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2019年2月24日日曜日

兵庫県2019年度予算案:不要不急の公共事業は推進県民サービスは切り縮め

兵庫県の二〇一九年度予算案が、開会中の定例県議会で審議中です。
今回の予算案は、十一年間の行財政構造改革に区切りをつけ、新たな行財政運営方針に基づく編成だとしていますが、従来の不要不急の公共事業を推進しながら、県民サービスを切り縮める内容となっています。

歳入:税収の27・8%が消費税


歳入では、県税等は八千二百九十五億円(前年比三・一%増)となっています。
県税等の増は、十月から予定される消費税一〇%増税に対する地方消費税の伸び、企業の業績を反映した法人事業税の増が反映され、過去最高となるとされますが、個人県民税はほぼ横ばいなど、県民の所得などは、好転していません。
予算案では県税の中で地方消費税がしめる割合を二七・八%とするなど、地方消費税の占める割合が年々高まっています。
これ以上の増税は、県民の暮らしと営業をいっそう深刻にするものです。
県税収入については、消費税増税を前提とするのではなく、割合が引き下がっている法人税収を引き上げる手立てを検討する必要があります。

歳出:借金のつけ、新行革で県民に

歳出では、社会保障関係費は、消費税一〇%増と引き換えにした幼児教育無償化予算などが加わる一方、安倍政権の自然増抑制策や高齢者医療費負担増などが盛り込まれ、前年比四・五%増程度に抑えられています。
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投資的事業費では、高潮対策十カ年計画や山地防災・土砂災害対策計画の拡充など、防災・減災対策が盛り込まれる一方で、大阪湾岸道路西伸部工事支援、西伸部海上橋への展望施設設置調査、播磨臨海地域道路計画調査費などの大型高速道路推進ほか、不要不急の事業予算は確保しています。
神戸市と一体となり三宮再開発を行うとともに県庁耐震化の建替えとあわせて、外資系超高級ホテル誘致などが検討される元町山手地区再整備の基本計画策定も予算化。大企業に有利な産業立地促進補助等には、約十六億円を計上。
ゼネコン・大企業に手厚い予算となっています。
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新たな行財政運営方針にもとづき、抑制方針が提起されている人件費については、児童・生徒数の減少にともない教職員定数が百七十三人減らされる予算となっており、教職員の多忙化にいっそう拍車をかけるものとなっています。
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県債(借金)は公共事業増等に伴い千二百三十八億円、前年比二九・八%増となっています。
新しい行財政運営方針を示す理由となっている震災関連県債残額は、二〇一九年度末で、三千二百二十六億円となりますが、残っている借金は、災害復旧のためではなく、そのほとんどが国直轄等による大型公共事業費の借金です。この借金のつけを県民に負担させることは、認められません。

「創造的復興」として大型公共事業をすすめてきたことによる借金を、新たな行財政運営方針として、県民におしつけるのではなく、県民の安定した雇用や暮らし、待機児童対策や子どもの医療費の無料化など子育て施策の充実、国保料、介護料の引き下げや、福祉医療費の助成充実、防災・減災対策の抜本的強化などに、予算をふりむけるべきです。

県民要求が反映した主な事業

▽県東部阪神地域リハビリセンターの設置
▽高潮緊急対策
高橋川、宮川、南芦屋浜、西宮浜、甲子園浜、鳴尾、鳴尾浜、丸島
▽兵庫県高潮十箇年計画の策定
▽第一子を含めた三歳未満の保育料軽減事業の拡充
▽私立高校授業料軽減補助の拡充
▽スクールソーシャルワーカー全市町への配置
▽全県立学校への学校業務支援員の配置
▽鉄道駅舎ホームドア設置促進事業
〈整備予定〉JR神戸駅・明石駅・西明石駅/阪急神戸三宮駅/阪神神戸三宮駅
▽エレベーター、多機能トイレ等公共交通バリアフリー化の促進
〈整備予定〉JR福崎駅/阪急花隈駅・園田駅/阪神住吉駅/神戸高速西元町駅・大開駅/山陽大塩駅/神鉄長田駅・花山駅・大池駅

ねりき恵子日本共産党県議団長の談話

今回の予算案では、県民の運動や議会論戦などによって、県民の要求を一定反映した事業もあります。
しかし暮らしが大変ななか、消費税一〇%増税が前提とされ、全体として不要不急の高速道路予算、大企業に有利な産業立地促進補助等は温存しながら、国と一体に、社会保障は抑制し、教職員数は削減するなど、県民の暮らし充実に対し逆立ちした予算です。
県議団は、県民要求実現に向け議会論戦で力を尽くす決意です。

(兵庫民報2019年2月24日付)

兵庫県緊急対策補正予算案について質疑・討論

TPP対応は規模拡大などではなく小規模・家族経営農家に手厚い支援を

二月十五日、第三四三回兵庫県議会が開会。
二〇一九年度予算などの提案後、国の補正予算にもとづく緊急対策補正予算案について、質疑・討論が行われました。
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質疑にたった入江次郎議員は、TPP発効を踏まえた「農林産業の競争力強化」事業に対し、「中山間地の多い兵庫県では、TPPに対応するための規模拡大や生産性向上だけでは農地は守れない」「兵庫農業の七割を占める小規模・家族農業の重要な役割を認識し、支援することこそ必要」とただしました。
井戸敏三知事は、「農業発展のためには、農業経営の収益力を高めることが基本。そのために集落営農組織、法人化に誘導することが大切。高齢化により営農継続が難しい、単独では収益力強化が困難な小規模農家は、集落営農の株主になり、農業の実際の作業は、専門家に託すべきだ」と答弁しました。
入江議員は、「一部の競争力ある経営体だけ生き残る農政でなく、農政施策の抜本的転換を」と求めました。
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討論にたったねりき恵子議員は、「農林水産業の発展と持続可能な農村のためには、今回、支援対象になっていない小規模農家・家族経営農家にこそ、手あつい支援を行うべきだ」と強調しました。また債務負担行為の活用による二〇一九年度事業の早期着手として東播磨道、但馬空港の関連事業が含まれているとして反対を表明しました。
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(兵庫民報2019年2月24日付)

神戸市新年度予算案――日本共産党が代表質疑

日本共産党の森本真団長と味口としゆき議員は、二月十八日の神戸市議会本会議で、二〇一九年度予算案に関し、久元喜造市長に対して代表質疑を行いました。

森本議員が公共事業のありかた問う


神戸市の開発優先のムダ遣いの予算を見直し、さらに約二百七十億円のため込み金(財政調整基金や都市整備等基金)を活用すれば、子どもの医療費の無料化や、国民健康保険料の引き下げ、保育所や特別養護老人ホームの建設など市民の願いの多くが実現できます。
森本議員は、消費税増税や社会保障改悪など国の悪政から、市民の暮らしを守る防波堤になることが神戸市政に求められていると指摘。市民の願いに応え福祉や子育てを最優先に取り組むべきだと主張しました。
三宮再整備や湾岸道路など、呼び込み型の大型開発に偏重した神戸市予算案は、トリクルダウン経済の幻想を振りまくだけで、既存の中小業者と地域の経済を疲弊させていると批判。住宅・店舗リフォーム助成など個別店舗への直接支援こそが地域経済活性化に不可欠だとしました。
防災対策について、長年の住民の願いであり、党が議会論戦で求めてきた神戸市独自の被災者救援制度(被災者生活再建支援法の対象外の世帯に最大二十五万円支給)や民有地の擁壁工事助成制度が実現したことに触れ、災害復興の大きな障壁となってきた「私有財産には支援しない」という国の「原則」が崩れつつあると指摘。被災者が自力で復興や防災対策を進めることができる段階まで支援する公的助成を市として国に求めるよう主張しました。
さらに、公共工事のあり方を大型開発偏重から防災・減災優先に転換するよう求めました。
これに対し、久元市長は「社会保障の持続可能性の確保のためには、陸・海・空のインフラ整備は不可欠」「三宮再整備は、広く人や物を集め新たな需要が見込まれる」などと答弁しました。
市長は、予算案の提案説明で「暮らしの質と都市の価値向上」をめざすとし、三宮再開発とともに、「郊外拠点駅周辺の再整備」を進めると表明。垂水、西神中央、名谷駅前の再整備計画の具体化を打ち出し、高層マンションを誘致する一方、区役所や病院などを郊外から駅前に集約しようとしています。

味口議員が都市空間向上計画を批判


味口議員は、駅周辺の過密を促進し、郊外地域を切り捨てる考え方の大元になっている「神戸市都市空間向上計画の考え方」は昨年三月と十一月に二度にわたる市民意見募集で市民から反対を突きつけられたものだと指摘。トップダウンで予算化するなど許されないと批判しました。
久元市長らは「人口減少の時代に便利な駅前に人口を流動させるJRが行った摩耶駅は一つのモデルだ」「駅前には人口誘導は必要だ。マンションだけでなく、商業施設や子育て施設を集積させていく、これが上質なまち」などと答弁しました。
味口議員は、市長答弁は、学校用地が確保できず仮設校舎と狭いグラウンドが押し付けられている小学校や学童保育の現状に心を寄せないものだと批判。保育所についても、マンションの一室を借りた三歳児未満対策の小規模事業に頼った待機児解消策は破綻していると指摘しました。
駅周辺では、マンションを規制し学校や保育所などを誘致するまちづくりに転換するべきだと主張しました。

(兵庫民報2019年2月24日付)

神戸・市民要求を実現する会が市と交渉


神戸・市民要求を実現する会は十三日、十五日の二日間、十一項目について、のべで四十人以上が参加し神戸市の来年度予算について交渉を行いました。
今年は、文書回答項目で八十項目の回答を要求し、加盟団体で議論、十一項目の重点項目を提出していました。
交渉項目は、子育て、医療、国保、公契約、最低賃金、中小企業支援、公共交通など市民の切実な要望を集めました。
長年の願いと運動が実り、小中学校へのエアコン設置が実現しました。しかし、特別教室への設置は一校一教室であり、すべての教室に空調設備が設置されるわけではありません。体育館の空調は大型の設置型空調設備で、体育館の一部分の温度を下げることしかできません。
現在、神戸市では、すべての普通教室・音楽室・図書室に空調設備が導入されていますが、保護者からは電気代を理由に使用を制限されることがあると意見が寄せられていることを伝えると、神戸市では公共料金の予算は別途確保しており、電気代を理由に利用を制限させていることはないと回答を得ました。
また、三歳児未満の保育料の無償化に伴い、今まで保育料に含まれていた食費代が徴収され結果的に負担が増加するのではとの質問に対して、決して今より負担が増すことはないと約束しました。
今回の交渉を通じて、多くの施策は、国・県の基準に追随し、神戸市独自の予算は呼び込み型の予算配分に終始し、市内企業の育成や市民の生活を助ける予算が不十分だと感じられました。
神戸・市民要求を実現する会は、今後も市民の要求を集めて、神戸市に市民目線の予算に転換させるために活動していきます。
―岡崎史典(同会事務局長)

(兵庫民報2019年2月24日付)

金田峰生「消費税に頼らずとも医療費窓口負担ゼロに」

連載エッセイ8

消費税が導入されて三十年になります。日本共産党政策委員会の垣内亮氏によれば、この三十年間で、累計約三百七十兆円の消費税が国民から搾り取られた一方、法人三税は累計で約二百九十兆円減税され、所得税と住民税も、あわせて二百七十兆円減ってしまっていたとのことで、この三十年間で税収は、差し引き百九十兆円マイナスだったということです。
さらに「インボイス制度」は、地域社会を破壊し、産業経済の土台を潰すことになるでしょう。
結局、消費税は社会保障の役に立っていないばかりか、経済を冷え込ませ、財政も悪化させるなど、「百害あって一利なし」の悪税制だということが、いよいよ明らかになりました。
消費税に頼らない財政構造への転換こそ必要だと思います。
日本共産党は、「公平な税金の集め方への改革」と「税金の無駄遣いを削り、暮らし優先に切り替える税金の使い方改革」で、約十七兆円の財源を確保できるとしています。
私はこれを実現させ、ぜひ医療費窓口負担をゼロに戻したいと思っています。
お金がなくて必要な医療を受けられず、手遅れで亡くなったなんていう悲しい話をなくしたい。子どもに「病気になってお金がかかるね、ごめんね」なんて言わせる情けない社会を正したいと思います。
保育料や給食費無償化、学費引き下げ、介護保険立て直し。福祉労働者の抜本賃上げと思いは広がります。
まずは、消費税増税をきっぱり中止させること。がんばりましょう。
(参院兵庫選挙区予定候補)

(兵庫民報2019年2月24日付)

篠山市議補選:山田氏及ばず

篠山市議補選(欠員二・立候補三人)は二月十七日、投開票が行われ、日本共産党の山田きよし氏=新=は、二千六百十一票(得票率二二・五二%)で三位となり、及びませんでした。投票率三四・四九%。

(兵庫民報2019年2月24日付)

統一地方選・参院選へ演説会・決起集会

西宮芦屋地区委員会が演説会


山下副委員長が日本共産党を伸ばそうと力こめ

日本共産党西宮芦屋地区員会は二月十六日、西宮市勤労会館に山下よしき副委員長・参院議員(比例予定候補)を迎え、演説会を開きました。
目前に迫った統一地方選と七月の参院選での日本共産党の勝利・躍進で安倍政治を終わらせようとの熱気に会場は包まれました。
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山下氏は、統一地方選挙と参院選は「日本の命運のかかった選挙」だと指摘。「安倍晋三首相の最大の野望は憲法九条の改悪で日本を戦争する国にすること。何としても止めるため、統一地方選で日本共産党を伸ばし、参院選で野党統一候補と日本共産党候補の議席を伸ばさせてください」と力をこめ、聴衆は大きな拍手でこたえました。
演説のなかで山下氏は、阪神・淡路大震災で、被災者の生活再建への公的支援を要請した際、知事が「できない」と答えた兵庫県政の冷たさは変わっていないと指摘し、県政を変えるため、日本共産党の現有五議席確保・八議席以上をめざし、弱者によりそう、いそみ恵子県議を再び県議会に押し上げてほしいと訴えました。
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金田峰生参院兵庫選挙区予定候補は「命と尊厳を大事にする憲法をいかした政治の実現を」と訴えました。いそみ恵子県議、西宮市の野口あけみ、佐藤みち子、庄本けんじ、杉山たかのり、まつお正秀の各市議とひぐち光冬市議予定候補、芦屋市の平野貞雄、ひろせ久美子両市議と川島あゆみ市議予定候補が力強く決意を表明しました。

但馬後援会が決起集会


住民に希望とどける党づくりと参院選での勝利へ

日本共産党但馬地区委員会と党但馬後援会は二月十五日、豊岡市・じばさん但馬多目的ホールで後援会決起集会を開催。平日の午後にもかかわらず八十人を超える参加者で熱気あふれる集会となりました。
前田貞夫後援会長(弁護士)は「安倍政権にサヨナラをつきつけるために頑張りたい」と挨拶しました。
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金田峰生参院兵庫選挙区予定候補は、安倍自公政治の問題点を報告し、兵庫県における野党共闘の現状にもふれながら三人区である兵庫選挙区での勝利のため全力でたたかう決意を語りました。
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年金者組合、新婦人での後援会づくりや、香住後援会の活動、但馬憲法カフェなどの取り組みがそれぞれから報告されました。
村岡峰男地区委員長は閉会挨拶で、過疎・高齢化の但馬だからこそ、住民に希望を届けることができる党づくりと、参議院選挙での勝利のためにたたかおうと訴えました。

(兵庫民報2019年2月24日付)

民青同盟県代表者会議が活動方針

青年の願いにまっすぐ応え、役割発揮する時

日本民主青年同盟兵庫県委員会は二月十七日、第五十九期県代表者会議(下り)を開き、第四十二回全国大会決議にもとづく活動方針を決めました。
初めに上園隆県委員長が県委員会を代表して報告しました。
上園氏は、「今、平和と民主主義を発展させ、個人の尊厳を大切にする社会を求める人々が、世界を動かしている」として朝鮮半島や欧米など世界の変革の流れや、日本国内での市民と野党の共闘、安倍政権とのたたかいについて紹介。
「世界も日本も大激動のもと、青年の社会に対する模索や疑問が深まり、青年の中にある変革のエネルギーが強まっている。民青同盟が青年の願いにまっすぐに応え、役割を発揮する時。青年の中で『三つの役割(青年との共同、草の根の行動力、社会を変革する学び)』を発揮し、魅力的な班活動を広げ、倍加を目指して仲間を増やして、新しい政治を切り開きましょう」と呼びかけました。
また、▽「私たちの青年集会」(仮称・四月二十八日開催予定)に向け、学費・奨学金アンケートと働き方アンケートで青年の実態を集め、集会で告発するとともに、野党各党に対して、青年にとって希望の持てる共通政策を求める▽すべての班と準備班で仲間を二人以上増やし、条件に応じて新たな班を結成し、複数の高校生班の結成、班がない大学での班の結成、新たな職場班の結成を目指し、年間六十人の仲間を増やす―などの活動方針を提案しました。
討論ではそれぞれの地域で「三つの役割」を発揮してきたことや、「一人ひとりの知りたいこと、やりたいこと」を出発点に魅力的な班活動が作られてきたことがいきいきと語られました。
県代表者会議は、活動方針を全員一致で採択し、役員選挙では新たな県委員長に伊木さち氏、副委員長に上園隆氏を選出しました。
日本共産党兵庫県委員会から村上亮三書記長が出席して挨拶しました。
戦争させない、9条壊すな!5・3兵庫憲法集会
5月3日(金・祝)14時、神戸・東遊園地/ゲストスピーカー:落合恵子(作家、クレヨンハウス主宰)/演奏:川口真由美(シンガーソングライター)/15時からパレード/主催:戦争させない、9条壊すな!総がかり行動兵庫県実行委員会☎078‐341‐3332

(兵庫民報2019年2月24日付)

5・3兵庫憲法集会成功へプレ集会:総がかり行動兵庫県実行委員会

半田滋氏

五月三日の憲法記念日に神戸・東遊園地で行う「兵庫憲法集会」へ向け学習し、同集会を大きく成功させようと、「戦争させない、九条壊すな! 総がかり行動兵庫県実行委員会」は二月十三日、神戸市勤労会館でプレ集会を開きました。
講師に招かれたジャーナリストで東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏が、「安保法制下の自衛隊―踏み越える専守防衛―」と題して講演。安倍政権が昨年制定した「防衛計画の大綱」で事実上〝専守防衛〟の立場を放棄し、強力な日米一体化をすすめている自衛隊の実態をを詳説しました。
さらに、安倍改憲の狙いは、自衛隊を憲法に明記することで安全保障関連法を合憲とし、自衛隊を「軍隊」とし、集団的自衛権の全面的行使と多国籍軍への参加に踏み切ることにあるのではないかと指摘し、改憲への動きへの警戒を強調しました。
実行委員会からは5・3集会に向け、団体の賛同・賛同金を広げること、チラシの活用、全県一斉ターミナル宣伝などの取り組みが提起されました。

(兵庫民報2019年2月24日付)

亀井洋示「見ざる・聞かざる・言うさる」


(兵庫民報2019年2月24日付)

神戸映画サークル協議会3月例会『馬を放つ』


『馬を放つ』はキルギスが舞台の作品で、監督は同国生まれのアクタン・アリム・クバト。神戸映画サークルでは、これまでに『あの娘と自転車に乗って』と『明かりを灯す人』の二作品を例会として上映しています。監督は、過去に国際映画祭などで数々の賞を受けていますが、本作でもベルリン国際映画祭パノラマ部門国際アートシネマ連盟賞などを受賞しています。
押し寄せるグローバル化、イスラム教の進出、アイデンティティの揺らぎなど、キルギスの美しい自然に囲まれた小さな村の生活を舞台に「馬を放つ」行為を軸に民族の伝統を守ろうとする男の物語。小さなエピソード的な話のつながりの中に、村の生活の移り変わり、その中で失われていくものを描いた作品です。
ろうあの妻と声を出さない幼い息子との平凡な日々を過ごす「ケンタウロス」(ギリシア神話に登場する半人半獣の名前で、上半身が人間で下半身が馬)と村人から呼ばれる男が主人公です。馬にまつわる古くからの神話・伝説にとらわれていて、そのようなことから金持ちたちが競走馬として囲っている馬を盗んでは野に放っていましたが、やがて、馬泥棒の存在が村で問題となり、犯人を捕まえるためにわなが仕掛けられます…。
―岡風呂賢

映画『馬を放つ』

(2017年キルギス・フランス・ドイツ・オランダ・日本合作、89分)/3月15日(金)①11時30分②14時30分③19時、16日(土)①11時30分②14時30分、18時/神戸アートビレッジセンターKAVCホール/一般当日1,700円(前売1,300円)、シニア・障がい者・大学生以下1,300円/☎078-371-8550、URL http://kobe-eisa.com/

映画公式サイト:http://www.bitters.co.jp/uma_hanatsu/

(兵庫民報2019年2月24日付)

映画『あの日のオルガン』:兵保連がチケット普及


映画を通して平和の尊さと保育の役割を訴えたい

兵庫県保育所運動連絡会 朝倉ユミ

映画『あの日のオルガン』は二月二十二日から全国ロードショー。兵庫でも尼崎、神戸、明石の三館にかかります。
敗戦直前の一九四四年、東京品川の戸越保育所では大きな決断が下されました。子どもの命を守るため、日本で初めての疎開保育という決断でした。
地域社会と家族の崩壊が語られ、子どもたちの健やかな成長に大きな影が投げ落とされている現在社会に、困難だったあの時代、それでも子どもたちと向き合いながら、子どもたちの命を守りきった二十代の若き保母たちの姿が、今の保育現場と重なり、私たちに勇気と誇りと大きな感動を与えてくれました。
兵庫県保育所運動連絡会は、この映画の製作にあたり市民プロデューサーとして参加し、映画を通して、平和の尊さと保育の役割を訴えていきたいと取り組んでいます。

映画『あの日のオルガン』

2月22日(金)~全国ロードショー/兵庫県内公開劇場:MOVIXあまがさき神戸国際松竹明石イオンシネマ(期間・時間など詳細は各劇場スケジュール参照)/前売券(1,200円)は兵庫県保育所運動連絡会(☎078‐361‐4089)で取り扱っています

(兵庫民報2019年2月24日付)

兵庫山河の会「山河」より

とりとめし命は奇跡生かされいる珠玉の残生いとしみ生きん
 安武ひろ子

几帳面に小さき字必死に書きとめるわが生きこしの春夏秋冬
 石井敏子

ゆったりと働き学ぶスペインの教育費ゼロ医療費もゼロ
 新井 幸

銅板にその名をさぐり白き花供えて祈る慰霊の朝
 塩谷凉子

現世の今生きているこの時が幸福なりと空を見つめる
 古谷さだよ

元旦の東の空を明け初めて高取山より出でし初日よ
 鵜尾和代

核兵器禁止条約実効の年にせん哉元日の朝
 西澤 愼

看護師が背をなでくるるぬくもりは検査費用に含まれぬもの
 山下洋美

ゆずひとつ浮かべて漬かる仕舞い風呂胸に納めた言葉つぶやく
 古賀悦子

パチンコに二十兆円捨てる国カジノをつくり国をかけるか
 山下 勇

(兵庫民報2019年2月24日付)

藤田佳代舞踊研究所「創作実験劇場」

2018年3月の創作実験劇場から(撮影:中野良彦

藤田佳代舞踊研究所が「モダンダンス公演 創作実験劇場」を三月十七日に開催します。
「創作実験劇場」はモダンダンスの作舞者・舞踊手の育成のための公演であり、数々の実験的な作品を創出してきました。今回のテーマは「満ちる」で新作七作品が発表されます。
藤田佳代作品「満ちる――十拍子のうた」は、「人間はいつから数をかぞえるようになったのでしょう。手の指が左五本右五本あると気づいたのはいつ頃なのでしょう」と考えているうちにできた踊りです。
寺井美津子作品「海の声」は、大学生、高校生のエネルギーを集めて作品にしています。
金沢景子作品「鬼影」は、稲澤笑亀氏の尺八生演奏でのソロ作品。
菊本千永作品「月の森にねむる」は、人知れずひっそりと目覚め、またねむりにつく命を踊ります。
かじのり子作品「追う――遠ざかる遠景」は、追えば追うほど遠ざかっていくように思われる景色や場所をそれでも追いたい思いを群舞に。
向井華奈子作品「華の終い」は、椿、梅、菊、牡丹――それぞれの散り際をソロダンスで。
「nowhere」は、平岡愛理・田中文菜・梁河茜・稲益夢子・菊原麻衣花の五人が力のかぎり作った作品です。
藤田佳代舞踊研究所モダンダンス公演「創作実験劇場」
3月17日(日)16時30分開場・17時開演、兵庫県立芸術文化センター神戸女学院ホール/入場料2,500円(当日3,000円)/問い合わせ・チケット購入は☎&Fax078‐-822‐2066、http://www2s.biglobe.ne.jp/~fkmds/

(兵庫民報2019年2月24日付)

観感楽学

一月三十日の衆院本会議・二階自民幹事長の代表質問に対し、安倍首相は「新規自衛隊員募集に対し六割以上の自治体が協力拒否」と答弁し、自衛隊加憲の理由付けにしようとした。その後の自民党大会でも同じことをぶち上げたが、マスメディアの多くは「ほとんどの自治体は協力している」とその量的誤りを指摘するにとどまった▼自治体がもつ住民の個人情報を本人の同意なしに他者に提供すること自体がプライバシー権の侵害であり憲法違反である。自治体にも防衛省の要請に応じる義務はない。「赤旗」はこの件の質的問題を明確に指摘し警鐘を鳴らしている▼昨年十月、自民党本部は地域から改憲運動を盛り上げようと小選挙区二百八十九すべてに「憲法改憲推進本部」をおくよう指示した。しかし二月九日現在、百二十三しか設置されていない(十一日付「毎日」)。その焦りから改憲の旗をまた振り上げたらウソまみれの違憲行為だった▼かの人たちは「ウソも百ペンつけばホントに変わる」と信じているのかもしれない。が、物事を科学的にとらえる見方=弁証法の一法則である「量から質への転化」とは大違い。それを私たちの行動で示してやる。(T)

(兵庫民報2019年2月24日付)