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2018年11月4日日曜日

観感楽学

今年、九月半ば、大阪の七人の高校生たちが、先生に引率されて神戸にやってきた。聞けば、学校の「文化祭」で、神戸空襲をえがいた『少年H』の足跡を現地探訪して報告するとのこと▼生徒を引率してきた先生は、この探訪を企画するのは三度目で、以前にもTさんと私が長田区内や東灘区など空襲の被災跡を案内して回った。今回は、彼らをまず兵庫区の妙法華院に招き、所蔵している神戸空襲の遺品や実物の焼夷弾、鉄兜、鉄砲などを展示室で手に取ってもらった。生徒たちは、鉄砲(三八銃)を担いで「自分の身長よりも大きい」などとにぎやかだった▼そのあと写真などを見せながら、防空壕に避難し爆撃を受け逃げ回ったことや十九歳の叔母が直撃を受け亡くなったことなどを語ると、生徒たちは目を見張り、「本当に戦争は恐ろしい」と感想を述べてくれた▼それから一カ月あまり。「文化祭」で報告した文集『神戸フィールドワーク』が送られてきた。「戦争は未来や日常を奪い去っていった。戦争は何の価値があるのか」「焼夷弾、あんなものが降ってきたらひとたまりもない。改めて爆弾は人を殺すために作られたものと実感した」「体験談を聞いて本当に残酷で言葉が出なかった。オジサンたちが生きていてくれてよかった」「戦争を体験した人の恐怖などを理解してもらえるように広めたい」と。若者たちの平和の願いを未来につなぐためにも語り続けたい。(D)

(兵庫民報2018年11月4日付)

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