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2018年12月30日日曜日

山下よしき「被災者支援制度を 前進させてきた力は」

連載エッセイ新春号外

私の国会議員としての原点は、阪神・淡路大震災の被災者支援です。
震災直後の参院選で初当選した私は、国会で村山首相、橋本首相らに、被災者の生活再建に対する個人補償を求めましたが、「私有財産制の国では、個人の財産は自己責任が原則」と冷たい答弁しか返ってきませんでした。
そこで、志位書記局長、穀田衆院議員とともに、神戸市役所で当時の笹山市長と面会。被災者に対する個人補償を国に求めてほしいと要請しました。
しかし、市長は即座に「国は個人財産の補償はしない」と拒否。別の機会に貝原知事に要請した際も答えは同じでした。被災地の首長の姿勢がこれでは被災者は救われないと痛切に感じたことを覚えています。
結果、道路や港、空港はどんどん復興するのに、被災者個人の生活再建はいつまでたっても置いてきぼりとなったのです。私たちは、被災者の住宅再建に対する公的支援をめざして奮闘を続けます。
そのときです。阪神・淡路大震災の五年後に発生した鳥取県西部地震で、当時の片山知事がとった対応は驚きでした。県単独で全壊世帯に三百万円支給することを決定したのです。
超党派議員で片山知事を国会へ招き、話を聞きました。知事は、被災現場に立ち、中山間地の高齢者は自力では住宅再建できない、道路や橋だけ復旧しても意味がないと感じ、決断したと語りました。私が、政府から個人財産は自己責任が原則だと言われなかったか聞くと、「言われたが、憲法のどこに書いてあるのか反問すると誰も答えられなかった」とのことでした。
鳥取県の決断は、全国各地の被災者の運動を励まし、大きな世論となって、被災者生活再建支援法の抜本改正が実現します。
被災者・住民のねばり強い運動と、自治体の努力が、国の制度を前進させる――これが阪神・淡路大震災以来の教訓です。
地方と国の選挙が連続する今年、相次ぐ災害で明らかとなった課題を前進させ、日本の政治を根本から変えるチャンスです。(党副委員長・日本共産党参院議員)

(兵庫民報2019年1月6日付)

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