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2018年3月10日土曜日

「兵庫憲法集会」成功めざしプレ集会

3千万署名前面に


「戦争させない、九条壊すな!5・3総がかり行動兵庫県実行委員会」は三月一日、「兵庫憲法集会プレ集会」を開催。神戸市勤労会館大ホールに三百五十人が集まりました。司会・進行を憲法改悪ストップ兵庫県共同センター、開会挨拶とまとめを九条の心ネットワーク、行動提起を戦争をさせない千人委員会ひょうごで分担しました。
九条の心の羽柴修弁護士は開会挨拶で「何が何でも軍隊を憲法に書き込みたいアベ壊憲を阻止するため三千万署名に全力を」と訴えました。
*
全国市民アクション呼びかけ人で神戸女学院大学名誉教授の内田樹氏が「今なぜ三千万署名なのか」と題し講演しました(写真上)。
内田氏は、▽戦場での加害体験と日本国憲法を暗黙の約束として戦後民主主義が支えられてきた▽支配層は対米従属を通じて対米自立を図り、高度経済成長期には経済を通じても対米自立をめざしたもののバブル崩壊後、国家戦略を失った▽現在、対米従属を〝リアル〟なものとし、そのなかで個人的利得を追求する考えが広がっている―など氏の認識を語り、憲法を守りながら対米自立を果たすため、現実の困難さを認識し、始められるところから行動を始めよう、三千万署名の対話で現状を打開する活動を広げようと訴え、世界史的な課題でもあると強調しました。
*
千人委員会の森哲二氏は、五月三日十四時から神戸東遊園地で開催する兵庫憲法集会の企画を報告。三千万署名の成功へ全力をあげようと呼びかけ、四月九日に全県主要ターミナルで一斉宣伝を行うことを提起しました。
最後に全員でガンバローを唱和し、三千万署名・兵庫憲法集会の成功へ意志を固め合いました。

(兵庫民報2018年3月11日付)

県新年度予算案・17年度補正予算案めぐり一般質問・討論

二、三月兵庫県議会では、二月二十八日、日本共産党の庄本悦子議員が本会議一般質問、入江次郎議員が、三月二日に、二〇一七年度予算補正関連議案への討論を行いました。

○庄本議員の一般質問

「行革」・県民犠牲

庄本議員は、新行革プランにもとづく十一年間の行財政構造改革をふまえ、「今年度予算で、収支不足を解消したというが、福祉等を削り県民犠牲をすすめてきたという認識はあるか」とただしました。
答弁で井戸敏三知事は、県職員の定員削減、福祉などの事務事業の見直しなどの行財政改革をおこない、震災関連県債の償還、収支不足額解消をおこなってきたことを誇り、「しかし新たな行財政運営の枠組みの検討が必要」と答弁。県民の福祉などを切り捨ててきた痛みも自覚も感じられないものでした。

国保・地域医療

国保の都道府県化問題で庄本議員は国保料(税)のさらなる値上げや徴収強化がすすむとして、県が一般会計から繰り入れを行うよう主張。病床削減ありきの地域医療構想については見直しを求めました。
国保について当局は、「県が激変緩和措置を行った後の保険料水準を踏まえ、一般会計繰り入れの要否を適切に判断されるものと考えており、保険料の賦課決定権は市町にあるため、県による保険料軽減のための一般会計繰り入れは考えていない」と答弁。一方、国に対しては「保険料軽減のための更なる財政支援や子育て支援策といたしまして、子どもの均等割保険料の廃止を提案している」と述べました。

公立高校学区拡大

公立高校の学区拡大問題で、庄本議員は、尼崎市の子どもが三年間で約七百人も市内の公立高校に行けなかったこと、進路指導などにおいても、入れるところへの輪切りの指導が行われることなどを指摘。競争教育に拍車をかけていることに言及しながら、希望者全員の入学、子どもの教育を受ける権利を保障するよう求めました。
しかし当局は、「今年の入試倍率は、一・一倍で、とくに競争がひどくなったという認識はない」と答弁。傍聴者から思わず、「ひどい」と声があがりました。

石炭火力発電所

神戸製鋼石炭火力発電所増設計画について、データ改竄をしたコベルコ科研が提供したデータの検証が不十分なうえ、石炭火力発電中止が世界の流れであり増設計画の中止を要求。当局は、審査会答申、神戸市や芦屋市、公聴会などでの意見をふまえ、知事意見を作成すると答えました。

憲法 

庄本議員は、県政百五十年に関わり、日本が侵略戦争をすすめてきた歴史も直視し、憲法九条改憲をやめるよう国に求めることを迫りました。
これに対し、井戸知事は、「世界に誇る崇高な理念」としながら、「様々に議論することは大切」と答弁しました。

○入江議員の討論

三十六議案中十八議案に反対する討論に立った入江議員は、先行取得されていた用地を県が買い取るなどの予算が含まれている二〇一七年度補正予算に反対しました。

先行取得用地

丹波市柏原駅南用地はパークアンドライド方式の駐車場建設が予定されていましたが計画がすすまず、淡路市浅野神田用地は乱開発防止を理由に先行取得されており、先行取得のあり方とともに、今回の取得の目的も不明確であり反対しました。
宝塚新都市として一千二百ヘクタールを先行取得し活用されずに「塩漬け」になっている土地の一部を県が百二億円で環境林として買い取る議案について入江議員は、「県民に十分な説明がなく、環境林の名で新たな借金をつくることは許されない」と反対しました。

地域創生戦略基金

地域創生戦略基金の設置では、「地域創生と言いながら、公共施設の集約・統廃合をすすめるもの。高速道路などの大型公共事業によって借金を膨らませる内容だ」と反対しました。

県立都市公園条例

県立都市公園条例の改正では、都市公園内にテーマパークなどを設置する場合、建ぺい率の上限を二%から一二%にしようとするもので、「都市公園を営利化するもの。周辺住民、商店から困惑の声があがっている」と厳しく指摘しました。

土地改良事業

土地改良事業の改正は「中間管理機構に貸し出した農地を所有者の同意がなくても整備できるようにするもので賛成できない」としました。

(兵庫民報2018年3月11日付)

真の働き方改革のために〈2〉

堀内照文(前衆院議員)

データの〝捏造〟ともいうべき調査結果をもとにした答弁を撤回せざるを得なかった安倍総理は、国民と野党六党の結束したたたかいを前に、「働き方改革」関連法案から、裁量労働制を削除するところまで追い詰められました。
しかし、前回連載でも指摘したように、高度プロフェッショナル制度も「定額働かせ放題」という点では根は同じですし、残業代ゼロでいくらでも働かせるという点ではより悪質です。また、今回の連載で取り上げる、過労死ラインを容認する「残業規制」も大問題です。撤回するなら、これらも含めての撤回が必要です。
*
安倍総理は今度の法案で、時間外労働の上限を月四十五時間かつ年三百六十時間と法定することをもって、規制強化だと言い張ります。しかし、労使が合意すれば、上限は年七百二十時間、複数月の平均では月八十時間以内、単月では百時間未満というものです。しかもこの年上限七百二十時間は、休日労働を含みません。昨年三月の参院厚生労働委員会でわが党の小池晃議員(書記局長)が「理論的には休日労働を加えれば時間外労働は十二カ月連続八十時間、つまり年間九百六十時間が可能になるということですよね」ときくと、厚労省は「理論上は年間九百六十時間となり得る」ことを認めています。月に八十時間とか百時間などというのは、過労死ラインを超えるもので、到底認められるものではありません。
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さらに重大なのは、過労死の多い研究開発・建設・自動車運転・医師は五年間適用除外となっていることです。
それぞれの分野での対策を検討していると政府はいいますが、例えば医師の働き方をめぐって厚労省で検討されていることは、ICTの活用や医療行為の一部を看護師などに担わせるタスクシフティング、タスクシェアリングなどによる「生産性の向上」です。看護師の長時間労働も大問題です。これでは何の解決にもなりません。それどころか、診療のための学習や、手技向上のための見学、その他研究や論文作成は、自己研鑽として労働時間に加えないことも検討されています。医師の絶対的不足の解決こそ必要です。
建設分野はどうか。昨年、建設工事における適正な工期設定等のためのガイドラインが策定されました。そこでは週休二日等の休日の確保、準備・片付け期間、作業不能日数などの考慮、社会保険の法定福利費、安全衛生費の確保などを、発注者、受注者双方が守るようにとされています。しかし、この間の新名神での相次ぐ死亡事故でも、工期の問題が広く指摘されていましたが、工事を発注したNEXCO西日本は「適正だ」と繰り返すだけでした。
自動車運転にかかわっては、国土交通省が直ちに取り組む施策なるものを掲げていますが、トラック、バス、タクシー事業のかけもち、ダブル連結トラックの導入、第二種免許の受験資格の見直しの検討など、安全を軽視する驚くべき内容だと言わなければなりません。
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長時間労働の規制を標榜しながら、過労死ラインを容認する時間外労働を認めることは許せません。現行でも厚労大臣告示として定めている週十五時間、月四十五時間、年三百六十時間の時間外労働の上限を、例外なしに守らせる規制こそ必要です。

(兵庫民報2018年3月11日付)

アベ「働き方改革」NO!:春闘共闘・兵庫労連がデモ


国民春闘兵庫県共闘委員会と兵庫労連は2月27日、神戸で「アベ『働き方改革』NO! デモ」を行い、「『働き方改革』は過労死推進」「8時間働けば普通に暮らせる賃金を」などを訴えました。
出発前集会で成山太志兵庫労連議長が安倍政権の姿勢を厳しく批判しました。20歳の若者がパワハラ・過労自殺したゴンチャロフ労組から「会社はパワハラも過労自殺も否定しているが、始業開始2時間も前の出勤が当たり前になっていた。労災認定を求めてたたかっている」との発言もありました。

(兵庫民報2018年3月11日付)

借り上げ住宅強制退去:控訴審始まる

健康権保障も争点に


神戸市が借り上げ復興住宅の明け渡しを迫り、継続入居を望む入居者を訴えた裁判のうち、兵庫区のキャナルタウンウエストのNさん(80)についての控訴審第一回弁論が三月一日、大阪高裁で行われました。
満員の傍聴者がつめかけるなか借上弁護団の佐伯雄三団長が、入居者の主張、立証に十分耳を傾ける慎重な審理を求め、神戸地裁判決の誤りを指摘するとともに、神戸市の追い出し政策は入居者の健康権・生存権を侵害するとして、Nさんの継続入居を主張しました。
また、Nさんの生活実態を紹介するビデオも上映されました。
次回は五月十四日十四時開廷で行われます。

(兵庫民報2018年3月11日付)

神戸・市民要求を実現する会が対市交渉

三宮開発より市民生活を

神戸・市民要求を実現する会は神戸市の二〇一八年度予算案に対する要望についての交渉を二月十九日、二十日、二十一日の三日間にわたり行いました。
*
要望項目は、
  • 国保を皆保険制度の基盤として位置づけ、独自控除と法定外繰り入れにより誰もが払える保険料にすること
  • 生活保護の医療費扶助廃止反対・一部負担の撤回
  • 元町高架下商店街耐震化工事について市民である商店主の立場に立って神戸市がJR西日本に継続して商売が続けていけるように働きかけること(以上十九日)、
  • 交通空白地域や困難地域を把握し公共交通の拡充を神戸市が責任をもって行うこと
  • 三宮再開発について予算規模を明確にできない中での計画は中止すること(以上二十日)、
  • 子どもの中学校医療費無料化を行い高校生まで拡大
  • 公立保育所の新設による待機児童解消と保育士の確保
  • あたたかい中学校給食の実現と民間委託される小学校給食の安全性確保(以上二十一日)―など。
それぞれについて市民の要望を実現するよう各担当部局に迫りました。
神戸市は、
  • 三宮再開発や小学校給食の民間委託、元町高架下商店街問題については大企業優先の姿勢が見られ、
  • 国保、生活保護、子どもの医療費無料化は社会保障費の増大を理由に国に追随する回答が目立ちました。
  • 神戸空港の運営権を民間会社に売り渡したことについては、開港当時に神戸市が市民に示した形になっていない現状を総括すべきだと質問項目に挙げていましたが、三年連続で担当部局は出席せず、会はこのような不誠実な態度に抗議を行いました。
二期目をスタートさせた久元市長は「若者に選ばれる街」を掲げていますが、県内でも遅れた子育て環境を残したままでは「若者に選ばれない都市」になってしまいます。
人口が減少する中で、住み続けられる神戸市にするためにも無駄な大規模開発は中止し、公共交通の充実、国保・介護保険料の軽減を行うべきです。
会としては、引き続き要求の実現に向けて、連続学習会を開催するなど神戸市の予算や政策について、多くの市民の声を届けていくために活動を進めていきます。
岡崎史典(同会事務局長)

(兵庫民報2018年3月11日付)

神鋼石炭火力発電公害問題灘区連絡会

運動の到達と展望語る集い


神鋼石炭火力発電公害問題灘区連絡会が二月二十四日、「石炭火力反対運動の到達と今後の展望を語る集い」を開きました。
神戸製鋼石炭火力発電所増設に反対する住民運動は、この間大きく広がり、地域や団体が集まって「神戸の石炭火力発電を考える会」を結成すると共に、「公害調停」に取り組み、調停団は現在四百七十六人になっています。
県議会、市議会でもこの問題が取り上げられ、二月八日には日本共産党県議団が環境省と交渉、「省としては、石炭火力発電所はなくしていくべきものと認識している」との回答を引き出しています。
「集い」では、廣岡豊事務局長がこの間の経過を報告し(写真上)、今後の運動について、①神鋼が高炉を動かしていたころに結んだ神戸市との環境保全協定は、高炉がなくなったのだから結び直すべきである②当該地域は引き続き二酸化窒素等の値を引き下げるべき地域と指定されているのであって、新たな汚染物質排出施設をつくるべきではない③神戸製鋼はデータ改竄を繰り返しており、環境影響評価に使う数値に信憑性がなく、一からやりなおすべきである―の三つの具体的要求を掲げてがんばることを提起しました。
参加者からは、「高炉がなくなって、空気が良くなったと感じる。再び石炭火力なんてやめて欲しい」「調停や議会の傍聴など、地元のがんばりが大切だと思う」など、力強い発言がありました。

(兵庫民報2018年3月11日付)

川西革新懇を結成


三年前から準備を続けてきた川西革新懇の結成総会が川西市文化会館で開催されました。
結成総会には六十名が参加しました。代表世話人の松岡正章弁護士が結成の挨拶を行い、来賓として立憲民主党の桜井周衆院議員が挨拶(写真上)、日本共産党と社民党の各市議が紹介されました。宮田静則県革新懇事務局長も激励の挨拶をしました。
世話人の植木安氏が結成に向けての経過を報告。「平和・民主主義・生活向上に取り組む運動のすそ野を広げようと呼びかけ人を募り、毎月の会議を積み重ね、『憲法を守ろう川西アピール署名(約)五百筆』、昨年五月には超党派議員と市民による一日行動の開催、昨秋の総選挙では急遽、野党統一候補となった桜井周候補を応援しようとよびかけ、候補者も交えた共同宣伝も行った」と報告しました。
活動方針、世話人体制、会則、結成アピールの承認のあと、第二部として冨田宏治氏(関西学院大学教授)が「市民と野党の共闘と革新懇の役割」について講演しました。
総会では、地域で憲法カフェに取り組む活動、市立川西病院の移転・公設民営化に反対する運動、市民アクション川西実行委員会で取り組んでいる三千万署名運動など活発な発言が続きました。
最後に、事務局からの「安倍九条改悪反対、川西市の住民無視の動きにストップをかけるためにも革新懇の役割が大切。一緒に頑張ろう」との訴えが確認され、熱気あふれる結成総会になりました。
川西革新懇の結成で県内の地域革新懇は十九となり、四月には須磨区、淡路での結成へ準備がすすんでいます。
宮田靜則(兵庫革新懇)

(兵庫民報2018年3月11日付)

改憲阻止市民連合:伊藤真講演会


十三の団体からなる「改憲阻止市民連合」が二月二十八日、日本研修センター伊丹で「伊藤真講演会」を開催。会場は百五十人以上の参加者でほぼ満席状態でした。
伊藤真氏(伊藤塾塾長)は「自衛隊を憲法九条に書き込むことによって二項の『戦力不保持、交戦権否認』を空文化する」という安倍改憲の危険性を指摘し、改憲を防ぐには一人ひとりが自分の言葉で周りの人に語ること、三千万署名を一筆でも多く集めることが重要であると語りました。
講演後、今の今まで改憲派だったという十九歳の学生が「衝撃的でした。今日で考え方が変わったかもしれません」と発言し、会場からの拍手でつつまれました。
参加者からも――
「強いメッセージを頂きました。頑張らないといけませんね」(50代)
「とても分かりやすく、面白さもあり来てよかったなと感じました。もしも改憲されてしまったら…の話を聞き想像したら涙が出そうになりました。SNSで友達に改憲の恐ろしさを発信していきたいと思います」(20代)
「大変勉強になりました。改めてレジュメを読み返してみたいです。この話を家族や知人に知らせたいと思います」(70代)
―などの感想が寄せられました。
企画に加わった十三の団体は、市民連合@いたみアクション、いたみ九条の会、伊丹教職員組合、高等学校教職員組合東阪神支部、伊丹革新懇、伊丹市職員労働組合、民主教育をすすめる伊丹市民連合、国民救援会伊丹支部、新婦人伊丹支部、伊丹民商、伊丹生活と健康を守る会、年金者組合伊丹支部、宝塚医療生協です。様々な立場の団体、個人が力を合わせて伊藤真講演会を成功させることができました。
中島隆夫(伊丹革新懇事務局長)

(兵庫民報2018年3月11日付)

垂水区:3千万署名を平和の歌声に乗せて


平和憲法を守る垂水ネットワークは二月十九日昼、JR垂水駅西口でストリートミュージシャンの〝草原の風〟の協力を得て、安倍改憲NO!三千万署名宣伝を行いました。
「戦争を知らない子どもたち」「戦争は知らない」「翼をください」「We Shall Overcome」などの名曲に乗せ、ネットワークに加盟する各団体の代表や日本共産党のふじたに香恵子さんらが「安倍内閣の改憲NO!へ署名を」と呼びかけました。
一時間の短時間でしたが注目度バッグン。十七名の参加で九十四筆を集めました。署名行動に参加したみんなを励まし、青春時代を思い出しながら、楽しく対話し元気よくたくさんの署名を集めることができました。
三月三日には、平和憲法を守る垂水ネットワークと憲法を生かす会、みなせん須磨・垂水で結成した「三千万人署名をすすめる垂水連絡会」が、午前十一時から明舞センターで共同の署名行動を行い、二十人の参加で九十筆を集めました。
垂水ネットワークでは、もう一回りも二回りもたくさんの署名を集めたいと取り組みを広げています。
戸田晃(垂水区)

(兵庫民報2018年3月11日付)

ホントの歴史を知るって大事

新日本婦人の会西宮支部 小川 碧


私たち西宮の新婦人は昨年の三月から月一回、「目からウロコの歴史教科書カフェ」をひらいて一年になります。

○ことは学び舎の教科書との出会いから


教科書展示会で、偶然見つけた『ともに学ぶ人間の歴史』(学び舎刊、中学校社会科歴史的分野検定教科書)に感激した有志の呼びかけで始めました。この教科書は小説のように次にどうなるか読みたくなります。写真や絵、グラフも今まで見たことのないものでした。
研究者ではなく、日頃、中学生を教えている先生たちが作ったと知り納得。
県内では唯一、灘中学校だけが採用したと聞き、「西宮の子どもたちにもこの教科書で学んでほしい。二〇二〇年の教科書採択に向け普及運動をしたい」と思ったのです。
○社会科・歴史ってニガテ……

年号の暗記がイヤ。現代に近いほど習ってなくて、何も知らない状態。そこで、江戸時代から始めました。

目からウロコの連続でした。例をあげると…「自由民権運動」の単元で、よそごとでなく兵庫県にも自由民権運動があったことがわかり感心。「日清戦争」の単元では、日清戦争と引き続く台湾征服での戦闘で亡くなった兵士の九割が病死だったことにも驚きました。
「歴史を動かすのは民衆だとわかった」「中国本土や台湾出身の参加者から違った視点の意見が聞けてうれしい」などの感想が出されています。

○子どもたちや先生たちも参加してほしい

小中高大の生徒・学生、現場の先生が参加してほしいのですが、多忙と部活がネックになっているのが悩みです。


(兵庫民報2018年3月11日付)

大門みきし「さやのなかの刀」

連載エッセイ25

国会は、予算案の審議など一年で一番忙しい時期をむかえ、私も連日、質問の準備に追われています。
国会に来たばかりのころ、故・正森成二さん(元衆議院議員)の秘書をしていた方から、正森さんの質問は、きびしい追及をしても、相手の首のかわ一枚はかならず残しておくという人間的なやさしさがあったと聞き、感動しました。以来、そんな質問になるようにと心がけてきましたが、まだまだです。
質問は人それぞれ、個性の表れでもあります。木刀で叩き割るような質問もあれば、居合抜きのように気が付いたら終わっていたという質問もあります。ときおり、刀を何本も用意しすぎて何がいいたいのかわからない質問もあったりしますが、それらも含めて、みんなちがってみんないいと思います。
黒沢明の映画「椿三十郎」に登場する家老の奥方は、抜き身の刀のようにギラギラしている三十郎にむかって、「ほんとうにいい刀はさやに納まっているものですよ」と諭します。なるほど、質問でも、刀を抜くまでもなく相手を動かせればそれに越したことはない。
ちなみに、麻生太郎財務大臣は、とんでもない暴言ばかりを吐く人ですが、どういうわけか、私の質問には刀を抜かずとも最初から前向きに応えてくれることがあります。ただこれは、自民党議員も「(麻生さんは)大門さんのことが好きなんじゃないの」と言うくらいなので、少し気持ちわるいですが、刀の有無とは関係のない話かもしれません。
(日本共産党参院議員) 

(兵庫民報2018年3月11日付)

『午後8時の訪問者』:神戸映画サークル協議会3月例会


ベルギーの工業都市リエージュの郊外、若き女性医師ジェニー・タヴァンは、知り合いの老齢医師のピンチヒッターとして診療所で働いている。他のスタッフは、彼女の指導を受ける研修医のジュリアンだけだ。優秀な彼女は、大きな病院の勤務医として受け入れられる事が決定している。
明日で代診が終わる日もひっきりなしに患者が訪れ、気が休まることがなかった。診療時間を終えて一時間がたってもベルがなるほどだったが、ドアは開かれることはなかった。
勤務する予定の病院では熱烈な歓迎を受け、地域に戻ってみれば患者に去る事を心から惜しまれるジェニー。医師としてこれまでの仕事ぶりへの真価を評され、夢もかなった、心が満たされるような一日の終わりだった。
しかし、翌朝の警官の訪問が彼女に大きな衝撃を与えた。川沿いの道で見つかった遺体は、昨日診療所を訪れたすぐ後に災難にあった可能性が高いという。若いアフリカ系の女性の姿を映像で確認したジェニーは「もし、あの時ドアを開けていれば…」という後悔が頭から消えなくなってしまう。
防犯カメラの映像を携帯電話に入れて、知っている人がいそうな場所に出かけて行くジェニー。
しかし、まるでその存在がなかったかのように、行く先々で「知らない」と告げられる。ある日、ジェニーは診察した少年が何かを知っているのではないかと感じるのだった。
EUの本部があり、地理的にもヨーロッパのほぼ中心に位置するベルギー。グローバル化は国境を越えて、豊かさと影をもたらしている。その影の部分の縮図が日々、診療所の中で起こっている。
ミステリー的なストーリー展開を通して、ヨーロッパの貧困や移民問題を描く問題作だが、若い女性を主人公にした事で、鑑賞後は爽やかさを感じる。
宮下宜子(神戸映サ)

映画『午後8時の訪問者』

3月16日(金)①11時30分②14時30分③19時、17日(土)①11時30分②14時30分③18時、神戸アートビレッジセンターKAVCホール/ジャン゠ピエール&リュック・ダルデンヌ監督作品 、2016年、ベルギー゠フランス、106分/一般当日1,700円(前売1,300円)、シニア・障がい者・大学生以下1,300円/神戸映画サークル協議会☎078‐371‐8550、http://kobe-eisa.com/

(兵庫民報2018年3月11日付)

みんぽう川柳〈二月〉「インターネット」

選者 島村美津子

特 選

新聞は読むがスマホは使えない
 神戸市 松尾美恵子

【評】スマホは使えても新聞を読めない人が増えてきているのではないでしょうか。考えなくても覚えなくても指先でポンと出てくる答え、私なんか簡単な漢字も思い出せなくて落ち込んでしまったりする。電車の中でほとんどの人がスマホにかじりついているのをみたり、でもでもやっぱりその便利さは捨て難い、無くてはもはや生活してゆけなくなっているような錯覚を覚えてしまう。掲句はさまざまなことを考えさせてくれる。

入 選

ネット書店街の本屋を消してゆく
 神戸市 長尾粛正

パソコンはいつも私にそっぽ向く
 神戸市 山元三恵子

インターネット操る孫のうらめしき
 神戸市 玉山歳子

ネットにて遠い孫との成人式
 神戸市 亀井洋示

便利でもインターネットデマと嘘
 神戸市 梶山洋枝

インターネット世界情報寝る間なし
 芦屋市 梶原嘉代子

パソコン開き迷惑メール削除から
 神戸市 高馬士郎

華やかな陰にネットの落とし穴
 神戸市 長沼幸正

ネットで予約ちょっぴり不安よぎります
 神戸市 山本尚代

スマホ手にネット社会は孤独です
 神戸市 小林尚子

ネットとはサラリうわべのおつき合い
 神戸市 水田裕子

写真見てわかるのかしらネット買い
 神戸 塩谷凉子

ネット観て今日も想いはシュワブ前
 神戸市 山本ふみ子

共闘をインターネット拡げゆく
 神戸市 古賀哲夫

(兵庫民報2018年3月11日付)

『明日へ』:3千万署名達成へ上映会


安倍改憲NO!三千万署名達成の跳躍台にしようと、灘区ではこれまでに経験したことのない規模で映画『明日へ~戦争は罪悪である」の上映に取り組んでいます。
上映実行委員会には、くらし・平和・民主主義をまもる灘区の会(オール灘区の会)はじめ多くの民主団体が加盟し、協力しながら進めています。四月五日には六甲道勤労市民センターでオール灘区の会が、上映成功に向け憲法共同センターの速水二郎さんを講師に招いて交流集会を開催する予定です。
灘区の三千万署名の到達は五千三百を超えたところですが、目標の三万三千筆を達成するには、テンポと工夫がどうしても必要です。
映画『明日へ』は観る人の心を動かし、戦争はどんなことがあってもしてはいけないとの思いを改めて知らされる感動の映画です。 →公式サイト
ぜひ多くの方にご覧いただき、三千万署名への大きなステップにしていただければ幸いです。
近藤秀子(実行委員会) 

映画『明日へ~戦争は罪悪である~』


4月15日(日)①10時②14時③17時30分(上映時間105分)、御影公会堂/前売り1,200円、当日1,500円(学生・障がい者1,000円)/問い合わせ☎078‐ 881‐2581(担当:近藤、佐々木)

(兵庫民報2018年3月11日付)

亀井洋示「働かせ改革―謝罪」

(兵庫民報2018年3月11日付)

観感楽学

防犯カメラの設置が問題になることがあります。ニュースで「防犯カメラの映像が決め手になり犯人逮捕」と聞くとカメラの設置も有効だと思ってしまいます。今では映像の録画だけではなく、顔認識システムと組み合わせることでより高度な使われ方をしようとしています▼私がソフト会社に入社した三十年ぐらい前、当時の上司が「顔認識ソフトを開発するとひと財産できる」と言っていました。認識精度の高いシステムを開発できたら導入する企業がたくさんあると考えられるからです。サービス業の顧客管理、病院などあらゆる業種で需要があると言われています。特に警察などは欲しがるでしょう。実用にはまだ時間が必要と言われていますが三十年前に比べると精度もかなり向上していると聞きます▼気になるのが危険性です。防犯カメラの設置が問題になるのと同じで、顔認識システムが一般化されることでのデメリットです。一番に懸念されるのは、個人情報の流出だと思います。フェイスブックに掲載した顔写真や氏名から個人が特定される可能性が高くなります▼生活が便利になるのは良いことですが、皆が安心できるルールを作り、そのうえで使って欲しいものです。(ふ)


(兵庫民報2018年3月11日付)