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2018年4月22日日曜日

安倍内閣退陣を:憲法共同センター:200人でデモ


「安倍政権は退陣を!あたりまえの政治を市民の手で!」と憲法改悪ストップ兵庫県共同センターは四月十四日、「戦争させない・九条壊すな!総がかり行動実行員会」の呼びかけに応じ、全国一斉デモを行いました。
神戸・東遊園地の出発時には百五十人ほどだった二隊のデモの列は途中で増え、約二百人が三宮~元町駅前まで、「ウソをつくな」「隠蔽するな」「セクハラするな」などとコールを響かせ、森友公文書・「働き方」データ・自衛隊日報隠蔽―と国会をないがしろにする安倍政権は退陣をと訴えました。

(兵庫民報2018年4月22日付)

安倍内閣退陣を:市民アクション東灘:多彩に48人が訴え


発足して間もない三千万署名市民アクション東灘は四月十四日、JR住吉駅南広場で公文書の改竄、隠蔽に明け暮れる安倍内閣の暴走に抗議し退陣を求める緊急街宣行動を行い四十八人が参加しました。
「憲法は僕たちのもの、僕たちのもの」と軽快なラップのリズムのBGMを流しながら、同時進行でリレートークと街頭署名活動やスタンディングアクションなど多彩に取り組みました。
冒頭で、事務局長の森井俊行さんは、元大学教員の経験を披露。「今の安倍内閣は余りにも酷い。即刻の退陣を願う」と挨拶しました。
リレートークは十六人。社民党神戸支部代表の岡本薫さんは「安倍内閣の特徴は、国政の私物化。反国民的な政権運営は許されない」と訴え、キリスト教会の牧師やNHK問題を考える会事務局、とめよう戦争!阪神・兵庫連絡会代表などからも「文書の改竄や隠蔽は民主主義の崩壊を意味するもの」「立憲主義と民主主義が危ない」「政治の根底が崩れる」「捏造、隠蔽許さない」「安倍は即刻退陣」などと訴えました。
日本共産党の西ただす神戸市議と、きだ結県議も連帯と野党と市民の共闘の必要性、安倍内閣の即時退陣を訴えました。
青年たちにも歌いやすく分かりやすく伝えようと「憲法の歌」を作詞した関本英恵さんも参加し、二回にわたって歌を披露しました。
医師は白衣で参加。また当日、参加できなかった人たちのメッセージも披露されました。
当日は、八十六筆の署名が寄せられ、多くの市民から「頑張って」と激励されました。
―藤丸徹(東灘革新懇)

(兵庫民報2018年4月22日付)

「憲法の歌」


作詞・関本英恵 作曲・矢谷トモヨシ

1
憲法は僕たちのもの 僕たちのもの
政府が変えるものじゃない 僕たちが考える

憲法は僕たちのもの 僕たちのもの
憲法変えるか変えないか 僕たちが考える

9条うたう 戦争はもうしない
これが変わると どうなるの?

憲法は僕たちのもの 僕たちのもの
まもりたい人も変えたい人も みんなで考える

2
憲法は私たちのもの 私たちのもの
政府が縛るものじゃない 政府を縛るんだ

憲法は私たちのもの 私たちのもの
これでいいかダメなのか 私たちが決める

13条うたう みんなちがっていい
これが変わると どうなるの?

憲法は私たちのもの 私たちのもの
まもりたい人も変えたい人も みんなで考える

憲法は僕たちのもの 僕たちのもの
まもりたい人も変えたい人も みんなで考える
みんなで考える

https://youtu.be/LoxwTVK4mMg

(兵庫民報2018年4月22日付)

安倍内閣退陣を:市民アクション・赤穂:中心市街地1.5km行進で


安倍政権の九条改憲、国政私物化は許せないと、「安倍はやめろ」「憲法こわすな、九条守れ!」「戦争する国には、させないぞ」と三十人が参加して四月八日、赤穂市中心街を約一・五キロにわたり、市民にアピールしながら行進しました。
*
行進に先だって市民アクション・赤穂主催で大多和優子弁護士を講師に「憲法学習会」を市民会館で開き、これには四十人余りが参加し、安倍政権の憲法改悪の動きについて学習しました。
参加者は「安倍自公政権を中心とする改憲勢力に九条改憲案を国会に提出させないようプレッシャーをかけていかなければならない。そのためにも三千万署名を成功させよう」と確認しました。
―小林篤二(赤穂市議)

(兵庫民報2018年4月22日付)

丹波市で総がかり行動実行委員会の高田健共同代表が講演

改憲発議止めるのは3000万署名など市民運動


市民アクション篠山・丹波のつどいが4月10日、丹波の森公苑(丹波市柏原町)で開催され120人が参加しました。
ミニコンサートの後、戦争させない・九条壊すな「総がかり行動」実行委員会共同代表の高田健さんが講演し、3000万署名など市民運動が憲法9条改憲発議を止めることを丁寧に語りました。安倍内閣が様々な問題で追いつめられていることも明らかにし、市民と野党の共同のたたかいの重要性を強調しました。
(西脇秀隆丹波市議のフェイスブック記事から)

(兵庫民報2018年4月22日付)

日本共産党と日本民主青年同盟:ふたりの県委員長が宣伝


四月十一日、日本共産党兵庫県委員会は、三宮交通センタービル前で震災メモリアル定例宣伝にとりくみました。マイクを握って訴えたのは松田隆彦党県委員長と上園隆民青同盟県委員長。松田党県委員長は、連日報道される安倍政権の捏造、改竄、隠蔽疑惑の徹底糾明と内閣総辞職を訴え、三千万人憲法署名と五月三日の憲法集会への参加を呼びかけました。上園民青県委員長は、原発ゼロ・再稼働反対を訴え、カンキン行動、フィールドワークの体験談を交えて、再生可能エネルギーで電気は足りることなどを訴えました。

(兵庫民報2018年4月22日付)

神鋼石炭火力発電中止を:日本共産党県議団、神戸・芦屋市議団が政府に要請

左から西、味口、きだ、広瀬の各議員

日本共産党の県議団と神戸議団、芦屋市議団は四月十一日、神鋼石炭火力発電所増設問題で、環境省および経済産業省と意見交換し、事業計画を中止させるよう求めました。
上京したのは、喜田結県議、味口俊之神戸市議、西理神戸市議、広瀬久美子芦屋市議の四人です。
神鋼石炭火力発電事業計画については、環境アセスメントで既に「環境大臣意見」「経済産業大臣勧告」が出ていますが、四人はそれぞれの内容について当局に質し、地元住民の声も紹介しつつ、問題点を指摘しました。
今回の交渉で環境省は「二酸化炭素は削減し続けるべきものであり、目標値は可能な限り早期に超過達成するべき」「二酸化炭素排出量が多い、老朽施設や低効率な施設は縮小・廃止するべき」と答弁しました。また、データ改ざん問題について「アセスの精神は事業者自身が自主的に配慮するものであり、事業者自がやり直すと言えばできた」と述べました。
一方で環境省は、発電施設から住宅地まで四百メートルしか離れていないことや、長年大気汚染で苦しんでいるなどの地域の実情について把握していなかったことが明らかになり、四人は「地元住民の声も実情も知らずに大臣意見を出すのはアセスの精神に外れている。環境省自身がやり直すべきではないか」と厳しく指摘しました。
経産省は、「石炭を増やすことは考えていない。低減させていく」「二酸化炭素削減目標が達成できないと判断した場合は、中止を含め事業を見直しさせる」としましたが、勧告が導入を検討するよう促しているCCS(二酸化炭素回収・貯留)は、貯留場所が確保できるかどうかわからないなど、将来不安があることが明らかになりました。
議員団は引き続き事業中止を求めて取り組みを強めていくことにしています。
要請には、市田忠義参議院議員・副委員長(秘書)と金田峰生国会議員団兵庫事務所長が同席しました。

(兵庫民報2018年4月22日付)

電力兵庫の会が石炭火力と温暖化で学習会

再生エネルギーの爆発的普及が地球を救う

電力兵庫の会が「石炭火力発電所と地球温暖化」をテーマに学習会を四月十四日、あすてっぷKOBEで開きました。
講師に招かれた気候ネットワーク研究員の山本元氏は、二〇一五年のパリ協定で世界は「化石燃料時代の終わり」に合意し、個人・民間による投資撤退(ダイベストメント)、ニュージーランド、フランス、韓国など「脱石炭」にすすむ国々などのとりくみを紹介。
こうした世界の温暖化対策に逆行し、石炭火力発電所を増設しようとする神戸製鋼所と関西電力を批判。煤じんが基準を超え、発電を停止していたことを三週間も公表しなかった神鋼と神戸市の姿勢も批判しました。
さらに、エネルギー基本計画の見直しと再生エネルギーの爆発的普及こそが地球を救うと指摘しました。

(兵庫民報2018年4月22日付)

「これ以上、石炭火力発電所はつくらんといて」:近隣住民のねがい

神戸市灘区新在家南町 近藤秀子

神戸製鋼所の石炭火力発電所1、2号機(正面)と新在家南住宅(手前)

私の住んでいる神戸市灘区新在家南町の住宅は、北に国道43号線、南に湾岸線と非常に空気の悪い場所にあります。その上、神戸製鋼所の敷地とは道路と運河を挟んで百㍍程度しか離れていません。43号線を南下すると、生暖かい空気やイオウのような臭いにぞっとします。
今でも空気の悪いこの地域に、神鋼が、石炭火力発電所を増設するという計画を、私たち住民には一切知らせず、説明も何もないまま、進めようというのはあまりにも住民無視のひどいやり方です。これは黙っていられないと思いました。
*
「ここに入居してからせきがよく出るようになった」「ぜん息がひどくなった」「子どもがぜんそくにならないか心配」「においや音がうるさい」「洗濯物が汚れる」「玄関とベランダを開けて風を通せばたたみまで汚れる」
もう我慢できないと引っ越した方もいます。最近引っ越した方に話を聞くと、「湿疹がずいぶんましになった。神鋼の近くには住めない」と言われました。私自身も子どもも、風邪もひいていないのによくせきが出たり、のどが痛くなったりします。
これは石炭火力が原因と考えるのは私だけではありません。
*
今高炉が完全に止まり、音も静かで空気も良くなりました。すでに解体工事もずいぶん進んでいると聞きましたが、アスベストに対する対策はどうなっているのかすら、わかりません。私は昼となく、夜となく神鋼の様子が気になって仕方がないのでベランダからよく眺めています。夜おそくなると神鋼の海に近い東の方角がやたら明るくなっています。煙も見えます。何が起こったんだろうと不安です。

夜の神戸製鋼所

夜も安心して眠ることが出来ない、どんどんストレスがたまるばかりです。引っ越せる人はいいでしょう。でも引っ越したくても引っ越せない、これが現実なんです。
なぜ私たち住民が犠牲になる必要があるのでしょうか。
*
あの煙突から出る煙が、雲一つない青空にあぐらをかいているように思えて仕方がないのです。新在家の地域だけ雨雲のように暗くなる時もあります。「なんやこれ」とはじめは思いましたが、石炭火力の煙が原因と分かったときはショックでした。
真っ黒い煙が出たときは、思わず神鋼に問い合わせの電話もしました。答えは「見る角度によって色が変わるんです」というものでした。しかし、どんな色にせよ公害をまきちらしているのは間違いありません。遠くからでもはっきり見て取れます。神鋼の高く伸びた煙突からでる煙は異常です。
いまの二基に加えもう二基も威圧的な姿を現すのかと思うと、怒りを通り越して悲しくなります。今ある二基と合わせて四基の石炭火力発電所の煙突から出る煙が、青空を支配する姿は見るに堪えません。
*
私たち新在家に住む住民は、健康を害されても、不安で眠れなくても我慢しろと言うのですか。これ以上の石炭火力発電所はいらない、つくらんといてというのが私たち住民の願いです。

(兵庫民報2018年4月22日付)

西宮市長選:いきいき市民の会上田氏及ばず

西宮市長選挙は四月十五日投開票が行われました。
いずれも無所属新人の六人の争いとなりましたが、チェンジ!いきいき西宮市民の会代表幹事の上田幸子氏(70)=新、無所属・日本共産党推薦=は及びませんでした。
当選したのは、元民主党衆院議員の石井登志郎氏(46)。

候補者 年齢 党派 得票数 備考
石井登志郎 46 無所属 37831 元民主党衆院議員
吉岡政和 43 無所属、自民・公明推薦 37723 元県議
本井敏雄 67 無所属 27589 元副市長
上田幸子 70 無所属、共産推薦 19692 元市議
村上博 57 無所属 14286 元市議
中川暢三 62 無所属 5705 元加西市長
有効投票数 142826 (投票率37.52%)

(兵庫民報2018年4月22日付)

西宮市議補選:日本共産党樋口氏得票伸ばし健闘

西宮市議補欠選挙(欠員二、立候補七人)は四月十五日に投開票が行われ、日本共産党の新人・樋口光冬氏(34)は二万三千三百十七票(得票率一七・〇七%)を獲得しましたが、三位で及びませんでした。当選は自民党新人の植田篤治氏(41)と日本維新の会新人の脇田周和氏(36)。投票率三七・四九%。
*
樋口氏は、昨年の衆院選比例選挙(投票率四九・一九%)での日本共産党の得票と比べ七千四百十一票増と健闘しました。自民は二万二千九百七十一票減、維新は二千八百四十四票減。

(兵庫民報2018年4月22日付)

高砂市議選8月26日告示・9月2日投票

日本共産党、現職・坂辺氏、新人・大西氏で現有議席確保めざす

高砂市議選(定数二十一)は八月二十六日告示・九月二日投票で行われます。
日本共産党は現職の坂辺勝彦氏と新人の大西ゆき氏を立て、現有議席確保をめざします。
*
坂辺勝彦(60)=現=
中筋小、松陽中、東洋大姫路高で選抜(甲子園)準決勝進出。大阪体育大学卒。高校教諭・野球部監督など歴任。現在、市議会文教厚生常任委員会・広域ごみ処理施設対策特別委員会・国民健康保険運営協議会委員、党東播地区委員会地区委員。
生活相談担当=米田全域、阿弥陀全域、時光寺、春日野、金ケ田、中筋五丁目、竜山、百合丘、美保里、中島、緑丘二丁目、小松原一丁目〜五丁目、神爪

大西ゆき(52)=新=
神戸市立赤塚山高校卒。一九八四年資生堂神戸販売(株)入社、二〇〇二年(株)山陽百貨店入社。新日本婦人の会、九条の会たかさごの役員を歴任。
生活相談担当=中筋一丁目~四丁目、伊保全域、梅井、高砂町、末広町、今市、西畑、緑ヶ丘一丁目、曽根町、北浜町、松陽、高須、若宮、荒井町(小松原一~五丁目除く)

(兵庫民報2018年4月22日付)

尼崎平和委員会総会

平和と民主主義守るたたかい、沖縄とともに

「これまでもこれからも私たちは沖縄とともに平和と民主義を守るたたかいをすすめます」をテーマに四月十四日、尼崎市平和委員会総会を女性センター・トレピエで開きました。
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伊木さち民青同盟県委員長代理から「世界にわかり合えるグループを作ることが平和を作る力になる」との司会の挨拶のあと、開会挨拶では庄本悦子会長が「政治に対して市民が声をあげることが議員の意識を変え議会を変える力になる」と新婦人の取り組みなどを紹介してその大切さを話しました。
総会では、新しく作成した横断幕の紹介の後、平和委員会主催の映画会や沖縄平和ツアー、戦争展など多くの取り組みの報告がありました。その後、今年の方針・役員提案・会計報告などと会則の改正について提案があり、討論のあと承認されました。
*
後藤氏

講演では、後藤浩・安保破棄兵庫県実行委員会事務局長が名護市長選挙について次のような特徴があると指摘しました
―①今回は自民以外に公明と維新が相手候補につき、企業や学会総ぐるみで動員をかけて期日前投票を徹底させていたこと②官邸主導で官房長官が二度訪沖したが演説会などの会場には顔を出さず裏で動いていたこと③相手候補は基地問題は徹底して触れず、基地交付税が下りたら市民生活が向上するなどの宣伝に徹した――など。そして秋の知事選挙に向けては、基地反対の意思表示をし続けておくことと強調し、最後に「安倍政権を倒すことが辺野古基地をつくらせない大きな力になる。そのためにも尼崎市平和委員会を大きくしてください」とまとめました。
後藤さんと一緒に支援に行った京嶌さんは「四日間、早朝・午前・午後・夜の四ラウンドできつかったけれど対話した誰もが基地反対を言われ、これはいけると思った。今までと同じことをやってたらだめだと実感した」と語りました。
菅村哲仁副会長から充実した討議がされたことと選挙はどうしなければならないかを考えさせられる総会だったとお礼を述べ閉会しました。
*
総会後、参加者の半数あまりの方の参加で阪急武庫之荘駅前でスタンディングと署名行動を行い、二十二筆の署名が集まりました。総会では二人の会員が増えました。
―松岡宗治(同会事務局長)

(兵庫民報2018年4月22日付)

中国帰国者二世の生活支援など求め日中友好協会が請願署名取り組み

中国「残留孤児・婦人」二世の多くは三十歳~五十歳で帰国したため国の支援対象とはならず、日本語が話せず、低賃金・苛酷な労働を余儀なくされています。高齢化を迎えている帰国者二世は、かつての「残留孤児」「残留婦人」一世と同様、生活保護に頼らざるを得ない人も多くいます。また中国の親族の冠婚葬祭、危篤の場合、墓参等の目的で中国へ渡航期間が二週間を超えた場合は収入認定により保護費が減額されるため中国の家族との交流もままなりません。
このような帰国者二世の状況は、一世に対する引き揚げ事業の遅延に加え、国が、国費により一世と同伴帰国できる二世を未婚で二十歳未満に限定したこと、二世に対する有効な支援策を全く講じてこなかったことに起因し、中国帰国者自身の責任といえるものではありません。
今年二月に開催した九州地区二世の会総会で、二世においても尊厳ある安定した老後生活が送れるよう生活支援等を求める請願署名に取り組むことが決まり、呼びかけを受けた日中友好協会兵庫県連合会はこの署名活動に取り組むことを決めました。

請願事項

①中国「残留孤児・婦人」二世に対しても、新支援法を改正して支援給付金と老齢年金の満額支給を適用するなどして、生活保護とは異なる老後の生活保障を行うこと
②私費帰国の中国「残留孤児・婦人」二世に対しても、新支援法に基づく自立支援通訳の派遣などの地域生活支援事業を利用可能とし、医療・行政サービス、日本語学習が容易に受けられるようにすること
③生活保護受給者一般に対する厚生労働省の課長問答により、中国渡航期間が二週間を超えた場合に収入認定する生活保護の運用を中国「残留孤児・婦人」二世に適用しないこと

連絡先:日本中国友好協会兵庫県連合会☎&Fax078・412・2228
―上田雅美(日中友好協会兵庫県連合会)

(兵庫民報2018年4月22日付)

映画「マルクス・エンゲルス」を鑑賞する人のために(1)

平野喜一郎


若きマルクスとエンゲルスを描く映画「マルクス・エンゲルス」が五月十二日からシネ・リーブル梅田で、六月九日からシネ・リーブル神戸で公開される予定です。この作品をより深く観賞するためにと経済学者で三重大学名誉教授の平野喜一郎さんにご寄稿いただきました。(三回連載)



ライン新聞時代のマルクス、出版取締法反対と農民の権利の擁護

今年はマルクス生誕二百年である。これを記念した作品でマルクスとエンゲルスを主役にした作品が映画史上はじめて登場した。ヨーロッパでのマルクスへの関心の高まりの反映であろう。たとえばイギリス労働党党首ジェレミー・コービンはマルクスを称賛している。
若くて、人間的魅力にあふれたマルクスとエンゲルスの友情物語である。一八四四年、パリで再会した両人が、一八四八年に共著『共産党宣言』を発表するまでの波乱万丈の物語である。ただ、一八四〇年代のヨーロッパの歴史については、日本ではかならずしも知られていない。そこで映画の舞台になった場所と、二人の生活と活動について書いてみよう。
マルクスはベルリン大学を卒業したあと、一八四二年から一八四三年にかけてライン新聞の執筆者として活躍した。この新聞は、ドイツでもっとも先進的な地方で、そこの自由主義的なブルジョアジーが発行していた新聞である。マルクスがライン新聞に最初に書いた政治的論文は、プロイセン政府の出版物検閲に対する反対論である。もうひとつの政治的論文は、「木材窃盗取締法」に反対する論文である。緑の枝を木から切り離せば、たしかに窃盗である。しかし、枯れ枝は所有から切り離されたもので、これを拾っても窃盗にはならない、とマルクスは主張した。映画はライン地方の森で農民が馬に乗った軍隊などに追われる場面からはじまる。それまで農民は地主所有の森へ自由に入って枯れ枝を拾っていた。それは慣習的に認められた農民の権利であった(江戸時代の日本にも同じような入会権があった)。ところが地主たちがこれは「木材窃盗」だといって禁止し、森に入る農民を暴力で追い払ったのである。

© AGAT FILMS & CIE ‐ VELVET FILM ‐ ROHFILM ‐ ARTEMIS PRODUCTIONS ‐ FRANCE 3 CINEMA ‐ JOUROR ‐ 2016

正義感にあふれたマルクスは、農民を擁護する論陣を張った。この論文は、後にマルクスが「初めて私はいわゆる物質的利害関係に口出しせざるを得なかった」といって経済への関心を持った事件であった。エンゲルスもマルクスからいつも聞いていた話として次のように書いている。マルクスは「木材窃盗取締法とモーゼル農民の状況を扱うことによってこそ、政治一本槍から経済諸事情へ注意を向けさせられ、社会主義ヘ到達したのだ」と。
ところが、支配層はマルクスの摘発文を許さずライン新聞を弾圧した。ドイツではやはり言論の自由がなかったのである。そこで、マルクスはルーゲの援助で結婚したばかりの妻とともにパリへいくことになる。そこでかれは「独仏年誌」を創刊した。
その頃エンゲルスは父親が経営者であるエンゲルス紡績会社ではたらいていた。彼は一八三七年に高校を中退して以来父親の手助けをしていたのである。しかし、小さいときから貧しい人に同情していたエンゲルスは、その立場と自分の考えとの矛盾に悩んでいた。ライン新聞の読者であったエンゲルスは、一八四二年、ライン新聞社へマルクスを訪ねている。一八四二年から一八四四年、彼はイギリスのマンチェスターの工場で働き、一八四三年末には「国民経済学批判大綱」を書いてスミス・リカードら古典派経済学を批判している。
(続く)→第2回第3回

映画「マルクス・エンゲルス」

ラウル・ペック監督作品/2017年、フランス・ドイツ・ベルギー合作、118分/カール・マルクス生誕200年記念作品/公開予定:5月12日(土)~=シネ・リーブル梅田☎06‐6440‐5930、6月9日(土)~=シネ・リーブル神戸☎ 078‐334‐2126

公式サイト:http://www.hark3.com/marx/
予告編:https://youtu.be/6t5on9lZOJw

(兵庫民報2018年4月22日付)

兵庫山河の会「山河」より

見の限りカタクリの花咲ける土手歓声しきり青空の下
 石井敏子

わが庭に初めて咲きし梅一輪米朝会談祝いての花
 古賀哲夫

雨雫受けつつ梅林上り行く茶店で温き甘酒いただく
 塩谷凉子

このチャンス拉致問題の解決へ時間がないぞ老いし家族は
 西澤 愼

踏青のささやかなりし街なかの空き地に咲いた小さき菫
 古谷さだよ

木々移り「ホーホケキョ」と初鳴きの鶯上手に春を告げゆく
 高木庸子

落ち椿孫と拾いて首飾り陽ざしの中で幼にかえる
 新井 幸

向かい家の白木蓮の黄緑の蕾ふくらみ開花間近に
 鵜尾和代

九条は戦没者の遺言とゼッケン着けて胸張り行進
 岸本 守

誰かから呼ばれたような気配して白木蓮に近づいてみる
 大中 肇

石垣に瑠璃唐草の咲きそむる前田医院は閉院せしまま
 山下洋美

歳ふりて厳しき顔の人多しあい然として日々を生きたし
 山下 勇

追及はなんと六分わが党よでも頑張ってと手に汗握る
 安武ひろ子


(兵庫民報2018年4月22日付)

亀井洋示「落城寸前」


(兵庫民報2018年4月22日付)

観感楽学

アベ政治の腐敗はとどまることを知らない。隠蔽・捏造・改竄につづいて口裏合わせまで出てきた。しかも八億円値引きの根拠説明として「トラック何千台も走った」とウソをつくよう、理財局のほうから森友側に持ちかけたのだからもう退廃のきわみ▼さてアベ政治の公的文書の扱い(国会と国民への対応)の非道さは先の三つの熟語で表現された。それらはいずれも中国で使われていたのと同じ意味で日本に輸入され通用している。したがって漢語である▼ところが文書ではなく、人との関係でうまれてくる口裏合わせの「口裏」とは日本で発明された和語である。もともとは「口占」とかき「人のことばから吉凶を占う」のが原義で源平盛衰記にも出てくるとのこと。やがて現在使われている意味に変化し「口裏」となったというのが辞書の説明。そのうえ「口占」と読む別の意味(文字を書かずに口ずさみで文案を作ること)の漢語があるというからややこしい▼日本テレビの世論調査では内閣支持率がついに三〇%割れ。漢語でも和語でも政治の土台を壊すこれらの発生源は「膿を出し切る」とうそぶくあの人。膿でも臭いでも元から絶たなければだめ!(T)


(兵庫民報2018年4月22日付)