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2019年7月15日月曜日

国は石炭火力の新設を止めて!―裁判日記(行政訴訟・第3回):法は国民の権利や利益を守っているか


近藤秀子(同訴訟原告)

七月三日開かれた行政訴訟第三回期日には、大阪地方裁判所二〇二号法廷に七十名が集まり関心の高さがうかがえます。
この裁判は十八年十一月十九日、神鋼石炭火力発電所の増設を巡り、国が環境への影響評価が不十分なまま、この計画を認めたことは違法である、と訴えた裁判です。
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いつものことながら法廷でのやりとりの中身についてはわからないまま、次回期日九月十三日(金)十四時を確認をして三十分で終了、その後報告会へと移動しました。


今回は訴訟要件の一つ「処分性」と「原告適格」について弁護団から「小田急連続立体交差事業許可取消訴訟」を例にとって説明を受けました。
この裁判は原告である住民が小田急を高架で通されると騒音・振動で我々が困る、被害をうけるから、高架で小田急を通す事業認可は取り消してくださいという行政裁判を起こしました。
それに対して国は「そもそも都市計画の事業でこれを認可することは都市計画法で決めることであって、騒音とか振動で被害を受けることは都市計画法では考えていない。都市計画法は都市計画をつくる法律だからみなさんの個別の被害は視野に入っていない。単にこの都市計画がいいかどうかだけを決めることだから、振動とか騒音で住民がどうこうということを都市計画法に持ち込むことはおかしい。だからそれについて住民は裁判は起こせない。原告適格を持ってない」と主張した裁判です。今回の行政裁判と酷似しています。
行政処分によって自分たちの権利とか利益が侵害される人は行政裁判を起こせる資格があることになるが、どういうときに判断するかと言うと、その法律がその対象となりうる人たちの権利を守ろうとしているかどうかということで考えるというのです。裁判所はどう判断するのか。
その行政処分によって私たちの権利とか利益が害されますという人が起こせる。しかしその前提として、前提となる法律が権利とか利益を個別に守ろうとするものなのかどうか、それによってこの原告適格が決まる。
むつかしい判断ですが、この裁判では原告の住民が勝訴したとのこと。裁判の入り口「原告適格」はとても重要な意味を持つことがわかりました。
明日への希望が見えてきた報告会に心が弾みました。

(兵庫民報2019年7月21日付)

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