第24回あまがさき平和のための戦争展を終えて
――松岡宗治第二十四回尼崎平和のための戦争展を八月十六日から三日間、尼崎市立中央北生涯学習プラザで開催。のべ約五百人が参加しました。
見出しの言葉はお母さんと一緒に来た小学生の女の子の言葉です。「私は戦争のことを知りたくなり、見に来ました。戦争やかく(核)は人の命をうばい、さらに人の幸せまでうばうことを知りました」と感想を寄せ熱心に展示物を見たり本も読んだりしていました。お母さんは「この子最近戦争に関心を持つようになってきて」と言われていました。
中学校の沖縄修学旅行の取り組みを紹介
今年は尼崎の十七中学校のうち十校が沖縄への修学旅行を企画・実施していましたので、全中学校の三年生に渡せるチラシを各校に持って回り配布していただきました。そのうちの三校の担当の先生から聞き取りをし、その取り組みや感想などを展示しました。
▽各校とも二年生のときから平和学習にとりくみ、沖縄県人会から講師を招いて話を聞いたり、ドラマ「さとうきび畑の唄」などの鑑賞、民謡「てぃんさぐぬ花」の練習、沖縄戦の調べ学習、千羽鶴折りなど様々な取り組みを重ねて、修学旅行へ出発しています。
▽沖縄では、平和祈念公園では各校とも「平和セレモニー」集会を開き、平和宣言や歌、千羽鶴の奉納などを行っています。また、ガマに入り同年代の学徒隊の苦しみや辛さなどを聞き、思いをはせていました。
▽生徒たちは「私は死にたいと思うときがあるけど、『さとうきび畑の唄』を観て、もう二度と死にたいなんて思わないでおこうと思いました」「もっと早くに降参していれば、一般人も軍人も、こんないっぱい死ななくてすんだのにと怒りもわいたし、かけがえのない命を無駄にするな!」など率直な気持ちを語っています。
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戦争展当日、先生と一緒に参加した中学生の一人が映画「スパイ戦史」をみて、「戦争は過去に起こってもう終わったことではなく現在、生きている私たちにも関係があって、これから戦争や同じ過ちをしないように私たちが止めていかないといけないことがわかりました」と感想を述べていました。
高校生の「原爆の絵」を展示
また今年は広島原爆資料館から広島市立基町高校生と被爆体験証言者との共同制作による「原爆の絵」を借りて、二十点あまり展示しました。会場では「高校生は体験者の話を聞いて絵にするときに咀嚼することになります。記憶の継承としては素晴らしい手法だと思います」「この絵を描く過程を思うと心苦しく、しかし希望も感じました」など、多くの方が食い入るように見入っておられました。
恒例の語り部コーナーでは、原爆被害者の会や中国残留日本人と家族を支援する「コスモスの会」から体験を語っていただきました。
(第二十四回あまがさき平和のための戦争展実行委員会事務局長)
(兵庫民報2019年8月25日付)