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2019年1月27日日曜日

阪神・淡路大震災24年:生活再建へ公的支援拡充を

阪神・淡路大震災から二十四年の一月十七日、様々なメモリアル行事が行われました。

早朝追悼のつどいと市民追悼式


諏訪山ビーナステラスでは、阪神・淡路大震災被災者ネットワーク、ボランティアグループ「すまいる」、NPO法人Earthなどでつくる実行委員会による「早朝追悼のつどい」が行われ、地震発生時刻五時四十六分の黙禱、松平晃氏のトランペット演奏、石原顕正氏らアースの僧侶の読経のなか参加者一人ひとりによる「神戸・希望の鐘」点鐘で犠牲者を追悼しました。
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十時からは神戸市勤労会館で市民追悼式が開かれました。


アースの僧侶の声明と川村旭芳氏の筑前琵琶による音楽法要が行われました。参加者も「神戸希望の鐘」をついて追悼しました。
石原氏は主催者挨拶のなかで、七回忌を前に行政が追悼行事をとりやめたことから市民の手で続けようと安田秋成氏を実行委員長に岡部眞紀子氏らと実行委員会をつくって始めたなどの経緯を紹介。早朝追悼集会は実行委員が高齢に達したことなどから今年で最後としたものの、市民追悼式は今後も続けていくことを明らかにしました。
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安田氏は取材にこたえ、「なぜ、現代の神戸で六千数百人もの方々が亡くならなければならなかったのか。自己責任でしょうか。鎮魂とともに大災害が二度と起こらないようにと取り組んできた。そのなかで被災者生活再建支援法を確立できたことを誇りに思う。さらに拡充をやりとげたい」と語っています。

復興県民会議メモリアル集会


阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議は、四県の水害被災地の代表らを迎えて神戸市内でメモリアル集会を開き、兵庫県内外から二百人以上が参加しました。
兵庫県商工団体連合会の磯谷吉夫会長が主催者挨拶。営んでいた飲食店舗と自宅が全半壊し、無我夢中の二十四年だったと振り返り、県民会議が支えとなったとのべ、被災者の連帯したたたかいを強調しました。
全国災対連の住江憲勇代表世話人、日本共産党の山下よしき副委員長・参院議員が挨拶。阪神・淡路大震災の救援・復興のたたかいを契機につくられた被災者支援制度の拡充をよびかけました。
県民会議の岩田伸彦事務局長は、大震災の課題にふれ、借り上げ復興公営住宅の継続入居、災害援護資金の返済免除など全力で被災者を支えていくと強調しました。
ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会の段野太一運営委員は、神戸市、西宮市が「提訴」し、借り上げ住宅の入居者を追い出そうとする暴挙を批判。支援をよびかけました。


県民会議の畦布和隆代表委員をコーディネーターにシンポジウムを行いました。昨年の西日本豪雨被害にあった岡山県倉敷市真備町について須増伸子・日本共産党県議が、広島県呉市を奥田和夫・党市議が、愛媛県宇和島市吉田町を県農民組合の吉田泰臣事務局長が報告。四年前の鬼怒川水害にあった茨城県常総市を「被害者の会」の染谷修司氏が報告しました。四氏は、被害の実態や被害を広げた要因、復旧・復興にむけた課題や被災者のとりくみなどを紹介しました。
兵庫労連の成山太志議長が閉会挨拶。参加者にお礼をのべるとともに、自然災害が多発するもとで被災者に寄り添う政治の重要性を強調しました。

長田メモリアルのつどい


長田区では、震災復興長田の会が主催する「ひと、まち、くらし長田1・17メモリアルのつどい」が開催され、八十人が参加しました。
二組に分かれて、新長田再開発地域などを歩くメモリアルウオーク。
再開発地域の大正筋商店街のお茶屋の商店主は、「震災で生かされた命。まちが元気になるようにがんばりたい。私たちの震災の経験を東日本の被災地・南三陸町の商店街と交流しながら伝えていきたい」と語り、商店街では正午の黙禱や震災パネル展をはじめ南三陸からのつみれ汁の接待、物産展などを取り組んでいます。
震災当日の火曜日が定休日で火災をまぬがれた丸五市場の鶏肉店の店主は、「店が残ったことは財産です。昨年百年を迎えました。空き店舗は増えていますが、アジアナイト屋台のとりくみなど地域のみなさんとがんばっています」と語ってくれました。
参加者からは「まちの商店街のみなさんは、にぎわいを取り戻したいと一生懸命がんばっている姿がよくわかりました。大規模なビル群ではなく、身の丈に合った復興が大事」「震災から二十四年経っても、苦労している被災者がいる。災害に遭ってもすぐに立ち直れる施策が必要」などの声が聞かれました。
ウオークの後、ふたば学舎で、松平晃さんのトランペット演奏、昨年の豪雨によりまち全体が水没した岡山県倉敷市真備町の現状について、須増伸子日本共産党岡山県議から原因と現状について報告があり、参加者の交流を行いました。
―森本真(神戸市議)

(兵庫民報2019年1月27日付)

兵庫県女性後援会「決起のつどい」


日本共産党兵庫県女性後援会は「二〇一九年決起のつどい」を一月二十日、神戸市内で開催し、県下から約八十人が参加しました。
岸本友代代表世話人の挨拶のあと、金田峰生参議院選挙区予定候補と統一地方選挙の予定候補者――大野さとみ・前田みさ子・川村すすむ各県議予定候補、大かわら鈴子・今井まさこ・朝倉えつ子各神戸市議――が挨拶と決意表明。実行委員会から「必勝だるまチョコレート」が贈られ、参加者ともに必勝の決意を固め合いました。黒田みち川西市議も挨拶しました。
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松吉由美子県女性後援会事務局長が、活動報告、活動方針・役員提案をし、それを受けて活動交流をしました。
○須磨 昨年、五十人の参加で女性後援会総会を開催。大門みきし参議院議員が講演し、参加者から仲間が増えました。
○垂水 十二月に女性宣伝カーを出し、新婦人内後援会では会員・読者を訪問し「赤旗」読者を増やしました。市政カフェ、アナウンサー学校も開催。三月二日の新婦人支部大会にむけて、会員・読者に総あたりする予定で頑張っています。
○尼崎 毎月の駅前宣伝でのコスチュームを身につけ、横断幕を掲げて登場。県議選での二名の必勝目指して頑張る決意を表明しました。
○淡路 三市合同の女性後援会で今年一月十七日に総会を開き、清水ただし前衆議院議員が講演。参議院選挙勝利のために一万の得票目標を掲げて頑張る決意を固め合いました。
○明石 福原ゆかり県議予定候補と四人の市議候補の必勝を目指し、頑張っています。ハンドマイク宣伝も十月から月二回、今月からは毎週。ミニつどいも開いています。
○宝塚 宣伝行動を月一回やってきました。ねりき恵子県議七期目の重みを感じて、全力をあげる決意を表明しました。
○中央 昨年、毛利倫元県議を呼びつどいを開き、三人が仲間になりました。ミニつどいも二回開催。毎月二回三千万署名・消費税署名の宣伝行動などに取り組んできました。市民アンケートを行い、回答者を議員と一緒に訪問。そのなかで昨年、「赤旗」日刊紙を購読してくれた人が今年、仲間に加わりました。また後援会で沖縄支援に行ってきました。
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二部では、大門みきし参議院議員が記念講演をしました。
参加者から「大門さんの話はわかりやすくて、元気をもらった」「明るく元気に選挙をたたかって必勝をとあらためて決意」などの感想がだされました。

(兵庫民報2019年1月27日付)

兵庫県文化後援会総会


日本共産党兵庫県文化後援会は二〇一九年総会を一月二十日、神戸市内で開催しました。大門みきし参院議員が特別講演を行い、質問にも答えました。
大門氏は、安倍政権がウソや捏造を反省せず、改憲や増税につきすすむ危険な内閣であり、一日も早く終わらせるために、統一地方選・参院選での日本共産党の勝利をと訴えました。
安倍政権がトランプ米大統領いいなりに無駄な兵器を買っていること、財界の要求に沿って社会保障を改悪してきたことを批判。消費税導入以来三十年間になるが社会保障で良くなったことが一つでもあっただろうかと問い、この間の消費税収が三百七十兆円にのぼるにもかかわらず、税収全体では大企業、高額所得者への減税による分を上回る五百六十兆円もの減となっていることをあげ、消費税は景気を減速させ税収を減らす最悪の経済破壊の税金だと指摘し、消費税増税中止の声を広げようと訴えました。
また、選挙は明るくたたかおうと経験を紹介しながら激励しました。
総会では、小林明男県常任委員が参院選・統一地方選勝利へ向けた方針などを報告。
段野太一会長は、気軽に読んでもらえるバラエティに富む内容の冊子『風を起す』を昨年は六回発行し、作品展、文化講演会などを通じ、日本共産党への支持を広げてきたことを報告するともに、作品展をはじめとする今年の活動方向を提案しました。
討論では「歌声運動七十年の歴史から社会と音楽を考える語る会はどうか」「作家を招いた講演会はどうか」「先日、ピアノコンサートに若い母親が多く参加して大成功していた。もっと若い人との交流を」「登山も文化のなかでは」などの発言が相次ぎ、方針と会計提案、役員を承認しました。
文化後援会作品展は、一月三十日(水)~二月三日(日)、十時~十八時(三日は十六時まで)、神戸クリスタルタワー二階の県民ギャリーで開催。

(兵庫民報2019年1月27日付)

伊丹市で新春のつどい


日本共産党伊丹市委員会と伊丹市後援会は一月十八日、山下よしき副委員長を迎えて新春のつどいを開きました。
山下副委員長はまず安倍政権の暴走について、辺野古土砂投入のような国民の言うことを聞かない強権的な体質と森友加計疑惑やデータ改竄など都合の悪いことにはウソをつく体質に言及。強権とウソで安倍政治は破綻していると批判しました。
そして国会で多数をとっていることが暴走する最大の原因であると指摘しました。
今年に行われる統一地方選・参院選は安倍政権にストップをかける機会で参院選一人区で野党の本気の共闘と日本共産党の躍進で安倍政権を退陣に追い込もうと強調。
安倍政権に対する対案として、消費税一〇%の増税でなく大企業・富裕層の応分の負担と税金の無駄遣いをなくす道、憲法九条を生かし、朝鮮半島やアジアの平和の流れにそった平和外交の道を提案。今度の選挙で党の改革の路線を大いに広げてほしいと訴えました。
最後に伊丹市議選の予定候補一人ひとりの略歴にふれながら、伊丹での四議席確保のために力を貸してくださいと訴えると会場から大きな拍手がおこりました。
山下副委員長の訴えのあと、歌手の堀口さちこさんが「アメージンググレース」「リリーマルレーン」などスタンダードナンバーと沖縄戦を経験した辺野古に座りこむおばあのことを歌ったオリジナル曲を披露、ときにリズミカルにときにしっとりとした歌声で来場者を魅了しました。
次に伊丹市議選予定候補四人と金田峰生参院選挙区予定候補がそれぞれ決意を表明。「勝たせてください」の訴えに大きな拍手が最後まで鳴りやみませんでした。

(兵庫民報2019年1月27日付)

篠山市で市田副委員長ら訴え:安倍政治サヨナラの選挙に

著書にサインする市田副委員長

一月十九日夜、篠山市民センターで、市田忠義副委員長を迎え、丹波地区の日本共産党「新春大演説会」が開かれました。
篠山市で党三役の演説会は初めてです。昨年七月に同市での「日本共産党をかたるつどい」に市田副委員長も参加することになっていましたが、台風の接近で中止となりました。
市田副委員長自身も今年最初の遊説となり、最初に篠山市の伝統的な「デカンショ節」を取り上げ、夏目漱石の「吾輩は猫である」にも「丹波の笹山」が二カ所出てくることを紹介しました。
市田副委員長は、「野党が本気の共闘を実現して自民党を打ち負かそう。共産党の躍進で安倍政権サヨナラの選挙にしよう」と訴えました。
統一地方選挙や参議院選挙で、憲法九条を守る問題や、沖縄への連帯とともに消費税一〇%への増税中止を掲げ闘うことを述べました。経済界からも反対や見直しの声が上がっており「火だるま」状態。「十月からの一〇%は中止せよ」の一点で団結し、中止に追い込もうと呼びかけました。
また、統一地方選挙に先立ち二月十日告示・十七日投票で行われる篠山市議補選での山田きよし氏への支援を訴え、参議院選挙でも比例代表で七議席以上目指し、「兵庫選挙区では、金田峰生候補を国会に送ってください」と呼びかけました。
参加した六十代の女性は、「期待通り、分かりやすく具体的で、勉強になる演説会でした。疑問も解けました。市田さんの人間味あふれる、人柄も感じられました。日本共産党を応援したい」と話しました。
――西本嘉宏(党丹波地区委員長・丹波市議)

(兵庫民報2019年1月27日付)

篠山市議補選:日本共産党2議席目へ山田氏

篠山市の市長選と市議補選(欠員一)は二月十日告示・十七日投票で行われます。
日本共産党は新人で税理士の山田きよし氏を立てることを発表。前田えり子市議に加え日本共産党の二議席目を獲得し、暮らし・福祉・教育最優先に国保税、介護保険料・利用料、水道料金引き下げ、今年五月の市名変更・市制二十周年に向けても無駄や市民負担が生じないよう市政のチェックに奮闘する日本共産党議員団確立を目指します。


山田きよし(70)
新人。住吉台在住/大阪府立豊中高校卒業後、大阪国税局に採用され各地の税務署に勤務。その間、神戸大学経済学部第二課程を卒業。全国税労組北大阪支部書記長など歴任/現在、税理士、篠山年金者組合書記長、党丹波地区委員。

(兵庫民報2019年1月27日付)

新温泉町大規模風力発電を考えるシンポ開催

(左から)金田鳥取市議、大門参院議員、いわぶち参院議員、金田氏

日本共産党兵庫県委員会と同但馬地区委員会は一月十六日、大門みきし・いわぶち友両参議院議員を迎え、新温泉町「大規模風力発電を考えるシンポジウム」を開催し、約百二十人が参加しました。
新温泉町に持ち込まれている風力発電事業計画は、アメリカの投資会社が買収した、ヴィーナスエナジーのグループ会社「合同会社NWE‐10インベストメント」(「インベストメント」は「投資」の意味)が、新温泉町の山間部に、高さ百五十メートルの風車を二十一基建設しようとするものです。
シンポジウムでは、主催者を代表して、金田峰生国会議員団兵庫事務所長(参院選挙区予定候補)が「再生可能エネルギーの円滑な導入と電力の安定供給に住民合意は不可欠」「皆さんの思いを伺いたい」と挨拶。
大門議員は「事業者は巨大投資ファンドで、電気事業には関心がない。単にもうけのためだけ。再生可能エネルギーを巡り、大きな変化・ゆがみみが生じている。党派など関係なく、取り組まなければならない」と提起しました。
いわぶち議員は、自身の出身である福島県の実態も紹介しつつ、「再生可能エネルギー導入促進は、原発ゼロと共に、地元が主体になった地産地消が基本」と指摘しました。
新温泉町の中井次郎町議がこれまでの経過と現状を報告。同様の事業計画が持ち込まれている、鳥取市から金田靖典市議が、和歌山県有田川町から増谷憲町議が、地元の運動などを報告しました。
参加者からは「豊かな自然を子どもたちに残したい」「健康被害が心配。事業者は不誠実で信用できない」などの声が寄せられました。

(左から)山本けんし香美町議、金田・いわぶち・大門の各氏

党国会議員と金田氏らはシンポジウムの前日、地元町議と共に西村銀三新温泉町長と意見交換し、現地を視察しました。

(兵庫民報2019年1月27日付)

畳など修繕や連帯保証人など県営住宅の規定改善を

――県議団と宝塚市議団が知事に申し入れ


日本共産党兵庫県議団と宝塚市議団は一月十五日、井戸敏三兵庫県知事あてに、県営住宅に関して申し入れ、住宅管理課の担当者と意見交換を行いました。
申し入れは、この間の民法の一部改正にともない、国が公営住宅にかかわって「『公営住宅管理標準条例(案)について』の改正について」を示し、さらに「賃貸住宅標準契約書」改定案などを策定したことをふまえ、畳や障子、ふすまなどの修繕は、貸主負担とすることや、連帯保証人提出規定や同居親族などの入居規定の削除、家賃減免などの際に「民生部局との十分な連携」を追記することなどを要請しました。
担当者は、「国の通知受け、二〇二〇年までの条例改定を検討しないといけないが、『連帯保証人の規定』『畳などの修繕』については、前向きに検討する必要があるかなと考えている。ほかの点も、今後検討していきたい」などとしました。参加した各議員からは、「公営住宅が指定管理になり、住民に対し、あまりにも粗末な対応になっている。一人一人の状況をふまえて、しっかり対応してほしい」などの要望も伝えました。担当者は、「しっかり受け止めて対応したい」と話しました。

(兵庫民報2019年1月27日付)

倉敷民商弾圧事件「禰屋裁判」無罪勝ち取ろうと各地で宣伝


倉敷民商弾圧事件の本質を世論に訴え、「禰屋裁判」の無罪を必ず勝ち取ろうと、「無罪を勝ちとる兵庫の会」は一月十七、十八日に県下十六カ所で一斉宣伝に取り組み三十五団体、百二十九人が参加しました。三カ所でも計画中です
「禰屋裁判」は、昨年一月、広島高裁岡山支部で一審判決の不当性が断罪され、審理は岡山地裁に差し戻されています。
その後、裁判所、弁護団、検察官による四回の打ち合わせが行われてきましたが、検察は明確な立証計画を示すことができず、一年後にようやく立証計画が出されました。
神戸大丸前の宣伝では、「会」会長の松山秀樹弁護士らが「『倉敷民商弾圧事件』は、消費税増税や社会保障の改悪など税金の集め方、使い方を見直そうと運動している民商に対する不当な弾圧に他なりません。また、日本を海外で戦争する国にしようとしている安倍政権が、軍拡財源として消費税を流用しようとしていることと表裏一体の関係にあります。ご支援をお願いします」と訴えました。
また、一月二十一日に岡山県倉敷市で開かれた「裁判勝利をめざす全国交流集会」には、兵庫県下の救援会、民商、兵庫労連関係者ら二十一人が参加しました。
――田中邦夫(兵商連事務局次長)

(兵庫民報Web版のみ)

神戸演劇鑑賞会がスタンディング:平和で芝居を観たい


神戸演劇鑑賞会は、安保法制と安倍政権の暴走を許さない演劇人・舞台表現者の会の呼びかけに応じて毎月19日にポートライナー三宮駅頭でサイレント・スタンディング。「演劇は戦わないために闘う文化」「いつまでも平和で芝居を観続けたい」などのプラカードを掲げて訴えています。バスからの乗り換えで通りかかった淡路島の男性は、プラカードに目をとめ「芝居の宣伝かと思ったら、真面目に政治に訴えてる。いいことだ」と語っていました。

神戸に演劇ホールをつくる集い:劇場と街づくり

2月11日(祝・月)13時30分~16時30分、神戸市勤労会館403・404/講師:西川信廣(文学座演出家、日本劇団協議会会長)/参加無料、要事前申し込み/主催:神戸に演劇ホールをつくる会(事務局:神戸演劇鑑賞会)☎078‐222‐8651

(兵庫民報2019年1月27日付)

神戸映サ2月例会:『ザ・ウォーター・ウォー』

民衆と欧米企業との水戦争


昨年末、岩手県雫石町のリゾート地で水道を止めると警告された地域があった。民間の水道企業からのものだ。
日本では水は天からの恵みだとして昔から公的な扱いであり農業用、飲料用として皆に平等に分け与えられてきた。
しかし南米大陸のボリビアで二〇〇〇年に水道事業民営化による住民と水道企業団との争いが起きた。貧しい地域では月の収入の何割にもあたる水道料金の値上げがキッカケであった。
この映画『ザ・ウォーター・ウォー』はこのボリビア水騒動と、遡ること五百年余り前に起きたコロンブスの新大陸発見を題材として映画撮影する為にスペインからボリビアにやってきた撮影隊の撮影が進行する中で過去の世界とクロスして行く様を描いた作品だ。
世界的な趨勢として水道事業の民営化はどこの国でも失敗。再公営化が流れとなっている。人びとが生きていく上で最も重要な水を企業のもうけの対象にすることの誤りを世界の人びとは実感した結果なのだ。
生きていく上での水との付き合い方を私たちはもう一度考える時期に来ているのかも知れない。
―松本正憲(神戸映画サークル協議会)
『ザ・ウォーター・ウォー』
2月15日(金)①11時30分②14時30分③19時、16日(土)①11時30分②14時30分③18時、神戸アートビレッジセンターKAVCホール/2010年・スペイン/メキシコ/フランス合作・99分、監督:イシアル・ボジャイン/一般:前売1,300円・当日1,700円、シニア・障がい者・大学生以下:1,300円/主催:神戸映画サークル協議会☎078‐371‐8550

(兵庫民報2019年1月27日付)

兵庫山河の会「山河」より

三歳がわたしともの言う不釣り合いウフフと笑う自立の芽生え
 新井 幸

(ブータンにて)
石楠花の深紅みごとに咲きゐたり果たせぬ僧院のぞめる庭に
 石井敏子

デイ仲間休み続きて理由きくと個人情報と軽く否さる
 鵜尾和代

たどり着き傘寿の坂を歩み出す新たな景色に興味は尽きず
 大中 肇

孫の顔眺めていれば時経ちぬこの子らのため戦争止めん
 岸本 守

外来種とうとまれいるや日本種の外国の地に生きる草木は
 古賀悦子

本年も買い過ぎたかと年賀状喪中ハガキの多き齢なり
 小林誉穂

燈明を灯し新年迎えたり着慣れし服をさらり脱ぐごと
 塩谷凉子

核なくせこの声通じぬ政府なら交代させて実現させよう
 西澤求甫

ふるさとの友の二人は健在と百歳めざしがんばりゆかん
 延原ちづ

ひび割れの器の上に住むわれら眠れぬ夜の仮設に馳せる
 古谷さだよ

初春に西風うけて健康のニュース配れば春の香ぞする
 山下 勇

しろがねに豊穣なるもの封じこめ静止画となる厳冬の海
 山下洋美

(兵庫民報2019年1月27日付)

亀井洋示「サンゴ礁移植したとまた嘘をいい」


(兵庫民報2019年1月27日付)

観感楽学

「被災者ではない、被害者だ」。阪神・淡路大震災二十四年メモリアル集会で四年前に起きた鬼怒川水害の報告者はこう語った。「鬼怒川の決壊は河川整備よりダム建設を優先する国の無作為による人災だ」。運動に立ち上がる中で住民から出された怒りの声が「常総市水害・被害者の会」との名称にも反映された▼被災者主人公の要求実現運動をどうつくるか、阪神・淡路大震災から学んだ教訓でありテーマだったとの説明。被害者ということによって加害者をより鮮明にし、自らを運動の主体にしていくのだという決意がそこにあった▼ところで、自然災害にかかわって行政の発行するのが罹災証明書と被災証明書。家屋・建物の被害状況が前者でそれ以外の家財などは後者と行政上は区別しているようだがわかりにくい。『大漢和辞典』で調べると「罹は被なり」とあり、災は「広くわざわいの意」とあるから罹災も被災も意味は同じ▼「罹災」は中国古典にも使われている漢語であり、「被災」は同辞典に載っていないので日本社会でつくられた和製漢語か。いずれにせよ、誰でもわかることばで一本化して欲しいものだ。それが「加害者」責任ではないか。(T)

(兵庫民報2019年1月27日付)