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2018年11月11日日曜日

統一地方選へわたしの決意:ねりき恵子県議(宝塚)

ひとりひとりが大切にされる県政を

県議会議員(宝塚市) ねりき恵子

中学・高校時代にボランティア活動に参加。福祉の勉強がしたい一心で、働きながら日本福祉大学の夜間部へ。その時出会った日本共産党。「ひとりひとりが大切にされる社会を」と学んでいることと目指す方向がぴったり!と、日本共産党の一員になりました。
卒業後働いた老人ホームではベットに寝かされたままのお年寄りの姿に胸が締めつけられる思いに。福祉に冷たい政治を通感しました。「誰もが人間らしく」が信条です。
九五年、阪神・淡路大震災直後の県会選挙で初当選、宝塚で初めての女性県議に。自民党の三議席独占に風穴を開け、初の日本共産党議席の獲得です。自らも被災し、被災者支援に奔走。被災者生活再建支援法を実現し、さらに災害支援の拡充を求めています。
三人の子育てを通して、子ども医療費無料化や安心して預けられる保育所づくり、三十五人学級の実現、高校授業料無償化など教育環境の充実に取り組んできました。
また、阪神地域に重度障害児者のリハビリテーションセンター設置を求める切実な声を県政へ届け、設置に向けた検討が始まり、今年十一月から身体障害者更生相談所の阪神ブランチが実現し、「近くになって、早く相談に行きたい」と、喜ばれています。
LGBT支援、精神障害者の交通費助成、音響式信号機の設置、特別支援学校の過密解消などとともに、県議団団長として、予算組み替え提案や議会改革、核兵器廃絶兵庫県宣言の全会一致採択などにも力をつくしてきました。
来年四月、かつてない激戦が予想されるなか、安倍自公政権に追随する兵庫県政から、いのちを守りひとりひとりが大切にされる県政の実現を目指し、何としても勝ち抜く決意です。

推薦します!


浄土宗大林寺住職中川ともこと歩む会代表
木下達雄さん

ひとりひとりの尊厳、平和守る姿勢ブレなし

県議六期の実績を重ねる中でも、障がい者など社会的弱者といわれる人たちに光を当てる県議会での質問やひとりひとりの尊厳を大切にする姿勢にブレはない。
憲法九条に込められた反戦・平和の灯を県会から消させないためにも、さらなる奮闘をねりきさんに期待します。

(兵庫民報2018年11月11日付)

神戸憲法集会:3千万署名達成へ体制立て直し全力を


日本国憲法公布七十二周年の十一月三日、神戸憲法集会が神戸市勤労会館大ホールでひらかれ、満席となりました。主催は兵庫県憲法会議、憲法改悪ストップ!兵庫県共同センター、神戸市内九区の憲法共同センターなどでつくる実行委員会。
主催者を代表して木下智史憲法会議幹事が「憲法九十九条を守らなければならない首相が公然と改憲を主張する異常な政治をやめさせるため、しっかり勉強しましょう」と開会挨拶をしました。


民族歌舞団「花こま」の面おどり〝安倍政権退陣! 沖縄県民連帯〟に拍手と笑いが起こりました。

記念講演は一橋大学名誉教授の渡辺治氏が「安倍改憲の危険性と改憲阻止のたたかい―安倍政権のめざす日本から憲法の生きる日本とアジアへ」と題して熱弁をふるいました。
その中で渡辺氏は、「自衛隊明記論の危険性」についての説明が三千万署名の対話でもっとも重要だと指摘。明記で自衛隊が合憲となり、戦争法の全面発動につながることを語ろうと呼びかけました。
安倍改憲阻止のためには①臨時国会で改憲議論に踏み込ませない②来年の通常国会での改憲発議を許さない③参院選で改憲勢力が三分の二の議席を得ることを阻止し安倍改憲の息の根をとめる―そのために三千万署名目標達成へ体制を立て直し全力をあげよう、達成には五千万~六千万との対話が必要だ、と力を込めて訴えました。
渡辺氏は、朝鮮半島はじめアジアですすむ大きな動きとの関わりもふれ、野党連合政権をつくっていく展望を語り、憲法が生きる日本の再生へ進もうと述べ、「来年十一月三日は安倍首相のいない状態で憲法を語ろう」と結び、万雷の拍手に包まれました。
閉会挨拶で津川知久憲法共同センター代表は、「この一年が勝負。三千万署名で徹底的に人々と話し合おう」と呼びかけました。

(兵庫民報2018年11月11日付)

姫路市南部地域で日本共産党が集い

参院選・県議選・姫路市議選必勝めざし会場にあふれる熱気


来年七月の参議院選挙、四月の県議選、市議選にむけ、姫路市南部地域の日本共産党三支部合同で十一月四日、集いを開催しました。
晴天の昼下がり、椅子が足りず、隣の部屋から借りて、壁沿いにも座席を設けるなど、少し暑いくらいの満室状態、お茶も資料も足りない五十名以上の参加となりました。
今の国の情勢などを金田峰生参議院予定候補から、入江次郎県議から県政報告を、森ゆき子市議(筆者)から市政報告を行いました。
金田氏は、消費税増税ではなく、大企業、富裕層の応分の負担で税金の集め方を変える話、憲法九条と自衛隊の話、とくに、憲法を暮らしに生かして政治を行う大切さなどを分かりやすく訴えました。
入江県議は、兵庫県高速道路ネットワーク構想や、観光を資源にした活性化対策の問題点をパネルで説明。消費が地域に循環しなければ、経済的な効果は上がらないなど、沖縄県の実例をもとに、命と暮らしを守る県政へ切り替えたいと決意を示しました。
森市議は、この夏に議員団が実施した住民アンケートの結果報告をもとに、暮らしは悪くなるばかりなのに消費税や国保料、介護保険料の負担が重く、年金や収入は減っているという実情を話しました。
三人の報告のあと、質疑にも次々と手があがり、道路整備や河川の除草、区画道路地域の問題など、身近な生活の質問や要望が寄せられました。
最後に藤本洋元市議が参議院選挙にむけた得票目標を示し、来年夏の選挙勝利にむけた支持拡大を訴えて集いが終わりました。
―森ゆき子(姫路市議)

(兵庫民報2018年11月11日付)

須磨区の集い

宮本岳志衆院議員、安倍政権終わらせる展望語る


臨時国会が始まり、安倍首相は、消費税一〇%引き上げ、九条改憲を明言するなか、十月二十七日に「日本の未来と日本共産党」を語る集いが須磨区で開催されました。宮本岳志衆議院議員が、来年の統一地方選挙、参議院選挙をめざし、日本共産党はいかにたたかうか、野党政権への展望もあわせて、話しました。
宮本さんは、安倍強権政治は上から抑え込むやり方ですすめてきたが、沖縄の知事選、市長選の三連勝は、この方法が通用しないことを示したと指摘。これを日本全国のたたかいにどうしたらできるのか、消費税一〇%、九条改憲など安倍政権では「反対」が過半数を超えており、ほんとうに沖縄のようにたたかえば、安倍政権を終わらせることができると訴えました。
それは本気の野党共闘にかかっているとともに、日本共産党が大きくなることが求められていると強調。「〝安倍さんに腹が立つ。ひどい政治をよくしたい〟と思っている方は共産党に入党してください。力を合わせましょう」と呼びかけました。
お話の後、身近な疑問も出され、宮本さんがわかりやすく回答しました。
来春の神戸市議選・須磨区予定候補の山本じゅんじさん、夏の参議院選兵庫選挙区予定候補の金田峰生さんの力強い決意表明に大きな拍手が送られました。

(兵庫民報2018年11月11日付)

日本共産党神戸市議団が来年度予算要望を提出

三宮の再開発よりも市民一人ひとりの暮らしを守る施策を


日本共産党神戸市議団は十月三十一日、「二〇一九年度予算編成にあたっての要望書」を久元喜造神戸市長に提出しました。森本真、西ただす、赤田かつのり、大かわら鈴子、山本じゅんじ議員が参加しました。
要望書では、次のような基本姿勢で臨むように要望しました。
市民の命と財産を守る砂防や高潮対策の防災工事など、地域に役立つ公共事業を優先すること。
市場原理にすべてを委ね、郊外地域を切り捨て、市街地に過密と集中を進める、誰も喜ばない計画である都市空間向上計画を撤回すること。
市民負担を増やし市民サービスを切り捨てる姿勢を転換し、くらし応援・福祉・子育て支援の充実を第一とすること。
大企業応援、成長産業支援に偏重せず、地元の中小企業を守ること。
ヤミ専従を生みだしてきた震災以降の労使協調の職員削減路線を転換し、区役所など必要な市職員を増やすこと。
垂水区自死事案・いじめメモ隠蔽問題では教育委員会は遺族に面会も謝罪もしていません。表面的な組織改正で済ませず、教育委員会本来の機能を発揮するよう根本的改革をすすめること。
森本団長は「市議団では市民アンケートを実施し約六千通の回答をいただき、地域の要望を細かく要望書に入れている」「三宮の再開発よりも防災などを含めた、市民一人ひとりの暮らしを守って欲しい」と求めました。
応対した山村昭市長室長は「具体的な内容は検討して回答させてもらいたい」と応じました。

(兵庫民報2018年11月11日付)

不祥事を理由にした職員の権利縮小は許されない

日本共産党神戸市議団が宣伝


「ヤミ専従」問題で日共産党神戸市議団は、十一月二日、神戸市役所前で出勤する職員らにビラを配布し、朝の宣伝を行いました。
神戸市の労働組合役員が正規の手続きを経ず、勤務中に組合活動を行う「ヤミ専従」行為が、神戸市当局によって長年黙認されてきたことが明らかになりました。
当局も「阪神・淡路大震災以降、全国平均の二倍にあたる三三%という大幅な職員削減をすすめるため、労使協調路線をとったことにあった」と認めています。久元市長は「組合との人員配置交渉は管理運営事項にあたるため廃止する」と十月の議会で表明しました。これは団体交渉のルールを使用者である市長が一方的に定め、それに反する交渉には応じないとする不当な行為です。また自民党、維新の会からは「組合費の給与天引き(チェックオフ)」を廃止する条例改正案が議会に提案されました。当局の不正によって生み出された問題を労働組合の弱体化、神戸市職員の権利縮小に利用するものです。
森本真議員団長は「日本共産党神戸市議団は憲法二十八条が保障する労働者の団結権を奪う行為には断固たたかう」と訴えました。

(兵庫民報2018年11月11日付)

高砂民商が清水忠史氏講師に消費税インボイス制度の学習会

消費税反対の政府をつくりたい

大西ゆき(高砂市議)


高砂民主商工会の主催で十月三十日、清水忠史前衆議院議員を迎え、消費税インボイス制度の学習会があり、私もさかべ勝彦市議とともに参加しました。
消費税が始まって三十年、その間集められた税金は三百九十四兆円です。この気の遠くなるような税金は、大多数の国民が苦しい生活の中から絞り出したお金です。大企業に応分の税金を払わせ、アメリカから武器などを買うことを止めれば、消費税を上げる必要はありません。
清水氏が、様々な商品を例に挙げ、持ち帰りか、店内飲食デリバリーなど八%か一〇%か、と参加者に問いかけると、その都度会場から笑いや驚き、ため息が聞かれました。
インボイスは八%と一〇%の税率ごとに一枚の請求書に記載・発行するものであり、取引先や親請けは消費税の納税額から仕入れや経費に掛かる消費税を差し引くことができるようインボイスの発行を求めます。しかし、インボイスが発行できるのは課税業者だけで国税庁への登録が必要です。年間の売上が一千万以下の免税業者は対策を迫られます。猶予期間は設けられていますが混乱は必至です。
清水氏はこうしたことを説明するとともに、国民と中小企業を苦しめる最悪の不公平税制をこれ以上拡大するなど言語道断、財界や自民党幹部はさらなる引き上げに言及、一〇%で打ち止めではないと指摘し、「いま止めないでいつ止めるというのでしょうか。増税勢力に選挙で審判を下せば一〇%への引き上げは必ず阻止できます」と訴えました。
参加者からは「難しいと思っていたが楽しく聞けた、でも本当に理解できたか不安だ、機会があればまた参加したい」という声がありました。
マレーシアでは政権が変わり消費税が六%からゼロになりました。私たちも署名などで声をあげて消費税反対の政府をつくろうではありませんか。

(兵庫民報2018年11月11日付)

民青全国大会へ県代表者会議

青年の願いにこたえる活動広げ共産党との共同の事業で同盟員増やそう


日本民主青年同盟第四二回全国大会(十一月二十三~二十五日)へ向け、民青同盟兵庫県委員会は四日、第五十九回県代表者会議(上り)を開催しました。
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上園隆県委員長は県代表者会議への報告で、「いま、平和と民主主義を発展させて、『個人の尊厳』を大切にする社会を求める人々の願いが、世界を動かしています」として、朝鮮半島や欧米諸国の動きを紹介しました。
日本国内でも安保法制の廃止、立憲主義の回復を掲げて始まった市民と野党の共闘が発展し、沖縄県知事選でのオール沖縄の勝利など、巨大な変化が起こっているもとで、多くの青年が社会や政治のあり方、自分の生き方を考えているとして、「社会のことはあまりわからないけど、選挙では自分で考えて投票できるようになりたい」と加盟した高校生や、「イギリス労働党やアメリカでのサンダースの躍進に注目している。日本も同じように野党が伸びて国民に優しい政治をしてほしい」と加盟した学生など、この間の加盟の経験も紹介し、民青で取り組んできた活動は青年の模索と変革にこたえる力を持ち、世界の流れと響き合っていることを確信にしようと呼びかけました。
十一月末を期限に取り組んでいる「青年と力を合わせ、仲間を増やす大運動」の目標達成に向け、魅力的な班活動を広げ、青年の願いにこたえる活動を広げながら、日本共産党とも共同の事業で同盟員拡大に取り組むことを呼びかけました。
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全体討論では魅力的な班活動や学びを力に同盟員を拡大した経験や、日本共産党と相談して共同の事業で同盟員拡大に取り組んできた経験が語られました。
今年に入って班活動を再開した東神戸地区・東灘灘班の代議員は「川遊び企画などで同盟員同士の交流を深めてきた。弁護士を班会に招いての労働法学習会などで、悩みを率直に語り合い、展望を学ぶ活動に取り組んできた。その中で、班員が弟を誘って民青に迎えることができた。班員の思いや要求によりそった活動してきたことが、社会を変えるために民青の仲間を増やそうという力になってきた。今後も魅力的な班活動で仲間を増やしていきたい。」と発言しました。
西神戸地区の同盟員は党地区委員会と共同で無料塾に取り組んで、参加した高校生が加盟した経験や、同盟員から出された要求をどう実現するのかも党地区委員会に相談して実現していると発言し、共同の取り組みが力になっている経験を発言しました。
また、激動の情勢のもとで民青の活動が多くの青年に待たれている経験も発言されました(別掲)。
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講演する金田氏

結語で上園県委員長は「兵庫での活動を確信にして学びあいつつ、十一月末までの仲間を増やす大運動の目標達成のために頑張ろう」と呼びかけました。
この会議では、金田峰生・党国会議員団兵庫事務所長が記念講演しました。

〇九月に党尼崎地区委員会の「青年の集い」で加盟した同盟員の発言
民青での学びが主権者としての成長に
働きながら漫画を書いているが、だんだん描く時間が無くなっていった。同盟員の友人にすすめられた民青新聞の働き方の記事を読んでいたら、社会を変えることで自由な時間を作れるようになると知った。自分もそういう活動をしたいと思うようになっていった。
二十五歳になったけど、今まで一度も投票に行ったことがない。新聞を読んでも難しく、どう勉強したらいいのかがわからなかった。民青新聞を読むようになって分かりやすく学べた。次は、しっかり考えたうえで投票に参加したい。
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〇K大学班同盟員の発言
政治を自分のことにすることと、願いを実現すること
毎週の学内宣伝で学費奨学金アンケートを集めて、国会議員と文科省への要請行動を行った。これまで、学費が大変だ、奨学金が大変だと学んできたことが、自分のこととしてあまり考えられなかった。この行動の中で、自分自身も奨学金を借りていて五百万円の借金があり、自分の置かれている状況や思いに気づくことができた。
いま、多くの青年が政治の問題を自分と関係ないものとして見てしまっている。自分が思っていたことを聞いてくれる環境があり、語ることをしないと自分のことにならない。政治のことも自分のこととして考えることができない。
政治を自分のことにするのは時間がかかるが、今の社会の中で時間を奪われているので、現状を変えることも大事。少しでも変えられれば、自由な時間が増えて政治のことを考えることもできる。この二つを真剣に取り組んでいる民青同盟の活動を頑張りたい。

(兵庫民報2018年11月11日付)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:2018-10-31

健康管理と探求心で原爆症に向き合う

副島圀義

十月三十一日、大阪地裁の第七民事部と第二民事部の両方で続けて審理がありましたが、後者は書面の確認だけだったので、前者(原告ご本人と医師の証言)の傍聴メモからのご報告です。

原告Tさんは当時二歳、広島被爆です。
―爆心地から東北に一・五キロメートルの自宅前で遊んでいて全身灰まみれでころがっていて、裏庭で洗濯物を干していたお母さんと防空壕に避難。「近くの溝掘り作業中の兵隊はみんな赤く火傷していた」「たくさんの遺骸が荼毘にふされていた」と聞いた。
―井戸水を飲み、炊き出しの食事の避難生活。発熱、下痢、発疹などの症状が出、小学校高学年まで発疹が続いた。
―慢性肝炎、糖尿病に続き、狭心症、最近は腎臓がんかぼうこうがんの疑いということで経過観察中。
―お酒を付き合いで飲むことはあったが、普段は飲まなかった。在職中には運動する時間もなかったが、退職後は運動、低カロリー食に努めている。体重、血糖値、食事の量、ウォーキングの時間などを自分で記録している。
―「放射線被ばく、あるいは特定の遺伝子と糖尿病の関係」「B型肝炎ウィルスの感染と発症のメカニズム」「体内に取り込まれた核種の生物学的半減期」「ウルソ錠の効果」など、自分の訴えに対して国側が持ち出してくる問題だけでなく、ノーモアヒバクシャ訴訟を傍聴するなかでぶつかる問題はしっかり調べている。等々……
確かにTさんはいつも傍聴席におられます。「国の言い分は原発事故や核実験の被害を極力認めないことにもつながる。そんなことを許してはならないと思っている」と、個人的にお話しした際にも言われました。

医師の河本一成先生は、慢性腎不全で提訴されたWさんの件を主に証言されました。
国側代理人の反対尋問は、いつもの通り「証人は大学院博士課程をでていない」「被爆以外に発病リスクがあっても、被爆の影響が否定できないというのか」「被爆起因性を主張するというなら、原告はどれくらいの被ばく線量だったと思うか」等々、ワンパターンでマニュアル通りのものですが、先生は冷静、ていねいに証言を続けられました。

いよいよTさん、Wさんについても、来年二月八日が結審となりました。

(兵庫民報2018年11月11日付)

第8回神鉄粟生線応援乗車「日本のへそ公園」へ


十一月四日、晩秋の日和のなか、神戸電鉄で鈴蘭台から粟生へ、そこからJR加古川線に乗り換え、西脇市の「日本のへそ公園」へ行きました。
十年前、神鉄粟生線が赤字のため廃線と新聞に発表されてから、私たちの会は「乗って残そう」と粟生線応援乗車をはじめました。
八回目の今年は、最高の天気に恵まれ三十八人が参加しました。毎日忙しさに追われている人も日本の中心「東経百三十五度北緯三十五度」でのんびりと一日過ごしました。
帰りの車中は「来年の第九回はどこへ行こうか」と話が弾みました。
―佐藤フミ子(みんなで乗って残そう神鉄粟生線北区連絡会事務局)

(兵庫民報2018年11月11日付)

俳句:新俳句人連盟兵庫支部

初当選の朝刊開く金木犀
 潮俊子

落胡桃踏めば戦火のちひろの眼
 翠その子

沖縄の勝利栗剥きの手止まず
 井上明

名月を見上げてごらんスマホ族
 ごとう好子

真葛(さねかずら)兜太の愛した尿瓶です
 坂田邦子

知事選挙一人で万歳台風夜
 宮崎信敏

遠近と白き茸や神の杜
 田村節子

吾亦紅夭折画家のはがき一葉
 藤井由美子

手榴弾習いし夏や閉校日
 鈴木山明

稲妻に走れない狼がいる
 三井淳一

(兵庫民報2018年11月11日付)

大門みきし「なにが自己責任だ」

連載エッセイ33

小学生の頃、友達と近くのお寺の境内でキャッチボールをしていて、私が投げたボールが本堂の仏様の顔に当たってしまったことがあります。住職がとても怒られ、親を呼び出して説教をされました。
説教から帰ってきた母に「〇君が受けてくれると思って投げたんや」というと、母は「人のせいにしたらあかん」と、私をきつく叱りました。それ以来、人に責任を転嫁しないことが自己責任の意味だと思ってきました。
ところが昨今の日本では、人に責任転嫁するどころか、よかれと思ってしたことでも、失敗したら自己責任だとバッシングされる。
自己責任論のルーツは新自由主義にあります。市場競争は「神の見えざる手」(アダム・スミス)によってコントロールされており、失敗したり競争で負けたのは本人の責任だというわけです。
しかしノーベル経済学賞を受賞した米国のジョージ・アカロフは著書『不道徳な見えざる手』の中で、市場とは「釣り師が人の弱みにつけ込み、カモを釣る競技場」に過ぎないと指摘しました。
釣り師に釣られなかったカモたちが、釣られたカモに「釣られたのは、おまえがマヌケだからだ」といって、釣られたカモの自己責任をだけを問うことになれば、人の弱みにつけこんだ釣り師の悪徳は永遠に免罪されることになってしまいます。
自己責任だと自分を責めて苦しむ人のどれだけ多いことか。なにが自己責任だ。
こんな不公正な社会で、自己責任なんて考えすぎる必要はないと思います。
(日本共産党参院議員)

(兵庫民報2018年11月11日付)

みんぽう川柳〈十月〉「十三夜」

選者 島村美津子

特 選

栗名月はじけるように辺野古ノー
 神戸市 長尾粛正

【評】十三夜のことを栗名月とも、日本語っていいなあと感心していたら句は辺野古ノーをつきつけた沖縄県民の快挙へと続く、栗名月に呼応してお見事。
それにしても民意に沿うなどと嘘八百を並べたてるアベの顔が浮かぶ。私の子どもの頃は嘘ついたらエンマさんに舌を抜かれるとよく言われたものです。

入 選

戦禍の地にも照るや今宵は十三夜
 神戸市 熊谷敏子

月明り十五夜だったかな十三夜
 神戸市 亀井洋示

八十年生きほっと眺める十三夜
 神戸市 山本尚代

十三夜友と箱酒連れてくる
 神戸市 長沼幸正

十三夜芋豆栗が旨かとね
 神戸市 藤田幸子

恋やぶれ見上げる空に十三夜
 明石市 大西照美

帰省子の好物メモる十三夜
 神戸市 玉山歳子

十月はわたしが主役十三夜
 神戸市 梶山洋枝

十三夜仮設住宅包み込む
 神戸市 塩谷凉子

台風被害稲穂うな垂れ十三夜
 芦屋市 梶原嘉代子

崩れ落つ屋根の上にも十三夜
 尼崎市 中内眞佐子

台風も地震も来るな十三夜
 尼崎市 富田明美

すきま風少し冷たい十三夜
 明石市 小西正剛

十三夜十五夜も無しふて寝する
 神戸市 松尾美恵子


みんぽう川柳募集

▽十一月の題は「勤労」、締め切り十一月二十三日、十二月の題は「ハガキ」、締め切り十二月二十八日▽毎月第四金曜日必着▽応募は一人二句まで。葉書、メール、Fax(葉書大の枠を書き、その中に記入)に作品二句と氏名・年齢・住所・電話番号を明記し、編集部まで。

(兵庫民報2018年11月11日付)

観感楽学

学校を卒業してソフト会社に就職しました。入社してしばらくは研修で色々な話を聞かされました。「会社では政治と宗教の話は控えるように」と教えられたことを覚えています。理由は「トラブルのもとになるから」などと言っていたと思います。そのせいかは分かりませんが、会社で政治と宗教の話をする人はいませんでした▼しかし、普段、政治の話をしないのに消費税の引き上げにはブツブツ言う人が多かったように思います。買物をする度に自分の懐が痛むからだと思います▼取引先のある会社では消費税率が変更になると新税率に対応したソフト修正という仕事が入るからもうかるという変な話がありました。その会社の製品は全国で使われており、相当な数ですし、税金のことなので絶対に修正します。そこの社員さんも「定期的に消費税が変更になると不景気でも仕事が増えるから助かるわ」とのん気なことを言っていました▼来年十月から現在の消費税率八%を一〇%へ引き上げると安倍首相は言います。消費税を上げて社会保障に充てると言うが、過去をみると良くなるとは到底思えません。改憲すると言い、いまの政権はやりたい放題です。(ふ)

(兵庫民報2018年11月11日付)