兵庫県議会の予算特別委員会では、部局審査が行われ、日本共産党の庄本えつこ議員が、連日、質疑を行っています。
被災者の生活再建への支援
企画県民部では、昨年の災害で被害を受けた住民への住宅再建支援について質疑。庄本議員は、「台風二十一号で尼崎市では、半壊十九軒、一部損壊千三百十六軒の被害住宅のうち、県独自の被災者生活再建支援金が給付されたのが、半壊九軒、一部損壊で二十六軒のみ。一部損壊の損壊割合が一〇%以上などと厳しく、ほとんどが支援を受けられない」と告発。「損壊割合が低くても、補修には同等のお金がかかる。生活再建支援というなら損壊割合が低くても支援を」と訴えました。
答弁で県当局が「一部損壊は、自助の範囲」だとしたのに対し、庄本議員は、阪神・淡路大震災で被災住宅調査にあたった神戸大の平山洋介教授が「近年多発する災害を超高齢化がより深刻なものにしている。一部損壊でも暮らしへの影響は大きい。一部損壊修繕費の支援を検討するべきだ」と指摘していることを紹介し、重ねて、支援を求めました。
子ども医療費、補聴器、国保
健康福祉部審査で、庄本えつこ議員は、所得制限のない子どもの医療費無料化(六十億円)、加齢性難聴者への補聴器購入補助制度(十五億円)、国保の子どもの均等割減免制度(四十一億円)の創設などを、予算額も示させて、実現を求めました。
庄本議員は、これらの予算額は、不要不急の事業を見直し、必要な施策に重点配分するという立場をとれば「十分捻出できる」とし、県の決断を求めました。
県当局は答弁で、子どもの医療費について、「受益負担のバランス」などを理由に、無料化に背を向けました。加齢性難聴者の補聴器購入補助については、「国に、しっかりと要請する」としつつ、県独自の制度も、「他の支援策とのかかわりを見ながら慎重に検討したい」と否定はしませんでした。
国保の子どもの均等割減免については、「国の動向をみながらだが、今のところ県としては検討していない」と答弁。庄本議員は、「国保料引き下げのため、子育て支援策としても提起した。前向きに検討を」と再度求めました。
奨学金返済支援制度充実、買い物支援
産業労働部審査で庄本議員は、県内中小企業で働きながら奨学金を返済している若者の支援制度について、当局提案では来年度、同様の制度をもつ京都と連携するとしているものの、兵庫県の補助は一人あたり上限が六万円なのに対し京都府は九万円であることをあげ、「相互連携というなら京都並みに」と迫りました。
商店街活性化、買い物難民支援を目的に新規施策として車購入などへ補助する移動販売支援制度について庄本議員は、尼崎市内でも、切実に求められている地域の実情を紹介し、「商店街や商工会議所などある程度のグループが対象とあるが、八百屋、肉屋など地域の小売り店舗は活用できないのか」と質問。
県当局は、「八百屋、肉屋など二店舗、三店舗がグループをつくって申請すれば活用できる」と小売店への適用をみとめました。
尼崎南警察西分庁舎
公安委員会では、尼崎中央署、西署を統合した尼崎南警察署の新庁舎が完成する二〇二一年に西分庁舎を閉鎖する計画をとりあげ、地域住民の「交番という形でも残してほしい」という要望を伝えました。当局は「検討したい」と答弁しました。
高潮、津波対策、園田西武庫線
県土整備部審査で庄本議員は、台風二十一号で浸水被害を受けた尼崎市丸島の武庫川下流浄化センター周辺について、現在の護岸高が設計高さより八十センチメートル沈んだまま放置されていたことや、津波逆流対策として神崎川などの堤防高の測定が不十分であることを指摘。測定点をふやし、定期的な測定が必要と指摘しました。
園田西武庫線藻川工区の自転車通行空間について庄本議員は、安全面からも土地収用の面からも、自転車通行はやめるべきだと主張。地元合意のない工事を絶対にすすめるべきではないとしました。
(兵庫民報2019年3月17日付)