Web版の発行はしばらく休止します

「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2018年12月2日日曜日

〝漁師から海を取り上げるのか〟漁業法改定案に厳しい批判と怒り


を企業に売り渡すことにつながる、漁業法の大改悪が強行されようとしている問題で、日本共産党の宮本岳志衆議院議員と金田峰生参議院兵庫選挙区予定候補は十九日、淡路島内の漁協を訪問し、現場の声を聞きました。
*
訪問の中で、そもそも今回の改定案がきちんと現場に説明されていないこと、一方で漁業者は自民党本部に抗議していることがわかりました。
宮本議員と金田氏は「今回の法改定は悪名高い経済財政諮問会議で『漁業権を売り買いできる財産権に変えれば漁業振興が図れる』とした財界筋の発言が震源地」「地元を無視して企業に与え、漁業調整委員会を任命制にすれば、もうかる区域が企業に乗っ取られ、漁業は衰退する危険がある」と指摘し、現場の意見を求めました。
ある漁協幹部は、「(法改正は)必要ない」「漁業権を売ったら取り返しがつかない」と明快でした。
また「企業に漁業権を渡してしまえば、海は荒れるだろう。誰が管理するというのか」「競争にならない。漁師から海を取り上げようという話でしかない」など、改定案に対して厳しい批判と怒りの声が寄せられました。
さらに、「そんなことより、後継者対策に力を入れて欲しい」「最近、全体に漁が減ってきている。栄養塩だけの問題ではないと思う。原因を追究して、必要な対策を明らかにして欲しい」など、漁業の実態と切実な要望、貴重な意見も出されました。
*
この行動には岡田教夫党淡路地区委員長が同行。淡路市内の漁協へは、かまづか市議も、南あわじ市の福良漁協には、えびす智彦・吉田よし子両市議も同行しました。
金田氏は引き続き、県内漁協や漁業者を訪ねると共に、消費者にも情報を提供し、漁業法改悪反対の声を挙げて欲しいと呼びかけています。

(兵庫民報2018年12月2日付)

統一地方選へわたしの決意:金沢はるみ(北区)

県議会をめざす金沢さんと、市会議席引き継ぎをめざす森ひろし氏

強引な病院統廃合止めさせます

県議会での活躍めざす(北区) 金沢はるみ

神戸市会議員の金沢はるみです。
私は、大学時代に地域子ども会サークルに入り、そこで社会を変えようと真剣に活動している日本共産党員の先輩方に出会い、二十一歳の時に入党しました。就職した大阪の市民生協では現在党副委員長の山下よしきさんたちと一緒に活動しました。
その後、神戸市北区に引っ越し、新婦人の子育て小組などでたくさんのお母さんたちとつながりました。ニュータウンには保育所や幼稚園が足りず、中学校も満杯でした。みんなでこれらの増設運動に取り組み、実現できました。
次男が幼稚園の時に神戸市議選立候補の要請を受け、「一回だけなら」と引き受け、初めての選挙で当選することができました。議員となってからは、北神区民センターや図書館をつくる運動など行い実現しました。
地域の皆さんとともに運動し、その声を市政に届ける役割を果たすという思いで二十年間、議員活動を行ってきました。
今、兵庫県は病院の統廃合をあちらこちらで進めています。大本には国の医療改悪があり、その実現を都道府県に担わせています。
兵庫県は「地域医療構想」をつくり、急性期の病院のベッドを大幅に減らす計画です。私の住む北区では、済生会病院と三田市民病院の統廃合が急速に進められています。
県や大学病院は市民の切実な願いを聞かず「病床削減ありき」「医療費削減ありき」で強引に進めようとしています。
私は強引な病院統廃合を何としても止めさせ、住民の「命と健康を守る」県議会議席を勝ち取るためにがんばります。

推薦します!

医師・日の峰在住
武村義人さん

地域の人々の医療を守るために

現在の兵庫県政はいち早く安倍政権の政策「社会保障削減~医療給付の削減」に取り組んでいます。中でも県下で病院の統合として救急病床削減が各地で起こっており、目下、済生会病院と三田市民病院が統合されようとしています。地域住民の医療基盤が壊されようとしています。地域の人々の医療を守るために金沢さんに期待します。

(兵庫民報2018年12月2日付)

統一地方選へわたしの決意:戸田あきら(垂水区)

政府に要請する戸田さん=9月

憲法いかし、いのち・暮らし優先に

党垂水区県政対策委員長 戸田あきら

大学時代(大阪市立大学Ⅱ部商学部)、大学の自治と学問の自由を守る運動の中で民青に加盟し、入党しました。卒業後、家業の継承と業者運動にかかわりました。震災の影響でその後、廃業し、介護福祉の現場で十七年間働きました。
七月の豪雨では垂水区内で十数カ所の土砂の崩落が起こり、今井まさこ市議と県土木局や市垂水区建設事務所を訪ね、復旧へ向けて交渉しました。
その後の台風20号・21号では、ある県営住宅で屋上から漏水する被害が発生しました。県住の住民から、県が一向に修理を行ってくれない、という相談が持ち込まれました。管理事務所に交渉しましたが、らちがあかず、翌朝、党県議団に相談をしました。翌日には何と工事は着工されました。
被害のあった県営住宅はやがて建て替えをむかえる県営住宅でしたが、現住する住宅の修理が放置されることはあってはなりません。これから垂水区内の県営住宅は建て替えにむかう住宅がたくさんあります。『低廉で良好な公営住宅を提供する』という県営住宅の目的に照らしても、今住んでいる住民のみなさんがすべて、新しい住宅に転居できるよう寄り添い、支えて行きたいと考えています。
党県議団と共に行った教室にエアコンを付ける交渉、九月六日の政府交渉のかいがあり、今国会で予算が付き、特別教室や体育館にも付ける方向で、県議会でも論議が始まっています。市民の声が政治を動かしました。
県がかかわる問題は、国民健康保険・介護保険・災害対応など、多数あります。いのち・暮らし最優先の県政を実現するために何としても勝ち抜き、県会議席を取り戻し、参議院選挙との連続勝利へ全力でがんばります。

推薦します!

星が丘ホーム理事長
徳岡八重子さん

安心して老いを迎えられる社会へ

もはや介護保険は機能していない。離職をなくそうと声掛けはすれど、全く対策は見えてこない。現場の切実な状況、本人や家族の悩みの深刻さはあまりにも深い。この現実を介護労働者としての経験と、実母の日々のケアを通じて体感している方だけに、誰もが安心して老いを迎えられる社会のために、頑張っていただきたい! 期待しています。

(兵庫民報2018年12月2日付)

阪急西宮ガーデンズ前で統一地方選・参院選躍進へ街頭演説


西宮芦屋地区委員会は十一月二十五日、来年の統一地方選・参院選での躍進をめざし、阪急西宮ガーデンズ前で街頭演説を行いました。いそみ恵子県議・金田峰生参院選兵庫選挙区予定候補が必勝を訴え、応援弁士として清水ただし前衆院議員が駆け付けました。
清水氏は暴走する安倍政権を、「偽造・捏造・安倍晋三」など、ユーモアを交え、痛烈に批判。さらに憲法九条改憲や消費税一〇%増税の問題点をわかりやすく指摘し、「これらの悪政を止めるためにも、日本共産党の躍進と野党共闘で絶対に勝利しましょう」と呼びかけました。
通りすがりの市民から「そうだ!」の合いの手が飛ぶなど、多くの共感を呼びました。
演説では西宮市議選に挑戦する現職議員団と予定候補が紹介され、野口あけみ市議が代表して決意を表明しました。
―ひぐち光冬(西宮市政対策委員長)

(兵庫民報2018年12月2日付)

山下よしき「法治主義の破壊」

連載エッセイ11

沖縄県知事選挙で、総がかりで支援した候補が、辺野古新基地反対の玉城デニー候補に大差で敗れた安倍政権。普通なら〝参りました。辺野古はあきらめます〟となるのが当たり前ではないでしょうか。
ところが安倍政権は、行政不服審査制度を悪用して、沖縄県の埋め立て承認撤回の執行停止を決定しました。言語道断です。この制度は、行政機関によって国民の権利が侵害されたときに、その救済をはかるためにある制度です。国の機関が用いてはならないと法律に明記されています。
赤嶺議員にその点を追及されると、不当な決定をした石井国土交通大臣は、「防衛省沖縄防衛局は一般私人として不服審査を申し立てた」と答弁(二日)。開いた口が塞がりません。「一般私人」が米軍基地をつくるなどあるはずないではありませんか。
そこで私は、『逐条解説 行政不服審査法』の基準を示し、「米軍提供水域」に米軍基地をつくることを目的として公有水面を埋め立てる事業が、同法の「適用除外」となる「固有の資格」=「一般私人が立ちえないような立場にある状態」には当たらないと判断した理由は何かと質問しましたが、国交副大臣も担当官僚も答弁不能に(11月22日)。
法律に則って執行停止を決定したと言いながら、法律の運用基準をまったく無視していたことが明らかとなりました。
民主主義も、地方自治も、法治主義も破壊する安倍政権には、やはり一日も早く辞めてもらうしかありません。
(日本共産党参院議員・党副委員長)

(兵庫民報2018年12月2日付)

第2回西はりま後援会まつり

統一地方選・参院選勝利へ多彩な企画でギアチェンジ


来年の統一地方選挙と参議院選挙の勝利をめざして、第二回日本共産党西はりま後援会まつりを十一月二十五日、福崎町のさるびあドームで開催。約四百人が参加しました。
後援会長の松本滋氏の開会挨拶にはじまり、嶋田正義前福崎町長、山田兼三元南光町長、岩崎修西播地区委員長が来賓挨拶。岩見武三市川町長、森原健一県後援会長からのメッセージも紹介されました。
続いて統一地方選挙・参議院選挙予定候補者の紹介。参院兵庫選挙区の金田峰生氏、県議現職の入江次郎氏、姫路市議現職の谷川まゆみ・森ゆき子・苦瓜かずしげ各氏と新人の村原もりやす氏、相生市議現職の岩崎修氏、太子町議現職の平田たかよし氏の全員が決意を表明しました。
前衆院議員・清水ただし氏の抱腹絶倒の記念講演で午前を終わりました。


午後の演芸は、ちんどん屋の会場回りからはじまり、歌謡、ギター弾き語り、銭太鼓、新舞踊、マジックショー、バンド演奏(ちんどんショー)、太極拳…多様・多彩な出し物で大いに盛り上がりました。ビンゴゲームも楽しみ、最後はアコーディオン伴奏でみんなで合唱しました。
模擬店は十八ブース。地域色を生かした、ホルモンうどん、芋煮、炊き込みご飯、おでん、きなこ餅、ぜんざい、さざえつぼ焼き、たこ焼きなどで参加者は舌鼓を打ちました。抹茶体験、もち麦麺製品や産直野菜の販売、雑貨バザーなどもあり、にぎわいました。似顔絵コーナーでは予定候補者も次々に描いてもらっていました。
人間的な結びつきもできた楽しい後援会まつりになりました。
―山﨑又希人(同後援会事務局)

(兵庫民報2018年12月2日付)

「オール沖縄」に連帯する兵庫県集会

辺野古新基地建設埋め立ての賛否問う沖縄県民投票へ知事選上回る支援を


「オール沖縄」のたたかいに学び、支援、連帯する「第二回『オール沖縄』に連帯する兵庫県集会」が十一月二十日、神戸市勤労会館大ホールで開かれ、三百人が参加しました。
兵庫革新懇など三十二団体の呼びかけでつくられた「『オール沖縄』支援・連帯兵庫県民の会」が沖縄知事選告示の九月十三日の集会に続き開いたものです。
今回の集会では、沖縄統一連代表幹事の中村司さんが講演。知事選、豊見城市長選、那覇市長選の勝利を報告しました。


官邸主導・自公一体の相手に対し、翁長雄志前知事の急逝という状況のもと、玉城デニー氏が翁長氏の遺志を引き継ぎ、県民が心ひとつにたたかい、予想を超える大きな力になったと強調。日米地位協定見直しを求めた全国知事会の提言を実現させるため全国がひとつとなったたたかいを、と呼びかけました。さらに、新基地建設阻止のたたかいと県民投票への支援を訴えました。
安保破棄兵庫県実行委員会の後藤浩事務局長は、兵庫県からの支援のとりくみを報告。大義をつかみ、あきらめず、不屈にたたかえば勝てると今後のたたかいの確信になったと述べました。
兵商連、新婦人県本部からもそれぞれのとりくみが報告されました。
集会は「政府は辺野古での米軍新基地建設を直ちに停止し、真摯に沖縄の声に耳と心をかたむけよ」との決議を採択し、①新基地建設埋め立て賛否を問う沖縄県民投票で知事選を上回る支援を広げよう②辺野古での座り込み抗議行動に参加しよう③辺野古新基地建設反対・普天間基地即時返還を求める署名を広げよう④これらの活動を続け広げるために県下各地で沖縄問題についての学習会・集会を無数に開こう⑤沖縄支援連帯活動強化カンパを―の「沖縄のたたかいに連帯する行動」を呼びかけました。

(兵庫民報2018年12月2日付)

中小業者決起大会:県中小企業振興条例に基づき支援を


兵商連は、県下の民商とともに、五年目となる県下全自治体との懇談を十月から進め、地域経済・中小業者施策の拡充を求めています。十一月二十六日現在、三十八市町が終わり、民商からはのべ二百二十四人が参加、自治体からは二百六十三人が参加しています。
こうした「自治体キャラバン」の集大成として、十一月二十二日、兵庫県中小業者決起大会を開き、地域経済になくてはならない中小業者を兵庫県中小企業振興条例にもとづき、支援するよう求めました。
午前は、日本政策金融公庫、神戸銀行協会など金融機関関係八カ所と兵庫労働局、午後は県庁の各部局六カ所への要請行動に九十四人が参加しました。
産業労働部との懇談では、県下各地の地域状況を伝え、中小企業振興基本条例にもとづき、地域経済を支える中小業者施策の拡充などを求めました。この他、「納税緩和措置の積極的活用を」(税務課)、「地域で雇用を生み出し資金が循環する住宅(店舗)リフォーム助成制度の創設」(県土整備部)などの要望にもとづき話し合いました。
地域金融室や日本政策金融公庫など金融問題でも、会員景況調査結果を示し、中小業者を育成し地域経済を活性化させる立場での施策の充実、対応を求めました。
午後三時半からの決起大会には百二十人が参加。「今日の行動を大いに確信にし、消費税増税中止、中小業者を軸にした地域経済対策をつくるため奮闘しよう。私たちの世論と運動が、安倍首相を追い込んできたことに確信を持って、さらなるたたかいを広げよう」との大会決議を拍手で採択し一日の行動を終了しました。
また、朝八時から県庁前で二十三人が「中小業者を中心としたまちづくりで、地域を元気に」と県職員らに呼びかけ、午後は神戸元町・大丸前で「消費税一〇%を中止し景気回復を」「憲法守れ」と三十五人で市民に訴えました。
―田中邦夫(兵商連事務局次長)

(兵庫民報2018年12月2日付)

伊丹平和のための戦争展


原水爆禁止伊丹協議会で第十八回伊丹平和のための戦争展を十一月二十三~二十五日、ラスタホールで開催しました。
展示はヒロシマ・ナガサキ被爆写真、戦後占領期の伊丹、西宮、池田に墜落した米軍機の資料(元中央公民館職員・藤井裕行氏提供)、原爆の悲惨さを伝える短歌(伊丹被爆者の会会長 小泉勇次氏作)などです。
圧巻は二日目の小林愛子さん(野球評論家・張本勲氏の姉)による被爆体験の講演でした。


原爆で家が崩れたとき母親がとっさに、当時七歳だった愛子さんと五歳だった勲さんに覆いかぶさってくれたおかげで二人は傷を負わずにすみました。けがで動けない母親に促され愛子さんは勲さんを連れて、熱線で皮膚が溶け焼け焦げた死体が横たわる中を十時間以上も逃げ続けました。途中、死体がたくさん浮かぶ川で服についた母の血を洗い、赤黒く濁った川の水をすくって飲んだりもしました。
勤労奉仕で市の中心部にいた長姉はその後見つかりましたが、全身焼けただれ間もなく亡くなりました。「姉の姿があまりにつらい思い出だったから」被爆体験を話すことは長い間できなかったそうです。
現在は各地で被爆体験を語る活動を精力的に続けられ、今夏は核兵器廃絶署名を一人で九百八筆も集められました。
弟の張本勲氏との様々なエピソードも生き生きと語り、講演の最後は張本氏に強い影響を与えたという美空ひばりの「柔」を会場いっぱいの参加者と明るく歌って終えられました。
―中島隆夫(伊丹原水協理事)

(兵庫民報2018年12月2日付)

レッド・パージ第4次再審特別抗告棄却

最高裁第一小法廷(深山卓也裁判長)は十一月十二日、レッド・パージ第四次再審特別抗告の棄却を決定しました。
申立人の大橋豊さんと弁護団は二十六日、声明を発表し、最高裁大法廷決定の正当性をゆるがす事実が明らかにされてもなお被害者の人権救済を拒否し続ける異常な姿勢を強く批判するとともに、憲法の究極の理念である個人の尊重と基本的人権を保障する社会の実現へひきつづき取り組む決意を表明しています。

(兵庫民報2018年12月2日付)

〝民青同盟員を増やそう〟:党東灘・灘・中央地区委員会が奮闘

党東灘・灘・中央地区委員会は、民青全国大会期間中に民青同盟員の拡大に向けて奮闘しました。二十四日、二十五日と神戸学院大学の推薦入試宣伝に取り組みました。また、二十五日には青年のつどいを開催しました。
*

推薦入試宣伝では、学費のシールアンケートで受験生と対話しました。
立ち止まった受験生は海外の学費の安さや、日本の学費が世界でもっとも高いことに驚きました。
新入生歓迎アンケートにも協力してくれた学生は、大学でやりたいことに期待を膨らませながら、大学での不安や高校ではできなかった学びをしてみたいと憲法九条改定や、民青が取り組む働き方実態調査などに関心を寄せました。
民青同盟の加盟呼びかけ文を読み、民青を紹介すると、「色々なことが学べそうだから一度企画に参加してみたい」と応えてくれ、民青同盟の学びの魅力が受験生とかみあいました。
*

青年のつどいでは、近隣地域の大学生や党のつながりから青年労働者や高校生など十五人が参加しました。
参加した学生は、大学で本来学びたかったことではない学部になってしまったことから、サークル活動が大学に通う一番の理由になってしまったこと、別の学生は経済的な理由からバイトを掛け持ちしているが時間も余裕がなくなってしまい授業になると眠ってしまうなど、それぞれ切実な思いを語ってくれました。
加盟には至りませんでしたが、「民青の多彩な活動が自分自身の関心やこれからの生き方につながっていきそうだ」など、共感と関心を持ってもらえました。

(兵庫民報2018年12月2日付)

兵庫県平和友好センターが新事務所開き


兵庫県で活動する平和四団体(原水爆禁止兵庫県協議会、兵庫県平和委員会、安保破棄兵庫県実行委員会、兵庫県AALA連帯委員会)が、このほど共同で兵庫県平和友好センター事務所を開設し、それを記念して十一月二十日に事務所開きを開催しました。集会には、四団体の役員とともに日本平和委員会、兵庫労連、神戸親和民商、日本共産党兵庫県委員会、日本共産党兵庫県議団の役員らが祝いに駆けつけ歓談しました。
事務所は親和民商(現・神戸親和民商)が使用していた建物を改修したもので各団体の電話・ファクス番号はこれまでと同じです。
〒650‐0026 神戸市中央区古湊通2丁目2‐10

(兵庫民報2018年12月2日付)

神戸映サ12月例会『シーモアさんと、大人のための人生入門』

少し立ち止まって、シーモアさんの音楽と言葉をきいてみよう


仕事にやりがいを持てない。生活にむなしさ感じる時がある。毎日、楽しくない時間が過ぎてゆく。
かのハリウッドスター、イーサン・ホークは、人生の折り返し地点という年齢に差し掛かり、俳優として行き詰まり、考え込む時期があったそうです。
―自分はなぜ俳優をしているのか? 俳優という仕事とは? 成功がもたらした名声や地位と本当の自分の間にあるものは?――
自問自答が続いたころ、あるパーティーでピアノ教師シーモア・バーンスタインに出会い、彼が醸し出す安心感にごく自然に心を開き、悩みを打ち明けることができたそうです。その瞬間はイーサン本人も信じられない体験でした。
彼は、シーモア・バーンスタインという人間を自分自身がもっと知りたい、多くの人に知ってもらいたい、そして現役を引退し観客の前でピアノを弾くことがなくなった彼の演奏を聴いてもらいたい――と願い、コンサートを企画し、映画を製作したのです。
イーサン・ホークが監督を務め、シーモア・バーンスタイン(以後、シーモアさん)にカメラをむけて、音楽と共に生きた彼の人生をひもとき、散りばめられたピアノの音と共に、彼が語るひとつひとつの言葉と表情を映像に収めます。
八十九歳のシーモアさんは、優しいおじいさんという感じ。ゆったりとした動きと話し方、誰もが心を許してしまいそうです。
ピアノ教師としての彼の指摘は的確で、生徒の内なる才能や感情を引き出します。優しさと厳しさが共有する時間は、ピアノを介して教師であるシーモアさんと生徒との魂のやり取りの瞬間をつないでいきます。
カメラは時にひとりのシーモアさんを見つめ、独白を引き出します。ある時は、かつての教え子との会話の中に栄光のピアニスト時代を振り返ります。
終始ゆっくりで緩やかな語り口です。
シーモアさんは、兵士として朝鮮に行った時、従軍ミュージシャンとして前線まで赴き、クラッシック音楽など聴いたことがない兵士の前で演奏する体験をしました。
彼はいつも日記をつけていたのですが、当時のものを、読み返すことはありませんでした。
しかし、ある日曜日、二十年封印していた日記を読み返した時、一瞬で記憶が蘇ったと涙をながします。多くを語らずともシーモアさんの涙は、本当に戦争の惨状を見てきた人の涙です。
音楽への愛を通して持ち得た彼の人生を語るシンプルで正直な言葉の数々は「大人のための人生入門」となったでしょうか?
「それは、ちょっと大げさだな」とシーモアさんにいわれそうな気もします。
―宮下暢子(神戸映画サークル協議会)

映画『シーモアさんと、大人のための人生入門』

12月21日(金)①11時30分②14時30分③19時、22日(土)①11時30分②14時30分③18時、神戸アートビレッジセンターKAVCホール/監督:イーサン・ホーク、出演:シーモア・バーンスタイン、イーサン・ホーク/2014年・アメリカ・81分/一般当日:1,700円(前売:1,300円)、シニア・障がい者・大学生以下:1,300円/☎078‐371‐8550、URL http://kobe-eisa.com/

(兵庫民報2018年12月2日付)

観感楽学

紅葉の見ごろ。京都や奈良にと思うのだが人があふれていると思うと二の足を踏んでしまう。そこで、我が家から十分程度の慈眼寺(三木市久留美)を訪ねた。日が西に傾き始めた三時ごろだったが、木漏れ日を受けて輝く真っ赤な紅葉に圧倒された▼曹洞宗の古いお寺だが、境内の一角に「鼠小僧次郎吉」の墓を収めた小さな祠が建てられている。十数年前までこの墓は野ざらしだったが、賭博や勝負事のお守りになるとかで石碑を欠いで持ち去る輩が多くなり、祠の中に収めたという。「次郎吉の墓」といわれるものは東京・墨田区の回向院はじめ全国に多数。どこでも被害を受けているらしい▼「次郎吉」は江戸末期の実在人物で、歌舞伎や講談では義賊として人気がある。大名屋敷専門に忍びを重ね三千両もの大金を稼いだという。講談などでは金を貧しい庶民に分け与えたとされているが、実際は博打と女で使い果たし、ついには捕縛されて処刑されている▼莫大な金といえば日産のゴーン元会長、年収二十億円もらっても収入をごまかし、会社の金を私的に使っていたとか。数万人の労働者の首を切り路頭に迷わせながら、己は札束に埋もれて暮らす。「次郎吉」と同じにしては失礼だが、ゴーン氏の強欲は講談の材料にもならない。(D)

(兵庫民報2018年12月2日付)