教員定数、勤務時間の検討へ前向き答弁
二月二十六日の兵庫県議会本会議で、日本共産党のいそみ恵子県議が一般質問を行いました。
教員定数
県行財政運営方針に関わり、いそみ議員は教員定数の削減についてただしました。教員の多忙化が社会問題になるなか、二〇一九年度県予算案では、百七十三人の教職員を削減する方針となっています。いそみ議員は「教員の長時間労働・多忙化解消のカギとなる正規教員の抜本増こそ必要」と述べ、教職員定数増を求めました。
答弁 教員定数について県教育長は、「教育の質の充実の観点を重視し、大胆な少人数学級編成、小人数教育を実現するため、またいじめや不登校など喫緊の課題に対応するための教員の増員、またスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど専門家の配置支援など、総合的に検討すべきだ。国に対しては、勤務時間の上限の再検討含め、総合的な対策を求めていきたい」と答えました。
子ども医療費
子育て施策に関わり、いそみ議員は、子どもの医療費助成制度について県が二〇一一年に行った所得制限の判定を世帯合算にしたことを批判。「県下四万五千人の子どもが助成を受けられなくなった。インフルエンザ予防接種も含め中学三年までの子ども医療費の完全無償化をするよう知事として決断すべきだ」と迫りました。
補聴器への助成
また昨年十二月議会で、国への意見書が全会一致で採択された高齢者補聴器購入への公的補助について、あらためて国の補助制度を求めるとともに、県独自の助成制度創設を要請しました。
答弁 高齢者補聴器購入公的補助について答弁にたった井戸敏三知事は、「国に補助制度の創設はしっかり要請したい。県議会としては、その状況もみきわめ、対応を考えたい」と述べました。
高潮・調整池
昨年の一連の災害に関わり、高潮対策について、この間、県議団の調査で、被害のあった甲子園浜では、設計高さより現在の護岸高が四十五センチメートルも下回っていたことがあきらかになりました。いそみ議員は「計測した護岸高さと設計高さを突き合せもせず、浸水被害が起こり得る箇所が放置されていたことは、県行政の怠慢と言わざるを得ない」と追及。県内護岸の必要設計高さと、現在の護岸高さを公開し、危険性をあきらかにすること、従来の延長ではない護岸対策を行うことを求めました。
開発中の西宮市高塚町で昨年の七月豪雨災害などで、マンホールから泥水が吹きだし貯水池があふれる寸前となったことを取りあげ、「本来、工事着手当初には造っておかなければならなかった二カ所の調整池を一日も早く稼働させ、住民の不安を取り除くべきだ」と主張しました。
答弁 高潮対策について県土整備部長は、「必要高さと現状については公表していくとともに、五年ごとに計測し、示していく。兵庫県高潮対策十カ年計画では、今回の台風被害により見直しを図った必要高さに基づき、被害地域を優先し、嵩上げを中心に景観なども考慮しながら、新技術も活用して対応していきたい」と答えました。高塚町開発地の調整池については、「東側は昨年七月、西側は本年三月にも稼働させ、住民の安心を図りたいと考えている」としました。
名神湾岸連絡線
いそみ議員は、近隣の住民から「広範囲に立ち退きになるのではないか」「橋脚によってコミュニティが寸断される」「酒造等へも大きな影響がある」など大きな不安の声があがっている名神湾岸連絡線は住民合意が得られておらず、何より優先させるべき生活道路や橋梁などの老朽化、防災・減災対策に予算を振り向けるべきだとして、名神湾岸連絡線計画の中止を訴えました。
災害援護資金
阪神・淡路大震災から二十四年、いまだに残る課題として、災害援護資金の返済免除について取り上げました。いそみ議員は、「少額返済者も含めた生活困窮者はすべて返済免除対象者にするなど、国に働きかけるとともに、県が決断し、返済免除をすすめるべきだ」と迫りました。
答弁 福祉部長は「少額返済者への免除対象拡大など、国と協議している」と答えました。
(兵庫民報2019年3月10日付)