Web版の発行はしばらく休止します

「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2018年12月23日日曜日

統一地方選へわたしの決意:わだ利男(灘区)

声援に応える(右から)わだ和男氏、大門みきし参院議員、味口としゆき神戸市議

県政を身近に/安心して暮らせる灘区を

灘区で党県議会議席奪還めざす わだ利男

私は、洲本市生まれで魚屋の三男で、両親と七つ上の兄と三つ上の姉と三つ下の弟(次男は赤ちゃんの時死亡)の五人家族で二歳の時兵庫区に転居。父は魚屋から川重の下請け労働者に、母も三菱の下請けの事務員として働き、母は、私が十三歳の時、四十歳で病気で死亡。
父親一人の給料では、高校に行けず三菱の養成工に就職、夜間高校に通う中、職場の先輩(共産党員) に労音に誘われ、民青に出会い沖縄返還闘争の時に沖縄の歴史と闘いにふれ、入党を決意しました。
三菱での青年運動と労働運動を二十年、その後神戸市教育委員会技術職員(学校管理員)に転職し、新日本スポーツ連盟の中でスポーツの民主的発展のため兵庫県連盟理事長(二十年)としてロードレースや平和行進や反核マラソンなど「スポーツは平和とともに!」の活動や神戸市、兵庫県の行政との懇談などスポーツ権の確立のため頑張っています。
灘区では、神戸製鋼所石炭火力発電所問題や43号線エレベーター問題、小学校の仮設校舎解消の運動や鶴甲会館問題などたくさんの住民運動があり、住民運動と連携し灘区のみなさんの命とくらしを守る県会議席の奪還に向けて全力で頑張っています。
わたくしの住んでいる鶴甲地域は、「土砂災害警戒区域」が多く、七月の豪雨ではお隣の篠原台で土砂災害が発生し、私有地の土砂撤去や避難者の生活の支援など日本共産党市会議員団の奮闘がありました。河川の管理は兵庫県の管轄です。防災減災のため私も是非働きたいと思います。
私は、スポーツ団体での活動を長くやってまいりました。元気で健康を維持するうえでスポーツの果たす役割は大きいと思います。身近でいつでも、誰もが気軽に利用できる公共のスポーツ施設の整備、増設などにも力を尽くしたいと思います。
そして、県政を身近なものに、安心して暮らせる灘区を目指し、頑張って頑張りぬいて県議会議席を奪還し、県議・神戸市議のダブル当選、参議院選挙…と連続勝利に向け全力を尽くします。

推薦します!

鶴甲在住、元長峰中学PTA会長
紙本文代さん

県民の要望実現へ一生懸命頑張る人

わださんのことを知ったのは、二十年以上前です。スキーが大好きな人で、地域の行事や集会にお誘いしても会議やスキー指導で忙しく、よく断られました。
候補者になった「わだ利男」さんは、以前とは一味も二味も違います。有権者の前で政治を語り演説をしたり、訪問で話を真剣に聞いて答えたり、もう議員のような行動ぶりです。一所懸命私たちの要望を実現しようと頑張ってくれる人だと思います。
味口としゆき市議とともに二人三脚で頑張ってもらいたいと思います。よろしくお願いします。

(兵庫民報2018年12月23日付)

西宮芦屋――日本共産党と民青同盟が「働き方」テーマにつどい

清水氏の講演

日本共産党と民青同盟の両西宮芦屋地区委員会は十二月十五日、西宮市内で「教えて! あなたの働き方」をテーマにつどいを開きました。
ゲストには日本共産党の清水忠史前衆議院議員と金田峰生党国会議員団兵庫事務所長を迎え、参加者と共に「働き方」について交流しました。
*
冒頭、金田さんがゴンチャロフの過労自死事件と放送大学での雇い止め事件など、兵庫県内で実際に起こっている若者の労働問題についてふれながら「いまこうした無法な問題について告発し、たたかっているところ。ぜひ今日はみなさんの働く実態をよく聞かせてほしい」と挨拶しました。
*
続いて、清水さんが「今日は〝電子紙芝居〟を用意してきました」と笑いを誘いながらスライドを映し、先の国会で問題になった入管法や働き方改革、水道民営化、漁業法などの問題について解説しました。
清水さんは「これらの背景には全て、財界・大企業の要求に従って暴走するという問題がある」と指摘し、「福祉のためと言い続けてきた消費税も、大企業の減税に使われていた」と話しました。
そのうえで、「世界の窓からこういう日本の働き方をみてみると、おかしいことはたくさんある」と話し、リーマンショック後の日本では派遣切りなどが横行したが、ドイツのシーメンス社は雇用を守ったことやフランスのルノーも政府が乗り出してリストラ計画を中止させたことなどの実例を紹介しました。
また、日本では残業時間が実質青天井になっていることに比べて、ドイツでは一日十時間を超える労働が禁止されていること、ドイツでは有給休暇が二十四日間保障されており病欠と有給の区別がつけられていることを紹介しました。
そして「欧州では政治、労働界、経済界の三者がほどよい距離感で緊張感を持ちながら労働条件から社会政策まで話し合って決める『三者構成主義』という仕組みがある。一方日本は、この三者が『癒着・結合』し、そこに巨大メディアの癒着が加わっている」と問題点を指摘しました。
最後に、フランスの「黄色ベスト運動」によって燃料税増税中止や最賃引き上げを勝ち取った事例や、マレーシアで総選挙によって政権交代を起こし消費税の廃止を勝ち取った事例をあげながら「大事なのは、声をあげることです。ぜひ今日は働き方の実態と共に、そうした実態をどうやって変えていくか交流しましょう」と呼びかけました。
*
青年と語り合う(正面右から)金田峰生氏、ひぐち光冬西宮市議予定候補

後半は二つのグループに分かれて討論。保育士、看護師、建設業など多様な参加者が、「時間外労働をしているが、それが労働時間として扱われていない」など実態を交流しました。―上園隆

(兵庫民報2018年12月23日付)

金田氏先頭に大学キャラバン宣伝

みなとじま駅前で学生に訴える金田氏(左)
日本共産党兵庫県委員会は若い世代に向けた宣伝作戦として十二月、大学キャラバン宣伝を開始。第五回中央委員会総会での「来年の二つの全国選挙に向けて全有権者規模の宣伝・対話に打って出よう」という提起を受けての取り組みです。

学園都市駅周辺での対話

金田峰生党国会議員団兵庫事務所長がマイクを握り、十二月四日は学園都市駅周辺で、十二月十一日はポートアイランドみなとじま駅周辺で、学ぶ権利を保障する国に変えようと、党の学費・奨学金の政策などを学生に訴え、シールアンケートや県党が作成した「学生生活リアルボイス調査」に取り組みました。
十一日のみなとじま駅での宣伝では、シールアンケートで六人、学生生活リアルボイス調査では二人の学生が応じてくれました。調査に応じた神戸学院大学の一年生との対話では、切実な実態が寄せられ「お金がなく下宿を諦め、毎日片道二時間をかけて通学している」「食事の回数を減らした」「バイトは月八日の時もあれば二十日間の時もある、試験期間でも休めないこともある」「奨学金を借りている、家族も進学のため借金、申し訳ないと思う」など、経済的な理由で学生生活に様々な悩みを抱えていることがわかりました。世界の学費や教育予算と日本を比較して、声をあげることで社会は変えることができると説明すると「そんなこと知らなかった。たしかにそうですね」と共感を得ることができ連絡先を交換しました。

(兵庫民報2018年12月23日付)

金田峰生「いよいよ命と尊厳を大切にする国づくりへ」

連載エッセイ6

十二月十日に閉会した臨時国会で、外国人実習生のあまりにも酷い実態が大問題になりました。
残業代はおろか、最低賃金さえ支払われず、人権蹂躙が横行する職場から、わが身を守るために離職した若者を、日本政府は、「より高い賃金を求めて失踪した」と、あたかも若者に問題があるかのように印象操作しました。そしてまた、隠蔽、嘘、改竄、強行が繰り返されました。
日本はそんなに野蛮な国なのか。こんな政治では、日本人労働者の権利も守られるはずがありません。
国籍を問わず、働く者同士連帯し、団結し、誰もが安心して働ける日本、そして八時間働けば普通に暮らせる社会に変えようではありませんか。
外国人実習生が、八年間で百七十四人も命を落としていることについてどう思うかと聞かれて安倍首相は「知らなかったから答えようがない」と言い放ちました。
未来ある若者が、日本にあこがれ、希望を持って来日したのでしょう。故国にいる親御さんは、わが子が立派に成長して帰ってくるのを待っていたでしょう。ところが日本の職場で暴力を振るわれ、人権を蹂躙され、死においやられた。
それを「知らなかったから答えようがない」としか答弁しない。人の命を何とも思っていない、「人命軽視極まれり」だと思います。
こんな政権、政党に憲法を変えさせる訳にはいかない、戦争できる憲法を持たせる訳にはいかないと、あらためて思いました。
いよいよ、命と尊厳を大切にする国づくりが求められています。
(日本共産党国会議員団兵庫事務所長・参院兵庫選挙区予定候補)

(兵庫民報2018年12月23日付)

西明石地域後援会が宣伝

福原さん(黒いコート)、くすもと市議(ベージュのコート)といっしょに
福原ゆかり明石市県政対策委員長・県議予定候補と、くすもと美紀市議は十二月十六日夕方、西明石イオン前で街頭宣伝を行い、西明石地域後援会からも十名ほどが参加して近畿民報を配りました。雨の中でしたが、買い物客、通行人の方たちのビラの受け取りもよく、「共産党か? 頑張れよ」などの声援が寄せられました。―川路政行(西明石地域後援会)

(兵庫民報2018年12月23日付)

統一地方選:伊丹市議選

現有4議席確保めざす

日本共産党阪神北地区委員会は統一地方選挙伊丹市議選(定数二十八)の候補者を発表しました。

上原ひでき(63)
現職・市議七期。松ヶ丘在住。立命館大学卒業、伊丹民商事務局勤務。現在、党伊丹市委員長、伊丹生活と健康を守る会副会長

かしば優美(67)
現職・市議七期。山田在住。鳥取大学卒業、灘神戸生協勤務。現在、党地区常任委員、くらしとまちに元気を伊丹市民の会運営委員

ひさ村真知子(67)
現職・市議五期。西野在住。伊丹市立伊丹高等学校卒、㈱ふじ化粧品関西出張所勤務。現在、党地区委員、宝塚医療生協伊丹支部長

服部よしひろ(67)
現職・市議一期。稲野町在住。滋賀県立瀬田工業高校卒、三菱電機㈱勤務。現在、党地区委員、くらしとまちに元気を伊丹市民の会事務局

(兵庫民報2018年12月23日付)

統一地方選:神戸市西区

県議選に川村氏・市議選に森田氏

日本共産党兵庫県委員会は、統一地方選挙兵庫県議選神戸市西区選挙区と神戸市議選西区選挙区の候補者を発表しました。
*
▼県議選(定数三)
川村進(75)
新人。静岡大学卒。OCI(大阪化学合金)勤務。現在、西区革新懇事務局、混声合唱団コーロKSC団長、党神戸西地区委員、党西区県政対策委員長。
*

▼神戸市議選(定数十一)
森田たき子(63)
新人。武庫川女子短期大学Ⅱ部卒。養護施設三光塾、中神戸法律事務所勤務。一九九九年県議一期(須磨区)。その後、社会福祉法人や党近畿ブロック事務所に勤務。現在、党西区くらし相談室長。

(兵庫民報2018年12月23日付)

12月県議会でねりき恵子議員が一般質問

公共事業の中心を防災・減災に転換を


十二月十一日の県議会本会議で、日本共産党のねりき恵子県議が一般質問にたちました。

災害対策

ねりき議員は、今年の豪雨・台風被害に対する高潮対策、河川整備等について質問。潮芦屋の護岸高測量誤りを取りあげ、県の責任を追及。被害への謝罪と補償、住民要望ふまえた防潮対策、全県の堤防高測量と、必要な対策を求めました。
溢水被害のあった宝塚市大堀川の早急な改修等を行うとともに、公共事業の中心を防災・減災事業に転換し、全県の河川整備を早急に行うことを求めました。
答弁にたった県土整備部長は、高潮対策について、「年度内に、浸水した地区の沈下も加味した護岸嵩上げを基本とした対策を、来年度には、全県下を対象に『兵庫県高潮対策十箇年計画(仮称)』を策定する」などと答弁しました。
大堀川改修についても、「残っている左岸側の護岸整備について、今年度から工事着手している。議員ご指摘の流下能力のネックとなっている国道百七十六号ボックスカルバート部の改良工事に早く着手できるように、護岸を先行整備するための施工方法等について今後検討していく」と答えました。

待機児童対策

ねりき議員は、兵庫県が待機児童増加数ワースト一であり、県の対策の中心が、既存施設の定員拡大とともに職員配置や設置基準が大幅に緩和されている「企業主導型」保育であること、「企業主導型」保育の監査は、パソナに業務委託されており、保育の質確保が懸念されていることなどを批判。「認可保育園増設と、公定価格引き上げによる保育士処遇改善が必要」と指摘し、待機児童解消を求めました。井戸敏三知事は、「認可保育施設だけでは対応できない。企業型の運用上課題があるならしっかり指導したい」とあくまで企業主導型保育を中心とした待機児童対策へ固執した答弁を行いました。

地域医療構想

県地域医療構想による三田市民病院と神戸市北区済生会病院の統合問題について、「市内から公的病院が無くなる」との住民の不安の声を紹介、当局の姿勢をただしました。井戸知事は、「地域ニーズにもとづき適切な医療が提供できるものと考える」と統合計画を否定しませんでした。
他にも少人数学級拡充、国保料引き下げ、旧優生保護法の強制不妊手術による人権救済について質問しました。

(兵庫民報2018年12月23日付)

きだ・いそみ・庄本県議が本会議討論

補聴器補助制度創設など党議員団提案の意見書採択

知事らの期末手当引き上げながら職員の給与水準引き下げる条例案などに反対

議案について


十四日の兵庫県議会本会議で日本共産党のきだ結議員は、知事提案二十五議案中、十議案に対する反対討論を行いました。
きだ議員は、職員給与条例の一部改定議案、補正予算議案に対し、知事等の特別職の期末手当て引き上げが含まれていることを指摘。さらに職員給与に対し、民間の比較対象役職を引き下げ、給与水準を引き下げる公民比較方法の導入に対し、「職員は、県『行革』で人員を削減され、給与水準を引き下げられる等、納得できないのは当然。比較対象の引き下げをやめるべきだ」と主張しました。県営住宅の管理戸数削減、園田西武庫線事業等に反対しました。


いそみ恵子議員は、議員提案議案の議員の期末手当て引き上げに対し「県民の暮らしが大変なうえ、県『行革』で低所得者の福祉切り捨てを押し付けているもとで、到底納得は得られない」と反対討論を行いました。

請願について


庄本えつこ議員は、請願の採択を求める討論を行いました。消費税一〇%増税の反対を国に求める請願、学童指導員配置基準等の緩和をしないことを求める請願、障害者教育の充実、三十五人学級等教育の充実、私学助成増額などを求める請願に対し、採択を主張しました。
本会議で、日本共産党が提案した「加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める意見書」「持続可能な国民健康保険の確立に向けた対策を求める意見書」が全会一致で採択されました。

(兵庫民報2018年12月23日付)

議論が肝要と井戸知事が答弁:自衛隊明記・緊急事態条項

自民党の藤本百男県議が十二月七日、代表質問で「憲法改正」について触れました。
藤本氏は「自民党の憲法改正案で検討されている自衛隊明記、緊急事態条項は、国家の危急的事態、外国からの侵略や大規模な自然災害から国家、国民を守っていくための改正条項。近隣国による海、空からの攻撃・進入、年々頻発する激甚災害に対し、危険をも顧みず、身を挺して活動する自衛隊を憲法上明記する利と心にかなった改正案だ」と主張しました。
答弁で井戸敏三県知事も、「国際平和貢献、大規模災害への派遣など重要な機能を自衛隊が果し、国の安全の根幹をなす存在であることから、(自衛隊明記、緊急事態条項など)国民的議論が行われることが肝要だ」と応じました。
国の憲法審査会では、国民世論におされ、自民党改憲案提出が断念されるなか、憲法尊重擁護義務をも蔑ろにする異常なやりとりです。
日本共産党議員団は一般質問で、ねりき恵子議員が、井戸知事に対し、憲法九条をはじめ、平和、人権、民主主義の諸原則など含め、「憲法を遵守すべき」と主張しました。

(兵庫民報2018年12月23日付)

西宮で市民と野党のリレートーク


安倍九条改憲NO!西宮芦屋市民アクションは十二月十五日、西宮北口アクタ回廊で「安倍九条改憲NO! 安倍政権退陣! 市民と野党のリレートーク」を行いました。三千万署名は、四十六筆集まりました。
最初に、立憲民主党の桜井周衆議院議員は、臨時国会の異様ぶりを紹介しながら「審議に必要な資料も出さず、強行採決する。これが今の国会の状況だ」「民主主義の土台が壊されている」と告発し、「野党共闘で、安倍政権を大きく追い詰めていきます」と訴えました。
日本共産党県会議員のいそみ恵子さんは、「国民を愚弄する国会、数の横暴で悪法の強行、こんな政治をいっせい地方選挙と参院選で決着つけましょう。本気の市民と野党の共闘が求められています」と強調しました。よつや薫西宮市会議員、社民党の大島とき子宝塚市会議員、新社会党の前田しんいち芦屋市会議員からも、こもごも、悪政を告発しつつ「市民と野党の共闘に力を入れよう」とスピーチ。
市民の立場から、「憲法生かす阪神連絡会」の奥山篤さんは、「市民と野党の共闘で、安倍政権を退陣させましょう」と強調し、「野党は共闘!西宮芦屋市民の会(準)」の立垣満里さん(新婦人西宮支部長)は、「辺野古への土砂搬入や消費税一〇%への増税などみなさんの怒りを署名と選挙にぶつけましょう」と訴えました。
寒い中にも関わらず、立ち止まって聞く人の姿も。スピーチした議員と参加者で「野党は共闘!」とコールするなど、市民と野党の共闘の発展で暴走続ける安倍政権を退陣させようとの熱い思いが共有されたリレートークでした。
―樫村庸一(西宮革新懇)

(兵庫民報2018年12月23日付)

九条の会.ひがしなだ憲法学習会


「九条の会.ひがしなだ」は十二月十六日、東灘区内で憲法学習会を開催し、上脇博之・神戸学院大学法学部教授が、「安倍壊憲と国民投票のワナ」と題して講演しました。
上脇教授は、安倍改憲「四項目」は従来、①自衛隊の明記②教育の無償化・充実強化③緊急事態対応④参議院の合区解消とされていたが、「建前と本音が大きく乖離しており、実態は七項目」と指摘。「ウソとゴマカシが目立ち、すべては『戦争できる憲法へ』が本音」と明確にしました。
実態は①憲法第九条を骨抜きにし、戦争する国づくりを急ぐ②教育への国家介入を「合憲」にする③私学助成は違憲でもないのに改憲し、私学にも監督を口実に介入する④緊急事態における内閣への立法権付与で三権分立と立憲主義を壊し、ナチスに学ぶ独裁への道を開く⑤緊急事態における国政選挙の延期で、権力の維持・強化を図る⑥国政選挙における〝投票価値の平等〟を犠牲にし、少ない得票数でも多数の議席獲得をめざす⑦道州制を許容し、地方自治を壊す―七項目だと強調しました。
さらに、国民投票になった場合、領収書不要の官房機密費や自民党本部・支部での多額の使途不明金(裏ガネ)の力で「改憲が『買われる』おそれ」があることを強調。それ以前に、安倍改憲NO!三千万署名の成功で、改憲発議・国民投票をさせない運動こそが重要だ、と締めくくりました。

(兵庫民報2018年12月23日付)

神戸映サ1月例会:『天命の城』


一国の存亡を賭けた闘い、その真実を描く本格大作時代劇

一六三六年の「丙子の乱」を描いた歴史大作。
四百年近く前の歴史劇だが、まるで現代の物語のように心をひきつけ一瞬も目を離せない。二人の忠臣が全く正反対の主張をする。どちらにも一切の私利私欲がないだけに説得力がある。王はその意見を吟味して決断しなければならない。徒に時が過ぎれば兵や民が痛手を受ける。
そして国に翻弄される庶民がいる。サンホンに斬り殺された老人、彼の幼い孫娘、兵士として駆り出された鍛冶屋。彼らにとっては、国家の運命なんて二の次で、自分たちの平穏な生活の方が大事だ。兵として城に引っ立てられた鍛冶屋を通して描かれるあからさまな身分差別。
どの人物もキャラクター設定が緻密で物語に重層的な膨らみを持たせて観客を退屈させない。韓国の歴史劇ではあるが、どの人物も近しく親しみやすいのは、やはり多彩なキャラクターに命が通っているからなのだろう。
重厚な人間ドラマとして、迫力ある時代劇として、見応えのある作品を渇望している方に、ぜひ見ていただきたい作品だ。
争いも戦争も全く不毛で、残酷なもの。正しさを押し付けず、考えの違いを歩みよるためには、理性や知性、相互理解や寛容が必要だと映画が教えてくれる。
―桑田葉子(神戸映画サークル協議会)

映画『天命の城』

1月18日(金)①11時30分②14時30分③19時、19日(土)①11時30分②14時30分③18時、神戸アートビレッジセンターKAVCホール/監督:ファン・ドンヒョク、原作:キム・フン、音楽:坂本龍一、出演:イ・ビョンホン、キム・ユンソク、パク・ヘイル、コ・ス/2017年・韓国・139分/一般当日:1,700円(前売:1,300円)、シニア・障がい者・大学生以下:1,300円

1月例会学習会

12月27日(木)19時~20時30分、グストハウスギャラリー(神戸市中央区楠町5丁目3‐11 神戸映サ地階)/講師:朴鍾祐(神戸大学大学院人文学研究科教授、日本近世文学・日韓比較文化専攻)/参加費(一般)1,000円

問い合わせ:☎078‐371‐8550、http://kobe-eisa.com/

(兵庫民報2018年12月23日付)

兵庫山河の会「山河」より

南向く阿波の霜月つわぶきにミツバチ集まる羽音かろらに
 山下洋美

アヂサヰの葉の蝸牛に問ひかけむいまだ迷へる免許返上
 石井敏子

カレーしかレシピは持たぬ夫の味野菜たっぷりありがたく食む
 古谷さだよ

ふるさとの柿の葉寿司を口にする息子が買いくれしそのおいしさよ
 延原ちづ

音楽会ちょっとすました一年生目はきょろきょろと保護者を探す
 新井 幸

霜月に思いいづるは弟と釣りで過ごせし少年の日々
 山下 勇

ズワイガニも人も少子化進みゆく荒びゆくのか地球のいくすえ
 古賀悦子

デイケアに園児たち来て交歓すツリーの飾り共につくれり
 鵜尾和代

シベリアへ戦死の兄をたどる旅やっと見つけり埋葬の地を
 岸本 守

明日までに編集したき会報の作業は半ば結末つかず
 大中 肇

歳一つ重ねて病一つ増え厳しき老いの秋の深まり
 塩谷凉子

今老いて父母を恋しと想うのは柿の実うまい秋日和の日
 西澤 愼

今回が最後になると同窓会多くの友の集うを願う
 小林誉穂

(兵庫民報2018年12月23日付)

観感楽学

「これだけ民意をないがしろにできる国って何なんだろう」十二月十四日、辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で翁長樹子さんが怒りのことばを口にした。これに対し、その国(政府)の菅官房長官は「適切な手続きに基づいて執行している」と反論している▼幾重にも違法行為をおかした末の新基地建設埋め立て土砂投入。赤旗記者は「いつからこの国は〝ならず者〟国家になりさがったのか」と翌日の日刊紙で表現した。米国にとり好ましくない国に「悪」のレッテルをはる役割をもったのが「ならず者国家」という用語だが、いまの安倍政権の手法はもう「ごろつき」にひとしいと筆者は思う▼しかし、あの厚顔な幹事長が土砂投入を「民意だ」とは絶対にいえないのが痛快。県知事選で示した沖縄県民の意思は、緊急記者会見における玉城デニー知事の「強行すればするほど県民の怒りはますます燃え上がる」との言明につながっている▼年末恒例の清水寺貫主が揮毫する今年の漢字は「災」だったが安倍首相、「自分にとっての今年の漢字は」と聞かれ「転」とこたえた。しかし安倍さん、それは一年早かった。二〇一九年こそあなたの「転」落の年。(T)

(兵庫民報2018年12月23日付)