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2018年4月15日日曜日

安倍9条改憲NO!:退陣求める声ますます強く

姫路駅ピオレ前で訴える市民

川西で市民大集会


川西市では、安倍九条改憲NO!全国市民アクションの呼びかけ人の落合恵子さんを招いての市民大集会を四月七日、アステホールで開催し、四百三十五人が参加し大成功しました。
市民大集会は、三千万署名の取り組みを拡げようと計画し、ポスターを五百枚、ビラを五万枚配布し、前売りチケットも作成して前日までに三百枚ほど販売してきました。当日もビラを持って百人を超える方が参加し、会場は熱気いっぱいで満席になりました

講演する落合さん
実行委員会から元教師の矢野端さんが開会挨拶し、落合恵子さんの講演が始まりました。
落合さんは、森友公文書改竄問題や核兵器と原発、沖縄の問題なども交えながら、憲法九条を守る運動は「無関心の人も耳を傾けるような取り組みが大事。言葉が権力とたたかう武器になる」「私たち一人ひとりが主体性を持って声を上げ続け、あきらめないでやり続けよう」と熱く語りました。
立憲民主党の桜井周衆院議員も国会から駆けつけて来賓挨拶を行いました。
実行委員会の南野朝香さんが自民党改憲案の学習会を四月二十日に開催すること、五月三日の神戸東遊園地で行われる憲法集会を成功させ、三千万署名をやり抜こうと訴えました。署名は、集会中に五十七筆集まり、二枚・三枚と持ち帰る方もいました。
―吉岡健次

国民春闘共闘がデモ


国民春闘兵庫県共闘委員会・兵庫労連は四月五日夕、「安倍働き方改革反対デモ」を神戸花時計前から三宮センター街をを通り元町駅前までのコースで行いました。
出発に際し兵庫労連の成山太志議長が挨拶し、一つひとつの取り組みを重ね、安倍政権を退陣へ追い込もうと呼びかけました。
デモには「安倍インチキ内閣さっさと退場」の特大プラカードを持参する参加者もありました。

平和を願う姫路市民の会が毎週宣伝

JR姫路駅ピオレ前では、平和を願う姫路市民の会などが安倍内閣退陣を求め、三月十九日から毎週水曜日、連続して宣伝行動を行っています。四日には入江次郎県議らのトークや小野純一氏のライブなどもあり、三千万署名に応じた学生たちも「戦争は嫌っすよ」と語っていました。

(兵庫民報2018年4月15日付)

兵庫県女性後援会が総会

講演する山下よきし副委員長

日本共産党兵庫県女性講演会は四月八日、「講演と総会のつどい」をあすてっぷKOBEで開きました。
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第一部では山下よしき副委員長・参院議員が記念講演をしました。
二部の総会では、最初に岡敦子代表世話人と、ねりき恵子県議団長が挨拶し、堀内照文前衆議院議員のメッセージが紹介されました。
*
松吉由美子事務局長が二〇一七年度の活動報告と二〇一八年度の活動方針提案を行い、東久美子事務局次長が財政報告。
活動方針では、参院選・統一地方選挙での新たな躍進をめざし、①比例代表選挙を選挙戦はもとよりあらゆる活動発展の軸にすえること②後援会活動を選挙活動日常化の要に位置付け、抜本的強化を図ること――を確認しました。これらを受けて活動交流を行いました。
*
明石市 新婦人内後援会で『女性のひろば』のつどいを毎月開き、読者を二十人増やした。
垂水区 「未来社会を語るつどい」「市政カフェ」など、若い世代にも共産党を知ってもらおうと工夫を重ねている。
中央区 定時定点の宣伝、三千万署名で五百三十軒訪問、百二十九軒と対話。「つどい」で三人の仲間を増やした。日帰りツアーや学習会なども行い、一人ひとりを大切に世代継承もしながら頑張る決意。
長田区 長田市議補選のたたかいや、月一回の世話人会・三カ月に一度の学習会、年に一度の総会などを続けてきた。県議候補も決まったので頑張る。
*
最後に次期役員を選出。新役員を代表して味口ヒサ子さんが挨拶しました。

(兵庫民報2018年4月15日付)

レ・パ:大橋豊さん再審申し立て

司法の汚点すすぎたい


レッド・パージ被害者の大橋豊さん(88歳・元神戸中央電信局)が、大阪高裁に対し再審を申し立てることを四月九日に発表しました。
一九六〇年、最高裁大法廷は、レッド・パージはマッカーサー連合軍最高司令官の指令によるものであり、超憲法的効力を有するとして被害者の救済を拒否する決定を行い、それが確定したものとされてきました。
大橋さんが川崎義啓さん(101歳・元旭硝子)、安原清次郎さん(元川崎製鉄・二〇一六年に95歳で逝去)とともに、「生きているうちに名誉回復を」と〇九年に提訴した訴訟も一三年に最高裁が原告の上告の棄却・不受理を決定。三次もの再審請求も棄却されてきました。
しかし、大橋さんらの訴訟は、従来のレッド・パージ訴訟と異なり、解雇・免職の効力を争うのではなく、レッド・パージにおける政府の積極的な関与を理由として、直接、国の責任を問う国家賠償請求訴訟でした。
この裁判の中で明神勲北海道教育大学名誉教授は、膨大なGHQ資料に基づき、レッド・パージが連合軍最高司令官の指示・命令によるものではなく、日本政府と企業が主体的かつ積極的に推進したものであったことを証言。のちに六〇年最高裁大法廷決定を裁判長として下した田中耕太郎最高裁長官自身が、GHQにレッド・パージ指令を出すよう要請していたことも明らかにしました。
今回の申し立ては、大阪高裁判決(二〇一二年)が、「レッド・パージが日本政府の主導によってなされたなどの事情がある限り、訴訟人らの主張に理由がある」としていながら、日本政府がレッド・パージを主導したと認定できるかの評価を漏れ落としているとして、大阪高裁での再審を求めるものです。
大橋さん一人の申し立てとなりますが、すべてのレッド・パージ被害者の救済、さらには日本に立憲主義が真に根付きすべての人々の思想良心の自由の保障を実現するためにと、大橋さんと弁護団は意義づけています。
記者会見で大橋さんは、「レッド・パージは共産党員を社会から排除するものだった」と強調し、家族も含め現在まで続く苦難を述べ、「司法の汚点をすすぎたい」と訴えました。

写真:決意を語る大橋さん(右から佐伯雄三弁護団長、大橋さん、松山秀樹弁護士、同職場でレッド・パ―ジされた小西武雄さん)

(兵庫民報2018年4月15日付)

南あわじ市議会:治安維持法犠牲者国家賠償法の制定求める意見書を採択

南あわじ市議会は三月二十六日の本会議で「治安維持法犠牲者国家賠償法の制定をもとめる意見書」を採択しました。
同市の蛭子智彦議員(日本共産党)は、「民主主義の先覚者として、その理念を現実のものにしようとして犠牲になられた方がたは、国からの正当な謝罪と賠償を求めるべきであり、それを尊重することが民主主義社会に生きる私たちの責務」と主張されました。
この「意見書」採択は、国賠同盟が全国で進めている請願運動で、これまでに全国四百四の地方議会で採択されていますが、兵庫県では二〇〇八年の尼崎議会以来、久しぶりの快挙です。
―戸崎曽太郎

(兵庫民報2018年4月15日付)

兵庫県が種子条例を制定

安倍政権による種子法廃止強行に対する県民の判批と運動で実現

兵庫県が三月議会に「主要農産物種子生産条例」(案)を提案、可決成立しました。
政府が「主要農産物種子法」を廃止し、消費者や農家から不安や危惧の声が上がっていました。
関係団体が県に対策を要請。日本共産党も県当局に聞き取りを行う一方、農協等と懇談。政府の種子法廃止強行に抗議し、「せめて県条例をつくるべきだ」と街頭宣伝をするなど、対応を強めてきました。
県条例の提案理由は、「食生活の変化に伴う消費者の需要の変化」「農業の国際化の進展」などを挙げ、「全国一律に義務付ける必要性が低下したから」としていましたが、実際は多国籍企業・バイオ企業の利益のためであり、種子法廃止は参議院での審議がわずか五時間。政府からは廃止理由について、なんら合理的な説明がありませんでした。
種子法は廃止が強行されましたが、国民・県民からの声と運動で、県条例が実現。入江次郎県議会議員の質疑で、従来同様に措置されることが確認されています。
今回、兵庫県以外に米どころの新潟県でも同様の条例を制定しており、安倍政権による種子法廃止強行が大きな問題と矛盾を持っていることが浮き彫りになっています。

(兵庫民報2018年4月15日付)

2019年統一地方選挙・日本共産党の兵庫県議候補(第一次発表)

現職

○宝塚市

ねりき恵子(55)=現・六期=
日本福祉大学社会福祉学部卒。保育園、特別養護老人ホーム勤務。党宝塚市議団事務局長。一九九五年県議初当選、宝塚で初の女性県議に。社会福祉審議会委員など歴任。
現在、党中央委員・県副委員長、党県議団長・県議会建設常任委員。

○西宮市

いそみ恵子(61)=現・四期=
一九九八年の県議補欠選挙で初当選。西宮市議一期。県議会文教常任委員会副委員長など歴任。
現在、党西宮芦屋地区常任委員、党県議団政調会長・県議会産業労働常任委員。

○神戸市東灘区

きだ結(47)=現・二期=
神戸女子薬科大学薬学部衛生薬学科卒。薬剤師。東神戸病院などに勤務。元保育所父母の会会長。
現在、党東灘・灘・中央地区委員、県議会総務常任委員

○尼崎市

庄本えつこ(63)=現・一期=
法政大学第二文学部教育学科卒。出版社などに勤務。尼崎市会議員団事務局長など歴任。
現在、党尼崎地区常任委員、県議会健康福祉常任委員。

○姫路市

入江次郎(44)=現・一期=
兵庫県立上郡高校卒。JR東海、大光陸運勤務。姫路市会議員二期。
現在、党西播地区常任委員、県議会農政環境常任委員。

新人

○神戸市中央区

大野さとみ(33)=新=
兵庫県立東灘高校、頌栄人間福祉専門学校卒。
現在、党中央区くらし相談室長、新日本婦人の会兵庫県本部委員・中央支部常任委員。

○神戸市兵庫区

前田みさ子(65)=新=
兵庫県立神戸商業高校卒。兵庫日産自動車㈱、㈱カルテック、㈲水野広告社などに勤務。
現在、党兵庫・長田・北地区委員、党兵庫区県政対策委員長、新日本婦人の会兵庫支部事務局長。

○神戸市長田区

宮野つるお(60)=新=
鹿児島県立川内高校、名古屋工業大学二部卒。神戸医療生活協同組合勤務。
現在、党長田区県政対策委員長、党兵庫・長田・北地区委員。

(兵庫民報2018年4月15日付)

加古川市議選6月17日告示・24日投票

日本共産党3議席回復めざす

日本共産党東播地区委員会はこのほど、六月十七日告示・二十四日投票で行われる加古川市議選の候補者を発表しました。三議席の日本共産党議員団の回復をめざします。
*

岸本たてき(63)=現= 県立東播工業高校を卒業後、旧志方町役場に就職。合併により加古川市職員に。加古川市議二期。生活相談担当=志方、平荘、上荘、八幡、神野、山手、西条山手、新神野、東神吉、西神吉、米田の各町。


高木えり(43)=現=日本毛織株式会社(ニッケ)で働きながら兵庫女子短期大学を卒業。加古川市議二期。生活相談担当=加古川町、野口町。


立花俊治(69)=新=宮崎大学卒。獣医師。兵庫県職員として勤務し、兵庫県職員労働組合東播磨支部副支部長など歴任。生活相談担当=平岡町、別府町、尾上町。

(兵庫民報2018年4月15日付)

「健康権」と日本社会(3)

井口克郎(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)

第三回 健康権を行政や司法に守らせる

批准後約40年も周知・定着されず

ところで、健康権規定を含む「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」については、日本政府は一九七九年に批准しておきながらも、社会保障制度・政策等に真摯に反映してこなかった経緯があります。司法も従来、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」を裁判の場での判断に誠実に活かそうとはしてきていません。同規約への批准から約四十年も経つ今日においても「健康権」という言葉が日本で周知されず、定着していないことが何よりもその表れです。
しかし、このような政府や司法の不誠実な態度は、明確に憲法に違反します。憲法九十八条二項は、日本が締結しまた国際的に確立した条約について、その誠実な遵守を求めているからです。また、国際条約を行政、司法、立法の場にきちんと反映させない日本の情けない対応は、現に国連からも再三厳しく批判されています。国連経済的・社会的及び文化的権利委員会は、「第五十会期において委員会により採択された日本の第三回定期報告に関する最終見解」(二〇一三年)の中で日本政府及び司法に対し、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」が国内法体系において効力を与えられていないこと、裁判の場においても適用されていないことについて厳しく批判しています(注1)。

反映の必要性を認めさせた兵庫生存権裁判高裁判決

このような経緯から、近年一歩前進の出来事がありました。それは、生活保護受給者の方々が国による生活保護老齢加算廃止の違憲性を争った兵庫生存権裁判の中で、大阪高裁判決(二〇一五年十二月二十五日)が「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」の内容を、憲法や国内法の解釈に反映させなければならないことをようやく認めたのです(ただ、これはいわば間接的適用であり、また判決自体は原告の主張を退けるもので不当判決だったのですが)。当然、このことは健康権の日本での活用の実現に向けて大きな一歩です。今後いっそう、裁判所には憲法および同規約の内容・理念を踏まえた遵法かつ賢明な審理・判断が期待されています。
憲法や「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」等の国際条約は、今日改めて読んでも、非常に豊かな人権観を提示しています。それらがうたっていることを、行政が社会保障政策などの場面で誠実に反映させれば、また司法が素直にそれを司法判断に反映させれば、今日のような貧困や不平等の渦巻く「格差社会」にはなっていないはずなのですが、誰に「忖度」しているのか、人々の基本的人権を誠実に実現しようとしない態度が今日の行政や司法、立法の場では多く見受けられます。
今日、全国各地で安倍政権による社会保障切り下げ政策の違憲・違法性を問う裁判が膨大な件数展開されています。生活保護引下げに関する生存権裁判・いのちのとりで全国アクション、年金引き下げ違憲訴訟、障がいのある方々の裁判など、こういった運動の主張の核となってきた生存権や生活権等に並んで、健康権を掲げることが必要です。

いまこそ憲法や国際条約が示す豊かな人権規定の実現を

先に触れましたが、生存権裁判では「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」の裁判規範性を一部認めさせることができました。人権の実現を求める様々な運動が連携してこういった成果をお互いに共有・利用し合いながら、司法や行政のあり方を変革し、憲法や国際条約が示す豊かな人権規定を実現していく時です(注2)。
(おわり)


(1)国連、経済的・社会的及び文化的権利に関する委員会「第五十会期において委員会により採択された日本の第三回定期報告に関する最終見解」二〇一三年。
(2)朝日訴訟や堀木訴訟の流れを受け継ぎ今日全国で展開されている様々な社会保障裁判の動向と交流については、井上英夫・藤原精吾・鈴木勉・井上義治・井口克郎編『社会保障レボリューション―いのちの砦・社会保障裁判』(高菅出版、二〇一七年)をご参照ください。

(兵庫民報2018年4月15日付)

新幹線台車枠き裂:日本共産党川重委員会の見解

新幹線「のぞみ」台車枠のき裂問題について日本共産党川崎重工委員会が「はぐるま」三月号外で発表した見解を紹介します。

個人責任の追及ではなく、ものづくりの土台を真に強める教訓を!

昨年十二月、新幹線「のぞみ」の台車枠が破断寸前であったことが判明し、世間を震撼させました。
川重の経営陣は重大な事故につながらずにすんだ不幸中の幸いから、どう教訓を引き出すかが厳しく問われています。その結果によっては、これからの新幹線の製造に留まらず、川重全体のものづくりの未来を決めることになるでしょう。

川重経営陣の発表に落胆の声が

製造元の川重は、二月二十八日に、この問題についてプレス発表し、同日に謝罪会見を開きました。経営陣は、今回の台車枠き裂問題について、作業指示票の規定通りに作業をしていなかったことを原因の一つにして、当時の作業指示者をきつく問題にしました。
これに対し、新聞やネットでは、「川重ずさん 現場任せ」「最も優先されるべき安全性がないがしろ」等々の記事が数多く流れ、職場でも「がっかりした。本当に信頼回復できるのだろうか」「あの会見はすごく悲しい。班長の責任にするか」「職場では台車事件の話題で日々苦しんでいる」「個人の責任にしたが、あんな発言だめ。事故にならず良かった」「外で川重の名前を出せない」等々の声が上がっています。

個人責任の追及では、作業ミスを生みだした真の原因がおろそかにならないか

重大な事故やミスは、それを誘発する幾重もの要因が積み重なって起きるものです。直接的な「原因」とされたことでも、よく検討すると様々な要因の「結果」に過ぎないことがしばしばです。
台車枠き裂の直接的な原因とされる作業ミスは、個人が誰であれ、そこに追い込んで行った様々な要因の結果ではないでしょうか。それを個人責任とすれば、再発防止策は基準や規則で個々人の管理を強化するものにならざるを得ません。一時的な対策になっても、作業ミスを生みだした様々な要因の検討と真の原因の究明がおろそかになり、問題をさらに深刻にして別の形で現れてくる懸念があります。

ものづくりの経営施策に問題がなかったのか徹底した究明が必要では

ものづくりは、営業・設計・調達・現場等の各部門や協力会社などの多くの人たちの協働で行っています。これらを円滑に運ぶための労働条件や人間関係、連携の構築は、経営施策の問題であり、それは製品の質に大きな影響を与えます。
問題の台車枠を製造した二〇〇七年当時の兵庫工場は、高水準の操業対策に追われ、生産現場では工程が混乱していたと言われています。労働災害や精神疾患もとくに高い件数になっていました。また、社長の年頭挨拶では「ROIC九%以上の達成」が強調されていましたので、コストダウンと納期厳守がとりわけ厳しく求められたことが想像されます。
また、深夜までの異常な長時間労働やサービス残業、パワハラなどが放置されていなかったかの検証も大切です。職場のコンプライアンスが形骸化されていては良い製品はつくれません。
経営陣は、これらの問題をよく検討し、作業ミスを誘発した真の原因を徹底的に究明し、経営施策の経営責任を明確にしながら、〝良いものをつくりたい〟という働く人々の思いに応えて、ものづくりの土台を真に強める教訓を、ぜひ引き出してほしいです。
そうすれば、きっと世間とものづくりに関わる人たちの共感を得ることができるでしょうし、「技術の企業集団」としての信頼回復の第一歩にもなることでしょう。

労働組合は本来のチェック機能を果たし、自由に意見を言える職場づくりにリーダーシップを

原因究明に際し、企業のチェック機能としての労働組合の果たすべき役割もきわめて重要です。労働者や協力会社に責任を転嫁させないためにも、労働組合みずからが職場の声と英知を集め、原因究明に積極的に乗り出すことが求められているのではないでしょうか。それによって、自由に意見を言える職場づくりや職場の連帯強化にもつながるでしょう。


編注:
き裂 「亀裂」の材料工学での表記。
ROIC 投下資本利益率(Return On Invested Capital)。利益÷投下資本。

(兵庫民報2018年4月15日付)

新入生歓迎運動が本番

学生の真剣な探究つかみ民青加盟を呼びかけ

四月に入り新入生歓迎運動も本番を迎え、日本共産党県委員会や地区委員会は民青同盟のみなさんと一緒に入学式などでの宣伝を行っています。
四月一日、二日とA大学でサークル紹介のイベントが行われ、党県委員会と民青県委員会が新入生に社会の問題で関心のあることや学費奨学金について聞くアンケートに取り組みました。
ブラックバイトや北朝鮮問題への関心が多く示されるなか、「平和がいいので九条は守ってほしい」と憲法九条への関心も示されています。
アンケートに答えてくれた大学三回生も「憲法問題は関心があります。九条を守ってほしい」と話しました。学んで行動するという民青の活動を紹介すると、「ゼミでも社会の問題を学んでいます。沖縄の辺野古にも行きました。民青の活動にも興味あります」と話し、連絡先を交換しました。


この宣伝では机も出して新入生とゆっくり対話ができるように工夫しています。
東灘・灘・中央地区、神戸西地区、西芦地区、東播地区の大学でも入学式宣伝を行いました。
新入生向け民青紹介リーフの配布やアンケート対話を行うと、「北朝鮮問題が気になる。日本が外交で置いてきぼりにされ、大丈夫かと思う」「貧困と格差が気になる。自分の家も貧困だから」「奨学金は自分も借りないといけないが借金になるから不安です」など、社会への真剣な思いと切実な実態が語られ、民青への共感も寄せられました。
党県・地区委員会と民青県委員会は、学生の真剣な探求をつかみ、民青への加盟を呼びかける宣伝行動を学園内外で行おうと計画しています。

(兵庫民報2018年4月15日付)

モトコー:今までどおり営業を続けたい


JRが神戸市中央区の元町高架通商店街(通称「モトコー」)の立ち退きを迫っている問題で、商店主などでつくるモトコーを守る会が「今までどおりの営業が続けられるように」とJR西日本と神戸市長あての署名運動に取り組んでいます。
JR西日本は耐震工事と防火防犯を理由に、山側は昨年三月末、浜側も今年三月末で契約期間満了、借地契約の更新はしないとし、国の耐震基準は満たしており、消防法上も違反はないことが明らかになっても、立ち退きを迫る姿勢は変えず、工事を強行しています。
残った店では、工事の騒音やホコリばかりか、JRが修繕を行わないため、雨漏り、ネズミの被害にも悩まされています。
会では、元町駅西口での街頭宣伝なども行い、「神戸の宝である、レトロで昭和な雰囲気のモトコーを残してください」と世論に訴えています。

大前まさひろ神戸市議も参加


(兵庫民報2018年4月15日付)

「現代中国」理解へ近現代史学ぶ

日本中国友好協会加古川支部では「現代中国」理解のために岩波新書シリーズ「中国近現代史」をテキストに、第三巻(孫文死去以後)から月一回のペースでの学習を進め、四月七日に第五巻「開発主義の時代へ」の十回目を終え通算三十回を終えました。毎回十名から五名の参加者が討論しながら進めています。
第五巻は、鄧小平時代から、江沢民・胡錦濤・習近平時代の開始まで。
討論になった内容を紹介しますと、中国の急速な経済発展をもたらした「改革開放」政策は、いつからどのような進展と停滞、挫折があったか。また政権中枢の保守派=左派(計画経済論者)と内部でどのような攻防があったか。討論でリアルに学びました。
一九八〇年代胡耀邦総書記、趙紫陽総理の果たした積極的役割や、また二人がなぜ失脚させられたのかを、天安門事件にもかかわって討論しました。
八九年の天安門事件以後、投資、貿易が落ち込み、活力が停滞したが、鄧小平が朱鎔基を副総理に抜擢(後に総理)。九二年年頭から武漢、深圳、広州、珠海、上海など都市を訪問(南巡講話)、「改革開放を加速せよ」と檄を飛ばし、地方政府の支持を取付けた経緯なども学びました。
討論で議論百出となったのは、「政治改革」はなぜすすまないのか、中国は「社会主義か?資本主義か?」。「社会主義市場経済とはなにか?」で討論となりました。
四月二十九日の公開記念講演会「中国はどこへ行く?」での井手啓二(立命館大学名誉教授)氏の講演と、第六巻「中国の近現代史をどうみるか」(六月三十日開始)が期待されています。
―前田清

(兵庫民報2018年4月15日付)

クリスタル短歌の会から

安武ひろ子選

すれ違う恋人つなぎの学生服春の足音聞えてくるよ
 塩野菜美

立雛の歩み出すや春の宵桃の花活け孫娘待つ
 平野万里子

寒冷えの湖畔を友とウオーキング裸木の枝丸き芽膨らむ
 広瀬弘子

母しのび集う春日に老い若き来る子らあり嬰児声あぐ
 宮川菊代

先人の開墾来たれる野や山の荒れゆく故郷見るは淋しき
 島田国子

故郷に伝わる行事「コトノハシ」朝刊に載るを目をこらし見る
 長谷川一枝

慰霊碑に知り人の名を見つけたり七年経てど悲しみあらた
 清水淑子

児童相談仲間と時を忘れて話しゆく心に残りし親子らの思い出
 正津房子

雨の日は手つなぎ友と軒伝い番傘すらも買って貰えず
 三浦良子

国民を甘く見るなよ安倍総理野党も結束正義のたたかい
 大西千鶴子

啓蟄にあなたも出でよと呼びかける虫ではなくて安倍昭恵さん
 岡本征子

(兵庫民報2018年4月15日付)

ひなたぽっころりん〈617〉

(兵庫民報2018年4月15日付)

観感楽学

米映画『デトロイト』―五十年前に起きた米国史上最大級の暴動、白人警察官による黒人殺害事件という今も続く差別主義をリアルな映像で告発した。前作でアカデミー賞監督賞を受賞した女性監督は「映画は社会問題を浮き彫りにするための道具」と語る▼ベトナム戦争遂行のために国民にウソをつき続けた歴代政権の秘密文書を圧力に屈せず暴露した『ペンタゴン・ペーパーズ』。青木理氏は「悔しいが、米国のメディアとエンターテインメント界の底力を痛感し、うらやましく思う」と評した▼韓国映画でも支配層の腐敗、暴走を暴く『弁護人』『密偵』、光州事件を告発する『タクシー運転手』などが続く。日本でも同様の題材はあふれているのだが▼イラクなどに派遣された自衛隊員が在職中に五十六人も自殺。PTSD傾向は年間千九百七十六人、うつ病は八千九百八十八人にも。その自衛隊活動「日報」の隠蔽。森友文書の改竄、捏造。官邸と官僚の癒着。マスコミ首脳と官邸が会食を重ねる馴れ合い…▼山本薩夫『金環蝕』『不毛地帯』、今井正『真昼の暗黒』などのような権力を厳しく告発する映画が今こそ生まれてほしい。映画ファンとしての強い期待だ。(K)


(兵庫民報2018年4月15日付)