日本共産党神戸市会議員団は九日、久元喜造神戸市長に対し「豪雨災害に対する緊急要望」を行いました。
要望書提出にあたり森本真団長は「被災者のみなさんの一日も早い生活再建のために、とりまとめた要望項目を早急に検討し、実施していただきたい」と要望。各区の議員も、それぞれの地域の問題について調査で聞き取った住民の声を伝え、改善を要望しました。
灘区篠原台の土砂災害について、味口としゆき神戸市議は「神戸市はこれまで篠原台は『私有地』なので土砂撤去はむずかしいとの返答だった。七日に灘区役所に再度要請、八日にも区長に直接要請した。区長は副市長に現場を見てもらい判断を仰ぐとのことだった。日常生活に関わる問題であり、早急に対応をしてほしい」と求めました。
対応した神戸市の山村昭市長室長は、「八日午前中に副市長が、篠原台の現地に出向き、神戸市として土砂撤去をすると判断をして、準備態勢に入りました」と改善を約束。他の要望についても「多くの要望をいただいているが、私有地での対応についても新たな支援策なども含め検討したい」と答えました。
(兵庫民報2018年7月15日付)
豪雨災害に対する緊急要望
2018年7月9日7月
神戸市長 久元喜造様
日本共産党神戸市会議員団団長 森本真
7月5日~8日にかけてのかつてない大雨によって、神戸市内では、半壊、一部損壊、床上床下浸水など建物被害や、100か所をこえる土砂崩れなど、甚大な被害をもたらしています。被災されたみなさんに心からお見舞い申し上げます。
また神戸市におかれては災害警戒本部を設置し、全市防災指令第2号にもとづき対応し、職員は不眠不休で復旧や避難者対策にあたられていることに敬意を表します。
日本共産党神戸市会議員団は、災害状況の調査をおこない、避難をされた被災者をはじめ地域住民からさまざまな要望をお聞きしています。また、被害状況の把握がすすむなかで、被災者支援や二次災害を防ぐための課題もうかびあがってきています。
つきましては、重点要望と各区の要望を緊急にまとめましたので、早急に対処をお願いし、被災されたみなさんの一日も早い生活の再建と営業の不安解消をおこない、安全・安心のまちづくりを推進されることを申し入れます。
【重点要望】
1. 土砂崩れなど被災された家屋、私道を含む道路の復旧を早急におこなうこと
2. 私道、私有地であっても防災上必要な措置に対して自治体独自の支援制度の創設をすること
3. 家屋被害や人的被害がさらに広がらないよう、万全の対策をとること
4. 避難所設置にあたっては、長引く避難生活に対して、避難者の要望に最大限こたえるとともに、被災者の健康にも留意した万全の避難環境となるよう改善すること
・備蓄の水、クラッカー、アルファ米などの提供から、栄養価のある食事に切り替えることをはじめ、高齢者、障害者、子どもへの特別な食事の提供をおこなうこと
・空調整備、畳床の提供、着替え、入浴など健康や衛生環境に配慮した対応をすること
・子育て世代や高齢者の居場所や寝る場所など、実態に見合ったきめこまかい対応をすること
・駐車場の利用や費用負担など避難者を支援する対策を講じること
5. 豪雨の影響で、商品の損傷・水没、今後の不作による原材料高騰の懸念など、経営についての不安の声が出ている。相談窓口を設置し、実態を調査して、公的な支援をおこなうこと
6. 災害救助法、激甚災害指定、被災者生活再建支援法など、被災者に対して有効と考えられるあらゆる手段を行使し、迅速に適応するよう、国や兵庫県に申し入れること。今回の災害で得た経験をもとに、上記の法律の改定や運用面の改善を申し入れること
7. 今回の災害による教訓や課題を速やかにまとめ、防災工事、避難所開設と運営のマニュアルの整備、交通渋滞対策、孤立する団地対策、観測所の整備などあらゆる災害予防措置を講じること