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2018年3月25日日曜日

安倍内閣総辞職を!:各地で行動


森友公文書改竄は民主主義破壊の危機、安倍内閣は総辞職をと県下各地で抗議行動が行われています。
三月十五日の春闘統一行動でも急ぎ、デモのスローガンに「安倍内閣は総辞職せよ!」を掲げて訴えました。

19日:憲法共同センターの宣伝

19日:二市・二町総がかり行動実行委員会の宣伝

十九日には雨をついて憲法共同センターが神戸大丸前で、加印の二市・二町総がかり行動実行委員会が加古川駅前で宣伝。姫路では平和を願う姫路市民の会の呼びかけでデモが行われました。

(兵庫民報2018年3月25日付)

平和を願う姫路市民の会がSNSも活用して呼びかけ

財務省の公文書改竄に抗議する宣伝行動を三月十五日、十九日と連続して姫路で行いました。

15日の抗議行動
15日の抗議行動

15 日の抗議行動

毎月十五日は姫路革新懇が沖縄での新基地建設に抗議する宣伝行動を行う日でしたが、次々に明らかになる公文書改竄に姫路にも怒っている人がいるのだと発信しようと内容を変更しての抗議行動となりました。
平和を願う姫路市民の会からの緊急のお知らせとともにSNSを活用して呼びかけたところ、初参加の方も含めて八十人が姫路駅での宣伝行動に参加して下さいました。

19日のデモ

十九日は姫路城から姫路駅までのデモで訴えました
出田馨(西播労連)

(兵庫民報2018年3月25日付)

非核「神戸方式」43周年記念のつどい

核兵器積載艦艇の入港を拒否する非核「神戸方式」の四十三周年記念のつどいを三月十八日、神戸市勤労会館で開き、三百四十人が参加しました。
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神戸港湾共闘会議の谷口利之議長が開会の挨拶で、安倍政権の暴走ぶりをきびしく糾弾し、内閣の退陣を迫ろうと訴えました。
兵庫県原水協の梶本修史事務局長が、非核「神戸方式」誕生の闘いをふりかえり、日本国憲法の地方自治の原則の立場にたち、国是とされる非核三原則を厳格に実行していることを明らかにしました。安倍政権の改憲の試みを阻止する力が、「ヒバクシャ国際署名」と「安倍九条改憲ノー」三千万書名にあることを強調しました。
*
講演する安斎氏

安斎育郎・立命館大学名誉教授が、「核兵器も原発もない日本と世界への道」と題する記念講演を行いました。
安斎氏は、非核「神戸方式」の先駆性と運動に対する敬意・謝意・祝意を述べながら、核兵器禁止条約採択までの道のり、核抑止論の問題点、核兵器開発と原発問題などを歴史的にふりかえり、「核兵器をなくし、原発依存から脱出するために、安倍政権がすみやかに禁止条約に調印すること。福島原発事故の被災者を全面的に救済する国と東電の責任は大きい」と断じました。
また、原発損害補償請求裁判の現状について同弁護団副団長の津久井進弁護士が特別報告しました。
*
神戸市原爆被害者の会の立川重則会長が来賓挨拶。神戸市長と十四通の海外の平和団体からの連帯メッセージが紹介されました。
*
集会は、「日本政府は核兵器禁止条約に署名、批准し、非核の東アジア実現の先頭に立て」「非核『神戸方式』を国の制度として実行せよ」「三千万署名をやりとげ、野党と市民の共同のたたかいを前進させ、安倍政権を退陣させよう」などの「二〇一八年非核神戸港アピール」を参加者の強い拍手で採択しました。
梶本修史(県原水協)

(兵庫民報2018年3月25日付)

堀内照文「政治の春を呼び込むために」

連載エッセイ(17)
卒業と入学のシーズンです。
我が家の長男もこの四月から中学生になります。二〇〇七年参院選兵庫選挙区から立候補した際、公営掲示板用のポスターに写ったときの写真は二歳前のものでした。
子どもの成長のはやさには驚くばかりですが、翻って自身を顧みればどうか。
各地で寄せられる期待の強さ、大きさに比して、そしてとりわけ、安倍政権を揺るがす情勢の大激動に際して、応えられるだけの力を自分がつけているだろうかと、深く、深く考えざるを得ません。
「しんぶん赤旗」日曜版で、小林節慶応大学教授が、〝いま共産党は次の飛躍のためにしゃがんでいるんだ〟との趣旨の発言をされていました。そういう意味では、大激動のなかではあっても、しっかり腰を落ち着けて(ゆっくりという意味ではないと思います)、やるべきことを、しっかりとやらねばと思いを新たに、いっそうの努力と精進をしたいと思います。
政治の春をいよいよ呼び込むためにも。
(前衆院議員)

(兵庫民報2018年3月25日付)

「憲法9条の会かさい」が3周年

安心して豊かにくらすために憲法をいかそう

三月十八日、加西市民会館視聴覚室で、「憲法9条の会かさい」の三周年のつどいを開きました。


総会では、この一年間の活動と会計の報告がされました。
安倍改憲ノーの署名の取り組みでは、会独自の署名を集める活動と市内の労働組合、民主団体、各団体への共同行動の申し入れ活動について報告されました。共同で取り組める団体、共同行動はできないが連絡は取り合うという団体など、さまざまですが初めてつながりを持ったところもあり、これからさらに関係を深め広げながら、取り組みを強めていこうと確認しました。
学習会では、神戸女子大学の阿江善春氏が「憲法は変えるものではなく、安心して豊かにくらしていくためにいかしていくもの」と題して講演しました。
痛ましい介護殺人事件の話から、困っている人の身になって、それを助けるための制度を利用できるように行政が人間的な暖かい心で援助する事の大切さ、社会保障・社会福祉について具体的に話され、安心してくらせる地域社会をつくっていくことの大切さについて述べました。
そのうえで、「人は平和で人間らしく尊重されてくらし、そして次代へつないでいく。憲法の九条と二十五条は、関わり合って生かしていくことを考えよう」と呼びかけました。
参加者からは、「改めて九条を守ろうという意識が高まりました」「平和なくして福祉なしですね」「社会の仕組みを変えていければと思います」などの感想が寄せられました。


つどい終了後に、市民会館前でスタンディングアピールを行いました。
達可博文(同会事務局)

(兵庫民報2018年3月25日付)

東灘憲法共同センターが学習交流

安倍9条改憲にご用心! 3千万署名の成功で安倍退陣へ


憲法改悪STOP!東灘区憲法を守り、生かす共同センター(略称:東灘憲法共同センター)は三月十八日、神戸市東灘区内で、「学習交流のつどい」を開催しました。一月に結成されたばかりの東灘市民アクションをはじめ、フレッシュな参加者の多さが目立ちました。
テーマは、「成功させよう安倍九条改憲STOP!憲法生かす三千万署名」。深草憲法問題研究室を主宰し、九条の会.ひがしなだ共同代表でもある深草徹さんが、「安倍九条改(壊)憲の手口にご用心~憲法に自衛隊が明記されたなら~」と題して基調講演しました。
深草さんは、「安倍首相は、特定秘密保護法、集団的自衛権容認閣議決定、戦争法制、共謀罪など憲法違反の常習犯」とした上で、「憲法九条に自衛隊を書き込む加憲案は、より狡猾に世論を欺く手口」と強調。さらに「九条加憲は、立憲主義に反する」「憲法の核である国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義、三権分立は変更してはならない根本規範で、改憲には明確な立法事実が不可欠」として「三千万署名の成功で、改憲発議を許さず、公文書改ざんと国政私物化が目に余る安倍退陣へ」「民意を正確に反映しない国民投票に警戒を」と呼びかけました。
活動交流では、東灘革新懇や市民アクションから「思い切ってウイングを広げ、新しい仲間たちとも連携して、大いに手ごたえを感じている」、住吉地域九条の会からは「地域訪問に加えて、友人・知人へ協力要請で、署名が続々と送られてきている」など、生き生きとした発言が相次ぎました。

(兵庫民報2018年3月25日付)

日本共産党兵庫県議団が組み替え提案

一般会計の1.8%見直しなどで県民生活ささえる予算に

日本共産党兵庫県議団は十五日、県議会予算特別委員会総括審査で、二〇一八年度予算案に対し、十八年連続となる予算組み替え提案を行いました。
*
きだ議員
きだ議員は、提案説明のなかで、知事提案予算案について、「震災以来、創造的復興と銘打ち、大型公共事業を続けてきたことで、借金をふくらませ、『行革』で医療、教育、暮らしを切り捨ててきた」と批判。日本共産党の組み替え提案は、不要不急の大型開発事業や、大企業優遇の施策、県民にとって問題のある事業を削減し「行革」でカットされた福祉、教育、くらしを回復・充実させ、平和と自然環境を守る予算案であると説明しました。
きだ議員は、増額する施策を四つの柱で紹介。医療・福祉予算の充実では、「行革」でカットされた医療費助成制度の復活などとあわせ、国民健康保険の都道府県化で保険料(税)の負担増や徴収強化が懸念される中、県として九億円の法定外繰り入れを行い、保険料(税)負担の軽減をはかるとしました。
子育て・教育分野では、大学生向けに県独自の給付制奨学金を創設し、年三十六万円を千人に支給すると提案。保育士の処遇改善や、小学校六年生までの少人数学級の導入、中学卒業までの医療費無料化などを提案しました。知事提案の外国人学校振興費補助の要件を見直し、朝鮮学校六校への補助を減額する予算は教育内容への不当な介入につながると批判し、増額する提案をしました。
地元中小企業、小規模農家支援策では、長時間労働規制、インターバル規制などを行う企業を支援するワークライフバランス促進企業支援費や、小規模農家公的サポートモデル事業費等を計上。店舗・住宅リフォーム助成事業も新設しました。
環境・防災対策として、石炭火力発電所立地禁止政治指針の策定、住宅太陽光パネル補助費予算とともに、民間住宅の耐震化百%をめざし、予算を増額しました。
*
いそみ議員
組み替え提案についての審議で、いそみ恵子議員は、①福祉、子育て、教育にあたたかい予算②地域産業を発展させる予算③自然環境を守り、震災に備え安心して暮らせる予算であると主張。日本共産党の組み替え提案は、これまでも子どもの医療費無料化など財源を示しての提案が、県政を動かし、県民の暮らしの願いを実現する力になってきたと指摘し、「今回の組み替え提案も県民の切実な願いに答え、持続可能な兵庫経済と環境を促すもの」とし、賛成を呼びかけました。
*
他会派は、「海外渡航費半額や継続的な公共事業の減など、賛成できない」(自民)、「福祉、教育など充実させるというのは理解できる面もあるが、財政的にすぐには難しい」(公明)、「趣旨は理解できるところもあるが、一方的なもので混乱する」(県民連合)、「住基ネット関連、関西広域連合などの削減に反対」(維新の会)などと反対し、井戸敏三知事提案の予算に賛成しました。

2018年度県予算組み替えのフレーム

無駄・過大・不急等の事業、98項目・352億円(一般会計の1.8%)を減らし、そこから生み出された一般財源97億円、宝くじ益金や地域創生基金など特定財源のうち6億円の合計103億円を、県民の要望の強い事業への組み替えを行いました。さらに、一般会計と2つの特別会計あわせて借金(県債発行)200億円を減らし、財政の健全化を図りました。
(拡)=拡充、⦅新⦆=新規

組み替えの主な内容

1.医療・福祉分野の支援を強める
  • 国民健康保険料の県民負担引き下げのために(拡)900,000千円
  • 行革で廃止された老人医療費助成制度復活⦅新⦆413,000千円
  • 重度障害者児医療費助成(世帯合算をやめる)(拡)86,000千円
  • 難病医療費の非課税者の無料継続(拡)35,000千円
  • 看護師学生就学資金貸付金の復活⦅新⦆18,000千円
2.子育て・教育への支援
  • こどもの医療費を、中学卒業まで、一部負担と所得制限をなくし、通院・入院とも無料化(拡)6,101,100千円
  • 第3次行革プランで行われた母子家庭等医療費給付事業助成の所得制限と、一部負担金増額を元に戻す(拡)243,000千円
  • 保育士等の処遇改善の予算増(拡)71,000千円
  • 県独自の大学生向け給付制奨学金を創設する⦅新⦆360,000千円
  • 35人学級を小学校6年生まで実施(拡)884,000千円
  • 私立高校の経常費補助の行革によるカットをやめる(拡)72,658千円
  • 朝鮮学校の振興費補助の削減をやめる(拡)27,000千円
3.地元中小企業、小規模農家支援
  • ワークライフバランス推進企業支援費⦅新⦆300,000千円
  • 「過労死ゼロひょうご」促進事業費⦅新⦆1,000千円
  • 兵庫型奨学金返済支援制度(拡)28,000千円
  • 中小企業での正社員転換・処遇改善支援事業(拡)100,000千円
  • 中小企業振興会議費⦅新⦆1,000千円
  • 店舗・住宅リフォーム助成制度⦅新⦆120,000千円
  • 小規模農家公的サポートモデル事業⦅新⦆75,000千円
  • バス対策事業費(拡)5,254千円
4.脱石炭・原発――環境・防災対策、ユニバーサルデザイン
  • 石炭火力発電立地禁止政治指針策定のための調査費⦅新⦆1,000千円
  • 住宅用太陽光発電設備設置補助の復活⦅新⦆75,000千円
  • 自然エネルギー地域ポテンシャル調査事業費⦅新⦆6,000千円
  • 民間住宅の耐震化の促進(拡)120,000千円
  • バリアフリー事業の拡充(拡)100,000千円
  • シカ有害捕獲予算の増額(拡)16,270千円
5.不要・不急の事業の見直し、県民合意のない事業を見直す(概数)
①産業立地促進補助を削減△1,600,000千円
②不要・不急の公共事業等の削減
  • 神戸空港、但馬空港など空港関連△1,250,000千円
  • 道路関連の事業△10,200,000千円
  • 大規模森林基幹道△170,000千円
  • 国が負担すべき国直轄の公共事業等△9,600,000千円
③問題のある事業や県民合意のない事業など
  • 関西広域連合の分担金△320,000千円
  • 警察の報償費の削減△45,000千円
  • 不公正な同和行政が残っている事業を削除△356,000千円
  • 部落差別解消推進法にもとづくパンフレット作成△500千円
  • マイナンバーや住民基本台帳ネットワーク関連△636,000千円
④議員の海外渡航費の見直し
  • 友好都市訪問の公式行事のみとし、人数も限定するなど簡素化する△11,300千円

(兵庫民報2018年3月25日付)

兵庫県議会予算特別委員会(2)

二月二十八日設置された兵庫県議会の予算特別委員会は、三月十五日まで連日二〇一八年度予算案の審査が行われました。日本共産党のいそみ恵子、きだ結両議員が各部局審査の質疑に立ちました。

県土整備部

いそみ議員
県土整備部で、いそみ議員は国道一七六号「名塩道路」の整備と、武庫川河川改修について質問しました。
「名塩道路」について、いそみ議員は、まだ整備が残っている「生瀬工区」「東久保工区」への整備促進を求めました。いそみ議員は「とくに用地買収が終わっている『生瀬工区』は、『異常気象時通行規制区間』に指定されており、その解消が一日も早く急がれる」と迫りました。
当局は、「できるだけ早急にすすめられるよう、国にも働きかけ着手していけるようにしたい」と述べました。
さらに、武庫川河川改修と西宝橋のつけ替えについて質問。これらにかわって、立ち退かなければならない住民がいることを指摘し、「住民合意を大事にし、決してごり押しをしないことを言明していただきたい」と迫りました。
当局は、「慎重に判断していきたい」と述べました。
*
きだ議員は、借り上げ復興県営住宅の問題をとりあげました。二十年の期限が問題になった八年前の入居者全員退去という県の方針から、住民の声や議会でのやり取りをふまえ、現在は、医師、福祉の専門家など第三者で構成する判定委員会が個別の事情を勘案し、七十五歳未満の入居者も含め継続入居の可否判定を行うようになったと指摘。そのうえで、若い入居者が判定申し込みを諦めないように、この際、年齢要件を撤廃すべきだと質しました。
当局が「判定申し込みがなかったところにも、個別に判定への呼びかけを行っている。七十五歳未満の方も二十八世帯について、継続入居可となっている」と答弁したのに対し、きだ議員は「年齢要件について言及はなかったが、撤廃されたと同等の対応をしているとの答弁だと理解した。希望者全員が継続入居できるよう改めて求める」としました。

教育委員会

きだ議員
教育委員会では、特別支援学校などについて、きだ議員が質問しました。
阪神間での特別支援学校での過密化について、特別教室の普通教室への転用や、運動場などへプレハブ校舎を建てている実態などを現地調査に基づき紹介し、「過密化解消のために、新たな支援学校の建設などを求める」と迫りました。
当局は、「平成三十年度(二〇一八年度)をピークに生徒数減を見込んでおり、新たな建設についての検討は今のところはない」と答弁。きだ議員は、需要も高まっており、生徒数が増加傾向にあることを指摘し、重ねて支援学校の拡充を求めました。
*
また、特別支援学校の寄宿舎の正規職員の増員、安全対策を求めました。宿舎正規職員は二十二年前から新たな採用がなく、非正規職員は二年が限度なので継続的な対応ができないと指摘。近隣の府県と比べても非正規比率が高いことを指摘し、「正規職員の抜本増」を求めました。

(兵庫民報2018年3月25日付)

春闘統一行動・スト:大幅賃上げ、安倍働き方改革・改憲阻止

大幅賃上げ、安倍働き方改革・改憲阻止へ全労連・国民春闘共闘の全国統一行動が三月十五日に行われました。

JMITUの通信産業本部兵庫県支部は新神戸ビル前でストライキ行動を展開。朝の連帯集会で成山太志兵庫労連議長は、「安倍政権は裁量労働問題でデータ捏造、森友疑惑で追い詰められる、おもしろい情勢をつくってきた。大幅賃上げ、最賃千円、正社員化などの要求実現へ頑張ろう」と挨拶しました。各労組も激励。日本共産党からは大前まさひろ神戸市議が連帯の挨拶を行いました。JMITUはこの日、リレーストライキを県内各職場で実施しました。

福祉保育労組兵庫地方本部は朝、県庁前で宣伝を行い、二つの保育園でストを行いました。


国労兵庫県本部は昼JR三宮駅前で、大幅賃上げ、非正規の正社員化、ホーム要員確保をはじめ安全対策を求めて集会を開き、日本共産党から小林明男県労働部長が参加して激励しました。


夕方には国民春闘共闘・兵庫労連がデモを行いました。神戸東遊園地を出発し、三宮センター街を通り元町駅前まで「安倍内閣は総辞職しろ」「どこでも最賃千円を」「安倍『働き方改革』は過労死推進だ」などコールして市民に訴えました。
*

郵政ユニオンは二十日、全国一斉ストを実施。県内では二つの郵便局で行いました。期間雇用の組合員が正職員との格差是正を求めた裁判は二月、大阪地裁が損害賠償を会社に命じました。ストでは三年連続ベアゼロを許さず、均等待遇の推進などを求めています。

(兵庫民報2018年3月25日付)

真の働き方改革のために〈4〉

堀内照文(前衆院議員)

厚生労働省のデータ改竄に続いて、明るみになって安倍政権を揺るがしているのが、森友学園問題についての財務省の文書改竄です。
佐川宣寿前理財局長の国税庁長官辞任にまで発展しました。当初麻生太郎財務大臣は、佐川氏が、国会での答弁や、改竄があったとされる時の局長だったことをもって辞意表明しているにもかかわらず、なお「適材」だと強弁。その一方で、懲戒処分するという支離滅裂な記者会見をおこなっていましたが、財務省は一転、改竄(「書き換え」としていますが)を認める調査結果を報告しました。
貸付契約に至る経緯をまるまる削除していたり、複数の政治家の名前、首相夫人の名前の削除、なかには「首相夫人が教育方針に感涙」という表現もあったと伝えられています。
今回も、「働き方改革」関連法案から裁量労働制を削除させた際にも、市民と野党の結束したたたかいがありました。
厚労省のデータ改竄の際には、連日、野党六党合同ヒアリングが、委員会質疑の外でもおこなわれ、この問題で一貫して発信を続けてきた上西充子法政大学教授も同席して、追及がされました。
*
こうした野党の結束を生みだした力はどこにあるのか。私は、昨年の総選挙での国民の一票の力、審判の力であり、その後の世論の力だと言いたいと思います。
総選挙は当初、小池百合子氏率いる希望の党が、「安保法制容認」「安倍政権下での改憲容認」の踏絵を踏ませ、事実上の自民党の補完勢力が野党の顔をして登場し、民進党が合流する動きがうまれました。その際、安倍政権の政治を変えるのは、市民と野党の共同にこそあると、敢然と旗を掲げ、いち早く社民党と選挙協力を表明し、希望の党は共同の対象になりえないこと、希望の党に行かない議員、候補者との共同を打ち出したのが、わが党でした。その後多くの市民の皆さんも声をあげ、立憲民主党がうまれ、私たちは独自候補を断念もして、野党統一へ力をつくし、市民と野党の共同の立場に立つ議席の前進、立憲民主党が野党第一党になるという結果をつくりだしました。
これがその後の国政も大きく動かしています。踏絵を踏んだはずの希望の党の玉木雄一郎代表が、今通常国会冒頭の代表質問で、安倍政権下での九条改憲を認めないと発言、「働き方」改革でも、森友問題の追及でも、希望の党や民進党も野党と一致して足並みをそろえています。もちろん、今後の動向は予断を許しませんが、国民の世論の力がこうした動きをつくり出したことは間違いありません。
「一強」といわれた安倍政権ですが、それを揺るがす大激動がおこっています。総選挙からわずか五カ月足らずで、です。
*
労働法制を根本から覆そうとする安倍政権を打ち倒し、「八時間働けば普通に暮らせる社会へ」――野党の共闘のなかでも、財界・大企業から一円の献金も受け取らない日本共産党だからこその役割を発揮して頑張る決意です。(終わり)

(兵庫民報2018年3月25日付)

署名2万3千筆が議会動かし幼稚園・保育所統廃合押し留める:伊丹市

昨年七月、市長が突然、公立幼稚園・保育所統廃合計画案(幼稚園十六→五園、保育所七→四園、認定こども園一→四園)を議会に提出、十二月議会で決定することを表明。
これに対し、幼稚園・保育所の保護者たちは同年九月、「伊丹市の子どもの未来を考える会」(以下「考える会」)を立ち上げ、「十二月議会で決定しないこと、当事者の意見を聞いて計画を練り直すこと」という要望署名を、一カ月間足らずで二万三千筆ほど集め、市長に決定の一カ月延期をよぎなくさせました。

考える会がひらいた講演会

「考える会」は今年一月七日、スワンホールに奈良女子大学の中山徹教授を招いて、「子どもが地域で輝くまちづくり」と題する講演会を開きました。そこには、保守もフォーラム(立憲民主党系)も共産党の市議会議員も参加していました。

市民置き去り

市民の要求に押された市は、一月十三日、いたみホールで「説明会」を開きました。三百人ほど集まった市民から、「園庭がなく、すし詰めの民間保育所があるのに、なぜ民営化を進めるのか?」「保育所は十人以下があるのに、幼稚園は、一クラス十人以下ではだめなのか?」など多くの質問が出されました。市当局は、予定の時間を理由に、質問のため挙手をする多くの市民を置き去りにして立ち去りました。

精力的に議員に働きかけ請願採択

その後も市民は、「考える会」「伊丹の保育を考える連絡会」「くらしとまちに元気を伊丹市民の会」「新婦人伊丹支部」などを中心にして、議会の会派回りや傍聴を精力的に繰り返すなど、粘り強く運動を進めました。そして、「統廃合」に関して「関係者・地域住民の声を聞いて」といった内容の請願を七本提出。すべてが、賛成多数で採択されました。

市長の再議権行使も乗り越えて

市議会臨時会最終日の二月九日、文教福祉常任委員会は統廃合を白紙にもどす条例修正案を可決。本会議でも共産党、フォーラム、創政会の賛成で可決しました。
しかし、藤原市長は「再議権」を行使。再度、採決が行われ、修正案が否決され、市長提案の原案が再び審議されることになりました。
しかし最終的には、統廃合の期日を盛り込まない再修正案を全会一致で可決・成立。加えて、「統廃合計画に固執することなく市長も含めて保護者・地域住民と協議すること」などとした付帯決議案も採択しました。
「考える会」代表の高橋有子さんは、「時期が確定せず、話し合う余地が残った。市長は付帯決議を尊重してほしい」と話しています。
「考える会」を中心とした市民運動と野党共闘が、藤原市長の暴走にストップをかけ、見直しに道をひらいてきました。
「統廃合」を市民不在で進ませないためにも、市民にとっての「幼児教育充実」のためにも、市民運動と野党共闘のさらなる発展が、求められています。
淡本照久

(兵庫民報2018年3月25日付)

没後85年・小林多喜二の励まし

兵庫県小林多喜二記念集会


プロレタリア文学作家小林多喜二没後八十五年にあたり、二〇一八年兵庫県小林多喜二記念集会が実行委員会の主催で三月十八日、「こうべまちづくり会館」で開催され、七十人が参加しました。
記念集会のはじめに、数少ない女性アコーディオン奏者寺田ちはるさんがアルゼンチンタンゴの名曲などを演奏して会場の雰囲気を盛り上げました。
集会では戸崎曽太郎治安維持法国賠同盟兵庫県本部会長、浜本鶴男兵庫多喜二・百合子の会会長がそれぞれ挨拶し、今の時期に多喜二の意志と文学を継承する意義を指摘しました。
記念講演は、小林多喜二も学んだ小樽商科大学の荻野富士夫教授が「小林多喜二の生きた時代と現代―我等何を、如何になすべきか―」をテーマに詳しいレジメに基づいて行いました。
荻野氏は「さて、新しい年が来た。僕達の時代が来た。我等何を為すべきかではなしに、如何になすべきかの時代だ」という多喜二の一九二八年一月一日の日記を冒頭に紹介して、多喜二の生涯とその作品の意義を解明し、「俺達の運動は皆今はじめられたばかり、何代がかりの運動だ」と小説にも書き込んでいることを指摘して、後から来るものに期待をつないでおり、私たちもその覚悟が必要ではないか、と語りかけました。
参加者からは「現代に生きる我々に大きな励ましを与えてもらって、感謝します」「何十冊の本をよんだような値打ちのある集会だった」「もう一度多喜二の作品を読みたくなる話だった」などの感想が寄せられました。
堤隆二

第十六回阪神北 小林多喜二祭

第十六回阪神北小林多喜二祭が三月十七日の午後、いたみホールで開催され、約八十人が参加しました。

講演する上脇氏

侵略戦争へと突き進む一九三三年二月二十日、多喜二は特高に検挙されたその日に拷問死させられました。今年は没後八十五周年記念祭として、「小林多喜二の時代と安倍政権の『共謀罪』法」をテーマに上脇博之神戸学院大学法学部教授が講演しました。
年表をもとに、天皇を主権とした大日本帝国憲法が発布されてから戦争に突き進み治安維持法が制定された時代に生まれ、反戦平和、国民が主人公の社会を目指して活動した青年作家・多喜二の生き方を振り返りつつ、アメリカいいなりに戦争をする国につき進む現代の日本を批判。現代の治安維持法と言われる「共謀罪」による監視社会の危険性を説き、「戦争と弾圧はセットで行われる」と警鐘を鳴らしました。
また、安倍改憲策動の問題点を指摘し、その狙いが自衛隊の明記による戦争法の「合憲」化にあり、多喜二の人生から多くを学び改憲阻止、戦争法・共謀罪の廃止を目指そうとの話に大きな拍手が起こりました。
*
SUN-DYU氏

今秋行われる川西市議選の予定候補として現職の黒田みち市議、北野のり子市議と新人の吉岡けんじ(筆者)が多喜二の後輩として紹介され、第二部の文化行事ではSUN-DYUさんの冤罪根絶ライブが行われました。
吉岡けんじ

(兵庫民報2018年3月25日付)

観感楽学

日報を隠ぺいしデータをねつ造し、ついには決裁文書の改ざんまでやってしまう現政権。隠蔽・捏造・改竄は国会と国民をだますための安倍三段跳びである。捏・竄は常用漢字二千百三十六字に入っていないということで、平仮名で表記する新聞もある。しかし漢字を使えば極悪非道ぶりが一目瞭然となる▼「蔽」は遮蔽(さえぎりおおいかくす)などに使われ、「捏」とは土をこねくり物の形をつくること。一海知義共編の『何でもわかる漢字の知識百科』によればネツゾウは慣用読みで本来はデツゾウとのこと。なるほどだから捏ち上げなのかと納得▼「竄」は十四日付けの毎日新聞でも解説していたが、鼠が穴にのがれかくれるようすであり、カイザンは「字句などをあらため直すこと。多くは不当にあらためる場合に用いられる(広辞苑第七版)」したがって「書きかえ」などという無色透明なことばは今回の事態には不適切▼直近の各新聞社等の世論調査で内閣支持率が軒並みに大幅ダウン。安倍三段跳びが着地するのは柔らかい砂場ではなく総辞職という土壇場以外にはない。ちなみに土壇とは刑罰を執行するために土でかためた壇のことである。(T)


(兵庫民報2018年3月25日付)