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2018年10月7日日曜日

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:2018-09-27

「被爆の実相」に立った最終弁論

副島圀義

九月二十七日の大阪地裁第七民事部。諸富健弁護士と濱本由弁護士が、苑田朔爾さんとKさんについての最終弁論を展開しました。
法廷にはスクリーンが用意され、原爆投下後の広島、長崎の惨状を伝える写真や絵、あるいは広島・長崎とネバダ核実験場の「きのこ雲」を対比した図表等々を映しながらの意見陳述です。
この間、弁護団が一貫して努力してきたのは「裁判所に、被爆の実相をしっかり知ってもらうこと」でした。幾度も退けられた後、最終弁論での映写には、弁護団の熱意が込められていました。
濱本弁護士は「国は『広島・長崎市内への放射性降下物は極めて少なかった』と主張するが、広島、長崎のきのこ雲とネバダ砂漠でのそれとは、大きさや厚み、構造がまったく異なる。海や川があり湿度の高い夏の日本の都市と、人の住まない砂漠地帯での放射性降下物の態様を同列に論じてはならない」ときびしく批判しました。
また、いままでの法廷でも繰り返し明らかにしてきた「内部被ばくの機序」を重ねて解明。内部被ばくの影響を認めようとしない国の誤りを断じました。
このように、原告代理人の弁護団が映像と肉声で意見陳述しているにも関わらず、この日も国側代理人は口を閉ざしたまま。「傍聴者がいる公開の場ではモノも言えないのか?そんなに後ろめたいのか?」と言いたくなります。

この日で弁論終結となったお二人についての判決は、来年二月二十八日と決まりました。奇しくも「ビキニデー」の前日です。

次回、次々回の十月十七日も、三十一日も、原告本人や医師の証言が行われます。
とかく、双方の書面や証拠の確認だけが法廷の前の方でやりとりされ、せっかく傍聴に行っても、あとの報告集会で説明を聞くまでは何のための公開法廷か分からないようなことが少なくない。そんな裁判のあり方でいいのかと常々思いますが、このあとの期日では傍聴席を埋め尽くして、被爆者や医師の証言をしっかり聞きたいと思います。
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この「傍聴記」を読み、裁判所に足を運んでくださった方がありました。ありがとうございます。

(兵庫民報2018年10月7日付)

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