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2018年11月25日日曜日

統一地方選へわたしの決意:宮野つるお(長田区)

上京して省庁に要請する宮野さん

30数年空白の長田区の議席必ず

長田区県政対策委員長 宮野つるお

自分は何の為に生まれてきたのだろうと思っていたら、夜間大学時代にオストロフスキー『鋼鉄はいかに鍛えられたか』という本に出合い、人類を解放することだと教えられる。
学生自治会の活動をしている時、先輩からあの侵略戦争に命がけで反対した政党があった。それが共産党だと教えられる。
また在日の友人から、関東大震災のどさくさに紛れて朝鮮人が殺された事を教えられた。
そんなことも知らずにいたことにショックを受ける。わけもわからないままに、人の言うことに疑問を持たず、自ら調べようともせず、のほほんと生きてきた人生を反省し、羅針盤をもって航海する人生、自分とみんなの幸せのために生きる人生にしようと共産党員になった。
夜間大学を卒業後、長田にある神戸医療生活協同組合の協同病院やいたやどクリニック、番町診療所、介護ショップ協同などの医療・介護の分野で三十年以上働いてきた。
二月の長田区神戸市会議員補欠選挙では四千二百四十一の(世に良い)方々から支持をいただき、大健闘という評価を受けることができた。
安倍自公政権のアメリカ・財界言いなり、国民いじめの暴走政治を変えない限り国民はしあわせになれない。来年七月の参議院選挙で与野党逆転を勝ち取る必要がある。
そのためにも、四月の統一地方選挙で長田区から三十数年空白の共産党の議席を勝ち取ることが必要になっている。
赤ちゃんからお年寄りまで一人ひとりが大事にされ、命と暮らしを守り、医療・介護・年金・教育・災害などの不安を減らし、商店や市場・中小企業などが元気になるように全力で頑張ります。

推薦します!

神戸医療生活協同組合
道上哲也さん

優しい性格と ブレない姿勢

神戸協同病院で一緒に働いてきた仲です。彼は、常に患者さんに優しく、誰からの頼みも決して嫌とはいえない性格です。また生きる姿勢は決してブレないということが最高の美徳でもあります。兵庫県の医療の発展に貢献し、とても頼りになる存在であると確信しています。

(兵庫民報2018年11月25日付)

県女性後援会が署名宣伝:消費税10%増税NO!、安倍改憲NO!


日本共産党県女性後援会が十一月十八日、神戸大丸前で「消費税増税の中止を求める請願署名」と「安倍九条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」を訴えました。
金田峰生参議院選挙区予定候補は、「安倍政権がめざす消費税一〇%引き上げは暮らしと経済をこわす」「九条に自衛隊を書き込む改憲案は日本の平和をこわす」と安倍政権の危険性を暴露。「安倍政権をやめさせるために日本共産党と金田峰生に大きなご支援を」と訴えました。
引き続いて神戸市中央区から県議会に挑戦する大野さとみ予定候補が「子育てしながら働き続けられる県政をつくるために私を県議会に送ってほしい」と自分の体験を踏まえながら支援を訴えました。
新婦人内後援会から由利美香さんが訴え、元県議の井村弘子さんも訴えました。

(兵庫民報2018年11月25日付)

神戸市灘区で演説会:市議選・県議選・参院選での勝利めざし

声援にこたえる(左から)味口市議、大門参院議員、わだ県議予定候補
来年の統一地方選挙と参議院選挙で日本共産党の躍進をめざし、党灘区委員会は十一月十七日、六甲道勤労市民センター大ホールに大門みきし参院議員を迎えて演説会を開催し、百三十名の参加で会場は熱気にあふれました。
大門参院議員は「楽しく明るい選挙」から始まり、森友問題の今、安倍首相がなぜ憲法改憲に執念を燃やすのかなど、追い詰められている安倍政権の実態を報告。統一地方選挙と参議院選挙で必ず勝利し、安倍政権を退陣に追い込もうと訴えました。
金田峰生参院兵庫選挙区予定候補は、土砂災害などで現地を視察し、寄せられた不安や悩みに応え、災害対策、被災者支援に力を尽くすことを表明。地球温暖化を悪化させる神鋼石炭火力発電増設問題は国のエネルギー政策の問題であり、子どもたちにクリーンで安全なエネルギーを残したいと訴えました。
四月の統一地方選挙で三選をめざす味口としゆき市議は、住民運動と神戸市会議員団の論戦力で、鶴甲会館の存続・移転の実現、高羽小学校の過密問題では解消に向けた予算をつけさせたことなど市会議員団の実績を訴えました。
わだ利男県議予定候補は憲法九条改憲ストップの審判を神戸からあげようと訴え、無駄な大型公共事業よりも、災害から住民の命、財産を守る防災・減災の公共事業を行うためにがんばる決意を表明しました。
初めて演説会に参加した男性は「黙っていても仕方がない。何か行動しなければという思いで参加した」と話していました。「大門さんの話はよかった。人柄が伝わってくる」「選挙頑張らなあかん」「たくさんの人が来ていて元気になった」など感想が寄せられました。
―近藤秀子(灘区委員会)

(兵庫民報2018年11月25日付)

淡路女性後援会がつどい

役立つ知識と励ましいっぱいの「しんぶん赤旗」

講演する清水さん

日本共産党淡路女性後援会が「講演と総会のつどい」を十一月十七日、淡路市のしづのおだまき館で開き、全島から後援会員など六十人が集まりました。
世話人代表の川西マサ子さんが開会の挨拶をし、参院兵庫選挙区予定候補の金田峰生さんのメッセージが紹介されました。
続いて、前衆院議員の清水忠史さんが「市民と野党の共同で女性にやさしい政治を」と題して講演。清水さん独自の味付けで会場を爆笑の渦にまきこみながら、憲法九条を守り、消費税増税中止のため、日本共産党の躍進をと訴えました。
講演の後、参加者から「清水さんの様々な知識はどこから仕入れているんですか?」との質問が。迷わず「日々の『しんぶん赤旗』です」と清水さんが答えると、「では、『赤旗のどこからですか?」と再質問。
「『読者の広場』からです。時折、清水の演説に触れて元気をもらったという投稿があるんです。それを読むとこちらも励まされるんです。そして可能な範囲でお礼を伝えるようにしています。ですので、近いうちに淡路の方からの投稿がないか注意深く読みたいと思います」と清水さんは答えました。
この講演と総会を通じ、参加者一同、来年の参議院選挙、比例四十六万票を目指し、山下よしき副委員長の再選、兵庫選挙区での金田峰生さんの初当選を目指して頑張ろうと、意志を固めあいました。

(兵庫民報2018年11月25日付)

尼崎市長選挙:民主市政の会流目氏及ばず

尼崎市長選挙は十一月十八日投開票され、尼崎民主市政の会代表委員の流目茂氏(70)=無所属、日本共産党推薦=は、一万九千五百九十六票・得票率二一・三〇%で及ばず、現職の稲村和美氏(46)=無所属=が三選されました。投票率は二四・七一%。
流目氏は、遅れている現市政の子育て施策を批判し、認可保育所増設、保育料軽減、中学校卒業までの医療費無料化、中学校給食の早期実現などで「子育てするなら尼崎を」と訴えました。また、消費税一〇%増税反対・九条改悪阻止を訴え、「安倍自公政権追随の市政を変えよう」と主張しました。

(兵庫民報2018年11月25日付)

岩見武三町長が市川町の魅力語る

ラジオ関西がビデオを公開


市川町の岩見武三町長がラジオ関西『三上公也の情報アサイチ!』に出演(十一月一日放送)。収録時のビデオがユーチューブで公開されています。
鶴imo(さつまいも)、ふるさと納税返礼品たまご部門で全国一位となったたまごなどの特産物やそれを使ったスイーツ、ゴルフアイアンほか地場産業の育成・支援、農地取得を容易にして移住・定住促進、子育て支援などの施策を紹介。岩見町長三年間の実績の一端もわかります。


URL: https://youtu.be/BlMJ4sTSjt8

(兵庫民報2018年11月25日付)

神戸・市民要求を実現する会が総会

中学校給食無料化など要求を発展させ

挨拶する村上代表委員

神戸・市民要求を実現する会は第八回総会を十一月十五日、神戸市内で開催しました。
開会挨拶にたった成山太志代表委員(兵庫労連議長)は、「安倍政権の暴走以上に、地域破壊を行おうとしているのが久元市長であり、『都市空間向上計画』は大きな問題がある計画でなんとしても阻止しなければならない」と述べました。
岡崎事務局員がこの一年間の活動報告を行いました。三月に行われた「都市空間向上計画」に対する意見応募にとりくんだ結果、神戸市は修正案を出さざるを得なくなったことにふれ、これまでの運動の積み上げの結果が反映されたことに確信を持ちたいと報告しました。
今後の方針として、五つの行動提起と三つの確認事項を提案しました。神戸市への二〇一九年度予算要望を取りまとめたことを報告し、「中学給食の自校調理方式に」の要求を発展させ無料化を掲げたことをはじめ、高校通学定期への補助など子育て費用の無料化・軽減、地域医療の崩壊を招く医療機関の再編に反対、風営法改正による警察の介入への反対、高い国保料についての問題など―十六分野四十八項目の重点要望になったことを報告しました。
加盟団体からの発言では、重点要望についての説明や団体の運動などが語られ活発な議論が交わされました。発言の中で新たに出された補充要望を加え神戸市に提出することを確定しました。
最後に、村上健次代表委員(兵商連副会長)が「この八年間の運動の積み重ねに確信を持ち、これからも運動の発展に頑張りましょう」と述べ閉会しました。
―岡崎史典(同会事務局)

(兵庫民報2018年11月25日付)

救援バザー実行委員会東日本大震災被災地ツアー

気仙沼市・杉の下の慰霊碑前で説明を聞く参加者

被災7年半の困難さと復興への動き

平松順子(実行委員会)

東日本大震災から七年半、救援バザー実行委員会は十一月十一~十三日、八回目の現地ツアーをとりくみました。丹波や尼崎からの参加もあり、大沢たつみ元参院議員をはじめ総勢三十三人が参加しました。

神山県議

福島空港で現地の支援センターの大橋利明さん、渡辺武男さん、神山えつ子福島県議と合流、渡辺さんと神山県議がバスにのりこみ、原発被災地である富岡から大熊・双葉・浪江町と移動しながら、被災地と被災者の現在の状況、原発の汚染水や汚染土の行方などをお聞きしました。

原発事故は「収束」として大型開発推進

国と福島県が一体になって、オリンピック(二〇二〇年)までに、事故は収束したことにしたいという思惑で事業を進めています。「イノベーション・コースト構想」という名の大型開発に毎年七百億円もの多額の予算を投入。その一方でモニタリングポストを八割以上撤去。汚染土を道路建設などに埋め込み全国にばらまくなどの計画まであります。
神山県議はこうした動きに対し県議会で日本共産党県議団が厳しく追及していることを報告しました。

荒廃した自宅

三人と離れたあと、案内してもらった相馬市観光協会の井島順子さんは、南相馬市小高で被災。避難解除になった家に帰ったらイノブタの死骸が横たわり、そこに大きなネズミが群がっていて、もう帰れないと思ったといいます。
同市の津波犠牲者は四百六十八名ですが、まだ行方不明者も残り、十一日の月命日には自衛隊が遺体の捜索を今も続けています。

米全袋調査、新品種開発など復興への動きも

一方で、相馬産の米は全袋調査するので国の基準よりも安全性は高いと井島さんはいいます。
震災後から東京農業大学の学生が支援にはいり、汚染物質の除去に研究を重ね、「天の粒」という品種を生み出したり、市内四カ所にメガソーラーをつくったりと、復興に向けての動きも井島さんから聞きました。
*

二日目は、遠野のふるさと村を見学し、南三陸鉄道にも釜石駅から盛駅まで乗車しました。

地震の津波のメカニズムを知る必要

さらに三日目には気仙沼のボランティアステーションの菊田忠衛さんから話をききました。
菊田さんは、両親が津波の犠牲になったことから、地震と津波とのメカニズムを自ら詳しく解明しました。行政のハザードマップに頼って避難した結果、杉の下の町民が六十人も犠牲になったこともあげ、地震と津波のメカニズムをしっかり知ることでしか、被災を免れることはできないと強調しました。来年三月には震災伝承館ができ、菊田さんはそこで引き続き津波の体験を伝承していきたいと決意を語っていました。

政治の役割の重要性を痛感

福島から宮城、岩手までを移動し、大変充実した三日間でした。
南三陸鉄道の車両前で

参加者からは――
「現地に来て、被災者の方から直接お聞きすることの意味を再認識した」
「七年経過した今も陸前高田市や気仙沼の海岸はかさ上げ工事が続けられているという状況を目の当たりにし、福島の被災者はまだ多くて三割の住民しか戻っていないことなどを考えると、政府も自治体も被災者の実態に見合った対策をとり続けることこそもとめられていると思った」
「政治の役割の重要性、原発の再稼働の無謀さにあらためて怒りを覚える」
―などの感想が寄せられています。


(兵庫民報2018年11月25日付)

兵庫区憲法共闘会議が学習会

安倍改憲打ち破る鍵3千万署名さらなる推進

兵庫区憲法共闘会議は、関西大学大学院法務研究科教授の木下智史氏を講師に「憲法学習会」を十一月十六日、神戸木材会館で開きました。
木下氏はまず、過去、自民党の首相は小泉首相の郵政民営化など経済成長・利益誘導型だったが、安倍首相は憲法改悪だけをめざすイデオロギー型の政治家であり、大変危険だが、南スーダン自衛隊日報の隠蔽・改竄までして違憲状態を隠さざるを得なかったように憲法九条は厳然と生きていると強調しました。
安倍首相はずるかしこく九条の「交戦権否認」に触れないが、九条二項に自衛隊保持を明記することは、集団的自衛権行使の正当化、軍事力行使、「交戦権」の実質的行使になり、現状ではアメリカの行う戦争に参加するだけだと批判しました。
では、安倍首相がなぜ強いのかについて木下氏は、小選挙区制の実施で自民党の「派閥」力が弱まり、「お友達内閣」になっていること、安倍政権発足後、国政選挙の投票率が低く、五割もある無党派層が動いていないこと―があると指摘。この状況を打ち破る鍵は三千万署名をさらに進めることだと締めくくりました。
会場からは憲法と安保条約やアメリカとの関係、北方領土問題などの質問がありました。
最後に、松本勝治事務局長から「兵庫区内での署名は現在一万三千筆、目標の三万五千までがんばろう」との決意表明と呼びかけがありました。
―亀井洋示

(兵庫民報2018年11月25日付)

AALA連帯委員会が朝鮮半島問題で学習講演会

朝鮮半島の平和プロセスに国際的支援と連帯を


兵庫県AALA連帯委員会が秋の学習講演会を十一月十七日、神戸市内で開催。韓国のキョレハナ平和研究センター研究委員の李俊揆(イ・ジュンキュ)氏が「市民のたたかいと激動の朝鮮半島情勢から北東アジアの平和構築を考える」と題して講演しました。
李氏は「今年は朝鮮半島で平和の風が吹いている。キャンドル革命という社会変革と南北首脳の決断によって開かれた国際変革です」と前置きし、話し始めました。
①起こってきたこと
最初に、朝鮮戦争以後の歴史と近年の北朝鮮の核開発問題をめぐっての出来事を説明しました。
後者のうち二〇一七年に北朝鮮がICBMを完成させ、核兵器の完成を宣言したことについて李氏は、「完成させたということは、もう実験はしないということ。この点を韓国政府がつかんだことがその後の動きにつながった」と指摘。文在寅政権が、平昌オリンピックへの参加を呼びかけ、韓米合同軍事演習の縮小に言及してきたこと、金正恩氏が呼びかけに応じ、板門店宣言に至った経緯を説明しました。
戦後初の米朝会談について「七十年間敵国だったアメリカと北朝鮮の首脳が直接会って対話した。このことの歴史的な意義こそ注目すべきだ」と強調。シンガポール宣言については「最初に『新しい朝米関係の構築』があり、二番目に『平和体制の構築』、続いて『完全な非核化』という順番になっている。過去の強行派がとってきた『まず非核化の措置がなければ対話には応じない』という立場とは逆転している」とその意義を強調しました。
②今起こっていること
現在のプロセスについて李氏は、経済制裁が大きな枷になってると指摘。
具体例として、南北のバスケットボールの交流試合で韓国の選手が北朝鮮に行くのに民間航空機を使えば、民間航空会社が経済制裁の対象となってしまうことをあげました。
さらに、李氏は北朝鮮が平和への具体的な行動を取ったらそれに対して相応の措置をとるというのが筋ではないかと主張。北朝鮮が核開発の象徴的な場所となってきた寧辺核実験場を永久に放棄する意思を示していることについて、アメリカから相応の措置が取られるべきだと述べました。
③今後の課題
最後に、今後の課題について李氏は「この平和プロセスへの国際的な支持と連帯が必要。プロセスが進展し、韓米同盟の変化が生まれると、日米同盟にも影響する。平和、非核化のプロセスが進めばアメリカの核の傘の影響力は低下するだろう。その時に東北アジアを視野に入れた展望を持つことが重要だ。日本にとっては北東アジアの視野が広く見えてくる可能性がある」と述べました。
―上園隆(民青県委員長)

(兵庫民報2018年11月25日付)

文化後援会「秋の講演と文化の集会」

文化芸術の礎である表現の自由を深く認識し

街谷さん(Va.)と大山さん(Pf.)


選挙の年を間近に控えて日本共産党兵庫県文化後援会は十一月十七日、生田文化会館で「秋の講演と文化の集会」を開催し八十人が参加しました。
集会は朝倉えつ子神戸市議の司会ではじまり、段野太一文化後援会会長の挨拶についで日本共産党参院兵庫選挙区予定候補の金田峰生党国会議員団兵庫事務所長が党を代表して挨拶と決意をのべ、憲法改悪や消費税増税をいそぐ安倍政治を終わらせるために今度の選挙でぜひ共産党の躍進を、と訴えました。
今井さん
つづいて党中央の学術・文化委員会の今井直子さんが「豊かで文化的な生活のために―いま日本の文化行政は…」をテーマに講演を行いました。
今井氏は、行き詰まった安倍政治にかわる政治を、という国民の声の高まりの中で「JCPサポーターまつり」での日本共産党に対する期待の声を紹介し、つづいて昨年改正された「文化芸術基本法」について、その成立過程や内容について基本点を解明しました。「基本法」は全会派一致して採決されたものですが、今の安倍政治のもとで「文化芸術の礎たる表現の自由の重要性を深く認識し、文化芸術活動を行う者の自主性を尊重する」と明記されたことは極めて重要な成果であると指摘しました。
一方、法律はできてもその運用において、文化を稼ぎの道具のように扱う「稼ぐ文化」論が広がっていることに注意する必要があるとし、また文化活動を行える時間や賃金など生活条件の確保が不可得であることを強調しました。
集会後半は、待谷翠さんのヴィオラと大山宮和瑚さんのピアノによる演奏が行われ、エルガーの「愛の挨拶」など古今東西の名曲が演奏されました。
閉会の挨拶で濱本鶴男副会長は、選挙勝利には後援会活動の強化が不可欠、各地域や分野で文化後援会組織をつくり、ニュース『風を起す』の読者を広めようと呼びかけました。
参加者からは「文化芸術基本法のことがよくわかった」「こんな会があるのを初めて知った」という声、「ヴィオラの音のすばらしさに感動した」などの感想が多数寄せられました。
―堤隆二(文化後援会事務局長)

(兵庫民報2018年11月25日付)

神戸演劇鑑賞会12月例会:文化座『三婆』


一九六三年、初夏。東京、神楽坂。
金融業の武市浩蔵が、妾・駒代の家で急死する。通夜、葬式を本宅か妾宅かで行うのか、従業員たちが、てんやわんやの混乱の中で、幕が開く。
浩蔵の死後、残ったのは借財ばかり。その返済のため、妹・タキと駒代の家が売られ、住むところを失ったふたりは、本妻の松子の家に押し掛けてくる。こうして、三人の同居生活がはじまった。
暮らし始めたものの、ことある毎にののしり、いがみ合い、罵倒の毎日。それは、日を追うごとに、激しくなってゆく。案じた松子は、同居を解消する事を決め、ささやかなパーティを開いた。その場は、共に暮らしてから、初めての集まりだった。パーティが終わろうとしたそのとき松子は突然叫ぶ〝出て行かないで〟。
それから十年のち、元女中のお花が訪ねてくる。そこでお花が見たのは…。
有吉佐和子の原作を、演出家・劇作家の小幡欣治が脚色をした。老人問題を扱いながら、人間喜劇として笑わせ、老人の孤独や哀しみ、何より共に生きて行くことの大切さを、観客の心に届ける舞台です。
―小谷博子

文化座公演『三婆』

原作=有吉佐和子、脚色=小幡欣治、演出=西川信廣、出演=佐々木愛・有賀ひろみ・阿部敦子ほか/①12月2日(日)16時30分、②12月3日(月)18時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金1,000円と月会費2カ月前納)、月会費3,500円(大学生2,000円、中高生1,000円)/☎078‐222‐8651、Fax078‐222‐8653

(兵庫民報2018年11月25日付)

兵庫山河の会「山河」より

ほがらかに馬齢を一つ重ねたり梅雨の晴間の今日誕生日
石井敏子

こんな朝籠りいたるか闇の底君は苦しき病かかえて
新井 幸

公園のベンチで会った少年がそっと手渡すちぎったチョコパン
塩谷涼子

朝鮮に非核化迫るアメリカがまたもやってる核実験を
西澤 愼

春闘の賃上げやめる連合の労働貴族ここにきわまる
山下 勇

ベランダに時折来たる小雀の部屋に入りて脚を滑らす
古谷さだよ

晩秋のまだ来たらぬに石蕗の冬の予告が咲き初めにけり
鵜尾和代

秋陽うけ紫式部のつぶつぶのつぶつぶ艶めく紫式部
山下洋美

そよ風をとらえて揺れるコスモスの公園を行く幼児の列
古賀悦子

理不尽なにせもの政治が横行し子や孫たちの時代は如何に
大中 肇

(兵庫民報2018年11月25日付)

亀井洋示「全員ボロ野球」


(兵庫民報2018年11月25日付)

観感楽学

三十年来の友人の体調すぐれずと聞いていたので、東京での集会後に福島県・喜多方市へ足を伸ばした。喜多方といえばラーメンだが、会津若松市の「北方」に位置し土蔵が立ちならぶ街としても有名なのだそうだ▼が、駅の売店で求めた地元紙にはびっくり。「維新再考」という連載がありその副題が「戊辰戦争百五十年企画」。リード文は「約一カ月の籠城戦のすえ、苦渋の降伏に至る経過を追い、会津編を締めくくる」となっている。本文に会津松平家第十四代当主も登場し「孝明天皇から絶大な信頼を得ていた自分(松平容保)が賊軍となるとはじくじたる思いだったろう」と述べ、記者が「朝敵」「賊軍」の汚名をそそぎ人々に希望を与えたのが降伏から六十年後の秩父宮と容保の孫との婚姻だったと続ける。「福島は自由民権運動が活発だったのにそんな歴史にはまったく触れない」と友人は憤慨していた▼「明治百五十年」に対し福島・会津では「戊辰戦争百五十年」。いまさら薩長軍対奥羽越列藩同盟の再現ではないだろうに。「腰が痛いけど、明日の地元での学習会には出るつもり」と語る友。テーマは「喜多方の民権運動」。そこに希望あり。(T)

(兵庫民報2018年11月25日付)