000

3.地元中小企業、小規模農家支援

◦ワークライフバランス推進企業支援費(新)200,000
◦「過労死ゼロひょうご」促進事業費(新)1,000
◦兵庫型奨学金返済支援制度(拡)45,000
◦中小企業での正社員転換・処遇改善支援事業(拡)100,000
◦中小企業振興会議費(新)1,000
◦店舗・住宅リフォーム助成制度(新)120,000
◦小規模農家公的サポートモデル事業(新)50,000
◦バス対策事業費(拡)5,745

4.脱石炭・原発――環境・防災対策、ユニバーサルデザイン

◦石炭火力発電規制の条例策定のための調査費(新)1,000
◦住宅用太陽光発電設備設置補助の復活(新)75,000
◦自然エネルギー地域ポテンシャル調査事業費(新)6,000
◦民間住宅の耐震化の促進(拡)500,000
◦バリアフリー事業の拡充(拡)100,000
◦シカ有害捕獲予算の増額(拡)5,596
◦狩猟期イノシシ捕獲事業費(拡)5,000

5.不要・不急の事業の見直し、県民合意のない事業を見直す(概数)

①産業立地促進補助を削減△1,570,000
②不要・不急の公共事業等の削減
◦神戸空港、但馬空港など空港関連△950,000
◦道路関連の事業△10,900,000
◦大規模森林基幹道△166,000
◦国が負担すべき国直轄の公共事業等△9,300,000
③問題のある事業や県民合意のない事業など
◦関西広域連合の分担金△316,000
◦警察の報償費の削減△45,000
◦不公正な同和行政が残っている事業を削除△393,000
◦マイナンバーや住民基本台帳ネットワーク関連△1,485,000
④議員の海外渡航費の見直し
◦友好都市訪問の公式行事のみとし、人数も限定するなど簡素化する△2,750

(兵庫民報2019年3月24日付)

県議会予算特別委員会:教育委員会予算

教員定数増は待ったなし、県独自で増員を特別支援学校の増設早急に


三月十一日の兵庫県議会予算特別委員会で、日本共産党の庄本えつこ議員が教育委員会予算の審査を行いました。
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庄本議員は、教員の働き方の実態についてとりあげ、過労、ストレスで入院を余儀なくされた尼崎の中学校教員の手記、県内中学校教員の四四・八%が過労死ラインを超えて働いているという兵庫教職員組合(兵庫教組)の調査―などを紹介。こうした教員の実態が教員定数増を切実に求めていると指摘しました。


これに対し県教育委員会は、「働き方にかかわる定数増は国が措置すべきだ」として、県独自で定数増をはかることを否定。庄本議員は、「教員の働き方、子どもにとっての環境整備という点でも、教員定数増は待ったなし。県独自でも定員増を真剣に検討を」と迫りました。
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中教審が示している教員の業務削減に関連して庄本議員は、兵庫教組のアンケート結果には、担任、分掌、学年の業務などともに、教育委員会から求められる報告の多さも多忙化の要因に挙げられていると指摘しました。
また、尼崎では、全国学力テスト対策のため独自に「ステップアップ調査」という業者テストを行い、結果を封筒に入れ生徒に渡し、復習プリント四枚にもとづき指導するなど、教員の新たな負担になっていることを告発。ある学校の教頭が「教員に新たな仕事を増やすことになっている。こんな調査はやめてほしい」と訴えていることも紹介し、現場の声をよく聞き、業務削減を進めるよう求めました。
県教育委員会は、「適正化プラン」でこの間業務改善をすすめてきたとしつつ、中教審答申を受けた具体化は、検討しておらず、文科省からの提起を待っていると答えました。
これに対し、庄本議員は、「教員の働き方改革として業務改善はすぐにでもできること。現場の教員、学校の実態や意見をよく聞き、ただちに対応を」と追及しました。
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過大・過密が問題になっている特別支援教育について庄本議員は、これまで県が特別支援学校児童生徒数のピークを二〇一八年度と推定し、学校増設などに消極的だったが、この間、児童生徒数の推計を見直し、当面のピークが二〇二一年になるとしていることを取り上げ、「今でも過大・過密で教室不足などの大変な実態があるなか、対応が必要ではないか」と追及しました。
県教育委員会は、「需要予測がとくに高まっている阪神地域では、特別支援学校の新たな設置が必要だと認識し、現在、場所など含め検討をしている」ことを明らかにしました。
庄本議員は、特別支援学校増設の検討を早急に具体化することを、重ねて求めました。

(兵庫民報2019年3月24日付)

日本共産党が神戸市予算組み替え提案

三宮再開発などやめ市民の福祉を増進する本来の役割を


神戸市議会本会議が三月十九日ひらかれ、日本共産党神戸市会議員団は神戸市予算の組み替え動議を提出しました。二〇一九年度の神戸市一般会計予算案は総額八千百十六億円です。三宮再開発などムダな開発予算の二%程度を改めれば、こども医療費無料化や国民健康保険料の引き下げ、保育所や特別養護老人ホーム新設など、切実な住民要求が実現できます。動議は、久元喜造市長に対し、神戸市予算案を、そのように編成替えをして再提出することを求めるもので、十九年連続の提案です。
日本共産党議員団を代表して、林まさひと議員が本会議で提案説明を行いました。
市長提案の予算の特徴は、三宮一極集中の再開発をはじめ不要不急の大型開発をすすめる一方、市民サービスを犠牲にしていることです。また、都市空間向上計画を先取りした駅前再開発による、駅前過密と郊外切り捨てが一体に進められています。これは、まちづくりを市場原理に委ね、自治体の都市計画の仕事を放棄するものです。
市長が公約に掲げた子どもの医療費助成の高校生までの拡充や待機児童解消はまたもや先送りにされ、さらに、国民健康保険料を値上げするなど、市民生活を顧みないものとなっています。国の福祉切り捨ての悪政にたいし、「防波堤」となって、市民の福祉を増進する自治体本来の役割をはたすことが神戸市に求められています。
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日本共産党神戸市会議員団が提案した、組み替え提案の概要は以下の通りです。

第一の提案 将来を担う子どもたちのための子育て支援の抜本的な拡充

①中学校卒業までの医療費を全額助成するとともに、市長の公約どおり高校生まで制度拡充を行います。
②全ての行政区で認可保育所の誘致のための予算を増額するとともに、公立保育所を増設する予算を確保し、速やかに待機児童を解消します。
③大規模学童解消のため公設学童増設の予算を増額します。
④小・中学校の過密問題が全市に広がっています。学ぶ環境を改善するため、プレハブ校舎解消に年次を区切って取り組みます。さらに、過密解消のために小学校用地取得費を計上し、井吹台では中学校新設のための調査費を確保します。
⑤小学校全学年で三十五人学級を実施するため教員をふやし、豊かな学びを保障します。また、中学校には、いじめ・体罰根絶のための支援員の配置など教職員をふやします。
⑥教育費負担の軽減のため、給付型奨学金制度を新設します。

第二の提案 市民が安心して暮らせるための医療・介護・福祉の充実

①国民健康保険料の引き下げへ、二十二億円の独自軽減制度をつくり、一般会計からの法定外繰り入を行うことによって一世帯一万円程度、保険料を引き下げます。また、介護保険料は基金の活用も含め、引き下げます。
②高齢者が安心して暮らせるまちにするため、待機者解消のため、特別養護老人ホームの建設を進めます。
③敬老パスは無料を復活、福祉パスは生活保護世帯への支給を復活し、それぞれのパスを、神戸電鉄など私鉄へも対象を広げます。

第三の提案 市場・商店街、とりわけ個別店舗への直接支援の実施

①神戸市外郭団体の調査でも、地域経済への波及効果が明確となっている住宅・店舗リフォーム助成制度を創設します。
②市場・商店街振興のため、使途を狭めず地域活性化に役立つ活性化助成金を創設します。
③神戸市としても、販路拡大につながるトライアル発注を行い、中小企業の仕事づくりを応援します。
④従業員の賃金アップや正規化を進める中小企業に対しては、奨励交付金の創設など必要な支援を行います。
⑤第一次産業を振興するため、新規の就業の担い手支援制度を創設するとともに、地元産資源・生産物の利用転換を促進するための助成制度を創設します。
第四の提案 生まれた街で住み続けられるための、まちづくりの応援
①地域に必要な利便施設等を誘致するため、郊外住宅近接型の小規模公的施設誘致支援事業を創設します。
②産科や小児科など地域医療の基盤を維持するための助成制度を創設します。
③行政区にある保健センターを強化するとともに、小学校区単位の健康づくり事業をすすめます。
④災害に強い地域をつくるため、私有地の危険擁壁にたいする助成を応急対策にとどめず、安全工事までむすびつくよう改修助成を拡充します。
⑤原発や石炭火力に頼らない地域分散型の再生可能エネルギー施策を促進します。

財源の提案 予算案のわずか二%を組み替えることで実現可能

①毎年、五十億円以上の一般財源が投入されている医療産業都市や呼び込み偏重の企業誘致施策を見直し、子どもの医療費無料や、保険料引き下げ、持続的な中小業者助成など、経常経費に充当します。
②新年度予算案では、三宮再開発や、大阪湾岸道路建設などに四十億円を超える都市整備等基金が使われていますが、これら大型開発を中止し、保育所や特別養護老人ホームの建設費や、地域の防災やまちづくりの基盤強化に活用することで、地域経済循環型の投資にあらためる公共事業の転換も提案しています。
③誘致企業約七十社への七億円もの行き過ぎた減税を中止するとともに、七十万人市民に対する住民税均等割三億円増税は中止します。
④神戸空港、ウオーターフロント開発、国際コンテナ戦略港湾への支援を見直すとともに、須磨多聞線など住民合意の無い事業は中止します。
⑤財源不足分については、空港開港までは一般会計に繰り入れていた新都市整備事業利益剰余金の繰り入れ、また財政調整基金の活用などを提案します。
⑥これら事業を実施しても、市長提案より二十億円、市債発行を圧縮しています。

(兵庫民報2019年3月24日付)

伊丹演説会:安倍暴走政治に審判を


日本共産党阪神北地区委員会は三月十七日、伊丹ホールで演説会を開きました。
業者後援会から千住実会長が「今年は業者にとって大変な年、一〇%増税とインボイス方式で身銭を切るか店をたたむか迫られている」と告発。民青同盟の吉尾咲和香さんは「伊丹市は幼稚園の統廃合、病院の統廃合と子育て世代・高齢者世代にひどい政治をする。国政では沖縄の基地問題を学習し沖縄の歴史と運動を学び基地問題が沖縄だけの問題ではないことを学びました」と政治への問題意識を語り、共産党への期待をかたりました。
次いで四人の市議会議員選挙予定候補が決意表明しました。
▽服部よしひろ市議は、四年間を振り返って、公立幼稚園の統廃合問題を共産党議員団がいち早く市民に知らせて市民と一緒に運動を広げてきた実績を紹介▽ひさ村真知子市議は、市営住宅のエレベーター設置運動にふれ、憲法二十五条に書かれた生存権を保障する政治の実現について語り▽上原ひでき市議は、三月議会の質問で近畿中央病院と市民病院が統合すれば公立でなくなるおそれを当局が否定しなかったこと批判▽かしば優美市議は、年収三百万の三人家族で国保が三十六万円、介護保険の基準が六万円と高すぎる伊丹の国保・介護を告発し、四人の議員団で市民本位の市政実現へ奮闘することを訴えました。
参院兵庫選挙区予定候補の金田峰生氏は七月の参院選への決意を語り、宮本たけし衆議院議員が安倍政権の暴走を告発し、日本共産党の躍進で審判を下そうと訴えました。

(兵庫民報2019年3月24日付)

民青の学生新歓:知りたい、やりたい思いを励まそう

民青同盟兵庫県委員会 伊木さち

民青同盟兵庫県委員会は国公立大学の後期入試試験に合わせて、三月十二日にA大学前で新歓宣伝を行いました。


落ち着いて話せるように机と椅子や温かい飲み物、カイロなども用意し、参加したメンバーで「受験生の願いや不安などよく聞こう」「やってみたい思いを〝一緒に実現できるよ〟と励まそう」と相談して臨みました。
受験生との対話では「学費が高いから安くしてほしい」「いじめ問題は気になる、小学生の時いじめられている子がいた」「無料塾やってみたい」など気になることや不安に感じていることが出されました。
民青の活動を紹介すると「すごいですね」「ボランティア行ってみたいです」とやってみたい思いが出されました。この日の加盟はありませんでしたが、前期試験の日には「全部いい取り組みですね、ボランティアがしたい」と話した青年が加盟しています。
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新歓にとりくむ中で、今を生きる青年は安倍自公政権のもとで苦しめられ、模索し「自分も何かしたい」と思いを強めているということを実感してきました。
学生新歓の本番は四月です。新しい環境にわくわくと期待を膨らませ同時に不安も持っている新入生に「どんな大学生活を送りたい?」「あなたのやりたいこと一緒に実現しよう!」と声を掛けて、学園で生き生きと活動する班をつくりたいと思います。

(兵庫民報2019年3月24日付)

50回目の重税反対統一行動:消費税増税ストップ!


五十回目となる今年の重税反対統一行動は、暴走する安倍政権に対し、国民の怒りと不安がうずまく中、県下二十六カ所で取り組まれ五千六百人が参加しました。
そして、消費税増税など重税・負担増に怒り、不安を募らせる多くの県民に、暮らしと営業、命と健康、それらの土台となる日本の平和を守る共同の行動を呼びかける絶好の機会となりました。
伊丹集会では、「安倍暴走政治ストップ」「市立伊丹病院・近畿中央病院の存続と充実を」などのスローガンを採択。長田区では、「消費税増税反対」「社会保障改悪反対」などのプラカードを掲げて税務署までデモ行進しました。中央区では、自民党県連前を「憲法変えたらあかん」「ウソの政治で国民だますな」とシュプレヒコールを行いデモ行進しました。
夕方には、六年目となる「安倍暴走政治ストップ!総決起パレード」が取り組まれ、出発集会で、磯谷吉夫「3・13」兵庫県実行委員長・兵商連会長が「暮らしも商売もこわす消費税一〇%増税を中止させよう。暴走政治を強行する安倍政権に四月の統一地方選挙、七月の参議院選挙で審判を下そう」と挨拶しました。
三宮から元町まで、労働者、業者など五十人が、「消費税増税は中止せよ」「安倍政権の国政私物化を許さないぞ」と元気にアピールしました。
「3・13県実行委員会」は毎年、兵庫県知事に対し、消費税増税に反対することなど要請していますが、知事は「消費税率の引上げは不可欠」との回答を続けています。そこには、知事として、消費税再増税による県民生活、地域経済への打撃を考慮すべき姿勢はありません。
「3・13兵庫県実行委員会」は、「統一行動」の成功を確信に、切実な要求を実現する運動の前進、そして、統一地方選挙、参議院選挙で、くらしと営業、命と健康を守る政治の実現を求めていくことを呼びかけています。
―田中邦夫(兵商連)

(兵庫民報2019年3月24日付)

原発ゼロを目指す神戸行動:毎週欠かさず350回

――雨の日も風の日も年末年始も


二〇一二年七月六日から毎週金曜日、雨の日も風の日も年末年始も休まずに続けてきた関西電力神戸支社前での抗議行動が、三月十五日金曜日で第三百五十回目を迎えました。
第三百五十回目の行動には約七十人が参加しました。関西電力神戸支社前で「再稼働反対」「原発事業に未来はない」などコールして抗議。その後、神戸マルイまで三宮センター街を通ってデモ行進し、マルイ前で街頭宣伝を行いました。
街頭宣伝では、元関西電力社員の速水二郎氏が「関電のホームページを調べたら、節電能力が向上し、かつ再生可能エネルギーによる発電量も増えていることがわかる。必要電力量を再生可能エネルギーで賄うことが可能なところまであと少しというところまで来ていることがわかる」と訴えました。また、毎週、この行動に参加している人や、さよなら原発神戸アクションのメンバーがスピーチや脱原発をテーマにした替え歌などで市民に訴えました。

挨拶する金田氏(中央)と松本氏(右)

また、社会民主党と新社会党から寄せられたメッセージが紹介され、緑の党兵庫県本部の松本なみほ共同代表と日本共産党国会議員団兵庫事務所の金田峰生所長が挨拶しました。――上園隆

(兵庫民報2019年3月24日付)

原発NO!淡路市民行動が77回目


第七十七回原発NO!淡路市民行動が、東日本大震災・福島原発事故から八年となる三月十一日、洲本市イオン前・塩屋緑地で行われ、淡路三市から二十六人が参加しました。
犠牲者への黙禱の後、「花は咲く」を合唱、詩「万重の紫陽花」を全員で吟じました。
参加者のスピーチでは、八年前を振り返る人や、被災者支援の継続と拡充を求める人、「原発の再稼働は許せない」など運動への決意が述べられました。
最後に「原発いらない」「原発推進の安倍政権をやめさせよう」などをコールしました。
――岡田教夫

(兵庫民報2019年3月24日付)

金田峰生「地方自治体に福祉の心取り戻しましょう」

連載エッセイ9

安倍政権は、社会保障も壊そうとしています。
過日、障害者団体との懇談の場で政府当局は「日本の社会保障は自助が基本で、共助・公助は補完だ」と言ったそうです。
違います。
憲法十三条は「国民の生命、自由、幸福追求に対する権利については、立法、その他の国政の上で最大限の尊重を必要とする」とあります。二十五条は「国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とあります。社会保障は国の責任です。
井戸県知事が廃止した老人医療費助成事業は、お年寄りが社会的弱者だから…というだけではなく、長年社会の発展に貢献し、豊かな知識と経験を持つ、これからも健康で安定的な生活を保障される、社会から敬愛されるべき存在だから設けた制度でした。
私たちが長年取り組んでいる、子どもの医療費無料化は、子どもたちが、その生活を保障され、愛され、保護され、その心身の健やかな成長・発達が図られ、福祉を等しく保障される権利をもつ存在だからです。これが、私たちが築いた到達であり、我が国の社会保障の形です。
社会福祉、社会保障の理念も覆し、国民を守ろうとしない安倍政権を退場させ、憲法通りの政治で、暮らしに希望が持てる社会をつくりましょう。
地方自治体に福祉の心を取り戻しましょう。
そのために日本共産党を選挙で勝ち抜かせて下さい。ご支援の輪をお広げ下さいますよう、重ねてお願い申し上げます。
(参院兵庫選挙区予定候補)

(兵庫民報2019年3月24日付)

明石市長選:新町氏及ばず

市職員に対する暴言で前市長が辞職したことから行われた明石市長選挙は三月十七日、投開票が行われ、元県議の新町みちよ氏=新・日本共産党=は、七千三百二十一票を得ましたが及びませんでした。当選は前職の泉房穂氏。(投票率四六・八四%)

(兵庫民報2019年3月24日付)

兵庫山河の会「山河」より

統計の不正底なしあふれ出る増税根拠すべてを崩す
 岸本 守

多喜二集会青年合唱団のうた響き心はいつしか二十歳の空へ
 大中 肇

候補者の顔見えるよう折りしビラ配りて歩くやよいの日暮れ
 山下 勇

久々に大倉山の図書館へ背表紙には憧れ詰まる
 古谷さだよ

枝先に咲くべき花の芽のふえて雑木林に春ちかずきぬ
 山下洋美

病院の待合室の絵本手にしばし幼にかえりておりぬ
 古賀悦子

あと何度参加かなうや次々にとどく一人旅海外旅行
 石井敏子

探し物やっと見つかり安堵する「ぐっすり眠れよ」夫宣いし
 鵜尾和代

年長の「地獄のそうべい」見る幼ずらりと並んだ鬼に泣き出す
 新井 幸

映画「米軍の一番恐れた男~その名はカメジロー」を見て
懐かしさ胸いっぱいに広がりぬ瀬長さんのあの声あの顔
 安武ひろ子

大陸の言葉飛びかう心斎橋日本語の我は道を譲れり
 塩谷凉子

基地いらぬ県民投票圧勝す時の政府の鈍き反応
 西澤求甫

(兵庫民報2019年3月24日付)

観感楽学

「こんな言い方をすると何なんですけど、命の道ですね、国道40号線は」旭川と稚内を結ぶのが国道40号線。酪農家が搾った生乳の集荷のため、真冬のホワイトアウトの中を「まばたきも許されず」タンクローリーを走らせる運転手。しゃれた言い方になったのを気にしてか少し恥ずかしそうに取材に答えていた▼毎日集荷しなければ生乳は二日ともたないのだ。生産者と消費者の命をつなぐ「道」を走っている、その運転手の自らの仕事への思いに感激しつつも、わたしはへんな疑問を抱いた。なぜ道を「みち」というのか▼『古典基礎語辞典』と国語辞典の中でもっとも収録語彙の多い『日本国語大辞典』をひらいた。前者によれば、「み(御)」は尊称の接頭語で「ち(路)」が道・方向を表す語。人が通行するところには神や主がいると考えそう呼んだ(峰・岬も同じ)。やがて一音節「ち」だけでは語として不安定なので尊称の意が消滅してももっぱら「みち」がつかわれたとのこと。後者も簡潔だが同様の説明▼なんだ、道はもともと「いのちのみち」だったんだ、とわかったとたん気になった。なら兵庫県が北海道に次いで高速道路敷設距離が長いというあの道は何だ。(T)

(兵庫民報2019年3月24日付)