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2018年1月13日土曜日

国民春闘兵庫県共闘委員会・兵庫労連旗びらき

共同発展へあふれる熱気

「バンバロー」を唱和する成山議長(マイク)と堀内・菊地両氏(その左右)ら

国民春闘兵庫県共闘委員会と兵庫労連の新春旗開きが一月六日、神戸市勤労会館で開かれました。
昨年、総選挙を野党共闘でたたかった堀内照文前衆議院議員、菊地憲之新社会党県書記長も来賓として挨拶するなど、市民と野党の共同の発展へ熱気あふれる発言が相次ぎました。
成山太志兵庫労連議長が開会挨拶。昨年の国内外の激動に触れ、知事選、神戸市長選につづき総選挙をたたかい、突然の解散・総選挙で、民進党の希望の党への合流の逆流を乗り越え野党共闘が前進し、改憲勢力の国会独占を許さなかったと指摘。今春闘と一体に安倍改憲を許さない三千万署名運動を成功させ、安倍「働き方改革」を阻止し、大幅賃上げを勝ち取るためにさらに共同を広げようと訴えました。
堀内氏は、兵庫では日本共産党と新社会党との協定をはじめ共闘ができたことの意義を強調し、さらに発展させようと訴えました。また、大企業が非正規労働者の正規化への法改正をすりぬけるためにクーリング期間をつくるなどの動きや、天井なしの労働時間を認める安倍「働き方改革」を絶対に許してはならない、共同のたたかいで打ち破ろうと訴えました。
菊地氏は、総選挙のお礼を述べ、明石では三千万署名運動推進の市民アクションから市民連合へ発展させる協議がすすんでいることを紹介し、安倍政権を倒す共同のたたかいの発展への決意を語りました。
津川知久憲法県政の会代表幹事、磯谷吉夫兵商連会長、畦布和隆元兵庫労連議長らが連帯挨拶。JAL争議団・エミレーツ航空争議団も訴えました。
文化行事では、大阪自治労連からKKコンビが来演、維新政治のもとでの大阪市役所の実態を笑いで告発しました。
閉会挨拶を国労兵庫地区本部の本田信幸委員長が行い、新幹線台車事故、大企業のデータ不正にも触れ、資本の暴走とたたかう労働組合の役割を強調し、共同の発展で春闘勝利へ頑張ろうと訴え、参加者で団結ガンバローを行い閉会しました。

(兵庫民報2018年1月14日付)

参院比例7議席を:兵庫は山下氏の活動地域

山下副委員長
日本共産党はこのほど、来年二〇一九年の参議院選挙の比例代表予定候補者七氏を発表し、八百五十万票・一五%の得票で七氏全員当選をめざすことを明らかにしました。
兵庫県は大阪府、滋賀県、奈良県、和歌山県とともに山下よしき副委員長・参院議員の活動地域です。
井上さとし参院議員は京都府、東海、北陸信越、紙智子参院議員は北海道、東北、梅村さえこ前衆院議員=新=は北関東、小池晃書記局長・参院議員は東京都、しいば寿幸千葉県副委員長=新=は南関東=、仁比そうへい参院議員は中国、四国、九州・沖縄が活動地域です。

(兵庫民報2018年1月14日付)

労働災害対策・郵便局新設:堀内前衆院議員ら政府に要請

南芦屋浜への郵便局新設を要請する(左から)堀内、森、金田の各氏

昨年十二月二十六日・二十七日の二日間、堀内照文前衆院議員と兵庫県委員会は、倉林明子参院議員事務所と連携し、労災対策と郵便局新設について政府などに要請を行いました。
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二十六日には、県内製造現場や新名神工事現場で相次いでいる重大死傷事故を踏まえ、緊急停止装置の義務化、適正な工期や人員配置基準を設けること、二〇一〇年に廃止された「労災防止指導員」に代わる体制・制度の創設を求めました。
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翌二十七日にはまず、MTBI(軽度外傷性脳損傷)患者の労災認定について要請しました。
画像では見つからないなど診断の困難さがあるため、二〇一三年に厚労省が課長通知を出し、認定を本省で行うとしました。その際、WHOの定義にもとづいて診断を行なっていますが、裁判では「通知はWHO定義についてなんらかの態度を示したものではない」などと主張しています。
このことについて堀内氏が「どうなのか」と質すと担当者は、「通知はWHO定義を踏まえるという趣旨」であると認めました。
診断基準では「三十分以内の意識消失」とあるのに、「昏睡」など基準より重度の症状でなければ認めないとしている事例もあることを指摘すると、当局担当者はいずれも「実態を確認して連絡する」と回答しました。
自己都合ではない失業者の国民健康保険料軽減措置について要請しました。
適用を受けるには「雇用保険受給資格者証」が必要で、病気などで求職活動ができない場合は交付されないため軽減されません。「雇用保険受給資格者証」以外でも事実確認を行い、軽減するよう求めたところ、厚労省国保課の担当者は「(関係部局と)話をしてみる」と対処を約束しました。
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芦屋市南芦屋浜への郵便局新設について森しずか芦屋市議とともに、日本郵便株式会社と総務省双方に要請しました。昨年四月にも要請した住民要求です。日本郵便株式会社は「今日いただいた情報も精査して、引き続き注視したい」と述べました。(金田峰生=党国会議員団兵庫事務所長)

(兵庫民報2018年1月14日付)

大門みきし「強欲資本主義のなれの果て」

昨年末、マルチ商法大手「ジャパンライフ」が事実上倒産しました。「ジャパンライフ」は、独り暮らしのお年寄りなどにやさしい言葉で近寄り、磁気ベルトなど健康器具の「レンタル商法」に誘い込んで、多額のお金を出資させていました。
いま、たくさんのお年寄りが、出資したお金が返還されず、老後の生活資金を失う危険にさらされています。被害額は数百億円とも一千億円をこえるともいわれています。「ジャパンライフ」の営業を許せば必ずこういう事態をまねくと何度も国会で指摘してきたのに、いままで放置してきた行政の「怠慢」に強い憤りをおぼえます。
行政の「怠慢」の背景には、加藤勝信・働き方改革担当相(当時)が「ジャパンライフ」会長と会食し「広告塔」の役割を果たしていたことや、下村博文元文科相が「ジャパンライフ」から政治献金を受けていたなど政治家の関与があったとおもわれます。また、「ジャパンライフ」のお中元先リストには、安倍首相をはじめわが党を除く与野党の国会議員、幹部の名前がずらりと並んでいます。さらに「ジャパンライフ」とその関連団体には内閣府、経産省、消費者庁のOBがたくさん天下りをしてきました。よってたかって、お年寄りを食いモノにしてきたと批判されても仕方がない。
それにしても、お年寄りの老後の資金まで巻きあげるとは、あまりにむごい。「ジャパンライフ」問題はまさに強欲資本主義のなれの果てといわなければなりません。
(連載エッセイ23 日本共産党参院議員)

大門ゼミ―政治・経済キホンのキ―新春番外編

1月20日(土)14時、新長田ピフレホール会議室A/神戸製鋼はじめ相次ぐ大企業の不正…儲け優先経営でいいのか、大門みきし参院議員が大いに語り、疑問にも答えます/参加無料/主催:日本共産党兵庫県委員会☎078‐577‐6255

(兵庫民報2018年1月14日付)

クリスマス闘争市民集会


第57回神戸港平和のためのクリスマス闘争市民集会が12月25日、波止場町緑地で開かれました。神戸港が米軍基地に接収されクリスマスには多数の米兵が繰り出しトラブルが多発。「静かなクリスマスを」と1961年12月24日に港湾労働者と市民が共同で「基地撤去」の集会を行ったのが最初で、74年の米軍基地完全返還、75年の非核「神戸方式」誕生に結実。今回は「安倍政権は核兵器禁止条約に参加せよ」「憲法改悪ストップ」「沖縄新基地建設やめよ」と訴えました。

(兵庫民報2018年1月14日付)

被爆者援護・連帯餅つき


兵庫県原水協、神戸市内各区原水協と神戸宗教者平和協議会は12月23日、第48回被爆者援護・連帯もちつき大会を妙法華院で行い、150kgをつき150人の被爆者に届けました。受け取った被爆者からは、核兵器禁止条約採択やノーベル賞受賞への喜びとともに、日本政府の態度ははずかしいとの声も寄せられました。

(兵庫民報2018年1月14日付)

成人式宣伝

日本共産党や民青同盟、新婦人の会などが会場前でお祝いと励ましの宣伝を行いました。

神戸市の新成人へお祝いの声をかける堀内前議員

1月8日、堀内照文前衆院議員は神戸市の総合運動公園駅前でお祝いの声をかけました。

尼崎でのシールアンケート

民青同盟はシールアンケート。「政治・社会に望むこと」に、神戸では「憲法9条を変えないでほしい」、尼崎では奨学金や最低賃金・長時間労働などへの回答が多数を占めました。

(兵庫民報2018年1月14日付)

みんぽう川柳〈十二月〉「新鮮」選者 島村美津子

特 選

平和賞ヒバクシャもいる新鮮さ
 神戸市 古賀 哲夫

【評】ICANのノーベル平和賞受賞、授賞式で被爆者のサーロー節子さんの「核兵器は絶対悪」との訴えに涙を流してうなずく人々、同じく文学賞を受賞したカズオ・イシグロさんも受賞記念スピーチで平和について熱心に語っておられたことも全て画期的で新鮮でした。

入 選

ノーベル平和賞輝くICAN新鮮だ
 尼崎市 富田明美

被爆者に温かい餅とどけ四十八年
 神戸市 亀井洋示

新鮮で美味な魚に基地いらぬ
 神戸市 梶山洋枝

新鮮な日の出悪政根絶やしに
 神戸市 山元三恵子

新鮮な香り仄かな年賀状
 神戸市 藤田幸子

年老いて川柳作りリフレッシュ
 芦屋市 梶原嘉代子

新鮮さ売り物にして今日も畑
 神戸市 塩谷凉子

新鮮な地産地消で健康を
 神戸市 川上 峻

俎の音も新鮮ギブス取れ
 神戸市 玉山歳子

新鮮はワクワク連れてやってくる
 尼崎市 中内眞佐子

百年経ても鮮度落ちずの漱石さん
 神戸市 水田裕子

初日の出新たな希い卒寿の身
 神戸市 松尾美恵子

半世紀前ピチピチだったこの私
 神戸市 山本尚代

九条は今も新鮮海渡る
 神戸市 小林尚子

(兵庫民報2018年1月14日付)

亀井洋示「9条トラック走る」


(兵庫民報2018年1月14日付)

日中友好・不再戦を誓う旅

田中信一(兵庫県平和委員会)

南京大虐殺記念館で献花する一行

十二月十一日から十五日、南京市を省都とする江蘇省を関西地区日中友好協会訪中団の一員として訪問しました。京都、大阪、奈良、兵庫から総勢二十一名で兵庫からは九名が参加。一九七二年九月二十九日に日中国交正常化されて四十五周年ということで中華人民共和国駐大阪総領事館の御招待による訪中でした。
十一日に関西空港を出発した私たちは、上海で入国手続きを済ませ昼食のあと、片側四車線もある高速道路をバスで江蘇省蘇州市に向かいました。道路沿いには高層マンションや高速道路の建設ラッシュで七〇年代の日本を思い起こさせる風景でした。
江蘇省は中国の東側沿海地域の中部に位置し、長江下流の両岸をまたがっていて、東に中国最大の経済センターの上海市と隣接し人口は約八千万人をかかえています。最初に訪れた蘇州市は、二千五百年以上の歴史を持つ庭園もある観光都市であり工業生産もトップレベルということで、十二日には中国企業・日系企業の見学・拙政園の見学もありました。夕方には揚州市に移動し、翌日揚州大学日本学科の学生と茶道交流も行いました。蘇州市・揚州市とも夜には市の友好協会による歓迎会が開かれ、豪華な中華料理での歓迎をうけました。

南京大学の学生と交流する兵庫県連の前田清会長

〝十二月十三日〟は南京大虐殺八十周年にあたる日で、中国では国家行事として祭典が行われました。私たちは式典には参加できませんでしたが、夕方南京市入りしました。
十四日は南京大学日本語学科の代表と茶道で交流、南京博物館・中山陵の見学、夜は江蘇省人民対外友好協会による歓迎会が開かれて友好を深めました。
最終日十五日に南京大虐殺記念館に向かい副館長との懇談、献花、黙祷を行ったのち館内を見学しました。リニューアルされた館内には、発掘された状態の遺骨が保存されて子どものものと分かる遺骨もありました。副館長が「この記念館は、これからの平和のために」「歴史的事実は忘れてはならない」「戦争で南京虐殺もあったが」「日本でも広島・長崎など多くの市民がなくなった」「この不幸な歴史は忘れてはいけない」と述べたことが記憶に残りました。
再び戦争をする国にしてはならないとの意を強める旅となりました。


(兵庫民報2018年1月14日付)

「母―小林多喜二の母の物語」上映に寄せて

三浦綾子さんが伝えたかった平和への思い

神戸三浦綾子読書会 池田真一

多喜二の遺体に呼びかける母セキ(©現代ぷろだくしょん)

昨年二月から、「母―小林多喜二の母の物語」という映画が全国の各地で上映されています。『蟹工船』で有名な、作家・小林多喜二の母・セキさんの、おおらかな人柄とともに、捕らえられて殺された息子・多喜二の辛苦の生涯を描いた作品です。
この映画は、作家・三浦綾子さん(一九二二~一九九九)による『母』という小説が原作で、三浦さんの代表作の一つでもあります。

『氷点』発表当時の三浦綾子さん

三浦さんは一九六四年(昭和三十九)、朝日新聞の一千万円懸賞小説入選作『氷点』で作家デビューし、八十冊あまりの著作を出されました。その作風は、キリスト教徒としての観点から、社会的弱者に温かい眼差しを向けつつ、「人間が人間として、人間らしく生きることの素晴らしさ、またその逆の意味での難しさ」を根本的な主題としたものですが、その中でも特に、ご自身が戦時中、小学校の教師として軍国教育をしてきたことの経験から、「苦難」の問題、「戦争と平和」の問題について、『銃口』を始めとした様々な作品を発表してきました。
また三浦さんは作家生活の中で、様々な大病を患いました。『母』という作品は、その大変な中で執筆され、一九九二年に角川書店から出版されました。夫・光世氏の長年の祈りと強い勧めにより、作者はこの作品を書こうと決心しました。最初は、共産主義の思想や知識に疎かったこともあって、なかなか執筆を始めるきっかけがつかめませんでした。しかし、多喜二が生まれ育った家庭の明るさ、そして、多喜二を生み育てた母セキさんの温かい人柄に感動し、その一方で、息子・多喜二が、治安維持法によって捕らえられて拷問を受け、不当にも殺されたことへの、母の深い悲しみとやるせなさに深く心を痛め、時には涙を流しながら描き上げました。
池田真一さん
この小説『母』は、これまで、演劇や朗読などによって広く伝えられてきました。さらに今回、映画という媒体によって、この物語が紹介されたことを大変うれしく思っています。原作に忠実に描かれて、母・セキさんの大きな愛情が伝わる素晴らしい映画です。ぜひ皆様もご鑑賞くださいますとともに、周りの方々にもお勧め頂ければ幸いです。
この作品が、これからの時代を生きる私たちにとっての道標となり、広く用いられますことを期待致します。

映画「母―小林多喜二の母の物語」



  • 1月13日(土)14時、明石市民文化会館中ホール
  • 1月14日(日)①10時20分②14時30分、姫路市文化センター小ホール
  • 2月25日(日)14時30分、東灘区民センター大ホール
原作:三浦綾子『母』(角川書店)、監督:山田火砂子、出演:寺島しのぶほか/上映前に山田監督の舞台挨拶を予定/前売1,200円(当日1,500円)/前売券申し込み・問い合わせ:現代ぷろだくしょん☎03‐5332‐3991、神戸三浦綾子読書会☎090‐3670‐3583、日本共産党兵庫県委員会☎078‐577‐6255

(兵庫民報2018年1月14日付)

観感楽学

私がソフト会社に入社したころ「日本はソフトウェア後進国」と言われ、一歩先を進んでいるのが米国だと聞かされていました。米国のIT技術の全てが一番だとは言いませんが、今でも多くの面でリードしているのは間違いないと思います▼世界のパソコンに入っている基本ソフト(OS)の七〇%以上がWindowsで、それを産み出したのが米国のマイクロソフト社というIT企業です▼一方、今から三十年以上前にTRONという基本ソフト(OS)を日本の技術者がつくり出していました。性能は十年ほど後に発表され爆発的に売れたWindows 95より高かったと評価されています▼しかし、TRONに「待った!」をかけた国がありました。それは米国です。自動車や家電で大きな貿易赤字を抱えていた米国は、日本に対して輸入措置や制裁をちらつかせ、TRONを使うなと迫ったそうです。色々な計画が進んでいましたが、制裁を恐れた企業は次々と撤退、日本政府も沈黙してしまいます▼昔から日本は米国追随。当時の技術者はどれほど悔しい思いをしたのでしょうか。真の平等と友好関係を早く築けるようにして欲しいと思います。(ふ)

(兵庫民報2018年1月14日付)