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2018年12月30日日曜日

個人が尊重され、幸せを追求できる社会へ

政治を変える節目の年に

日本共産党の参院兵庫選挙区予定候補の金田峰生氏と、明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)兵庫支部の吉江仁子弁護士が、憲法をめぐって語り合いました。(文責編集部)

金田 対談していただくのは二回目ですね。前回は二〇一六年四月。参院選に向けての「しんぶん赤旗」の企画でした。二年八カ月経ちましたが、その後、いかがでしょうか。

〇安倍政権はもう詰んでいる

吉江仁子さん

吉江 この三年ぐらいの間、たくさん強行採決をしてきたと思っていて、本当にひどいと思います。国民の素朴な疑問が全く国会で明らかになっていかないっていうことは、戦後、いまが一番ひどいんじゃないかというふうに思います。
自民党の世が永遠に続くんじゃないかと官僚が思っている状況がある中で、やりたい放題がなされて、モリカケ問題とかが起こっているのではないかと橋下徹さんが書いていました。また、外形的公正性を欠いた――安倍さんが関与したんじゃないのっていうふうに思われた時点でアウトなんだって話もわかりやすいと思いました。

金田 う~ん。もう安倍政権は詰んでるんですよ。

吉江 詰んでるっていうのは……

金田 モリカケの問題にしろ、トランプ米政権との関係にしろ、ロシアとの問題にしろ……

吉江 北方領土についてはむちゃくちゃですよね。

金田 外形的公正さとかではなく、中身と本質で「もうアカン」とわかっているのに居座っているっていう状況なんですよね。

吉江 それがなぜ可能なのか、そこも問題ですよね。

金田 従来の自民党なら引いたでしょうけれど、安倍自民党はそうしないだけの話です。その場合、選挙で落とすしか方法がほかにないんです。

吉江 でも、選挙で落ちないってタカをくくってはるわけですからね。

金田 彼らが居座ることができているのは、別に、国民の意識が追い付いていないからではない、もう、詰んでるということを国民が見抜いてないわけではありません。
前回の参院選当時は、この選挙で負けたらもう終わりだと思われていた方も結構おられたでしょうけれど、実際には闘いが広がり、一路改憲とはいっていない。二年八カ月、憲法審査会は事実上一ミリも動いていません。沖縄の方々も決して諦めていない。

吉江 そうですね。次の参議院選挙で自民党が改選議席について半分ぐらい、過半数割れを起こさせないとだめだろうとすごく強く思いますね。

金田 前回、野党共闘がはじまり、一人区で候補者を一本化し、十一議席を獲得しましたが、いま、私も街頭宣伝をしていると「野党が結束をしないと勝てないぞ」と有権者からよく声をかけられます。言い換えれば「野党が結束すれば、安倍政権は倒せる」とみておられる。

吉江 それがまだ弱いと思います。

金田 「本気の野党共闘」を実現して、有権者の皆さんに、勝てるという希望や確信を持ってもらえるようなアピールができれば、今度は三十二選挙区全部勝てるだろうし、沖縄の闘いに学んでしっかりと闘えば、一人区だけでなく、複数区でも勝利できると思います。今回は改憲阻止だけではない。与党と維新を少数に追い落とす選挙です。

〇政権を倒したあとの展望をわかりやすく

金田峰生さん

金田 あと「倒すのはいいけど、倒したあとどうすんねん」っていうことです。倒したあとの展望を信頼・確信っていうのを、我々が、それこそいかにわかりやすく知らせるがカギですね

吉江 そう。民主党政権の失敗で、政権、与党が代わることに対するアレルギーがありますね。それが野党への期待感よりも上回っているという状況があります。

金田 今度は共産党がいっしょだから大丈夫だと言ってもらいたいですね。
安倍政権はやめさせないといけないという声は巷に渦巻いています。それを本当に束ねて力にして、結果に結びつけるという努力を私たちがしないといけない。
そのために、わかりやすい言葉で、さらに、私たちのビジョンを広げていくことに大いに努力したいと思います。

〇憲法の魅力をもっと多くの人びとに知らせる取り組みを

金田 「あすわか」さん(明日の自由を守る若手弁護士の会)は、ずっと活動を続けておられますね。
三年前に「憲法九条を守ろう」っていう話から、「あすわか」さんが、「立憲主義って何だ」というのをわかりやすく知らせて下さって、立憲主義っていう言葉がメジャーになりました。それを通じて「憲法をもう一回手に取ろう」という機運が広がったように思うんです。

吉江 憲法の問題が実は生活に深く関わっていて、自分と関係のない問題ではないのだということに気づくためには、憲法カフェみたいな場所でお話をしていくのがいいと思うんですよね。
ところが、憲法カフェやお芝居も二〇一五年ぐらいはわりとニーズも高かったんですけれども、今年は本当に依頼が減りました。
主催者も、初歩の話を聞いたらどんどん深まっていきたいので、一回憲法カフェをすると、二回目以降は各論の話を聞きたくなるわけですよね。
私たちは成長したい生き物なので、それでいいと思うんですけれども、まだ憲法の魅力に出会っていない人たちのための、玄関(入口)の憲法カフェをもっとしていかないと、やっぱりいつまで経っても六割の人たちのところに広がらないんじゃないでしょうか。
だから、地域のお祭りなどで、憲法ビンゴで遊ぶブースを出すとか、まだ知らない人たちに憲法を知ってもらうことをもっともっと大事にしていただきたい。ぜひ、あすわかを呼んでいただきたいと思っています。

〇憲法に照らして考えてみる


金田 私たちは党の綱領があって、そこに基づいて活動しているんですけど、私たちの党の綱領は「いまの憲法の全ての条項を守ります、平和、人権、民主主義に関する条項を積極的に生かします」っていうことを定めています。つまり、私たちの活動や政策、立ち位置の基本は、綱領であると同時に日本国憲法でもあるんです。
ただこれまでは、たとえば「社会保障がこんなに改悪されている。こんな悪政をこう変えます」「消費税は暮らしと経済をつぶすので廃止。財源はほかにあります」―そんな話を一生懸命してきました。最近それに加えて、「憲法に照らして、消費税っていうのはどうなんでしょう、病院の統廃合っていうのはどうなんでしょうね」という話をすると、「あっ、そうなんや」という反応がありました。
二十五条の最低限度の生活を営む権利。生活保護はこの二十五条を具現化した制度で、朝日訴訟の浅沼判決は、最低限度とは生きるか死ぬかのギリギリのことを言っているのではない、社会保障は、財政状況に左右されてはならないものだと明確に述べている。そこから紐解いて、「医療費が増えるからこれを抑えるために病院を統廃合するとか、保険料を払えなかったら保険証を取り上げるとかというのは、それはまさに二十五条に違反していることですよ」とか、「お年寄りが増え財政が悪化しているなどと、お年寄りは肩身の狭い思いをさせられているが、それは言いがかりですよ」という話をすると、すごく皆さんホッとされる。声を挙げていいんだと明るい表情をされます。
そして、「うちの国の憲法なかなかいいじゃないか」という認識になるんですよね。だから、たとえば地域で病院の統廃合に不安を感じている人、年金を下げられて困っている人、介護を受けられずにあきらめている人、そんな人たちに憲法を手にしてもらう、そういう活動が必要かなと思っています。
憲法九条を変えてこの国を戦争する国にすると、当然、政府は国民に対し、お国のために戦地へ行け、人殺しせよと命令するわけです。そこには人権などない。安倍首相が「いまの憲法はみっともない」と言うのは、ただ単に軍隊が持てない、戦争ができないだけではなくて、国民の権利を幅広く認めているということがみっともないと彼らの目には映っているのではないかと思えてなりません。

〇十三条を入口に


吉江 私が憲法の話をする時に、いちばんおもしろいのは十三条だと思っています。
「ここにいらっしゃる皆さんには共通点があります。それはなんでしょう」と参加者に問いかけてみるんです。
いろんな答えが出てきます。どれも全て正解です。その上で、「私が今日正解にしたいのは、皆さんはみんな同じ〝人〟であるということです。だけど、憲法十三条は、皆さんを〝人〟として尊重するとは書かずに〝個人〟として尊重すると書いています。それは、皆さんが〝人〟であるのは当然の前提として、それぞれさまざまな背景を持った異なる個性を持った〝人〟であり、そして、それぞれが幸福を追求しながら生きていく社会をつくるときめています。十三条を実現するために、平和主義も、民主主義も、国民主権もあります」というような話をするんです。
個性ある存在として幸福を追求しながら生きていけるよう保障する、それが社会保障の使命だろうと思うんです。
個性ある私たちが幸せを追求して生きていくためには、当然、戦争に行くことも嫌だし、戦争の弾を受けることも嫌だし、じゃあどうすればいいか、外交努力をしてくださいということになる。憲法九条の主語は日本国民です。日本国民は決意した。だから政府に軍隊を持つなと言っている。ところが、自民党の改憲案では、日本国民は決意したと言っているそばから「自衛隊を持ってもいいもんね」ということにしようとするものです。全然、九条とは相いれないものです。
「みなさんは、個性、個人として尊重されて、それぞれがそれぞれの背景を持って幸せを追求しながら生きていく存在です。ここに憲法のいちばんの目的があるんです」という話は、会場を元気にするんですよね。
社会システムの話よりも、自分は個性ある人間として幸せを追求しながら生きていっていいんだっていうところから話をしていくと伝わるなってすごく思います。

金田 そうですか、そういえば、私が共産党に入ったのも、十三条に出会ったからです。

吉江 そうなんですね。

金田 日本福祉大で学んでいた時、運転手の過重勤務による犀川スキーバス事故で学友の命が理不尽に奪われました。人の命より儲けを優先してしまう資本主義という社会構造を変えないと同じ事故が繰り返されるだろうと考えて、資本主義を乗り越えようと本気で活動する日本共産党に入ったのですが、それはつまり、自由な時間を保障して、個人の個性や能力がもっと花開く社会、ある意味、十三条を最大限保障する、具現化する社会なんですよね。

〇いっしょに楽しく政治を変えていきたい

吉江 「あなたの〝したい・やりたい〟を実現できる社会になっているかという視点で物事を見ればいいんです。だから、いまの政府のあり方が正しいか正しくないかではなくって、自分の願いに合うか合わないかという目で見たらいいんだよ」という話をするのがいいと思うんです。
日本人ってすぐ、正しい答えを教えてくださいって言いますね。
憲法カフェに行っても、何が正解か端的に話してほしいと言われることがあります。「いやいや、正解は別に一つじゃありません。政治的な問題というのは一足す一は二ということではなくって、立場の違いや選択の違いなので、私はこう選択をする、あなたはどう選択するんですかっていうだけの話です。答えはあなたの中にあるんですよ」と答えています。

金田 我々も、もっといっしょに考えてもらうようなアプローチをするべきですね。「いっしょに考えましょう」という参加型――いっしょに楽しく政治を変えていく――それができればなと思っています。

〇命と、尊厳。憲法いかす日本へ

吉江 今年はいろんな意味で節目の年になるんでしょうね。

金田 憲法をもう一回手に取る、そして生かすチャンスだと思うので、ぜひ憲法カフェもまたいっぱい広げて下さい。私たちも憲法を生かす取り組みをいっしょに広げていきます。

吉江 十三条の価値をきちっと実現できるようにしていきたいですよね。ところで参議院選挙に立候補されるんですよね。

金田 はい、選挙区で

吉江 野党共闘もいいんですけど、共産党の議席は減っては困るということは合わせて伝えたいですよね。がんばってください。

金田 はい。〝命と、尊厳。憲法いかす日本へ〟全力をあげます。
今日はありがとうございました。

青年とともに

(兵庫民報2019年1月6日付)

山下よしき「被災者支援制度を 前進させてきた力は」

連載エッセイ新春号外

私の国会議員としての原点は、阪神・淡路大震災の被災者支援です。
震災直後の参院選で初当選した私は、国会で村山首相、橋本首相らに、被災者の生活再建に対する個人補償を求めましたが、「私有財産制の国では、個人の財産は自己責任が原則」と冷たい答弁しか返ってきませんでした。
そこで、志位書記局長、穀田衆院議員とともに、神戸市役所で当時の笹山市長と面会。被災者に対する個人補償を国に求めてほしいと要請しました。
しかし、市長は即座に「国は個人財産の補償はしない」と拒否。別の機会に貝原知事に要請した際も答えは同じでした。被災地の首長の姿勢がこれでは被災者は救われないと痛切に感じたことを覚えています。
結果、道路や港、空港はどんどん復興するのに、被災者個人の生活再建はいつまでたっても置いてきぼりとなったのです。私たちは、被災者の住宅再建に対する公的支援をめざして奮闘を続けます。
そのときです。阪神・淡路大震災の五年後に発生した鳥取県西部地震で、当時の片山知事がとった対応は驚きでした。県単独で全壊世帯に三百万円支給することを決定したのです。
超党派議員で片山知事を国会へ招き、話を聞きました。知事は、被災現場に立ち、中山間地の高齢者は自力では住宅再建できない、道路や橋だけ復旧しても意味がないと感じ、決断したと語りました。私が、政府から個人財産は自己責任が原則だと言われなかったか聞くと、「言われたが、憲法のどこに書いてあるのか反問すると誰も答えられなかった」とのことでした。
鳥取県の決断は、全国各地の被災者の運動を励まし、大きな世論となって、被災者生活再建支援法の抜本改正が実現します。
被災者・住民のねばり強い運動と、自治体の努力が、国の制度を前進させる――これが阪神・淡路大震災以来の教訓です。
地方と国の選挙が連続する今年、相次ぐ災害で明らかとなった課題を前進させ、日本の政治を根本から変えるチャンスです。(党副委員長・日本共産党参院議員)

(兵庫民報2019年1月6日付)

激動の情勢のもと可能性生かし日本共産党大躍進へ奮闘しよう

兵庫県日本共産党後援会会長 森原健一

あけましておめでとうございます。「安倍やめろ」の声が高まるなか、絶好のチャンスの年を迎えます。
効果的な選挙活動のため、党中央委員会は、選挙活動の日常化、後援会活動を選挙活動の日常化の要に位置づけることを強調しています。そしてすべての党支部に対応する後援会を確立すること、後援会ニュース発行を重視することです。
兵庫県後援会では、後援会の確立、後援会員の拡大、すぐれたニュースの発行などの豊かな経験が生かされてきましたが、さらに前進させていく必要があります。
全国で八百五十万、兵庫県で四十六万の得票を達成するためには、大きな飛躍が求められます。その可能性はあります。
まず、第一に、兵庫県では実績があります。一九九八年の参議院選挙では、比例代表でも選挙区でもその前回九五年の得票を倍以上に伸ばし、大沢たつみ議員を誕生させ、翌九九年の地方選挙で県議会議員を十四人へと大躍進させました。
第二に、情勢は発展する、たたかいが情勢を変えるということです。
第三は、地方選挙まであと三カ月、参議院選挙まで六カ月、字間をフルに活用することです。
第四に、県下十六万人の後援会員の力に依拠することです。
第五に、野党共闘と日本共産党の魅力を大いに語ることです。
激動の情勢のもと、党機関・党支部と団結し、大飛躍の二〇一九年にしようではありませんか。すべての後援会員のみなさんのご奮闘を期待いたします。

(兵庫民報2019年1月6日付)


野党連合政権へ道切りひらき統一地方選躍進の年に

日本共産党兵庫県委員長 松田隆彦

新年明けましておめでとうございます。
いよいよ統一地方選・参院選の年です。
*
野党共闘勝利と日本共産党躍進で、おごり高ぶる安倍政権に国民のみなさんの怒りの審判を下し、自民・公明・補完勢力を参院で少数に追い込んで、野党連合政権実現の道を切りひらく年にしようではありませんか。
昨年の臨時国会で自公政権は、審議を続ければ「キリがない」と出入国管理法や漁業法改悪を強行採決。日ロ外交でも記者の質問に答えないなど、説明不能の破綻ぶりを示しました。問答無用の政治には、選挙で決着をつけるしかありません。
安倍自公政権の狙う消費税一〇%の中止、憲法九条改悪を止めるためにも二つの選挙は何としても勝ちぬかねばと決意を新たにしています。
*
県民のみなさんと党議員団が力をあわせ進めてきた子ども医療費無料化は、県の医療費助成を就学前から中三まで拡大したことを土台に、中三まで無料が昨年七月には県下三十五市町(八五%)にまで広がりました。中学校給食の実施も四年前の五六%から八八%に広がっています。西日本豪雨災害では県独自の被災者生活再建支援金を実現。また長年求めてきた兵庫県議会での非核平和宣言が採択されました。
目前の統一地方選挙では日本共産党は、県議会選挙で八議席以上、神戸市議選で十三議席、後半の一般市議・町議選挙では現有議席確保と明石・姫路での議席増で前進をめざします。
参院選挙区から勝利をめざす金田峰生さんは、全県の地方議員のみなさんとも連携し、県民の願いを国政につないできた試されずみの政治家です。
兵庫県で比例四十六万票を獲得し、比例選挙で山下よしき副委員長、小池晃書記局長をはじめ七人以上の勝利を勝ちとることとあわせ、今度こそ金田さんを国会へ押し上げるためにみなさんの厚いご支援を心からお願いいたします。
*
最後に、今年が読者のみなさんにとっても実り多い年となりますよう祈念し、新年にあたってのご挨拶とします。

(兵庫民報2019年1月6日付)

ひなたぽっころりん〈632〉


(兵庫民報2019年1月6日付)

冬休み大人工作教室「吉祥文様を作ろう」

できあがったものを台紙にはりました

服部憲

七宝繋文様は、金銀瑠璃シャコ貝の殻などの七つの宝を表し、人の縁や関係の円満などの意味があります。
青海波文様は、無限に広がる海の波を表し、恒久平和の意味があります。図の発祥はペルシャで、シルクロードから伝わったといわれます。
折った紙をハサミで切ることで、この文様を作ってみましょう。
コンパスやモノサシを使って作図してみるのも良いでしょう。切り込みは鋭い方が格好いいですが、切りすぎるとバラバラになってしまいますから気をつけて。折った紙の誤差も出るので、試行錯誤してきれいな形を目指してください。
(団体職員)

七宝繋文様
①正方形の紙を図のように斜めに三回折ります。

②図のように文様を書きます。円の半径は計算か試行錯誤で決めてみてください。
③白い部分を切り抜きます。細い部分が離れないように。
④紙を広げてできあがり。

青海波文様
①正方形(長方形でも可)を図のように六つに折ります。

②図のように文様を書きます。
③白い部分を切り抜きます。
④紙を広げてできあがり。

(兵庫民報2019年1月6日付)

干支神戸人形「亥」(ウズモリ屋・吉田太郎氏作)

たけのこ見つけた!

たけのこひっこんだ。でも、目出たい。

(兵庫民報2019年1月6日付)

冬休み大人数学教室「甲羅を見てごらん」


中島隆夫

正月に散歩をしていると変なカメに出会いました。
カメは「私の甲羅の模様を見てごらん。一つの円に外接する正六角形と内接する正六角形があるでしょう。小さい方の六角形の面積と大きい方の六角形の面積の割合を求めて下さい。正解すると今年はきっといいことがあるよ」と言いました。挑戦してみませんか?
(日本数学検定協会数学コーチャー)

編集部から蛇足:カール・マルクスがヒントをくれました。「多角形の面積をはかり、比較するためには、それをいくつかの三角形に分解する。三角形そのものは、その目に見える形とはまったく異なる表現―底辺×高さ÷2―に還元される」(『資本論』第1巻第1篇第1章の8段落目)。ピタゴラスの三平方の定理も役に立ちますよ。


(兵庫民報2009年1月6日付)

観感楽学

年を重ねるごとに歳月の過ぎるのが早くなる。同じ一年でも二十歳の一年は二十分の一、八十歳の一年は八十分の一だからそう感じるのかもしれない。つい最近の事のように思っていたあの阪神・淡路大震災から間もなく二十四年である▼阪神・淡路大震災はボランティア元年と呼ばれているが、私が救援活動の拠点としたのは神戸・元町駅北側の旧・診療所跡だった。ここには、連日救援物資が届き、二十歳前後の若いボランティアが続々と集まってきた。東京や仙台から、寝袋を抱えてやってきた青年たちは、毎日、がれきの街に飛び出し、水や食料の調達、瓦やがれきの撤去など、寝食を忘れて駆け回ってくれた▼震災から十日ほどたったある日、私は、事務所に戻ってきた彼らを車に乗せ、神戸を一望できるビーナスブリッジまで連れて行った。この場所は、「百万ドルの夜景」―神戸自慢の街と港がきらびやかに見えるビューポイントであった。しかしその時、若者たちが見たのは街の光も消え悲しげに沈む街の姿であった▼このビーナスブリッジで毎年一月十七日五時四十六分、凍えるような寒さのなかで追悼の鐘を打ち、明けやらぬ街に向かってトランペットの音が流れる式典が行われてきた。この諏訪山での荘厳な儀式は、残念ながら今年でピリオドが打たれる。震災から四半世紀、主催してきた安田秋成さん、石田健一郎さんはそれぞれ九十三歳と八十三歳に。病と闘いながら、体力の限界まで継続されてきた両氏はじめ関係者に心から敬意と感謝をささげたい。(D)

(兵庫民報2019年1月6日付)

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