Web版の発行はしばらく休止します

「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2018年4月8日日曜日

原発ゼロ! カンキン300回



原発ZEROカンキン行動―原発ゼロをめざし首相官邸前行動など全国各地の行動と呼応し、二〇一二年七月六日から毎週金曜日、雨の日も風の日も、元日も一度も休まず続けられてきた関西電力神戸支社前での行動が三月三十日、全国に先駆け三百回目となりました。


原発ゼロをめざす神戸の会主催「第三百夜」と銘打って行われたこの日の行動には約二百五十人が参加。神戸支社前での抗議行動、三宮センター街を通ってのパレード、マルイ前でのアピールで「原発いらない」の声をあげました。


マルイ前では、三百回を振り返るビデオの上映、リレーコール、替え歌などが行われ、原発賠償ひょうご訴訟支援の訴えもありました。
また、宝塚すみれ発電、兵庫県保険医協会、日本共産党の堀内照文前衆院議員からの連帯メッセージも紹介されました。
通りがかった青年がこの行動をみて「こういうアピールって良いなあ」と話していたなど、「原発はいらない」という思いへの共感を広げる行動となりました。

(兵庫民報2018年4月8日付)

日本共産党尼崎地区委員会が9条まつり

駅前広場で楽しく3千万署名訴え


桜も満開の三月三十一日、阪神尼崎駅前中央公園で日本共産党尼崎地区委員会主催で「9条まつり」を開催しました。三千万署名を屋外で楽しくアピールしようと初めて試みました。党支部だけでなく新婦人の会、各地域の九条の会など、協力団体も参加してまつりを盛り上げました。
広場の中心にはステージを作り、歌や楽曲演奏、手品、腹話術、朝鮮舞踊、人形劇などで通行人の注目を集め、出し物の間に「九条を守ろう。安倍政権による改憲はさせない」と参加者や議員、民青同盟員がスピーチ。事前に物品提供を呼びかけたフリーマーケットは、開会前から買い物客が取り囲み大繁盛でした。その他オリジナル「九条缶バッヂ」や作業所手作りクッキーの仕入れ販売、九条バーガーショップなどにより得た収益は今後の三千万人署名推進に役立てます。


署名呼びかけ、シール投票は人通りの多いコンコース前で。折り鶴や平和メッセージカードコーナーも設置して呼びかけました。参加延べ人数は約千二百人、署名は五百五十筆集まりました。何よりもみんなで知恵と力を出しあい、楽しく署名運動に取り組めたことが大きな成果でした。
小村潤(尼崎市議)

(兵庫民報2018年4月8日付)

西宮芦屋市民アクションが集会・パレード

安倍政権は総退陣を


「安倍九条改憲NO!西宮芦屋市民アクション」は三月二十六日、阪急西宮北口駅南の高松ひなた緑地に約百二十人が集い、「『森友』疑惑徹底究明、安倍九条改憲ストップ、安倍政権は総退陣を市民集会・パレード」を行いました。
最初に市民アクション呼びかけ人の関西学院大学法学部教授の冨田宏治さんが、「憲法を踏みにじる改竄をやっていることは許されない。その原因をつくっていると思われる首相の手で憲法を変えるということは絶対許されない。安倍首相の退陣のために、もっともっと市民の力で追い詰めていきましょう」と強調しました。


社民党兵庫県連合代表の梶川みさお(宝塚市議)、立憲民主党桜井周衆院議員秘書の中山敦、日本共産党西宮市議の野口あけみ、新社会党芦屋市議の前田辰一、西宮市議のよつや薫、みなせん@西宮芦屋の石塚健、新婦人西宮支部の豆柄幸子の皆さんがスピーチしました。
パレードでは、「公文書改竄許さない!」「九条を変えるな!」「安倍やめろ!」などとコールしながら市民に訴えました。
シール投票にも取り組み、わずか三十分で四十八人が投票し、「安倍政権は退陣すべきだ」四十四人、「わからない」四人。公文書改竄に大きな怒りが示されました。
樫村庸一(西宮革新懇)

(兵庫民報2018年4月8日付)

灘区九条の会が男声合唱と憲法講演

3千万署名達成を訴え



桜満開の三月三十一日、灘区九条の会が、六甲道勤労市民センター五階大ホールで「男声合唱と憲法講演のつどい」を開き五十七人が参加しました。
一部は男声合唱団「なにわ」の日本の唱歌で始まり、二部は、「憲法ってなぁに?変わるとどうなる?」と題して、あすわか兵庫の川元志穂弁護士が講演を行いました。


川元弁護士は立憲主義について「王様を縛る法~憲法のはじまり~」と題した紙芝居で説明し、憲法は国のあり方を決める設計図であり、国民一人ひとりのありのままの自由や幸せを守ることが目的だと説明。そのために権力を憲法で縛り、基本的人権の尊重、国民主権、平和主義の三原則及び三権分立で権力を分けていると強調しました。自民党改憲案は個人の尊厳を守ることではなく国家を守ることになり国民を憲法で縛ることになる、また憲法九条に自衛隊を書き込めば、戦争法の合憲化に利用され、集団的自衛権の行使を止めることができなくなると指摘しました。
最後に落合淳宏事務局長から三千万署名について、私たちの周りの人たちにも署名を広げてもらうよう呼びかけて、灘区での署名目標三万三千筆を達成しようと訴えました。
参加者からは、「川元弁護士の話は分かりやすくてよかった」「安倍首相は早く辞めさせなあかん」などの感想が出されていました。味口としゆき神戸市議も参加しました。
―近藤秀子

(兵庫民報2018年4月8日付)

九条の会.ひがしなだ―憲法学習講演会

劇団「あすわか」有志とコラボ

「九条の会.ひがしなだ」は四月一日、神戸市東灘区内で、「え!憲法に自衛隊!~『書くだけ』って、ホント?」と題して、憲法学習講演会を開催しました。
開会挨拶で、深草徹共同代表が、「クーデターとは、フランス語の原義に従えば、『国家が社会に加える打撃』という意味だが、安倍政権はまさにその典型」と厳しく批判しました。
学習の冒頭では、若手弁護士で構成する劇団「あすわか兵庫」の有志が、本邦初公開の寸劇で、「憲法に自衛隊を書き加える〝安倍九条改憲〟」の危険性を鋭く告発しました。
脚本担当の吉田維一弁護士は、「権力は必ず腐敗するもの。安倍政権は、平和主義を破壊する加憲の本質を誤魔化し、違憲性批判をそらしているが、専守防衛どころか、すでに世界有数の軍隊になっている自衛隊のリアルな実態を分かりやすく訴え、広く知ってもらおう」と強調しました。
最後に「憲法は私たちのもの。政府ではなく、私たちが決める」と、オリジナルの「憲法の歌」を歌い、「三千万署名の成功で安倍退陣へ」の決意を新たにしました。

(兵庫民報2018年4月8日付)

宝塚安倉地域後援会―憲法を学ぶ集い

自民党憲法草案の内容に「ええっー」

講演する勝部氏

宝塚市の日本共産党安倉地域後援会は三月三十一日、憲法九条改悪断固ストップの願いを込め、宝塚総合福祉センターで「憲法を学ぶ集い」を開きました。
初めに「九条改憲って何?」(憲法共同センター製作DVD)を視聴し、安倍九条改憲の狙いと危険性を学習しました。
続いて元小学校教諭の勝部昭義後援会世話人が「九条を学びませんか? 日本はどこへ? 暮らしはどうなる?」と題して講演。「自民党の憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合」(自爆連)の『あたらしい憲法草案のはなし』と、日本国憲法制定後に文部省が発行した『あたらしい憲法のはなし』(一九四七年)という教科書を比較しながら話をすすめました。
自爆連の冊子は、「『強く美しい国』は、国外の敵(日本をこうげきしてくる国)と勇敢に戦い、国内の敵(政府に反抗的な人びと)を強い力でだんあつしなければ、つくれません。ですから憲法の三原則を変更し、国防軍をつくって、緊急事態条項をもうけたのです」と自民党改憲案の狙いを解き明かしています。会場に「ええっー」と驚きの声が上がりました。
また、大日本帝国憲法が戦争国家づくりの憲法であったことも資料を使い解明しました。
「ためになった」「五月三日までの三千万人署名にもっと取り組まなきゃ」などの感想が寄せられました。
「集い」には、ねりき恵子県議と、となき正勝宝塚市議も参加しました。約三週間の準備でしたが、三十人近くの参加があり、ミニバザーも好評でした。
―勝部昭義

(兵庫民報2018年4月8日付)

佐用町で市田副委員長が訴え

町民主人公の町づくりへ3議席を


市田忠義副委員長(参議院議員)は、三月三十一日、佐用町で開かれた日本共産党演説会で来年の参院選、統一地方選と目前の佐用町議選(十七日告示・二十二日投票:詳しくは前号)での党躍進・勝利を訴えました。
*
市田氏は、公文書改竄問題や北朝鮮問題などにふれて「いま安倍政権は内政も外交も八方ふさがり」と述べ、「いま共産党というブランドが光っている」と党の果たす役割を強調。
佐用町の問題では、ため込んだ基金が全国平均の四倍以上もあるのに、引き上げ幅も、額そのものも全国でも最も高い部類の介護保険料引き上げを実施することについて「基金のわずか一%を使えば引き上げする必要はない」と指摘しました。
日本共産党町会議員団が、基金を町民のために使えと議会での論戦を強めた結果、この四年間で「学校給食費の半額補助」「学用品購入に商品券支給」「若者世帯の定住応援金」「第二子以降の保育料無料化」などが実現してきたことを紹介。「町民の福祉と暮らし、町民主人公の町づくりにかかせない党の議席を、今回は二議席から三議席へ躍進を」と訴えました。
金谷英志、平岡きぬえの二町議が決意表明し、この日参加できなかった新人の児玉まさよし氏の決意が代読されました。山田兼三・元南光町長が三氏の必勝を訴えました。

(兵庫民報2018年4月8日付)

たつの市で宮本衆院議員が訴え

市民の要求届ける堀氏を議会に


四月十五日告示・二十二日投票のたつの市議選(詳しくは前号)で、堀ゆずる元市議の必勝で空白克服をめざす、日本共産党たつの市委員会は四月一日、演説会を開きました。会場いっぱいの参加者で熱気あふれる演説会となりました。
*
女性、年金者、業者各後援会の代表がそれぞれの立場から、共産党の議席が絶対に必要で何としても堀さんを押し上げるために頑張ろうと決意を表明しました。
堀ゆずる氏は「四年前の選挙で議席を失って以来、オール与党で市長提案に何でも賛成の議員ばかりで、市民の要求が届かない状況になっています。訪問の中でもたくさんの激励を受けています。市民の願いに応えるためにも必ず議席奪還を果たしたい。そのためにもみなさんのご支援をお願いします。この選挙、私は子育て支援、乗合タクシーの利便性の向上、国保税・介護保険料の軽減、市民病院の産科・小児科設置などで改善を、空き家対策などの公約を掲げてたたかっていきます」と力強く訴えました。
宮本岳志衆院議員は、森友問題の経緯をわかりやすく説明し、「自分が一番最初に取り上げて以来、野党が一丸となって追及してきたことで、安倍政権を揺るがす大問題になりました。共産党だけではここまで大きな問題にはできなかったと思う。これも野党共闘の成果です。引き続き、徹底的に真相解明して安倍政権を追い詰めていきたい。いま、たつの市議選で共産党が躍進することが、安倍政権打倒につながります。何でも賛成の議員でなく、議会で市民の立場でチェックする役割を果たす議員が必要です。何としても、みなさんのお力で堀さんを議会に押し上げてください」と訴えました。

(兵庫民報2018年4月8日付)

「健康権」と日本社会(2)

井口克郎(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)

第二回 「借上復興公営住宅追い出し裁判」と健康権

社会的事項についても国家の対応求める

健康権が求めている国家の義務は、単に人々が病気になったり、介護が必要になったりしたときに、差別なく医療・福祉サービスが受けられるよう、社会保障制度等を整備・拡充することにとどまりません。その大きな特徴は、人々の健康状態を規定する要因となる様々な社会的事項についても国家の対応を求めていることです。
前回紹介した国連「一般意見第十四」は、「到達可能な最高水準の健康」の実現のために、単に病気等になったときのケアを行う国家による医療・福祉制度のあり方にのみ配慮をすればよいというものではなく、その他の健康状態を規定する要因、および健康悪化の原因となる様々な経済的・社会的事項の領域(労働、住居、教育等のあり方も含まれるでしょう)についても、国家や行政の対応を要求しています(注1)。
たとえば、伝染病などを予防するためには、国家による正しい知識に基づく予防教育が必要であり、そのような教育や情報を市民に保障することが重要です。また、この間過労死や過労自殺が大きな社会問題となっていますが、企業等による労働者の働かせ方も、人々の健康に大きな影響を与えます。雇用・労働政策の場でも健康権に基づく法規制が必要です。また、人々の居住の環境のあり方も健康状態を大きく規定します。人々の固有のニーズに応じた快適な居住環境保障のための居住政策が必要です。

健康権侵害問うべき神戸市・西宮市の対応

近年、行政による市民への対応のあり方を巡って、健康権に大きく関係する事件が起きています。たとえば、神戸市や西宮市が、阪神・淡路大震災被災者の入居する借上復興公営住宅に二十年の「退去期限」があるとし、入居者に別の公営住宅への転居を求め、応じない入居者を裁判に訴えている問題です(注2)。借上復興公営住宅に入居している方の中には、高齢の方なども含まれ、それぞれの方に転居ができない、もしくは消極的にならざるをえない様々な事情があります。
そのような方々を、無理に転居させることは、健康権の視点からも問題があります。住居は人間の生存、生活、健康の最重要の基盤の一つですが、人間は住居があるだけでは健康的に生活できません。良好な住居を得て、それに適応することに加え、近隣と人間関係やコミュニティを作り、医療機関やかかりつけ医等との関係性を作り、買い物場所等を開拓し……時間をかけた努力の上で、ようやく安心して健康に住むことができるわけです。そうして獲得した馴染みのある住居・生活環境から高齢の方等を外的圧力によって無理に引き離し、転居させることは、その人の健康を害したり、要介護状態や病状の悪化をもたらしたりするリスクが高いことが報告されています。
筆者もこの間、東日本大震災被災地で被災者の方々の生活調査をしていますが、その結果を見ても、津波や防災集団移転促進事業による高台移転などで、外的要因によって住み慣れた住居や地域から転居せざるを得なかった被災者の方々の健康状態が、住み慣れた住居や地域に住み続けることができた人々に比べて悪化度合いがひどい傾向が見い出せます。今回の神戸市や西宮市の対応は、そのような状況を人為的に作り出すリスクが非常に高く、健康権の規定から見ても違法性が問われてしかるべきです。
健康権は今後、社会保障や借上復興公営住宅問題に限らず、労働問題、原発問題など様々な分野での活用が求められます。
(つづく・小見出しと資料は編集部)


(1)「一般意見第十四」第四項および第九項など参照(上)。
(2)同問題の詳細については、市川英恵著・兵庫県震災復興研究センター編『22歳が見た、聞いた、考えた「被災者のニーズ」と「居住の権利」―借上復興住宅・問題』(クリエイツかもがわ、二〇一七年)をご覧ください。

資料:「一般意見第14」の第4項と第9項
4 規約の第12条を起草するにあたり、国連総会第三委員会は、WHOの基本文書前文にある健康の定義を採択しなかった。これは、健康を「身体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態(well-being)であり、単に疾病や疾患がないことではない」と概念づけたものである。しかし、規約の第12条1項が「到達可能な最高水準の身体及び精神の健康」と述べているのは、医療に対する権利に限られない。反対に、起草の過程及び第12条2項の明文の文言は、健康に対する権利は人々が健康的な生活を送ることができる状況を促進する広範囲の経済的、社会的要素を含み、食料、栄養、住居、安全な飲み水及び十分な衛生へのアクセス、安全かつ健康的な労働条件、並びに健康的な環境のような、健康の基礎となる決定要素に及ぶことを認めている。
9 第12条1項における「到達可能な最高水準の健康」の概念は、個人の生物的及び社会・経済的な前提条件と、利用可能な国家の資源の双方を考慮に入れている。国家と個人の関係においてのみでは解決できない側面は数多くある。特に、良好な健康は国家によって確保されうるものではなく、また、国家は、人間の疾病の原因となりうるすべてのものに対して保護を与えられるわけでもない。例えば、遺伝的要素、疾病に対する個人のかかりやすさ、不健康な又はリスクの多い生活習慣は、個人の健康に関して重要な役割を果たすことがありうる。従って、健康に対する権利は、到達可能な最高水準の健康の実現のために必要なさまざまな施設、物資、サービス及び条件の享受に対する権利として理解されなければならない。
「一般意見」は日弁連の国際人権ライブラリー(https://www.nichibenren.or.jp/activity/international/library.html)より。

(兵庫民報2018年4月8日付)

ゴンチャロフ過労自死の労災認定求め母と労組が署名運動

若者を使い捨てにしない社会を

署名を訴える和美さん(中央)と労組組合員(後ろ)

神戸の老舗・ゴンチャロフ製菓株式会社で働いていた前田颯人さん=当時二十歳=が昨年六月、自死したのは、長時間労働とパワーハラスメントで欝を発症したためだとして、母親の和美さんが西宮労働基準監督署に労災の申請を行い、ゴンチャロフ労組などが労災認定を求める団体・個人署名に取り組んでいます。
同社では、始業時間の一時間から一時間三十分前に出勤し仕事の準備をすることが慣例になっているなど、長時間労働やサービス残業が横行。颯人さんのタイムカードからは二〇一五年九月からの四カ月間に月八十七時間から百九時間の超過勤務が確認されています。
加えて、一人の上司から、挨拶しても無視する、連日長時間にわたり怒鳴りつけるなど執拗なパワーハラスメントが颯人さん一人に行われてきました。しかし、実演販売に行った店舗が売り上げで表彰されるなど、颯人さんは優れた腕をもっていたといいます。
思い余った颯人さんが退職を願い出ても「辞めるならお前の(卒業した)学校からは採用しない」と脅され、逃げ道を絶たれるような状況に追い込まれていました。
しかし会社側は長時間労働もパワハラも認めようとしていません。
和美さんは「会社は働く人を大切にする会社づくりをしてほしい」「若い社員が使い捨てにされるような社会であってはならない」と訴えています。
同労組の竹村務執行委員長も「颯人君へのパワハラを見ても、『止めろ』と言えない職場にしていたことが悔しい。会社を変えなくては」と、毎週日曜、JR六甲道駅前で、和美さんら家族や組合員とともに署名宣伝に取り組んでいます。


また、三月二十九日の過労死等防止対策推進兵庫センターの緊急学習会でも和美さんが経緯を語り支援を訴えました。
署名の協力など問い合わせは同労組☎078・881・0191

(兵庫民報2018年4月8日付)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:2018-03-29

名古屋・東京両高裁に続く勝訴への流れを

副島圀義

三月二十九日・大阪地裁第七民事部。原告四人の方の審理はいよいよ次回(五月十日)、次々回(同十六日)、原告ご本人と医師の証言を迎えます。

この日提出された原告の意見陳述書の扱いについて国側が何やら抵抗(?)を試みた様子でした。すでに決まっている医師証言とこの陳述書が関係する内容だと「証言に先立って反論するかも」などと国側が言うのに対し裁判長は「まずは読んでどうしたいのか伝えてください」と。速やかに審理を進めようとの姿勢を感じました。
また、弁護団は東京高裁での画期的な判決そのものを証拠として提出しました。

報告集会では愛須弁護士と藤原弁護団長が、名古屋・東京両高裁判決の意義を語りました。
名古屋では「経過観察は医療に当たらない」とした地裁判決を是正し「現に医療を要する状態にある」と逆転勝訴。
東京では国が「積極認定」の対象にしていない脳梗塞やバセドー病について放射線起因性を肯定。さらに「発病は被爆ではなく生活習慣による」として、国側が五人もの「医師証言」を出したのですが、長年にわたり実際に被爆者医療に携わってきた真鍋医師のリアルな証言によってすべて覆されました。「発病に他の原因があっても、被爆との相乗作用を認めるべき」と明確に判断し六人全員の勝訴。

被爆者が高齢化すれば「被爆だけが原因での発病」とはいいきれないケースは当然増えてきます。被爆者援護法の精神や、〇九年八月六日の政府と日本被団協などとの「合意」をないがしろにさせてはなりません。「被爆したからではなく、生活習慣が悪かったから発病したんだ」などと言いつのる「いじめ」のような国の態度をきっぱり改めさせねば、とつくづく思わされます。

(兵庫民報2018年4月8日付)

大門みきし「国会議員の責務」

連載エッセイ26

三月七日、「森友問題」の公文書改竄事件にかかわって、近畿財務局・国有財産課の職員Aさんが自ら命を絶ちました。Aさんは金融課におられたとき、損害保険関係で働く人たちの陳情に真摯に対応してくれた実直な方でした。わが党関係者のなかにも、Aさんの死を悲しむ人がたくさんいます。
先日の参議院本会議の討論で、Aさんへの哀悼の意をこめ、自民党席に向かってつぎのように発言しました。
「役人だけにすべての責任を押し付けて、幕引きを図ろうと考えているのなら、与党、政治家として、あまりに恥ずかしいことではありませんか。さらに『改竄などしないで、そのまま出せばよかったんだ』『隠す意味はなかった』などと、ことの重大性を意図的に軽く見せようとする発言も繰り返されてきました。しかし、この問題に関わって、近畿財務局で長い間、真面目に、誠実に働いてきた職員の方が心労の末、命を絶っています。人ひとりの命が、失われている事件にたいし『意味がなかった』など軽々しい物言いは厳に慎むべきです。むしろ、亡くなった方だけでなく、公文書改竄という犯罪行為をさせられた職員たちの苦悩をおもい、誰が、なにが彼らに無理な行為を強いたのか、真実を明らかにすることこそ、私たち国会議員の責務ではありませんか」
Aさんの死を無駄にしてはならない。必ず真相を究明し、安倍内閣を退陣に追い込むぞ。静まり返る自民党席を見渡しながら強くそう思いました。
(日本共産党参院議員)

(兵庫民報2018年4月8日付)

NLTプロデュース『しあわせの雨傘Potiche~飾り壺~』

神戸演劇鑑賞会4月例会


四月の舞台はフランスのコメディです。
〝飾り壺〟(Potiche)と呼ばれている専業主婦シュザンヌが、頑固な社長で夫のロベールが病に倒れ、その代わりを務める過程を笑いと小気味よい人情で、見事〝飾り壺〟の汚名を返上し、周囲を驚かせる物語です。
*
一九七〇年代のフランスのとある田舎に大きな傘工場があった。今は創立者の娘シュザンヌの夫が経営手腕をふるっている。シュザンヌは三十年間専業主婦で、お手伝いまで居る身分。ジョギングに俳句作りの毎日で、工場には関係がない。だが、ある時、労動組合のストライキが勃発し、ロベールは軟禁される。その最中、持病の心臓発作をおこす。会社運営は到底無理。さんざん頭をひねった結果、シュザンヌに決まった。
最初の仕事は組合との交渉だった。その日、彼女は宝石をちりばめたドレス姿で現れた。案の定反発が激しく、彼女の胸めがけて、真っ赤なトマトが飛んできた。トマトはドレスに命中。あかい大きな輪ができた。彼女は驚かなかった。そして言った。「みなさんの母親になりたい」と。真っ向から対立姿勢を見せないで、共にやりましょうの姿勢は、受け入れられた。そして……。
久々の痛快な舞台を満喫しましょう。
―小谷博子

NLTプロデュース公演『しあわせの雨傘 Potiche~飾り壺~』

①4月15日(日)15時30分、②4月16日(月)18時30分、神戸文化ホール中ホール/作=バリエ&グレディ 翻訳=佐藤康 演出=鵜山仁 出演=賀来千香子、永島敏行ほか/会員制(入会時に入会金1,000円と月会費2カ月前納)、月会費3,500円(大学生2,000円、中高生千円)/☎078‐222‐8651、Fax078‐222‐8653

新会員募集中

芝居のある生活心に潤いを暮らしに彩りを!
神戸演劇鑑賞会は、会員が会費を持ち寄り、年七本のお芝居(例会)を楽しんでいます。
舞台を観るだけでなく、例会を迎える準備や劇団との交流、講演会、例会後のおしゃべり会など色々な催しを、会員みんなで運営しています。

(兵庫民報2018年4月8日付)

劇団四紀会:61年目の本格スタートはおかしく不思議な別役ワールド‼

劇団四紀会が一年近くにわたった六十周年記念連続上演を終え、六十一年目の本格スタートに選んだのは、久々にチャレンジする不条理劇の第一人者・別役実作品です。
病院へ婚約者の見舞いに訪れたという男が奇妙な入院患者たちに遭遇、やがて〝白馬に乗った王子様〟として迎えられ…。
お客様を、おかしくそして不思議な別役ワールドに導いて参ります。是非ともご来場いただきますよう、宜しくお願い申し上げます‼
―里中真

劇団四紀会第158回公演『眠れる森の美女』

①4月21日(土)11時・15時・19時、②22日(日)11時・15時・19時、③23日(月)19時30分、元町プチシアター(劇団四紀会スタジオ)/作:別役実、演出:岸本敏朗/前売:一般2,500円・学生2,000円、当日:一般2,800円・学生2,300円/☎078‐392‐2421(20:00~)・090-8389-0300(里中)、Fax078‐392‐2422、Email shikikai@rose.ocn.ne.jp

(兵庫民報2018年4月8日付)

みんぽう川柳〈三月〉「靴」

選者 島村美津子

特 選

ズック買う祖国復帰の記念日に
 神戸市 川上俊智

【評】どれ程待ち望んだ祖国復帰であったことか、一足の靴を買うささやかな行為に喜びが溢れる。ところが現実には基地は拡がるばばかり、美しい珊瑚の海は埋め立てられ人々の暮らす頭上すれすれに耳をつんだく轟音を立てて軍機が飛び交う。以前、沖縄を旅した時にとても観光気分にはなれなかったことを思い出す。

入 選

低工賃それでも自負の神戸靴
 神戸市 松尾美恵子

長田には良い靴作る技術あり
 神戸市 高馬士郎

抱いて寝た新品の靴忘れない
 明石市 門脇潤二郎

ブカ靴がサイズ合う頃穴があく
 明石市 門脇かつ子

やぶれ靴指されて涙七つの日
 尼崎市 中内真佐子

くたびれた靴セールスマンの死を語る
 神戸市 水田裕子

いってきます靴のかかとを踏んだまま
 神戸市 山元三恵子

新学期靴のサイズもアップする
 明石市 大西照美

靴ひもをギュッと結んで入試行く
 神戸市 長尾粛正

靴紐結ぶ手元もどかし逢える日は
 神戸市 熊谷敏子

きょうはデモ俺の出番とスニーカー
 神戸市 長沼幸正

がんばったなあ平和行進靴洗う
 神戸市 小林尚子

改憲ねらうあやし靴音はね返せ
 尼崎市 富田明美

九条をふみつけてゆく軍靴
 神戸市 古賀哲夫

(兵庫民報2018年4月8日付)

亀井洋示「総理夫人」


(兵庫民報2018年4月8日付)

観感楽学

今回はコンピュータウイルスについてお話ししたいと思います。勤めていたソフト会社では開発用マシン以外に各自に専用パソコンが渡されていました▼ソフト会社としてコンピュータウイルス対策に対して万全を尽くす必要がありました。ソフト会社のパソコンがウイルス感染し、被害を外部に広げるようなことになると信用問題になるからです▼ウイルスの感染経路は、USBメモリなどの記憶媒体、メール、ホームページの閲覧などがあります。ウイルスに感染すると、コンピュータの動作が遅くなったり、他のコンピュータに感染したりとウイルスによって症状が異なります▼そのコンピュータに保存してあるデータを拡散させたり、バックドアという出入口をつくり、そこからコンピュータの中に入り込み、必要なデータを盗み出します。こうなると映画の世界と思うかもしれませんが現実です▼パソコンの中には、個人情報など他人に漏れると問題になるようなものが一つは保存されていると思います。会社や個人に迷惑をかける事態が考えられます▼コンピュータを使う者のマナーとして、ウイルス対策ソフトをインストールするなど心がけて欲しいです。(ふ)

(兵庫民報2018年4月8日付)