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2018年10月7日日曜日

観感楽学

各国の首脳が一堂に会する国連総会での演説に世界が注目している。アメリカのトランプ大統領は、自身のアメリカ第一主義の政治姿勢を「世界のだれよりもよくやっている」と自賛して会場から失笑を買い、「まあいいさ」と自嘲。フランスのマクロン大統領は、アメリカの保護貿易政策を痛烈に批判して満場の喝さいを浴びた▼この総会では、貿易問題と共に米朝関係や米国とイランの関係など核・平和問題に関心が寄せられたが、この中で、マレーシアのマハティール首相と韓国の文在寅大統領の発言は主体性を貫く素晴らしい演説で感動した▼マハティール首相は「マレーシアが何の問題がなくてもイランと貿易できない」と米国を批判。「自国の憲法改正にあたって、日本の憲法九条を取り入れ、侵略戦争を認めない日本の憲法にならうことを検討している」と表明した▼文大統領は、「北朝鮮は長年の孤立から抜け出し再び世界の前に立った。北朝鮮の新しい選択と努力に応え、金委員長の決断が正しい判断だったと確信できるようにしてあげるのが国連の役割だ」と述べて非核化と朝鮮戦争終結への熱意を示した▼一方、安倍首相は、「対話による問題解決は無に帰した。必要なのは対話ではなく圧力だ」と叫んだ昨年の発言から一転して「金委員長と対話する用意がある」と述べたものの、対米従属の姿勢は変わらず、ガラガラの総会議場の空席が演説の空疎さを象徴していた。(D)

(兵庫民報2018年10月7日付)

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