憲法改悪ストップ兵庫県共同センター(憲法共同センター)と兵庫革新懇は七月二十九日、高教組会館で三回目となる全県交流会議を開催。団体や行政区の代表が集まり、安倍政権の改憲動向をつかみつつ、三千万署名の目標達成・地域の共同を強化・発展させる方向へ、交流し学び合い、意思統一を行いました。
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開会挨拶で津川知久共同センター代表は、安倍政権に対し三千万署名運動を軸に野党と市民の力が大きな阻止力として働いている姿を強調。第三次集約以降、やや停滞した三千万署名運動を〝巻き直す〟集会・行動を展開している県下の底力も評価しました。その上で全国市民アクションの提起(九月一日~九日の全国行動週間)、十~十一月の三千万署名達成めざす推進月間の成功へ向け、しっかり交流しようと呼びかけました。
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『安倍九条改憲阻止に向けての闘いの現情勢のポイント』をテーマに和田進神戸大学名誉教授(憲法会議代表幹事)が記念講演をしました。
その中で、①今国会の自民党改憲動向が必ずしも安倍首相の意図通りに進んでいない状況②「自衛隊明記」についての世論の推移とその中で署名を訴える際の重点③核兵器と憲法九条の関係④九条を実現する新たな質を持った平和運動の発展・・・・など、具体的な資料も駆使し詳しく解説しました。
とりわけ憲法制定時、幣原喜重郎が、究極兵器としての原子爆弾の出現に対し、憲法九条で戦争放棄を宣言することの意義を強調していたことを詳しく語りました。
参加者は「核廃絶と九条の輝きとの関係は目からウロコだ」と感想を述べていました。
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交流では十人が発言(加えて文書発言二件)しました。
高校―兵庫教組の組合員が学校内で兵教組の皆さんと共同されていると聞き、自分の学校でもと思った。高教組分会員だけでなくよびかけ人に広くなって頂き連名アピールをつくり署名を訴えたところ、百人近い教職員が署名。断られた人は少なかった。
伊丹―数年前から各党派市議との共同宣伝にとりくみ、その中で出会った大学教員などとも話しあい、全国にさきがけ「市民連合」が発足。共同のコツは、決めたものを持ち込むのではなく、日程も場所も初めから一緒に考えること。
尼崎―尼崎共同行動として出発し、現在は市内二十六の団体が総結集する「市民アクション・尼崎」となり、署名についてはそれぞれが自主目標を掲げ奮闘し、間もなく五万筆を突破の見通し。「まだまだ広げられる!さらなる戸別訪問と対話を」とのアピールを出し頑張っている。
川西―署名運動の中で、市民病院問題など暮らしの問題などでの共同も生まれてきた。
長田―署名用紙を全戸配布して地域ごと署名回収ポストを設置。訪問での訴えもし、次々と署名が寄せられている。
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講演と交流をふまえ宮田静則兵庫革新懇事務局長がまとめの発言を行い――
①この交流会は安倍政権に改憲を断念させるまでたたかうための飛躍台となった。一月の会議以降今日までに二十万筆を集めた署名は、その何倍か約五十万人との対話で得られたもの。交流では、大中小の学習や決起・交流など創意ある活動が浮き彫りにされた。「九条の一点で共同」「昼間に通行する人と歩きつつ対話で署名」「一から相談する共同の活動」など工夫がいっぱいだった。
②臨時国会で改憲策動を止めるために九月末の第四次集約にこだわろう。地域組織も各団体も今日の内容を持ち帰り、巻き返しへ全力あげよう。
③和田氏が強調した「来年の参議院選挙が最大のポイント」となる意味を深くつかみ、兵庫県でも野党共闘、市民と野党の共同を広げるため、各地域すみずみから対話を広げよう。その原動力が三千万署名にあることを確認しよう。
―と訴えました。
(兵庫民報2018年8月5日付)