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2018年1月1日月曜日

新春鼎談:新しい境地ひらいた「市民と野党の共闘」

市民として肩ひじはらず「不断の努力」を


堀内照文さん:前衆院議(写真右)
阪本直さん:安保法制に反対するママと有志の会@尼崎(写真中央)
阪本賢士さん:ミナセン尼崎・ステップ放送局局長(写真左)


前衆議院議員の堀内照文さんが、「安保法制に反対するママと有志の会@尼崎」の阪本直さん(41)、「ミナセン尼崎」の阪本賢士さん(38)夫妻の自宅におじゃましました。昨年十月の総選挙、兵庫八区での「市民と野党の共闘」も振り返りながら、三人で語り合いました。

統一候補ステッカ―


ビラ、ハロウィンパレード、街頭演説トーク――〝やわらか頭〟

堀内 明けましておめでとうございます。
賢士・直 おめでとうございます。
堀内 昨年の総選挙では、ご支援ありがとうございました。「市民と野党の共闘」の共同の候補者として、社民党、新社会党、みどりの党から推薦、支援をいただき、多くの市民団体の皆さんからも応援をいただきました。議席には届きませんでしたが、新しい境地が広がりました。阪本さんには、ビラもつくっていただきました。



賢士 共産党さんが長年つちかわれた経験にプラスアルファで何ができるか、ちょっと違う角度で人に響きあうビラをつくらないといけないというプレッシャーがあり、子どもが寝静まって、夜中の二時ぐらいまで直ちゃんと打ち合わせして、これ以上、言ったら怒られるかなと、日ごろの夫婦仲を〝消費〟しながらつくりました。
堀内 公示までに配布するため、期日も迫るなかでつくっていただきました。
直 写真もゼロから撮影でしたね。堀内さんを分かってほしい、どうすれば、チラシをぱっと見て、一歩踏み込んで読んでもらえるかなと。どこまで間口が広がったか分かりませんが。
堀内 私たちの支持層でない人たちも「配ったよ」と声をかけてくださいました。いまの政治に疑問を持つ人、その思いに寄り添って、見出しも工夫していただきました。ハロウィンパレードやトーク形式の街頭演説も企画していただきました。
賢士 僕も安保法制反対でマイクパフォーマンスをしたことがあるんですが、一人でしゃべるのはたいへんだし、通り過ぎる人に聞きやすくするには、どうすればいいかと悩みました。それでトーク形式にして、曲も流したらと思いついたんです。それが僕らのいまのネット放送(ステップ放送局)にもつながっています。参院選の教訓も生かせたのかなと思います。
直 「日本共産党」という文字だけ見ると固くみえるんですが、尼崎の党員の人は、頭がやわらかく、「こんなんどうでしょうか」と提案すると「やってみましょう」と。ハロウィンパレードもチラシもそう。断られるかなあと思いましたが、ぜんぜん違って、採用していただきました。

ハロウィンパレード


〝毎週がんばっている人がいる〟―長い視野で地道に運動

堀内 政治や選挙にかかわるきっかけは、安保法制ですか。

直さん

直 「戦争はいややなあ」とか平和のためのピースアクションのようなことはやっていたんです。デモとか署名とか、人の声を聞くのが当たり前なのに、「当たり前ではないんやなあ」と気づかされたのが安保法制のとき。法律は議席の数でつくられてしまう、議席が必要なんやと思いました。
堀内 私も国会議員として最初の年があのときでした。デモも署名も確実に政府・与党をおいつめていました。彼らのスケジュールだと、もっと早々と通っていたはずなのに、会期延長、それもぎりぎりで。世論と運動が相当おいつめました。国会周辺をとりまく人たちの顔ぶれも、労働組合などに組織された人たちだけではなく、ママの会やシールズの人たちもそうですが、一人ひとりがSNSなどで集まって、主権者として声をあげたことは、画期的なことだったと思います。
賢士 シールズもデモだけではなく、斬新なネット放送もやっていて、すごいなあと思いました。私たちも「毎週がんばっている人がいる」というのが大切と思って、ネット放送をしています。それが、いざがんばらなあかんときのフットワークにもなるかなと。
直 「明日の自由を守る若手弁護士の会」の「憲法カフェ」で、憲法には、自由や権利を守るため国民が「不断の努力」をしなければいけない、権力者を監視していくのは国民だとされていて、一過性ではなく、ずっとつづけていかなければならないと学びました。だから日々流されずに考えていかなければと思っています。
堀内 大切なことだと思います。長い視野で日本の政治や社会を見据えた運動が必要なのだと思います。継続して、日常的に。その安保法制反対のたたかいのなかで「野党は共闘」という声があがっていきました。

賢士さん

賢士 議員個人に訴えていくことも大事なんでしょうけど、選挙というか、日常的な意志というか、そこまでまきこんでいく必要がある、と最近感じます。
堀内 昨年の総選挙では、希望の党が生まれて民進党が合流するという逆流が起きました。希望の党は、安保法制や安倍さんの九条改憲を容認する立場でした。希望の党は野党ではない、共闘の分断はゆるさないと私たちもすぐに態度表明しましたが、市民のみなさんも全国各地で「希望の党に行くな」と民進党議員に直談判したそうです。踏みとどまる人も各地で生まれました。そして立憲民主党ができて野党第一党になった。与党ペースで国会運営をさせない、確かな歯止めになった。
賢士 市民もそうですけど、共産党さんの選挙協力の姿勢が大きかったですね。なかなかできないですよね。
堀内 野党共闘の分断を押し返す歴史的な役割を果たしたと考えていますが、共産党の議席後退は、残念な結果ですから、こんどは、野党共闘とともに共産党の前進を両立させるためにがんばっているところです。
賢士 野党共闘勢力がのびてよかったという姿勢を、共産党さんがすぐにだしたのは、大きかったですね。いっしょに選挙をたたかえてよかったと思います。

堀内さん

堀内 共産党の小選挙区候補の得票率でいえば、兵庫八区は、沖縄一区の赤嶺政賢さん、東京十二区の池内さおりさんに続いて三番目です。小選挙区でも議席を増やしたいと思いますが、共産党の場合、比例代表が議席をのばす大きな比重を占めるので、比例代表の選挙の特徴などもお伝えして「比例で伸ばしてほしい」と訴えていきたいと考えています。

〝硬派〟でブレずにポジティブ―高倉健みたい

賢士 いっしょに活動するのにジレンマというか共産党アレルギーをもつ人へのアプローチを自分なりに考えてやってきました。「共産党が勝ったら中国みたいになる」とか信じている人もいたり。そこをどう乗り越えていくか。難しいのかなあとも思いますが、名前を変えてみるとかはどうでしょう。

街頭でのトーク形式の対話集会

堀内 党名には、命がけで反戦、平和をつらぬいた戦前の歴史もこめられています。同時に、中国の話もありましたが、〝中国のような社会をめざしているんじゃないんですよ〟とアピールしていかなければと思っています。
私たちは、資本主義を乗り越える未来社会の展望をもっているから〝共産党〟と名のっています。もうけ優先、利益第一で経済が動いていくシステム、そのゆがみが環境破壊や貧富の格差を広げています。それらは人間の力で解決できる。新しい社会は可能という将来の展望をもっています。
たとえばいまの日本の生産力をもってすれば、ワークシェアリングして、週休三日や四日でも生産活動がまかなえると思います。みんなの自由な時間がもっと生まれはずです。それが一部の人が過労死するまで働かされる、一方で仕事にあぶれる人がいる、というアンバランスになっている。もうけ第一だから避けられない。
そこを乗り越えることができれば、働く時間が短くなり、人間の自由な活動時間が多くなる。共産主義になれば、人間の自由がなくなるどころか、自由な時間が大きく広がる。ポジティブなことだよと分かりやすくアピールしていきたいと思います。
直 興味がなかったりするとメディアのイメージ操作のようなものもあって、中国みたいになる、北朝鮮みたいになると思ってしまいます。一歩ふみこんで分かっていくと、日本共産党のいう共産主義はほんとうは社会保障の部分をすごくフォローしてくれているんやなと。
堀内 賢士さんは総選挙後のフェイスブックで日本共産党を「高倉健みたいな政党」と書いてくれました。
賢士 もしかしたら、名前を変えたほうが効率がいいかもしれませんが、上手にやるよりも誠実にしていたらいつかは理解してくれると思って進むところが高倉健さんのように感じました。
不器用な部分かもしれませんが、そこが良いところと感じたら印象も変わると思いますし、日本人が好きなスタイルだとは思うんですけどね。
堀内 ありがとうございます。「市民と野党の共闘」の前進、安倍改憲をゆるさないたたかいに力をあわせてとりくみたいと思います。ことしもよろしくお願いします。
直 これからも市民のなかにどんどん飛び込んでいただきたいと思います。(完)


(兵庫民報2018年1月7日付)

近畿ブロック国会議員・前議員からのご挨拶

参議院議員 市田忠義
昨年は、演説会、「集い」などで人口二~三千人の過疎の町など三十四都道府県・四十八自治体に足を運び、多くのみなさんと語り合い、交流を深めました。
今年も、これまで一度も伺ったことのない地方を訪ね、みなさんと希望と未来を語り合い、結びつきを強め、剛毅強靭な党づくりに力を注ぎたいと思います。今年もよろしくお願いいたします。

参議院議員 山下よしき
憲法九条は、戦後の日本社会の姿かたちを決める根幹となりました。自衛隊の海外派兵の最大の歯止めになり、軍事費を抑えることで民生分野中心の経済成長を促し、科学と文化が人類の福祉増進に貢献できる基礎となったのが九条です。
日本社会の姿かたちを大きく変える安倍九条改憲は許さない――この一点で力あわせる年に。

参議院議員 大門みきし
市民と野党の共闘を発展させるしか、自民党政治を倒す方法はありません。今年は地域の皆さんと力を合わせ、地に足ついた共闘を広げていきます。
私は国会で経済論戦の第一人者と言われてきました。最近自分でもつくづくそう思います。くらしと経済立て直しのために奮闘する決意です。明るく元気にがんばってまいりましょう。

衆議院議員 こくた恵二
:国民運動の発展の年に
:暮らしと平和を守る
:闘いは草の根兵庫から
:憲法署名推進、憲法
:生かす政治の実現を
:市民と野党の共闘で
「安倍九条改憲NO!」三千万署名の国民的運動を成功させる年に、捲土重来を期し、日本共産党の自力をつける年にしましょう。多くの方々と交流・つながり、「市民と野党の共闘」を発展させましょう。

衆議院議員 宮本たけし
昨年は総選挙でのご支援、まことにありがとうございました。
私はこの間、安倍首相による行政私物化の典型である森友問題・加計問題追及の先頭に立ってきました。安倍内閣は、追い詰められつつも、説明責任を果たそうとはしていません。
今年こそ、市民と野党の共闘で、安倍暴走政権を打倒し、新しい政治をひらきましょう。

前衆議院議員 清水ただし
縁起の良い初夢を見ました。野党連合政府が誕生するという夢です。
―憲法破壊を企て国民を苦しめてきた安倍政権がついに倒れました。沖縄の米軍新基地建設は中止され、原発はついにゼロに。庶民増税なしに福祉が充実。働くルールも確立し、国民は自由な時間と豊かな生活を手に入れました。
正夢にするために今年も頑張ります。

前衆議院議員 堀内照文
あけましておめでとうございます。
昨年の総選挙は市民と野党の共闘こそ未来ある道であることの一端を示しました。この流れをさらに大きくし、改憲策動をはじめ安倍政権の政治の根本的転換をはかるべく、力をつける年に――そのためにも何よりも日本共産党の値打ち、魅力、力をさらに大きくするために全力をあげる決意です。

(兵庫民報2018年1月7日付)

ひなたぽっころりん〈611〉


(兵庫民報2018年1月7日付)

観感楽学

私は春になるとなぜか奈良を散策したくなる。のどかな野山や寺院はいつも心を和ませてくれる。大津の皇子が葬られた地とされる二上山や當麻寺辺りは、妻と二人小さなリュックを背負って何度も足を運んだ。昨今、さすがに山には登れなくなってしまったが、大好きなスポットである▼當麻寺に向かう参道の途中に葛城市相撲館が建っている。野見宿禰とともに相撲の開祖とされる當麻蹴速を記念するものだが、立派な土俵があり、歴代力士が何人も訪れ蹴速をしのんでいる▼二人が闘ったのは奈良時代。天皇の命を受けた野見宿禰と、この地方の豪傑當麻蹴速が闘ったのが相撲の始まりとされているが、命をかけた決闘だったと伝承されている。近代、相撲は日本の国技として古来の伝統を引き継ぎながらスポーツとなり、女性フアンも増えている▼昨年、相撲界で起こった暴力事件は、一気に千五百年前の野蛮な時代に引き戻してしまった。この事件を契機に国粋主義的な思想が広がり、外国人力士への差別や排斥など憂慮すべき動きもみられる。一日も早く解決してほしい▼ところで、當麻寺参道の茶店には、桜のころ期間限定の「よもぎ餅」が並ぶ、絶品である。(D)


(兵庫民報2018年1月7日付)