(1)県民のいのちを守り、暮らし最優先の県政を
安倍政権が、「国際競争力」の名のもと、大企業のもうけのための大型開発や「規制緩和」を地方政治に持ち込もうとしているもとで、井戸兵庫県政は積極的に呼応して、大型開発と大企業優先の政治をおしすすめています。
北海道に次いで全国二位の高速道路網(総延長七百五十㌔㍍=二〇一八年四月)を、さらに百七十㌔㍍延長して九百二十㌔㍍の高速道路ネットワーク網(「高速道路八連携軸」)の構築をうちだすなど、新たな大型開発を推進しようとしています。三宮巨大開発を推進し、県庁舎の耐震化・建替えに便乗した元町北部の再開発計画も浮上しています。
一方で、多発する自然災害に対して県内の河川整備率は五九%、土砂災害警戒区域の整備率は二六%に留まるなど、防災・減災事業は遅れています。二〇一八年に相次いだ災害では、県内で大きな被害を受けた被災者の生活や営業再建のために十分な支援策をとっていません。
二〇〇二年から上限なしで大企業を中心に支出している産業立地補助金は、二〇一七年度までに二百三十億円の設備投資補助金と、約二十五億円の新規雇用補助金が使われています。そのうち液晶パネルの工場誘致としてパナソニック一社に百六十三億円も支出されましたが、尼崎工場三工場は撤退。破綻した事業にも、多額がつぎ込まれていたにもかかわらず、いまだに年間十五億円程度の予算を盛り込み、大企業への大盤振る舞いを続けています。
県は、阪神・淡路大震災以降、「創造的復興」と銘打ち、神戸空港、関西空港二期工事、阪神高速道路、淡路交流の翼港などの大型公共事業でつくった大きな借金のツケを県民犠牲で乗り切るために、行財政構造改革(県「行革」)を約二十年間すすめました。さらに三千㌶ともいわれる「塩漬け土地」に対する反省もないまま、「環境林」として買い戻すという新たな借金も作っています。
県「行革」は、大型開発の予算は確保したうえで、国の社会保障費抑制策にも準じて、老人、母子父子寡婦、重度障害者への福祉医療費助成を大幅に削減、教育予算も削減するものでした。病院や保健所、土木事務所の統廃合をすすめ、県職員は十年間で三割も減らし、削減率は全国一位、人口、面積に応じた適正職員数は全国ワースト二位となっています。
二〇一九年度からも県「行革」を引き継いだ「新たな行財政運営の枠組み」で社会保障費、県職員人件費の予算を制限しようとしています。病院、警察、県営住宅などの廃止・集約と水道の民営化・広域化の方針をうちだしています。病床削減を大前提にした地域医療構想に基づく、病院の統廃合・再編計画が各地で住民の不安や批判を広げています。
県行政のもとで、兵庫県は、二〇一八年度保育待機児童数の増加数が全国一位、学童保育待機児童数四位、私立高校の平均初年度納入金が四位、二〇一七年度の転出超過は二位ともっとも子育てしにくい県となっています。
共産党県議団には「シングルマザーで生活が苦しい。頼れる人もいない」「年金が減らされ、介護保険制度も厳しくなり先行き不安だ」「大型開発より、地域の防災に力を入れてほしい」「生活や営業の再建に支援してほしい」など切実な声が寄せられています。
日本共産党兵庫県議団は、県民のいのちを守り、安全と暮らしを何よりも大切にする政治を実現させます。県民の切実な要求を県議会にまっすぐ届け、実現のために力を注ぐ日本共産党の議席をのばしてください。
(2)九条改憲、消費税10%増税NO!―安倍政権退場の審判を兵庫から
九条改憲NO!平和憲法YES!
安倍首相は、自分の任期中に改憲を強行する執念をますます強めています。首相は、「九条に自衛隊を明記する」だけと述べていますが、ひとたび憲法に自衛隊を明記すれば、戦力保持を禁止した九条二項の空文化=死文化に道をひらき、海外での武力行使が無制限になってしまいます。こんな改憲策動はゆるすわけにはいきません。
憲法九条改憲ストップの声を大きく広げ、憲法九条を生かした外交努力、平和行政をすすめるために全力をつくします。
消費税一〇%増税ストップ
安倍首相は、二〇一九年十月から消費税を一〇%に増税する決意を示しています。
しかし経済の実態は深刻です。総務省「家計調査」によると家計消費は、安倍政権発足時の二〇一二年は月平均三十万九千百九十九円に対し、二〇一七年は二十四万五千六百七十二円で二〇一二年比七九・四%(神戸市)に落ち込んでいます。さらに、インボイス制度導入で、五百万とも言われる免税事業者が排除されるなど、問題が山積みです。
日本共産党は、県民の暮らしと営業をこわす消費税一〇%増税を中止させるために全力をつくします。
原発、沖縄、基地でも
安倍政権は、第五次エネルギー基本計画で、二〇三〇年度に電力の二〇~二二%を原発から供給することを目標とするなど、原発再稼働に反対する世論に逆行しています。北海道胆振東部地震での全道ブラックアウトは、集中型電力供給の脆弱さが浮き彫りになりました。地球規模の温暖化への懸念により、世界は今や脱炭素です。原発、石炭依存の安倍政権に審判を下し、「原発ゼロ」、分散型・再生可能エネルギーの本格導入に道を開かせます。
沖縄県知事選挙での玉城デニー氏の勝利は、辺野古基地建設NOの県民の審判を突きつけました。ところが安倍政権は、沖縄の民意を無視して辺野古新基地建設を強行する暴挙にでています。こんなことは認められません。沖縄のたたかいに連帯し、安倍NOの声を兵庫からつきつけます。
県議選で日本共産党をのばしていただくことが、安倍政権与党と補完勢力の自民・公明・維新に審判を下し、九条改憲ストップ、消費税一〇%中止、安倍政権退場への確かな力となります。
(3)市民と野党の共闘を発展させるためにも日本共産党の躍進を
安倍政権に代わる受け皿は「市民と野党の共闘」です。沖縄県知事選挙でも党派をこえた県民の共同の力が安倍政権の総力をあげた攻撃を打ち破りました。
日本共産党は、安保関連法阻止・立憲主義回復のたたかいで、広範な市民と他党派との共同を広げてきました。兵庫県内でも、総がかり行動実行委員会に広範な市民、日本共産党と国政野党、労働組合、市民団体が結集して、様々な共同のたたかいをすすめました。県下各地で、県会議員、市町会議員など地方議員と市民の共同行動もとりくまれました。
過労死遺族の会の皆さんなどと反対運動をすすめてきた働き方改革推進一括法案は、国民の反対を押し切り採決が強行されましたが、法案から裁量労働制の拡大を削除させました。
全国各地、それぞれの地方における日本共産党の地方議員と市民、野党との共闘の広がりが、国政での野党共闘の流れを促進し、安倍政権退陣の声を大きくしています。
兵庫県議会は、日本共産党以外のすべての党が与党の「オール与党」議会です。
単独過半数を占める自民党とともに公明党、維新が、安倍暴走政治と一体となって医療、福祉、暮らしなどを切り捨ててきた井戸敏三兵庫県政を支えています。自民、公明は、予算議案、県「行革」に関わる議案など知事提案議案にすべて賛成、維新もほとんど賛成しています。
自民党は、そのほとんどが日本の侵略戦争を美化する中心組織・日本会議の地方議員連盟に所属し、「憲法改正の早期実現を求める請願」の採択を強行するなど、安倍政権のもとでの改憲策動を主導しています。公明党は、平和の党を標榜しながら、核兵器禁止条約の批准を求める国への請願に対して、「核保有国と非保有国の間に入って、共通点を見いだすような役割を果たすことが重要である」などとして、請願を不採択にしています。
維新の会は、自民党会派と一緒になり、大阪万博誘致をはじめ、インバウンド・海外呼び込み型の三宮・元町開発を推奨するなど、新たな大型開発路線を推進しています。
兵庫県議会では、国政での野党共闘の構図とは違っています。立憲民主党、国民民主党などで構成する会派=ひょうご県民連合(以下、県民連合)は、多くの県民が反対の声をあげた安保関連法案の廃止を求める請願にはわが党とともに採択を主張しましたが、自民党主導の県予算や県「行革」関連議案などすべての当局提案に自民・公明とともに賛成しています。また働き方改革一括法案の廃案、借り上げ復興公営住宅の希望者全員入居、最低賃金の引き上げ、消費税一〇%増税中止、核兵器禁止条約批准請願には、自民、公明、維新とともに、県民連合もこぞって不採択を主張しています。国政課題での共闘をすすめようとしているだけに、県政においてもその態度が問われています。
市民と野党の共闘のために力をつくしている日本共産党を県議選で大きくのばしてください。それが市民と野党の共闘を強力に発展させる力になります。
(兵庫民報2019年2月3日付)