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2019年2月10日日曜日

日本共産党議員団提案の補聴器購入助成を求める意見書を採択:兵庫県議会

兵庫県議会十二月議会で、日本共産党議員団が提案した「加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める意見書」が全会一致で採択されました。
きだ結県議の母が自身の母の補聴器を使っていたけれども、あわなくて困っていたことをきっかけに調査するなかで、補聴器をめぐり多くの人が困っている実態がわかりました。そこで、欧米で実施されている補助を日本でもと、きだ議員が提起し、議員団で検討。十二月議会に意見書案として提出したものです。

高負担のため低い普及率

八十代の人々の九割は補聴器が必要な聴力になっているといわれますが、日本では一般に、補聴器は片耳だけで三万~二十万円と高く、買うのをためらったり見送る人が多くなっています。
一方、欧米では補聴器購入に対する補助制度があり、難聴者の補聴器使用率はイギリス四二・四%、ドイツ三四・九%、フランス三四・一%、アメリカ三〇・二%となっており、一部の自治体を除いて補助制度がない日本は一三・五%と、半分以下です(日本補聴器工業会調べ)。
現在、障害者総合支援法にもとづいて、高度重度難聴者への補装具費支給制度による支給などはされているものの、その対象者はわずかであり、また対象者であっても九割は自費となります。
そうした状況のなか、欧米で実施されている補助を日本でもということで、今回の提案となりました。

他会派からも好評

兵庫県議会では、各会派提案の意見書は「各会派政務調査会長会」で議論されます。
この意見書については、他会派からも概ね好評で、「高齢の方々が補聴器を使うことが、生活の質を落とさず認知症予防にもなり、健康寿命も伸びる」などの意見が寄せられました。公明党会派からは、「低所得者への助成に絞るべき」との意見がだされましたが、議論するなかで、その意見は退けられ、原案をほぼ残す形での意見書として修文の上、本会議に提案され、可決。国会と政府に提出されました。

高齢者・障害者から歓迎の声

意見書採択について、各議員が議会報告などで報告すると、「補聴器は高すぎて、買えなかった。補助ができれば、すごくありがたい」「私も片耳にしかつけていなくて困っていた」「高齢者にとっては朗報です。実現すると良いですね。ありがとうございました」などどこでも歓迎の声が寄せられています。
また、西宮市視覚障害者福祉協会会長から「私たちは、耳からの情報を得ることが大きく、補聴器に頼らざるを得ない人が多い。団体としても補聴器への助成は、要望として掲げてきているので、県議会で意見書が採択されたことは、私たちの要望を一歩前進させるもので、ありがたい」といそみ恵子党政務調査会長へ直接電話がありました。
意見書が採択されたことで、この問題に対して、予想を超える要望や反応があることを実感しました。日本共産党県議団は、関係団体からの要望などもさらに聞き、議会質問や、住民運動をひろげ、加齢性難聴者の補聴器購入への公的補助創設めざし、さらに奮闘していきます。
―門屋史明(日本共産党兵庫県会議員団事務局長)

加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める意見書

加齢性難聴は日常生活を不便にし、コミュニケーションを困難にするなど生活の質を落とす大きな原因になる。
また、最近では鬱や認知症の危険因子になることも指摘されている。加齢性難聴によりコミュニケーションが減り、会話することで脳に入ってくる情報が少なくなることが脳の機能の低下につながり、鬱や認知症につながるのではないかと考えられている。
日本の難聴者率は、欧米諸国と大差はないが、補聴器使用率は欧米諸国と比べて低く、日本での補聴器の普及が求められる。
しかし、日本において補聴器の価格は片耳当たり概ね三万円~二十万円であり、保険適用ではないため全額自費となる。身体障害者福祉法第四条に規定する身体障害者である高度・重度難聴の場合は、補装具費支給制度により一割負担、中等度以下の場合は購入後に医療費控除を受けられるものの、その対象者はわずかで、約九割は自費で購入していることから、特に低所得の高齢者に対する配慮が求められる。
欧米では、補聴器購入に対し公的補助制度があり、日本でも、一部の自治体で高齢者の補聴器購入に対し補助を行っている。
補聴器の更なる普及で高齢になっても生活の質を落とさず、心身とも健やかに過ごすことができ、認知症の予防、ひいては健康寿命の延伸、医療費の抑制にもつながると考える。
よって、国におかれては、加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度を創設するよう強く要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

平成三十年十二月十四日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官  様
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣

兵庫県議会議長 松本隆弘

(兵庫民報2019年2月10付)

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