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2019年3月4日月曜日

明石市長選に新町みちよ氏


市長辞任による明石市長選挙は三月十日告示・十七日投票で行われます。
日本共産党東播地区委員会は二月二十二日、元県議で明石市委員長の新町みちよ氏(71)を公認候補として、「住民が主人公」の市政をめざすとの声明を発表しました。
新町氏は立候補表明にあたり、日本共産党が実施した「市民アンケート」(回答千通)に寄せられた声にこたえる政策を練り上げていくとして、「市民一人ひとりが大切にされ、安心・安全の明石市政を」との基本姿勢を明らかにしています。
なかでも、▽子どもの医療費無料化を高校三年生にまで広げる▽認可保育所増設、保育士の待遇改善で待機児童を解消する▽安心して介護が受けられる体制づくり、特養ホームの建設促進▽国保料を引き下げる▽たこバス(コミュニティバス)を拡充する▽住宅リフォーム助成を店舗も含め拡充する▽市庁舎建て替えは情報を公開して市民の声をよく聞き検討する▽地域密着型、循環型の経済発展をはかる―などの市民の願いを実現する決意を表明。
市民の厳しい暮らしの根本に国の悪政があり、安倍政治から市民の暮らしを守る市政が必要だと強調しています。
また、前市長の市職員への暴言は基本的人権を脅かす行為だと批判。議会と市民に隠れて密室取り引きをした元市長の市政復活も許さないと述べています。

新町氏の略歴

明石市立(当時)明石南高校卒。国際電信電話㈱勤務。元県議(三期)/現在、党兵庫県委員、東播地区副委員長、明石市委員長。

(兵庫民報2019年3月10日付)

明石での演説会で山下副委員長

日本共産党伸ばし安倍政治にサヨナラ


日本共産党東播地区委員会は二月二十四日、明石市民会館に山下よしき参議院議員を迎え、演説会を開催しました。
新町みちよ明石市委員長が明石市長選への立候補を表明した直後の演説会となりました。金田峰生参議院兵庫選挙区予定候補、福原ゆかり県議予定候補、辻本たつや・くすもと美紀両市議、いとう和貴・ふじうら研司両市議予定候補が決意を述べました。
新町みちよ氏は、
―立候補表明後、「よく決意してくれた、頑張れ」と多くの声が寄せられ、励まされている。実施した市民アンケートには「待機児童を解消してほしい」「八時間働けば安心して暮らせる賃金に」「国民健康保険料の軽減を」など、安倍自公政権のもとでの多くの切実な願いが寄せられた。市長に押し上げてもらえれば、安倍政治と正面から対決し、子育て世代、働く人たち、高齢者の願いが実現できる市政を実行していきます――と決意を述べ、会場から大きな声援が送られました。
山下よしき参議院議員(比例予定候補)は、
―大企業の税金を中小企業並にし、また富裕層の株のもうけに欧米並みの税率を課せば五兆円が生まれる。消費税を一〇%にしなくても十分やっていける。安倍内閣は一機百億円もする戦闘機を百機、一兆円使って買おうとしている。これを国保料の負担に回せば、明石で四人家族、収入四百万円の人の国保料四十万円が協会けんぽ並の二十一万円になる。
―自衛隊を憲法へ明記しようとする狙いが若者の情報を自衛隊に召し上げて海外の戦場に送ろうということにあることが、最近の安倍首相の自治体の非協力発言から明らかになった。安倍政治にサヨナラするために安倍自公政権と真っ向から対決する日本共産党を伸ばしてください――と訴えました。
三百五十人が参加し、演説会後の山下副委員長を囲む懇談会で二人が入党を決意しました。

(兵庫民報2019年3月10日付)

県議選加古川市に山川ひろし氏

日本共産党は二月二十一日、兵庫県議選加古川市選挙区(定数4)の候補者を発表しました。

山川ひろし(74)

新人/県立飾磨工業高校卒。大和製衡㈱勤務をへて、元加古川市議(五期)/現在、野口南地区連合町内会長・野口町長砂町内会長、あいあい保育園理事、加古川・加古民主商工会理事、加古川生活と健康を守る会事務局長。行政書士。党加古川市県政対策委員長。

(兵庫民報2019年3月10日付)

山下よしき「民主主義は埋め立てられない」

連載エッセイ13

〝土砂で民主主義を埋め立てることはできない〟――二月二十四日に行われた県民投票で沖縄の人々が見事に示してくれました。
辺野古埋め立て「反対」が七割を超え、昨年九月の知事選挙で玉城デニーさんが得た過去最多の三十九万六千票を上回りました。まさに圧倒的民意です。安倍政権がこの結果を無視することは許されません。こんどこそ沖縄の民意を尊重し、辺野古新基地建設を断念すべきです。
辺野古では、民意とともに自然も埋め立てを拒否しています。大浦湾には、深さ三十㍍の海底に厚さ六十㍍の超軟弱地盤が存在することを政府も認めました。大規模な地盤改良工事が必要ですが、海上から九十㍍の深さに砂杭を七万七千本も打ち込む工事は技術的に不可能です。この点からも新基地建設は断念するしかありません。
追い込まれているのは土砂を投入している安倍政権の側です。
それでも新基地建設にしがみつくなら、国政選挙で決着をつけなければなりません。
〝勝つ方法はあきらめないこと。大義の旗を掲げ、本気で共闘すること〟―「オール沖縄」が教えてくれた勝利の方程式を、こんどは「オール・ジャパン」に広げましょう。
二月十九日、国会正門前の総がかり行動には、雨の中、沖縄に連帯して三千人が集まりました。日本共産党の私とともに、立憲民主党、国民民主党、自由党の代表が「辺野古新基地反対」の熱いスピーチを行いました。
準備は着々と整っています。
(日本共産党参院議員・党副委員長)

(兵庫民報2019年3月10日付)

県議会:日本共産党いそみ議員の一般質問

教員定数、勤務時間の検討へ前向き答弁


二月二十六日の兵庫県議会本会議で、日本共産党のいそみ恵子県議が一般質問を行いました。

教員定数

県行財政運営方針に関わり、いそみ議員は教員定数の削減についてただしました。教員の多忙化が社会問題になるなか、二〇一九年度県予算案では、百七十三人の教職員を削減する方針となっています。いそみ議員は「教員の長時間労働・多忙化解消のカギとなる正規教員の抜本増こそ必要」と述べ、教職員定数増を求めました。
答弁 教員定数について県教育長は、「教育の質の充実の観点を重視し、大胆な少人数学級編成、小人数教育を実現するため、またいじめや不登校など喫緊の課題に対応するための教員の増員、またスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど専門家の配置支援など、総合的に検討すべきだ。国に対しては、勤務時間の上限の再検討含め、総合的な対策を求めていきたい」と答えました。

子ども医療費

子育て施策に関わり、いそみ議員は、子どもの医療費助成制度について県が二〇一一年に行った所得制限の判定を世帯合算にしたことを批判。「県下四万五千人の子どもが助成を受けられなくなった。インフルエンザ予防接種も含め中学三年までの子ども医療費の完全無償化をするよう知事として決断すべきだ」と迫りました。
補聴器への助成
また昨年十二月議会で、国への意見書が全会一致で採択された高齢者補聴器購入への公的補助について、あらためて国の補助制度を求めるとともに、県独自の助成制度創設を要請しました。
答弁 高齢者補聴器購入公的補助について答弁にたった井戸敏三知事は、「国に補助制度の創設はしっかり要請したい。県議会としては、その状況もみきわめ、対応を考えたい」と述べました。

高潮・調整池

昨年の一連の災害に関わり、高潮対策について、この間、県議団の調査で、被害のあった甲子園浜では、設計高さより現在の護岸高が四十五センチメートルも下回っていたことがあきらかになりました。いそみ議員は「計測した護岸高さと設計高さを突き合せもせず、浸水被害が起こり得る箇所が放置されていたことは、県行政の怠慢と言わざるを得ない」と追及。県内護岸の必要設計高さと、現在の護岸高さを公開し、危険性をあきらかにすること、従来の延長ではない護岸対策を行うことを求めました。
開発中の西宮市高塚町で昨年の七月豪雨災害などで、マンホールから泥水が吹きだし貯水池があふれる寸前となったことを取りあげ、「本来、工事着手当初には造っておかなければならなかった二カ所の調整池を一日も早く稼働させ、住民の不安を取り除くべきだ」と主張しました。
答弁 高潮対策について県土整備部長は、「必要高さと現状については公表していくとともに、五年ごとに計測し、示していく。兵庫県高潮対策十カ年計画では、今回の台風被害により見直しを図った必要高さに基づき、被害地域を優先し、嵩上げを中心に景観なども考慮しながら、新技術も活用して対応していきたい」と答えました。高塚町開発地の調整池については、「東側は昨年七月、西側は本年三月にも稼働させ、住民の安心を図りたいと考えている」としました。

名神湾岸連絡線

いそみ議員は、近隣の住民から「広範囲に立ち退きになるのではないか」「橋脚によってコミュニティが寸断される」「酒造等へも大きな影響がある」など大きな不安の声があがっている名神湾岸連絡線は住民合意が得られておらず、何より優先させるべき生活道路や橋梁などの老朽化、防災・減災対策に予算を振り向けるべきだとして、名神湾岸連絡線計画の中止を訴えました。

災害援護資金

阪神・淡路大震災から二十四年、いまだに残る課題として、災害援護資金の返済免除について取り上げました。いそみ議員は、「少額返済者も含めた生活困窮者はすべて返済免除対象者にするなど、国に働きかけるとともに、県が決断し、返済免除をすすめるべきだ」と迫りました。
答弁 福祉部長は「少額返済者への免除対象拡大など、国と協議している」と答えました。

(兵庫民報2019年3月10日付)

統一地方選へわたしの決意:三好まさこ(須磨区)

悪政の防波堤の役割いまこそ

党須磨区県政対策委員長 三好まさこ

四月の統一地方選挙は地方自治の役割は何なのかが問われる重要な選挙だと思います。
安倍政権のウソとごまかしの暴走政治が年を越えても止まりません。地方政治への大きな悪影響が広がっている実感がします。国の言いなり・下請けになるのか、住民の生命と暮らし、福祉を守る自治体本来の仕事、悪政の防波堤の役割を今こそ果たさねばとの思いを強めました。
最も許しがたいのは、安倍首相が自衛隊の新規募集に対し「自治体の協力拒否」という「状況を変える」ことを改憲の狙いにあげたことです。都道府県市町村は国に従えとの圧力のかけ方は、戦前の社会を思い起こさせるような恐るべき態度です。
自衛隊法施行令は自治体が自衛官募集の広報などを行うことは定めていますが、若者の氏名・住所・性別などを記した名簿の提出要請について応じる義務は自治体にありません。強制的に提出させることは国民を戦争へと大動員する危険性があります。防波堤の役割が重要になっています。
ウソとごまかし、隠蔽の暴走政治に対し、こんどの選挙で地方から審判を下し、「安倍政治サヨナラ」の年にしていきましょう。
兵庫県政ついては、①消費税一〇%増税をストップさせること、②高すぎる国保料の引き下げ・均等割りの減免制度を実施させること、全国知事会も求めているように国の公費を一兆円増やし、協会けんぽなみの保険料に引き下げること、③こども医療費については所得制限なしで中学校卒業まで無料にすること、④防災対策は県行政の重要部分であり、防災・減災の予算を要求していくこと、⑤歴史・史跡・重要文化財の保存と整備をすすめ後世にしっかり伝えていくこと―など皆さんの願い実現へ全力で頑張ります。

推薦します!

金融の仲間内藤雅恵さん

いつも運動の先頭に三好さん

四年前、三好さんが惜敗したとき、初めて支持を訴えた友人から「あなた、なぜもっと頑張らなかったの」と言われました。いまその時です。
金融労働者としていっしょに頑張った三好さん。いつも運動の先頭にいます。須磨区から県議会へ、必ずおしあげましょう。

(兵庫民報2019年3月10日付)

二〇二一年知事選へ:憲法県政の会が総会

県民の命と暮らし守る共同を


憲法が輝く兵庫県政をつくる会は二月二十一日、神戸市内で第十五回定期総会を開き、二〇二一年の県知事選挙にむけた組織活動の強化方針や新役員を決めました。
主催者挨拶した代表幹事の石川康宏・神戸女学院大学教授は、二〇一七年知事選を振り返り、複雑な選挙情勢にも対応できる力をつけること、市民と野党の共闘の新しい政治状況にみあった創造的な運動をよびかけました。
東郷泰三事務局長は、国政、県政をめぐる情勢と課題を報告。「京都の知事選に学ぶ会」「地域が元気になる自治体づくり」の学習会など昨年のとりくみを紹介し、次期知事選にむけた日常活動の強化、そのための事務局体制と財政の強化を強調しました。
討論では、日本共産党のきだ結県議が新年度予算案にもふれ、大型開発推進で県民サービスを切り縮める県政を告発。借り上げ住宅の継続入居や非核平和宣言の採択など住民運動と議会論戦による前進面も紹介しました。
兵商連会長の磯谷吉夫氏をはじめ兵庫教職員組合、県保険医協会、県原水協、「明石の会」の代表らが討論。中小業者支援、少人数学級、地域医療、自衛官募集名簿提供などにふれ県政の果たす役割を強調しました。
代表幹事の津川知久氏が閉会挨拶。地域で安心して暮らしつづけることができる県政のあり方をともに考え、一緒につくっていこうと呼びかけました。
「市民にあたたかい神戸をつくる会」共同代表の門泰之氏、兵庫県自治研理事長の岡田章宏氏が来賓挨拶をしました。総会には、県内の立憲民主党と社民党の代表、四市長・一町長からメッセージが寄せられました。

(兵庫民報2019年3月10日付)

小林多喜二のたたかいに学ぼう

兵庫県集会:青年に寄り添った活動を


勇気こそ地の塩なれや梅真白――俳人中村草田男の句を冒頭に添えて、神戸国語教育研究会の松井仁代表世話人は、二月二十四日、神戸で開催された二〇一九年兵庫県小林多喜二記念集会で「待て、而して希望せよ――初期プロレタリア文学再考から見えるもの」をテーマに講演を行いました。
*
集会は神戸青年合唱団の演奏で始まり、「この広い野原いっぱい」などの会場の合唱で雰囲気が盛り上がる中で進められました。
松井氏は、はじめに今の若者の思考方法の実態に触れ、センター試験などで画一的な思考方法に慣らされている傾向が強く、六〇年安保闘争や七〇年代の学園闘争などとは無縁な孤立状態に置かれており、若い教師の多くが労働運動を知らず、お互いの連帯感という意識が希薄であることなどをあげ、プロレタリア文学などの伝統を継承していくにはそうした条件を踏まえての活動が重要だと指摘しました。
そのうえで日本文学の積極面、とりわけプロレタリア文学を継承するために、近代文学の特徴に触れ、明治時代末の石川啄木の真摯な奮闘や、プロレタリア文学の先駆けとなった葉山嘉樹の作品の先駆性と文学性などからも学ぶことが大切だ、と強調しました。
参加者者からは小林多喜二などのプロレタリア文学の解説とは違った角度の問題提起があり、今の時代に合った創造的で創意的な活動の必要性を強く感じた、などの感想が寄せられました。
集会では濱本鶴男兵庫多喜二・百合子の会会長、岡正信治安維持法犠牲者国家賠償請求同盟兵庫県本部会長が挨拶し、六十人あまりが参加しました。
―堤隆二

阪神北多喜二祭り:物言えぬ時代に戻さぬよう


第十七回小林多喜二祭が二月二十四日、いたみホールで開催されました。今年は、関西学院大学の冨田宏治教授が、「市民と野党の共闘と安倍改憲阻止の展望」をテーマに、「多喜二が生きた、物言えぬ時代に戻さないように」と講演しました。
安倍政権がうそと隠蔽による強権政治を続け、戦争する国づくりを進めようとするなか、今回の多喜二祭は市民と野党の共闘で必ず安倍政権を打ち倒そうと呼びかけられました。
冨田氏は、昨年の自民党総裁選の結果から見える地方組織の変動、沖縄知事選で玉城デニー知事が圧勝し、平昌オリンピックから南北朝鮮の話し合いが進むなか、安倍首相が世界から孤立していることなど、国内だけでなく国際社会からも安倍政権が追い込まれている実態を紹介。「市民と野党の本気の共闘を実現させれば、今年の連続選挙で安倍政権を終わらせることができる。政権交代をはたして、改憲阻止とともに、安保法制、秘密保護法、共謀罪法を廃止しよう」と訴えました。
また、多喜二の意思を継ぎ統一地方選挙に臨むとして伊丹市の、かしば優美、上原ひでき、ひさ村真知子、服部よしひろ各市議が紹介されました。
第二部では、文化行事として寺田ちはるさんによるアコーディオン演奏が行われ、参加者による合奏・合唱など音楽を通じて平和を実感する祭りとなりました。
―吉岡けんじ(川西市議)

(兵庫民報2019年3月10日付)

西宮革新懇第五回総会

市民と野党の共闘の力で、新しい政治を!


西宮革新懇は二月二十三日、第五回総会を開きました。
開会挨拶で、冨田宏治代表世話人(関西学院大学教授)は「手を緩めることなく安倍改憲を阻止して、その上で政権がとれる『市民と野党の共闘』の成熟を果たしていかなければならない」と強調しました。
「市民・労働者の運動と革新懇運動」と題して記念講演に立った小田川義和全労連議長は「アメリカ追従、大企業中心の今の日本政治の枠組み、この根本を変えていくのが革新懇運動の中心的な課題。同時に、今の状況の下では、進み出している市民と野党の共闘、とりわけ安倍政権を打倒するという点に力を寄せ合っていくという共闘の推進力に革新懇としてもなっていくことが必要」と革新懇の役割を訴えました。
「安倍九条改憲NO!西宮芦屋市民アクション」の魚谷直生さん、「憲法を生かす阪神連絡会」の奥山篤さん、「革新芦屋の会」の田中恵美子さんから連帯の挨拶。立憲民主党、日本共産西宮芦屋地区、社民七区支部、新社会芦屋総支部からのメッセージが文書で紹介されました。
「報告と提案」で、「三千万署名推進など運動の前進への努力と一体に、市民と野党の共闘の発展への粘り強い努力を行ってきた。さらに、保守層も含めた共闘への努力も始めよう」と訴えました。討論では四人が発言し、安倍政治のゆがみが地域の色んな分野に表れ、共闘の可能性の広がりが明らかになるとともに、安倍政治を倒し野党連合政権をつくるために衆院選勝利を照準にした革新懇運動についての強調がありました。
―樫村庸一(同革新懇)

(兵庫民報2019年3月10日付)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:2019-02-20

国の姿勢の情けなさ、今回もさらけ出した

副島圀義

二月二十日の大阪地裁では、原告Oさんご本人と穐久英明先生が証言されました。

Oさんは二歳七カ月の時に長崎で被爆。子どもの頃は鼻血や下痢がよくあったそうです。
五十歳の時に心筋梗塞を発症し、十年後に二回目。通院治療を続けるなか、新聞報道で原爆症に該当すると思って認定申請したが却下され、提訴に踏み切りました。

国側代理人の尋問は(もう、いつものことですが…)、
―心筋梗塞の原因は喫煙などの生活習慣だろう?
―食生活に好き嫌いがあって糖尿病が原因だったのではないのか?
―心筋梗塞には被爆者でなくてもかかる。原爆で放射線被ばくしたらみんな心筋梗塞になる、というのか?
―「相当な被ばく量」というが何グレイだったというのか?――等々。
国側がOさんのカルテの数値にこだわり「この数値だと糖尿病と言えるのでは?」「この数値だと最初の発作の時から高血圧だったのではないか?」等と、くどくどと穐久先生に質す場面でも、先生が懇切丁寧に答えておられた姿。つい、昨今の「ていねい」というコトバの一八〇度違う使い方を思い出したりしながら聴いていました。
全国の裁判では、
―発症要因に生活習慣がある場合でも、被爆が原因であることを否定するものではない。
―高血圧や高脂血自体にも被ばくの影響があり、これらをもって心疾患への被ばく影響を否定することにはならない。
―原爆投下時の線量データは極めて不十分。むしろ急性症状などから「相当な被ばく線量」と推計するしかない。――等、すでに決着済み。
その蒸し返ししかできない国の姿勢の情けなさを、今回もさらけ出しました。

Oさんは「発症の時の、言うに言えないような痛み」「いっしょに被爆した母も肝硬変で亡くなった」「毎日が不安でたまらず、一人で出かけることも怖い。そんな灰色の人生をこのまま続けることがつらい」と、その思いを語られました。
却下されても泣き寝入りせざるをえない方も少なくない。そんな被爆者の思いを代わって語られたように聴いたのは私だけでしょうか。

(兵庫民報2019年3月10日付)

解放運動無名戦士合葬者

平和と民主主義、国民の生活と権利、政治革新をめざす運動なかばで昨年亡くなった方々を顕彰する第七十二回解放運動無名戦士合葬追悼会が三月十八日、東京・青山霊園「解放運動無名戦士の墓」前で行われます。兵庫からは五十一人が合葬されます。合葬者の氏名、居住市町・享年、おもな活動歴は「兵庫民報」紙版に掲載しています。
解放運動無名戦士合葬追悼兵庫県実行委員会は中央実行委員会分担金や宿泊費、オルグ活動、諸費用にあてるため募金を呼びかけています。「合葬募金」と明記し、「郵便振替01140・7・3869 日本国民救援会兵庫県本部」へ。

(兵庫民報2019年3月10日付)

ひなたぽっころりん〈636〉

(兵庫民報2019年3月10日付)

観感楽学

「原告、被告双方からの意見のほか、専門家の意見・当事者の実情などをお聞きし、熟慮を重ねた結果判決を出した」―二月七日、借り上げ住宅裁判の判決言い渡しにあたっての裁判長の「冒頭発言」です。民事裁判では珍しく、傍聴席を埋めた入居者や支援者は驚きと期待を持って耳をそばだてました▼しかしこの後、裁判長は神戸市の請求を認め、入居者四人に「住宅の明け渡し」と二百六十六万円~百六十七万円の「損害賠償」などを命じました。「不当判決!」と怒りの声があがるなか裁判官は逃げるように退席しました▼Tさん七十六歳、乳がん・頸椎後縦靭帯骨化症に罹患、下肢にも運動機能障害、転倒で右手首骨折。Nさん八十二歳、腰部脊柱管狭窄症・両変形性膝関節症で歩行能力低下…四人とも病弱。判決も「転居によって一定の身体的・精神的な負担を被ること自体は否定しがたい」としています。道一つ隔てた県の借り上げ住宅では七十歳未満の入居者も継続入居が認められています▼二十五日、Nさん、Tさんたちと記者会見に臨んだ九十三歳のひょうご借り上げ住宅協議会の安田秋成代表は「司法の独立性を失った不当判決」と厳しく批判し、「満身の怒りを込めて抗議する」との抗議文を神戸地裁に提出しました。(D)

(兵庫民報2019年3月10日付)

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