Web版の発行はしばらく休止します

「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2018年7月22日日曜日

西日本豪雨災害:宮本岳志衆院議員が神戸・姫路で調査

日本共産党の宮本岳志衆議院議員が十五日、兵庫県内の豪雨災害現場をまわり、被害状況を調査、住民から声を聞くとともに、被災者を激励しました。金田峰生党国会議員団兵庫事務所長が同行しました。

〇兵庫区清水町


神戸市兵庫区清水町は、国土交通省六甲砂防事務所も住民からの要望を受け、砂防堰堤をつくる計画でしたが、予算が付かず、事業が先延ばしになっていたところへの豪雨災害でした。
また、神戸市は私道に流れ込んだ土砂の除去を約束したものの、いつになるか明示せず、住民が「生活道路なのにいつまで待たせるのか」と自主的に除去作業を始めていました。
宮本議員は作業を手伝いつつ、砂防堰堤を急いで欲しいなどの要望を受け、「予算のつけ方、税金の使い方が問われる課題だ」と対応を約束しました。
兵庫区での調査には、大かわら鈴子市議、前田みさ子兵庫区県政対策委員長が同行しました。

〇姫路市夢前町、余部町

姫路市夢前町では、土砂災害危険区域以外の箇所で土砂崩れが起き、一つ間違えば家屋を直撃するところでした。
同市余部町では、揖保川の支流である蟠洞川があふれ、床下浸水と田畑の水没がありました。
蟠洞川があふれるギリギリの水位になっても、揖保川の方が水位は高いため、逆流を防ぐ水門を閉めざるを得ません。しかし、そうすると蟠洞川の水が行き場を失い、内水被害となります。
宮本議員は、「紀の川流域でも同様の場所があり、河川改修のあり方そのものが問われている。早急に対策を講じるよう、求めたい」と応じました。
姫路市内の調査には、入江次郎県議会議員、苦瓜一成市議、村原守泰党市くらし・経済対策委員長が同行しました。

(兵庫民報2018年7月22日付)

西日本豪雨災害:復興県民会議が募金活動


阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議は十二日昼、神戸市中央区の元町商店街東口で西日本豪雨の救援募金を呼びかけました(写真上)。
これには二十五人が参加。募金をよびかける横断幕や募金箱をもって訴えると、買い物客や旅行者など多くの人たちが募金に応じ、四十五分間で六万四千三百六十七円が寄せられました。
*
募金に応じた七十五歳と七十三歳の姉妹は「阪神・淡路大震災のとき長田で被災し、家がつぶれました。被災された方の気持ちがわかります。倉敷は母の出身地でもあり、少しでも力になりたい」と話していました。

(兵庫民報2018年7月22日付)

西日本豪雨災害:日本共産党県議団が知事に申し入れ


日本共産党兵庫県議団は十二日、七月五日~八日の西日本豪雨による被害対応について、各議員らが、地元などでつかんだ実態や要望をふまえ、井戸敏三知事に申し入れました。
申し入れの主な項目は、①土砂災害撤去・復旧支援②避難所環境の整備・改善長期化する場合の住宅提供などの支援③住家被害の判定と独自支援④農業被害復旧支援⑤相談窓口の設置⑥被災者生活再建支援法の適用条件等の見直し―などです。
各議員からは、「東灘区・鴨子ケ原の土砂崩れでは、マンションの立体駐車場にも土砂が流れている。早く撤去してほしいと要望されている」「宍粟市、神戸市では避難所生活が長引いている。冷房、ふとん、洗濯機がないという避難所もある。食べるものを自分でスーパーなどに買いに行って用意しているという実態も。避難所生活の改善をもとめる」「揖保川の支流の蟠洞川のほうが水位が低く、揖保川に合流する地点で樋門が開けられず、水があふれだし、床下や田んぼなどが浸水した。対策が必要」など、水害の実態を紹介しました。
また県の対応についても「神戸市など被害が大きくても災害救助法が適用されていない。全体が適用されるよう再度、国にも要請すべきではないか」「これまでとは様相が違う災害だけに、従来の枠にはまらない実情に見合う対応をお願いしたい」など、要望を伝えました。
応対した高見隆防災企画局長は、「いま被害実態を調査している。避難所の環境は、初動では、十分な対応ができなかった。内閣府の通達に基づき、市町と連携し、改善をはかるようにしたい。長期化する場合、公営住宅などの提供も検討したい。伺った実情や、要望をふまえ、対応を検討していきたい」などとこたえました。

(兵庫民報2018年7月22日付)

金田ポスターできました



日本共産党国会議員団兵庫事務所長・元県議の金田峰生氏(参院兵庫選挙区予定候補)のポスターができました。「命と、尊厳。」「憲法いかす日本へ」の金田氏の決意を訴えています。A2判(写真)とその倍のA1判があります。

(兵庫民報2018年7月22日付)

頑張ります!―日本共産党の新人議員:立花俊治(加古川)

3千万署名とみんなの力で焦燥感吹き飛ばし地方自治の発展を

日本共産党加古川 *市議 立花俊治

西日本豪雨災害救援募金を訴える立花氏(右)=11日、加古川駅前

この度は多くの皆様方のご支援をいただきありがとうございました。
低い知名度・高齢・出遅れと多くの弱点をはらんでの船出でした。頼みは読者・後援会と日本共産党というブランドのみでした。後援会員の皆さんのご尽力で、高齢は「高齢者の星」、地縁血縁無しは〝九州出身〟など「特徴」に発展させ、地元町内の皆さん方のご協力もいただき、国保料引き下げ・公共交通の拡充・小中の教室へエアコン設置をという三つの公約を前面に走りぬきました。
ハラハラドキドキの開票で、末席でしたが無事任務を果たすことができ安堵しているところです。
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真実に背を向け、多数者の意見を無視し、国政を私物化してはばからない安倍政権。一日も早く退場してほしいのに倒れない現実に私は大きな苛立ちを感じています。
アメリカ政府、経団連、とりわけ軍需産業に縛られてやめられない。自民党議員との会合で延長国会での集中審議について「勘弁してほしい」と弱音を吐いたと伝えられています。
貪欲な資本の論理は、〝アベコベミクス〟。資本の集中は進み、金融緩和は日銀の当座預金を上積みしただけ、格差社会を拡大して消費不況からの脱却ができず、株高を確保するために年金基金から六十四兆円も支出しているとされています。
しかし、下部構造も上部構造も揺らぎが確実に進んでいます。最近の世界の潮流を追ってみました。二〇一六年十一月十二日、三十年ぶりに百万人以上が参加した韓国のキャンドル革命。一七年六月八日、イギリス与党過半数割れ、労働党の躍進。同年七月七日核兵器禁止条約可決。一八年五月九日、マレーシアでイギリスから独立した一九五七年以降初めて政権交代、マハティール氏が再び首相になり六%の消費税を廃止。六月十二日、米朝会談。
二十一世紀の民主主義革命の力強いうねりを安倍カウントダウンへとつなげたいと願っています。
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加古川市は、財政力は兵庫県下五位ですが、暮らしやすさでは二十四位といわれており、人口流出は全国九位、平均年収は三百十五万円でこの八年間で順位を六十五も落としています。
今までの日常生活では車での移動でしたが、選挙で地域を歩いてみますと、こんなところがあったのかと違う景色が見えました。隅切りのない路地、狭い歩道、危なっかしい通学路、課題は沢山ありますが、支部・後援会と力を合わせて暮らしやすい地域づくりに尽力したいと期待を膨らませています。

新加古川市議の任期は七月二十五日から。

(兵庫民報2018年7月22日付)

明石市議選候補者を発表:日本共産党2議席増めざす

日本共産党東播地区委員会は七月十三日、来年の統一地方選明石市議選(定数三十)の候補者四人を発表しました。現有二議席(前回当選三)から二議席増をめざします。略歴は次のとおりです。(敬称略)
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辻本達也(45)現
市議四期。県立明石南高校卒。市議会副議長など歴任。現在、党東播地区委員、東播建設労組特別執行委員。
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楠本美紀(63)現
市議二期。奈良佐保短期大学卒。保育士、市監査委員、市女性団体協議会委員など歴任。現在、党東播地区委員。
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伊藤和貴(66)新
鳥取大学卒。日星電気、西宮民主商工会などに勤務。現在、党明石福祉・医療対策委員長、東播地区委員。
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藤浦研司(60)新
関西大学卒。現在、新聞社(業界専門紙)勤務、党明石くらし・雇用対策委員長。

(兵庫民報2018年7月22日付)

ひめじ市後援会を結成

挨拶する金田氏

五市六町に行政区後援会をつくる目的で三年前に発足した西はりま後援会と日本共産党姫路市委員会の方針に基づき「ひめじ市後援会準備会」を昨年八月に結成し、のべ十二回の会議をかさね、七月八日に約六十名の参加で「ひめじ市後援会」の結成総会をむかえることができました。
岩崎修党西播地区委員長、森原健一県後援会会長、西はりま後援会・たつの市後援会各役員の来賓が挨拶しました。
来年の参院選予定候補の金田峰生さんからは、「今の安倍政治の右傾化、私物化はひどいもので、日本の民主主義を飛躍的に前進させる日本へ何としても変えていかねばなりません。新しい政治はどんな展望、豊かな未来、夢を持っているか示していきたい。平和と自由と民主主義を大切にする社会を! 安心して暮らせる社会を! ともに目指しましょう」と決意表明しました。
また、来春の統一地方選をたたかう入江次郎県議、村原守泰市議予定候補、谷川まゆみ市議、森ゆき子市議、苦瓜一成市議がそれぞれ県政・市政の報告と決意表明をしました。
会の目的や今年度の方針として、単位後援会の現勢調査を行い現状を正しくつかむ。ニュースの発行と得票目標に見合う会員の拡大。楽しい親睦、交流行事や出前講座などの学習や要求実現活動。統一地方選・参院選勝利のため、多様な宣伝活動に取組む。などが提案され確認されました。
―稲村知(同後援会事務局長)

(兵庫民報2018年7月22日付)

神戸・市民要求を実現する会市政連続講座

都市空間向上ではなく破壊


神戸・市民要求を実現する会は七月十四日、市政連続講座を開催しました。
神戸市が推し進める都市空間向上計画について奈良女子大学の中山徹教授が講演、味口神戸市議による計画の現状について報告が行われ、休憩を挟み、実現する会が毎年行っている予算要望交渉の報告と加盟団体の活動報告が行われました。
中山教授は、神戸市が計画している内容について、国の立地適正化計画の制度に基づき進めていこうとしているが、中身は地域切り捨て、自治体の責任を放棄している「都市空間破壊計画」だと指摘。計画自体の間違いを神戸市が出している将来人口ビジョンをもとに批判しました。
味口神戸市議から、市の計画は、多くの市民の反対意見があり、本来ならば七月に基本計画を策定しているはずが九月に修正案を出さざるを得ない状況に追い込んでいる、この間開かれた審議会でも委員から問題点が指摘され修正案の作成も遅れていることが報告されました。
実現する会からの報告では、市民の要求を重点項目として市に文書回答を求め、その後、担当部局との交渉を行ったとの報告があり、今年も十月末をめどに来年の重点要望を取りまとめていくことが提起されました。
また、加盟団体からは、新婦人の垂水支部が都市空間向上計画について計画の廃止を求める請願を議会に提出したことや、国保の広域化の問題で社保協が取り組んできた成果、神戸市保連が待機児童の現状について園庭のない小規模保育が増えている問題点、交通問題で新しく東灘区で会が発足し学習会を開催したことなどが報告されました。
当日は、六十人の参加者がありました。
―岡崎史典(同会事務局長)

(兵庫民報2018年7月22日付)

川西革新懇が集い:市政を考え、要求を語り合う


川西革新懇では、十月に行われる市長選・市議選に向けて「川西市政を考え、要求を語り合う集い」を七月十五日に開催しました。川西市では、駅前開発に続き中央北地区(キセラ)開発に多額の税金がつぎ込まれる一方、安倍政権の悪政に率先して追随して住民サービスを大きく後退しています。
集いでは松岡正章代表世話人があいさつで「腹を立てなくなるといけない」と訴え、住田由之輔市議が市の財政状況と問題点を特別報告し、要求実現に向けて取り組まれている団体・個人からそれぞれ報告されました。
▽幼稚園・保育所を次々と認定こども園に統廃合しながら待機児童対策は民間任せとしている▽中学校給食は未だ実施されない中、センター方式をPFI事業として計画から運営まで民間に委託しようとしている▽教育現場では大人数学級により多忙であるにもかかわらず、小学校統廃合計画を検討し続けている▽介護も負担を増やす一方でサービスは後退させ、高齢者のお出かけ促進事業も廃止された▽子ども医療費の無料化も遅れていること―など多岐にわたる報告がありました。
その中で、黒田みち市議は市立川西病院の公設民営化の問題を、北野のり子市議は子どもの貧困の問題をそれぞれ報告しました。
兵庫革新懇の樫村庸一事務局次長が「地域の要求実現と革新懇」をテーマに講演し、「安倍政権の影響が生活に浮き彫りになっている」「争点を明らかにし、政策を打ち出すことが大事」とし、そのうえで新潟の経験なども交えながら、政治を変えていくためにも市民と野党の共闘を実現させていくことが大切と強調しました。
最後に集会アピールを読み上げ、池田茂代表世話人が「要求が渦巻く市政の問題はもっと時間をかけて話し合いたい」と締めくくり、参加者からは「問題が有りすぎる」「何としても市政を変えたい、野党共闘を実現させたい」など、熱い思いが感想として寄せられました。
―吉岡健次(川西革新懇事務局)

(兵庫民報2018年7月22日付)

但馬で民主団体・議員が呼びかけ「懇談会」ひらく

住民の期待にこたえるJRに

但馬の民主団体や議員の呼びかけでJRの現役職員や退職者、地元議員が集まり、JRにかかわる問題についての懇談会を七月十一日に開きました。
議題の一つ目は大雪対策。但馬では例年のこととはいえ、ここで生活する人たちにとっては大変な問題です。昨年、一昨年も大雪により山陰本線の一部区間が数日にわたり運休しました。
香美町の谷口真治町議から、カニ観光客の宿泊キャンセルの実態や不通区間の旅館から城崎温泉駅への送迎などの問題が報告されました。
現職のJR職員からは、城崎温泉駅よりも西の駅にはJR職員がおらず、ほとんどの列車はワンマンで、駅の除雪はシルバー人材センターに要請しているが、十分な対応ができていないことなどが報告されました。
また、一九六三(昭和三十八)年豪雪の頃は、各駅に職員がおり、保線区職員の詰め所も各駅にあり、人海戦術で除雪し、列車を止めることはなかったこと、当時の福知山鉄道管理局(現在の福知山支社)の職員は約六千人、JRへの移行時(一九八七〈昭和六十二〉年)は約三千人、そして現在は約千人――と報告され、この変化には参加者全員がたいへん驚きました。近年の運休の多さの主要な原因はここにあるのではないかとの意見もでました。
もう一つの議題は、播但線寺前駅以北、山陰線城崎温泉駅以西の電化問題でした。
阪神・淡路大震災の経験でも各線の電化での一元化が急がれるという意見や、電化よりハイブリッド車の時代ではないかなどの意見も出されました。
最後に、住民の期待にこたえるJRにしていくため懇談会を持続し、議論を深めること、今秋には専門家を講師に招き、話を聞く会を開催することなどを確認しました。
―大谷晴観

(兵庫民報2018年7月22日付)

淡路関空ラインへの補助金返還を:監査請求

洲本港と関西国際空港を結ぶ「淡路関空ライン」は、昨年七月に就航したものの、今年七月十三日までで運行を休止しました。

監査請求書を提出する議員ら

この問題で、日本共産党の淡路三市の議員と住民ら十四人は十三日、淡路広域行政事務組合が淡路関空ラインに支出した補助金四千五百万円を返還するよう求める住民監査請求書を同組合に提出しました。
住民監査請求をおこなったえびす智彦南あわじ市議は、この補助金は継続的な航路運行を前提に交付されたものであるが、一年で運航休止となり、船舶の改修など補助金の目的外使用がされるなど、補助金等交付規則の規定に違反しており、返還されるべきであると述べています。
*
これに先立ち九日、党淡路地区議員団は、淡路広域行政事務組合に申し入れを行い、関空航路の運航を断念すると表明した関空ライン社に対し、補助金の返還手続きをとるよう求めました。
淡路広域行政事務組合からは、武田雅和事務局長らが対応しました。

申し入れ

議員らからは「いったん(運行が)終わってしまうなら返還を求めるべき」「航路休止は信頼を裏切るサギ的な行為である」などの意見が出されました。
武田氏は「皆さんと同じ気持ち」「回答については協議していきたい」と述べるにとどめました。
―岡田教夫(淡路地区委員長)

(兵庫民報2018年7月22日付)

あすわか兵庫がシリーズ各条項テーマに「憲法のお話」

あすわか兵庫(あすの自由を守る若手弁護士の会兵庫支部)が「あすわかの憲法のお話」を七月十四日、神戸市勤労会館大ホールで行いました。
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今回のテーマは第二十一条(集会・結社・表現の自由・通信の秘密)。

吉江弁護士

「憲法ミニ講座」では吉江仁子弁護士が、憲法とは国の設計図であり今の憲法がどうなっているか知ってほしいと「憲法のお話」を企画したと説明。現憲法が個人の尊重・幸福追求権を第一にし、それを保障するために国民主権・基本的人権尊重・平和主義の三原則を定めていると解説しました。

坪井准教授

メインの「お話」は阪南大学国際コミュニケーション学部の坪井兵輔准教授の「神戸と東ドイツから考える市民相互監視の罪と罰」。
坪井氏は、神戸が現在、潜水艦、飛行艇など武器、原発の製造・輸出の最前線であると指摘。さらに戦前・戦中・戦後の軍都としての歴史を振り返り、そのもとで軍機保持・治安維持のために神戸詩人事件(一九四〇年)、華僑弾圧事件(一九四四年)などの弾圧が行われたこと、隣組や婦人会など国民どうしを相互監視させてきたこと、西宮スタジアム(現西宮ガーデンズ)では「聖戦博覧会」が行われ、日中戦争体験の大パノラマを展開し、戦意を駆り立てていたこと、戦後には神戸港や六甲山頂に米軍基地がおかれ朝鮮戦争の後方基地となっていたことなどを、豊富な資料をスライドで示しながら解説しました。
また、旧東ドイツでベルリンの壁崩壊まで続いていた相互監視については国民の六・五人に一人が監視に関わり、家庭内で、キリスト教教会で、国民どうしが密告しあう社会であったことを紹介し、憲法二十一条が定める通信の自由の大切さと共謀罪の危険性を強調しました。
会場からの質問で、十八歳の女性が「潜水艦や原発を神戸でつくっていることを知りませんでした。こういう事を知るためにはどういう勉強をすればいいですか」とたずねたのに対し、坪井氏は、「市民が色々な学習会をやっていますし、今日、紹介した資料はすべて市立図書館などにあります。しかし、権力は不都合な真実を隠します。知る権利をどう守るか、憲法もぜひ勉強してください」と答えました。
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「あすわかの憲法のお話」、次回は九月二十九日十時~十二時、兵庫県民会館で開かれます。テーマは第十三条(個人の尊重・幸福追求権・公共の福祉)。お話は現代教育行政研究会代表の前川喜平さんの「個人の尊重と幸福追求の権利と教育基本法について(仮題)」。参加費千円。
あすわか兵庫では、少人数での「憲法カフェ」や勉強会などでのお話・講師依頼にも応じています。☎078・371・2060(あいおい法律事務所・吉江)

(兵庫民報2018年7月22日付)

兵庫生存権裁判

国連人権専門家も10月からの引き下げ見直し求める

弁論後の報告集会

「新生存権裁判」(生活保護基準引き下げ違憲訴訟)の第十四回期日の弁論が七月十三日、神戸地裁で行われました。
原告側は―
①国連人権理事会から任命された人権専門家が五月十四日、ことし十月から実施予定の生活扶助費の段階的引き下げについて、貧困層とくに障害者、一人親世帯、高齢者の最低限度の社会保障を脅かすとして日本政府に見直しを求めたこと
②保護基準は「最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、且つ、これをこえないものでなければならない」とする生活保護法第八条二項についての最高裁調査官の解釈が間違っていることを示す高田篤大阪大学教授の鑑定書
―を陳述しました。
*
次回期日(十月十九日〈金〉十四時開廷)では、これらについて原告側弁護士が口頭で説明する予定です。

(兵庫民報2018年7月22日付)

兵庫山河の会「山河」より

五十鈴川の清き流れを渡り来ておかげ横丁にひととき游ぶ
 石井敏子

「慰霊の日」静かに強く誓う知事賛同の拍手絶えず起こりぬ
 鵜尾和代

若者のサッカー応援のエネルギー政治に向けて爆発させよ
 塩谷凉子

画面よりあふるる如きひまわりのソフィア ローレン忘れがたしも
 山下洋美

朝の地震浴槽の水ピタピタとあふれゆくさま暫しの恐怖
 古谷さだよ

虚偽答弁積み重ね行くアベ政権逃げ切り許さぬ諦めなどせぬ
 安武ひろ子

「支えあい」「助け合い」だけの「共生」に公的責任薄らいでいく
 新井 幸

ロスタイムと延長国会をのたまいぬ麻生大臣の言きわまりぬ
 古賀悦子

検察は加計と森友不起訴とす忖度漬けのあわれ日本
 古賀哲夫

核禁止条約成りて一周年非核の世界めざして歩む
 西澤 愼

力ればかならず達すと治五郎の座右の揮毫しみじみと見き
 山下 勇

子どもの絵入選したとメールくる娘の家のほのかな話題
 大中 肇

(兵庫民報2018年7月22日付)

『コスタリカの奇跡』:神戸映サ8月例会

積極的平和国家のつくり方


コスタリカと聞いてどこの国?って思われる人が多いのでは…。国名だけは二〇一四年サッカーワールドカップ・ブラジル大会でベスト八に入った国だとは記憶していたが。
映画『コスタリカの奇跡』の舞台は中央アメリカの小国コスタリカ。一五〇二年にコロンブスがこの地に上陸して以来、南米同様にスペインの植民地となった。十九世紀半ばにスペインから独立。一九四八年、中米諸国の中で唯一、軍隊を持つことをやめ、国を国民中心の社会民主主義政策を掲げる福祉国家とすべく大きな決断をする。
アメリカの影響力が強い中米の地でコスタリカがいかにして独自の福祉国家をつくりあげ、そして今日どんな姿なのかをこの映画はコスタリカの歴史を作ってきた主要な人たちのインタビューをまじえて描く。歴史の授業もこんな感じなら楽しいだろうな…。分かりやすく語りかけてくれる作品だ。
―松本正憲(神戸映サ)

映画『コスタリカの奇跡』

8月10日(金)①11時30分②14時30分③19時、11日(土・祝)①11時30分②14時30分③18時/神戸アートビレッジセンターJAVCホール/監督:マシュー・エディ、マイケル・ドレリング/2016年、アメリカ・コスタリカ、90分/一般1300円(当日1700円)、シニア・障がい者・大学生以下1300円/主催:神戸映画サークル協議会☎078‐371‐8550、http://kobe-eisa.com/

(兵庫民報2018年7月22日付)

観感楽学

ネットで調べものをしていたら「金口木舌(きん/こう/ぼく/ぜつ)」ということばにぶつかった。琉球新報のコラム欄の名前なのだが筆者には意味不明。さっそく辞典に手が出る。木製の舌のある金属製の鈴のことで、古代中国において役人が人々に法令を示すときにならしたもの、転じて言論で社会を啓発・指導すること、木鐸(ぼくたく)に同じとあった▼感心したがこうなると他紙のコラム名が気になる。同じ沖縄県の沖縄タイムスは「大弦小弦」。弦楽器の太い弦と細い弦のことで、大きなことにもささやかなことにも共鳴する意味か▼神戸新聞は「正平調(へい/せい/ちょう)」。中国音楽の音調の一種で、もっとも清んだ音というのが原意だそうだ。同社ではこの欄は厳正公平であるとともに華麗な文章を心がけていると説明しているそうだ。朝日「天声人語」や毎日「余録」、日経「春秋」などは説明不要か。音やことばに関わる名前が多いなかで読売「編集手帳」、産経「産経抄」はちょっと異色で無味乾燥▼さて本紙の「観感楽学(かん/かん/がく/がく)」は剛直に遠慮なく直言する意味の侃々諤々(かん/かん/がく/がく)をしゃれたもの。勝手な意見を言い合ってやかましい喧々囂々(けん/けん/ごう/ごう)ではなく、ましてやこの二つがあやまって結合した *喧々諤々(けん/けん/がく/がく)とは無縁。(T)

(兵庫民報2018年7月22日付)