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2018年9月23日日曜日

「オール沖縄」支援・連帯兵庫で3百人が集会・パレード


沖縄知事選告示の九月十三日、「オール沖縄」支援・連帯兵庫県民の会が神戸・東遊園地噴水広場で集会を開き、小雨のなか三百人が参加しました。
主催者を代表して成山太志兵庫労連議長が開会挨拶をし、「基地問題は私たち全国民が問われている」と強調し、玉城デニー候補への支援と支持を広げて欲しいと訴えました。
安保破棄兵庫県実行委員会の後藤浩事務局長、兵庫民医連の作間敏則氏、兵商連の畑田貴昭氏が沖縄での活動を報告。日本共産党の、ねりき恵子県議団長が連帯してたたかう決意を表明しました。


集会は「沖縄と日本の命運にかかわる沖縄知事選に必ず勝利しよう! 翁長知事の遺志に応え、玉城デニー必勝へ、支援に全力をあげよう!」とのアピールを採択し、①地域、職場、各団体で沖縄知事選について話し合い、連帯集会、宣伝活動などを行う②沖縄での支援活動のために人の派遣に全力をあげる③支援カンパを多くの人に訴える、沖縄の知人・友人へ支援を訴える―ことを呼びかけました。
集会後は三宮センター街を元町駅前までパレードをして市民に訴えました。

(兵庫民報2018年9月23日付)

支援・連帯兵庫県民集会での後藤浩氏の報告(要旨)

〝まけてはいけません、がんばりましょう〟――翁長さんの遺志にこたえよう



私は八月三十一日〜九月二日、九月六日~十一日の合わせて八日間、沖縄県知事選挙勝利を目指してビラまき、街頭宣伝、ポスター張りなどの活動を主として那覇市で行ってきました。
*
八月三十一日は、沖縄県が辺野古埋め立て承認撤回を発表した日です。私たちが那覇空港に集合したときにはちょうど県庁で記者会見を行っていた時でした。
早速、統一連ののぼりを持って街頭宣伝に出て訴えてきました。
玉城デニーさんの選挙母体は、「オール沖縄」で構成する「平和・誇りある豊かさを!ひやみかちうまんちゅの会」。三十一日の午後六時半からが玉城デニー事務所開きでした。新都心の古島にある教育福祉会館に参加者が次々と押し寄せて、当初のテーブルを囲む形式では人々を収容できなくなり、急ぎテーブルを外に運び出し、呉屋守将ひやみかちうまんちゅの会会長をはじめ十三人が訴える熱気ある集会になりました。
*
翌日九月一日は第一土曜日。「オール沖縄」の集中日。沖縄県の埋め立て承認撤回を受け、八百人の参加者がデニーさんを囲みキャンプ・シュワブゲート前で座り込み行動を行いました。
辺野古埋め立て承認撤回通知は、概要として発表されているものでも新聞全紙二ページ二万字を超える緻密な論理だてになっています。
翁長さんが最後に公式の場にたったのは埋め立て承認撤回を表明した七月二十七日。「前日二十六日帰宅時には玄関から寝室までの移動に二十分もかかる健康状態であり、三十分の会見を済ませて帰宅した夫を迎えて『神様ありがとう』と心の中で叫んだ」と琉球新報のインタビューに樹子夫人が述べています。
(二面に続く)
また、承認撤回通知記者会見で謝花喜一郎副知事は、「八月八日に逝去された翁長知事は二〇一四年十二月の就任から辺野古新基地阻止を県政運営の柱にし、県民のために自らをなげうち、まさに命を削り、その実現のために取り組んできた。今回の承認取り消しは、辺野古に新基地は造らせないという翁長知事の強く、熱い思いをしっかりと受け止めたうえで埋め立て承認の取り消し処分の権限を有するものとして、公有水面埋め立法に基づき適性に判断した」と冒頭発言で述べています。
命を削って県民への公約を守りとおした翁長雄志知事の思いが伝わってきます。
*
この翁長さんの思いをまっすぐ引き継いでいるのが玉城デニーさんです。
翁長知事の遺志を引き継いでいく固い決意を堅持して、オスプレイ配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、辺野古新基地断念の建白書の実現を訴えています。
また、全国初の子どもの貧困についての調査を実施し「県子ども貧困対策計画」策定と三十億円の創設など未来を担う若者対策、観光客数が一千万人間近となった観光業をはじめとする経済振興策を進めた翁長県政の発展継承を「平和で、誇りあるゆたかな沖縄」にまとめた経済政策を堂々と掲げています。
アメリカ系ウチナーンチューであるデニーさんは市議から国会議員へと転身後もブレずに信念を貫いています。「玉城デニーさんは戦後沖縄の歴史を背負った政治家」と翁長知事が推薦したゆえんです。私も「この人こその思い」を強くしました。
*
相手陣営は、①徹底した争点隠し、「辺野古」を口にしない②官邸主導の自公維の枠組みでたたかう③徹底した期日前投票―など告示日から〝ためされ済みの戦術〟で臨んできています。
前回選挙での十万票差は公明の自主投票と維新が候補者を立て六万票をとっていた中での差であり今回の枠組みでは、むしろ逆転されている可能性があります。
翁長さんは、事あるごとに私たちに呼びかけました。「グスーヨーマキテーナイビラーンドーチバラナヤーサイ!(みなさん、まけてはいけません、がんばりましょう)」。超短期決戦となった選挙で勝利するためには、県民の良心に訴え、国家権力総動員の安倍政権を上回る取り組みができるかどうかにかかっています。
安倍自公政権の終わりの始まりを沖縄知事選挙の勝利によって進めましょう。

(兵庫民報2018年9月23日付)

オール沖縄と心一つにオール灘区の会が集会


沖縄県知事選挙で翁長知事の遺志を継いで辺野古新基地建設を撤回させる知事を誕生させ、沖縄に民主主義を取り戻すために、「オール沖縄」と心一つにたたかおうと九月十七日、オール灘区の会主催、灘区日本共産党後援会共催の「翁長知事追悼、沖縄県知事選挙勝利」の集会が同区内で開かれ、六十五人が参加しました。
冒頭、故翁長知事に哀悼の意を表し、黙禱を捧げました。
沖縄県知事選挙の支援から戻ったばかりの安保破棄兵庫県実行委員会事務局長の後藤浩さんから現地の状況を聞き、ドキュメンタリー『米軍が最も恐れた男~あなたはカメジローを知っていますか?~』を見ました。
その後、会場から、沖縄出身で実際に亀次郎氏と交流があった方から沖縄の基地が銃剣とブルドーザーで住民から土地を奪い、基地を造ったという生々しい話が語られました。沖縄にいる友人、知人に支持を広めている経験も交流した後、田付宜雄後援会会長から行動提起があり、「がんばろう」で決意を固めました。
灘区内から参加した女性は「瀬長さんの事は知らなかった。映画を見て頼もしく思った。ごく当たり前のことが当たり前に通らない、もう民主主義ではない。翁長さんが亡くなった事は残念。沖縄に基地はいらない民意を示したい」と感想を寄せています。すでに沖縄県知事選挙の支援に行ってきた人も「改めて負けられないと思った」と話していました。
―近藤秀子(オール灘区の会)

(兵庫民報2018年9月23日付)

日本共産党西播地区委員会が演説会

憲法いかし、国民の命・くらし・財産守り抜く新しい政治を


日本共産党西播地区委員会は九月十五日、姫路市民会館大ホールで山下よしき党副委員長・参院議員を招いて演説会を開きました。
来春の統一地方選挙をたたかう入江次郎県議、谷川まゆみ、森ゆき子、苦瓜かずしげ姫路市議、村原もりやす予定候補、岩崎修相生市議、平田たかよし太子町議が紹介され、入江次郎県議が代表して決意を表明しました。
金田峰生参院兵庫選挙区予定候補は――憲法どおりの「命と尊厳を大切にする」社会をみなさんと力を合わせてつくりたい。日本共産党は憲法を生かし国民の命・くらし・財産をしっかりと守り抜く新しい政府をつくります――と訴えました。
党副委員長山下よしき参議院議員は――急逝された翁長知事の「沖縄に新たな基地はつくらせない」の遺志を受け継ぎ玉城デニー氏が立候補し、たたかわれている。この知事選挙は沖縄だけのたたかいではない。辺野古につくられようとしている米軍基地は、アジアや中東地域に先制攻撃や侵略をするための海兵隊基地で、日本を守るための基地ではない。この沖縄県知事選挙に勝利し、辺野古新基地にストップをかけよう――と支援を呼びかけました。
また、山下氏は、この間安倍政権がやって来たことは、自分のうそと疑惑にはフタをして「働かせ方改悪」など、数の力での強行だったと批判しました。
安倍政権を倒した後、日本共産党がどんな政治を目指すのかについては、「誰もが八時間働いたら普通に暮らせる社会」「正社員があたりまえの社会」をつくり、南北首脳会談、米朝首脳会談での平和的合意を歓迎し、激動する世界とアジアのなかで憲法九条を生かした平和外交を行うことなどを述べました。
さらに山下氏は、「日本共産党の党名には、戦前に『この戦争は間違っている』『侵略戦争反対』と旗を掲げ数々の迫害に耐えてたたかい、反戦平和を貫いてきた不屈の歴史が刻まれているので、どんなことがあってもブレずにがんばれるのが共産党です」と強調しました。
「野党共闘を成功させて安倍政権を倒し新しい政治をつくる。そのためには、野党共闘に最も真剣な日本共産党が伸びなくてはならない。共産党を大きくしてください。力をつけてください」と訴え、「そのために共産党に入ってください。いいところですよ」と入党を訴え、惜しみない拍手で包まれました。
―稲村知(党西播地区)

(兵庫民報2018年9月23日付)

高砂市議大西ゆき:がんばります!日本共産党の新人議員

市民の声しっかり市政へ


高砂市会議員選挙に初当選しました大西ゆきです。
大塚好子さんからのバトンタッチで日本共産党の議席を守りました。
義父母の介護を経験し、パートで働きながら、「新婦人」「九条の会たかさご」の活動、中学校給食実現の運動や高砂の空気の調査を行う活動をできる範囲で行う、という日々を過ごしていました。立候補への要請があり自分に何ができるのか何度も自問自答しました。
勇気を振り絞って決意してからは、支持者から「会った人と、握手した人からしか票はもらえないよ」の助言と、六月に行われた加古川市議選の演説会で、大門みきし参院議員が言われた「選挙は明るく楽しくした者が勝利する」という言葉を胸に刻み、支持者や地域を訪問しました。
私は一九六六年に生まれ、母が仲間とともに取り組んだ「ポストの数ほど保育所を」の運動で作られた保育所で育ちました。子どもの頃、ベトナム戦争の枯葉剤の影響を受けた「ベトちゃんドクちゃん」の話をよく聞かされ「戦争は絶対にしてはならない」という思いがありました。
就職して三年後に入党し、勤労者通信大学に通いました。この時の学びは今も私を支えています。
結婚を機に退職し、六年後の二〇〇二年にパートで再就職した時、同じ職場に、雇用形態の違う労働者がおり、労働環境が悪化していると感じました。また、戦争法や秘密保護法の法案が通り、これは政権を変えないといけない、と真剣に感じました。
九月十八日から議会が始まります。国や県の言いなりではなく市民の声をしっかり市政に反映させるように努力したいと思います。

(兵庫民報2018年9月23日付)

神戸製鋼所石炭火力発電所増設建設・稼働差し止め求め提訴

子どもたちにつなぐ未来を今つくるために

訴状提出に神戸地裁へ向かう原告団・弁護団・サポーター

神戸製鋼所が神戸市灘区灘浜に二基・合計百三十万キロワットの石炭火力発電所を増設する計画に対し、近隣住民が、建設・稼働などの差し止めを求め、九月十四日、神戸地裁に提訴しました。
原告は神戸市灘区、東灘区、中央区、北区、芦屋市、西宮市に居住する三十一世帯、三歳~八十六歳の四十人。
神戸製鋼所とコベルコパワー神戸第二には新発電所の建設・稼働の差し止めを求め、関西電力には新発電所に対する発電指示の差し止めを求めています。
その理由として、石炭火力発電所の建設・稼働により、①NOx、PM2.5など大気汚染物質が長期・継続的に排出され、「健康平穏生活権」が侵害されることをあげるとともに、②大量のCO2を三十年以上排出することで気候変動に関与し、「安定気候享受権」が侵害され、それは長期・広範囲にわたる被害となると主張しています。
さらに、▽日本の温暖化対策目標とも整合していない、▽住宅地の至近でありかつ、大気汚染物質の規制地域・基準未達成地域にあえて大量排出源をつくる計画である、▽電力需要の面からみても必要性(公益性)がない、▽環境負荷の小さな他の代替案(天然ガス火力)について検討もせず、CO2回収貯留装置も備えていない―ことも主張しています。
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この発電所増設計画については今年三月から公害調停が行われてきましたが、神戸製鋼所が八月末に工事計画を経産省に届け出たことで、住民側が調停を取り下げ、裁判に訴えることになったものです。なお、既設の石炭火力発電所(合計百四十万キロワット)の公害対策については引き続き調停を続けています。
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神戸での記者会見

東京での記者会見
訴状提出後、原告と弁護団は兵庫県弁護士会館と東京の環境省記者クラブで記者会見し、「子どもたちにつなぐ未来を今つくるため」との意気込みを示しました。裁判を支えるサポーターも広く募集しています。

(兵庫民報2018年9月23日付)

地震・台風被災者救援募金:救援・復興兵庫県民会議


阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議は十二日昼、神戸・元町商店街東口で北海道地震と台風21号の救援募金を訴えました。
これには、各団体から二十五人が募金箱などをもって参加。四十五分間で四万九千百五十五円が寄せられました。


県民会議の岩田伸彦事務局長らが「阪神・淡路大震災の被災地から、北海道地震、台風二十一号の被災者支援の声を広げましょう。募金にご協力ください」などと呼びかけると、「少しでもお役にたてば」と買い物客や昼休みの会社員らが次々と募金に応じました。

(兵庫民報2018年9月23日付)

地震・台風被災者救援募金:垂水区で日本共産党


神戸市垂水区では日本共産党が十二日、十五日と連続して垂水駅前などで北海道地震と台風21号の救援募金にとりくみました。戸田あきら県議予定候補、赤田かつのり、今井まさこ両市議らが参加しました(写真右下)。
赤田市議らは、臨時国会を早期に召集し、復旧・復興のための補正予算も含め緊急の対応を行うことを野党で一致して要求していることも紹介。復旧・復興、防災など政治の役割を強調しました。

(兵庫民報2018年9月23日付)

垂水社保協が総会

憲法いかす政治で医療崩壊防ごう


二〇一八年度垂水・社会保障をよくする協議会総会と学習会が九月十六日、垂水勤労市民センターで行われました。
総会では、二〇一七年度の運動の総括と①一七年度に取り組んできた社会保障は国の責任で(二十五条署名)を引き続き取り組むこと②国民健康保険の都道府県化に伴う保険料の引き上げ・保険証の取り上げなどに対して、改善運動をすすめるなどの一八年度の運動方針と会計報告・役員体制が確認されました。
垂水区では基幹病院である掖済会病院の小児科が閉鎖されるという、深刻な事態が起こり、垂水区医師会・小児科医会が署名に取り組み、多くの市民団体や、政党では社保協の構成団体である共産党の他、新社会党も署名に取り組むなど運動は広がりを見せ、三万三百七十六筆の署名が集まりました。
神戸市の小児医療の実状を知り、改めて社会保障を進める運動の契機にしようと兵庫県保険医協会の副理事長で東神戸病院の小児科医師の森岡芳雄先生を講師に招き、学習会が総会の後開かれました。
森岡氏は、保険医協会のアンケート調査から明らかになったように、地域の病床数・小児医療体制に対して、不満を抱いている小児科医が多く、小児科二次救急輪番制すら維持できなくなっており、神戸市では小児科医療が崩壊していること、県が進める病院の統廃合計画で確定分だけで六百五の病床が削減されること―などを報告しました。
こうした現状の大本には自民政権の福祉予算を削りながら、防衛予算を上積みする国民軽視の政治があると指摘。憲法を生かす政治の実現で医療の崩壊を防ごうと結びました。
――戸田晃(垂水社保協事務局)

(兵庫民報2018年9月23日付)

亀石倫子さんが西宮で憲法講演

個人の尊重など憲法の原則を身近に


九月十五日、立憲主義と平和を守る西宮の会は、西宮市立勤労会館ホールで「弁護活動から憲法を考える」と題し、弁護士亀石倫子さんの講演会を行いました。前夜の『報道ステーション』と翌日の『サンデーモーニング』の出演の合間を縫っての講演です。
亀石さんは、これまでに刑事弁護人として関わった事件の中から具体的な事例(GPS裁判・クラブ『NOON』事件など)を通じて憲法について解説。日々の生活では多くの人が自分の問題として考えることが少ない日本国憲法のもっとも基本的な原則、第十三条(個人の尊重)の深い意味を参加者は身近に感じ取ることができました。
自民党は、現第九十七条(基本的人権の本質)を削除し、第十二条・十三条の「公共の福祉」を「公共及び公の秩序」と改変するなど、そもそも近代憲法と言えない憲法草案を二〇一二年に発表しています。亀石さんは、そういう勢力が今、改憲を叫んでいることに強い警鐘を鳴らし講演を締めくくりました。
参加した高校生は「もっと堅苦しい話なのかなと思っていましたが、実例がたくさんあってわかりやすかった。憲法は国家を縛るものであるからこそ、私たちがいちばん理解しならければと思いました」と感想を語っていました。
―上田隆(立憲主義と平和を守る西宮の会)

(兵庫民報2018年9月23日付)

強制連行・強制労働による「中国人犠牲者を慰霊する集い」

加害に背を向ける日本映画を考える

日中友好協会兵庫県連合会は九月四日、大雨警報が出るなかでしたが、神戸市兵庫区の宝地院で二十一回目となる強制連行・強制労働による「中国人犠牲者を慰霊する集い」と学習講演会を開催しました。


慰霊の集いでは、戦争末期、神戸港と相生の播磨造船所(当時)での苛酷な強制労働により亡くなった四十五人を中川正興住職の読経と参加者の焼香で追悼しました。
*
その後、学習講演会を開催、大阪府立大学大学院で抗日映画論の研究を続けている永田喜嗣氏が「戦争映画に観る戦争加害~なぜ日本は加害に背を向けるのか? 戦後ドイツ映画の歩みと比較して」と題し講演しました。


永田氏は、第二次世界大戦後のドイツの戦争映画の変化を作品名をあげて紹介しました。
▽西ドイツでは一九四六年から戦争映画をつくっていたが、ナチへの反対は描くものの、ユダヤ人への加害についての映画はつくられていなかった▽一九六〇年代に国外から入ってくるようになり、アウシュビッツ、ホロコースト問題への関心が国民の中に高まった▽さらに、アイヒマン裁判や、ホロコーストはドイツの一般国民にも責任があるとしたダニエル・ゴールドハーゲン論争を経て、一般市民の中にも、加害責任を負わなければならないという意識が起こり、東西統一後は数多くの加害映画がリメイクされた――と述べ、日本については、
▽戦争被害の映画が中心で、一九九七年横浜で南京大虐殺を描いた『南京1937』が上映された際、右翼がスクリーンを切り裂く事件が起こり、その後映画館では加害の映画が上映されなくなった▽日本ではなぜ戦争加害の映画がつくられないのか、加害の実態を知る日本人は少なくなり、加害抜きの戦争映画は日本人にとっては心地よいからではないか――と語りました。
最後に、ドイツ映画『ベルリン陥落1945』と日本映画『戦争と人間』の抜粋映像を上映しました。
―上田雅美(日中友好協会兵庫県連)

(兵庫民報2018年9月23日付)

兵庫山河の会「山河」より

参院選候補の君と駆け巡りしマイクのあの声耳朶をさらぬに
 安武ひろ子
(古賀哲夫氏に捧ぐ)

災害のレベルに達すこの暑さ蚯蚓の死骸舗道にあちこち
 古谷さだよ

沖縄の民の命守らんと頑張りぬきし知事を悼みぬ
 岸本 守

うない髪くっつけ合って蜜吸いし遠き日恋しおしろいばなよ
 山下洋美

疎開にて暮らしし寺を右に見て万感のおもひ熱くせまり来
 石井敏子

作り手の顔知らずとも毎年のぶどうの実り楽しみに待つ
 新井 幸

劉暁波獄中残せし妻への語「灰になりても君を愛す」と
 古賀哲夫

甲子園感動と汗飛びかって球児らの背に百年の輝き
 佐藤百合子

翁長氏は命けずりてたたかえりいまぞしらせん沖縄のこころを
 山下 勇

炎暑なるヒロシマの街噴き上げよ大噴水の供養の水よ
 西澤 愼

七日間の地上の命を焼きつくしせみの屍しずかに草の上
 古賀悦子

世の中に少しは役に立っている自己満足を生きがいとして
 大中 肇

戸棚より古き家計簿見つけたり往時の母のつましき暮らし
 塩谷凉子

夜になり雨降りやまずガラス窓水滴光りて銀河の如し
 鵜尾和代

(兵庫民報2018年9月23日付)

亀井洋示「危機一髪」


(兵庫民報2018年9月23日付)

観感楽学

「対立より対話を」これが官邸丸がかえで立候補した人の告示日第一声であった。もちろんいま激しくたたかわれている沖縄県知事選。ならば最大の争点である辺野古新基地建設をどう考えているのか、県民と対話するのかといえばそれにはまったく沈黙▼毎日新聞夕刊のコラム欄に「問題は、県民と政権のどちらに聞く耳を求めるかだ」とあったがまさにその通り。彼にとって対立とは「官邸の言いなりにならない」ということであり、対話とは安倍首相の話に「はい、ごもっとも」と言うだけのことなのだ▼かたや自民党総裁選挙。日本記者クラブの討論会でモリカケ問題を追及された首相、言うに事欠いて「一点の曇りもない。誠実に答えた」などとのたまう。一方、当初は「正直・公平」をかかげた対立候補者、いつの間にかその旗をするする降ろしてしまった。自民党、ここに極まれり▼九月十三日夜、神戸・東遊園地南の噴水広場には雨模様にもかかわらず三百人。オール沖縄支援・連帯の集会に県下各地から熱い思いがあつまる。玉城デニー候補の猛追で丸抱え候補を退け安倍改憲・安倍政権を一層追いつめよう。元気な声が街ゆく人を振り返らせていた。(T)

(兵庫民報2018年9月23日付)

2018年9月16日日曜日

兵庫の日本共産党地方議員と金田氏が政府要請

災害対策、社会保障・教育の改善など


日本共産党の金田峰生参議院兵庫選挙区予定候補と兵庫県議会議員団(ねりき恵子団長)、地方議員団および統一地方選挙予定候補が九月六・七日の両日、相次ぐ災害対策と、社会保障や教育の改善など八省庁に四十七項目を要請しました。
また、上京直前に起こった21号台風被害に関しても、緊急申し入れを行いました。
金田候補らは、学校や通学路の危険なブロック塀を撤去し、フェンスなどに変えて児童の安全を確保するための事業メニュー追加や、土砂崩れ対策への国庫補助拡充、被災者の生活再建支援拡充などを強く求めました。
土砂災害対策について、六甲砂防事務所の管轄事業で設計までできている砂防ダムが、予算がつかずに先延ばしになっている事例を示して早急に設置するよう求め、国交省担当者も「事務所から相談を受けている。計画がある分については対応を進めたい」と答えました。
要請団は、来年の夏までにすべての学校の教室と体育館にクーラーが設置されるよう要望。文科省担当者は、自治体の要望にすべて応えられる予算を確保し、「来年の夏までの設置に間に合うよう最大限の努力をする」と回答しました。
また、農業災害対応や林業支援について担当者は、「現場の声を聞いて色々工夫しているので、個別でも相談して欲しい」と述べました。
一方、国が特別支援学校に設置基準を設定していない問題について文科省担当者は、「様々な障害に対応するため」と強弁。金田氏が「『障害児には運動場も音楽室も必要ない。一人当たりの面積も障害を持っていない児童より狭くて構わない』と言っているに等しい。人権に関わる大問題だ」と厳しく追及しました。
要請には、山下よしき参議院議員、大門みきし参議院議員、宮本たけし衆議院議員、清水ただし前衆議院議員が同席。市田忠義参議院議員が激励に駆けつけました。

(兵庫民報2018年9月16日付)

災害救援募金にご協力ください


日本共産党兵庫県委員会は九月十日昼、神戸・元町の大丸前で北海道地震と台風21号災害の救援募金を訴えました。
募金活動には、松田隆彦県委員長や神戸市議らが参加。午前中、芦屋市や神戸市東灘区の南部で台風被害の調査を行っていた金田峰生参院予定候補(写真左から三人目)もかけつけました。
金田氏らは、亡くなられた方々への哀悼と被災者へのお見舞いを述べ、「被災者の救援、被災地の復旧、復興に、どうか募金にご協力ください。全額責任をもって被災地にお届けします」と呼びかけました。
通行人らが次々と募金。「他人ごとではありません」「少しでも協力できれば」などと話しました。
*
日本共産党は、西日本豪雨災害につづき、北海道での地震災害、台風21号による災害への救援募金を受け付けています。日本共産党が預かった募金は、日本共産党の政治活動のための資金とは区別し、その全額を被災者の救援に充てます。
募金は左記の郵便振替口座に送金してください。
口座番号:00170‐9‐140321
加入者名:日本共産党災害募金係
※通信欄に「災害救援募金」と記してください。手数料はご負担願います。

(兵庫民報2018年9月16日付)

日本共産党県議団が知事へ台風被害対応で緊急申し入れ


「すべての被災者への災害救助法適用、住宅被害へ県独自補償、高潮対策」など

日本共産党兵庫県会議員団は、台風21号が兵庫県を直撃した翌日の九月五日、台風被害に対する対応を井戸敏三兵庫県知事に求める緊急申し入れを行いました。
ねりき恵子団長が、冒頭、台風21号災害に対する激甚災害指定や、すべての被災者への災害救助法の適用、住家被害への県独自の補償、高潮対策の強化など、申し入れのポイントを提起。各議員からは、「電気、水道などのライフラインが復旧していないところが多数ある。関電などとも協力して緊急の対応を」「東灘区深江は、高潮による浸水想定外の所が浸水し、大きな被害がひろがっている」「南芦屋浜も、『南海トラフ地震が起きても大丈夫』と企業庁などが説明していたところが、大きく浸水して、住民も怒っている」など、県民の声を紹介しました。
井戸知事は、「高潮などによる浸水の想定は、おっしゃるように、南海トラフが来ても大丈夫だとしてきたが、今回、被害がでているようだ。前提を含めて、検討する必要があるのかもしれないですね」などと回答しました。
県発表「台風第21号による被害等について(第六報)」(十日十五時現在)では、全県で重傷六人、軽傷五十三人、高潮等により全壊一棟、一部損壊百十三棟、床上下浸水三百四十九棟の住家被害、業者などの被害が報告されています。
県議団は、引き続き、現地調査なども行いながら、必要な要望を行っていくとしています。

(兵庫民報2018年9月16日付)

金田峰生「大震災体験者として国民守る政治へ全力」

連載エッセイ3

自然災害が連続していますが、みなさん大丈夫でしょうか。あらためて被災された方々にお見舞い申し上げると共に、被災者支援に全力をあげたいと思います。
先日は、対政府要請を行うため、地方議員、候補の皆さんと一緒に上京しました。この要請行動では、山下よしき参議院議員・比例代表予定候補、大門みきし参議院議員、宮本たけし衆議院議員、清水ただし前衆議院議員も同席、知恵も力も貸してもらいました(内容は別項記事をご参照下さい)。
上京の二日前に台風21号被害があり、急遽、高潮対策の緊急申し入れも行いました。上京する九月六日、北海道で大きな地震が起こりました。同時に、電車の窓から見えた大阪の街は、ブルーシートを被った屋根がまだ多くありました。
当局も対応が大変だろうと考え、配慮しました。しかし、大切な課題ですので、21号台風被害対策、北海道地震被害対策を追加して、後日あらためて要請・提案を行おうと考えています。
十日には21号台風被災箇所を大門参院議員や県議会議員のみなさんと調査しましたが、この間の災害はこれまでとは様相が違います。災害救助法などの改正も含め、抜本的な対応が必要になっていると感じます。そういう意味で、今回の要請項目には、地球温暖化対策や、これまでの延長線ではない、緊急の対策、国庫支援の提案も盛り込みました。
阪神・淡路大震災を体験した一人として、一日も早い被災者の生活再建と、国民の命と財産を守る政治確立に全力をあげようと思っています。
(日本共産党国会議員団兵庫事務所長・参院兵庫選挙区予定候補)

(兵庫民報2018年9月16日付)

日本共産党県議団が知事に「重要政策提言」


日本共産党兵庫県議団は九月五日、井戸敏三県知事に、二〇一九年度予算に対する重要政策提言を行いました。
いそみ恵子政務調査会長が、県民犠牲の県「行革」中止、憲法九条改悪を許さず平和行政をすすめること、災害対策の強化など、提言のポイントを紹介しました。
各議員からそれぞれ、提言に関わり、「県独自の恒久的な被災者支援制度をつくるべき」「災害級といわれる暑さに対してすべての教室、体育館へのエアコン設置は、子どもの安全と健康を守るためにも急務」「民有地の土砂対策を検討すべき」「緊急災害復旧資金の返済は免除すべき」「核兵器禁止条約への批准を国に求めて」「播磨臨海道路建設のために道路を有料化すべきでない」などと述べました。
井戸知事は、「エアコン設置は、五年間で行えるようにという計画になっているが、さらに前倒しできるように努力したい。民有地での土砂撤去は研究すべきテーマ、考えていきたい。七月豪雨に対して、県独自支援を発表したが、今回の台風もふまえ、さらに必要な対応すべき点があれば、検討したい。核兵器については、核の傘のなかにいるという議論はあるが、唯一の被爆国として核兵器は反対といえないのかという思いはある」などと応じました。

(兵庫民報2018年9月16日付)

「長田の空からつるお飛ばそう」

宮野つるお氏

「長田の空につるお飛ばそう――宮野つるおキックオフ集会」を九月八日に開催しました。雨にもかかわらず百二十人もの人たちが集いました。
会場は八月から地域で広がっている折り鶴運動で集まった色とりどりの折鶴で飾られいつもの集会とはひと味ちがう雰囲気でした。
オープニングの杵守春美さんによる詩吟のあと、神戸医療生活協同組合医師の道上哲也さんから来年の統一地方選挙で県議会に挑戦する宮野さんの人柄や職場での仕事の様子が語られました。笑いの中に人柄の魅力や決意があふれるDVDの上映も参加者をひきつけました。
宮野さんは、長く途絶えている県会の議席を復活させ命のバトンを引き継ぎたいと決意を表明しました。

森本真市議

最後は森本真市議と宮野さんを囲んで、医療生協や駒どりの職員を中心に団結がんばろうで締めくくり、参加者は宮野さんを県議会に、森本市議を神戸市議会に、みんなの力で送ろうと決意を固めあいました。
―岡民雄

(兵庫民報2018年9月16日付)

日本共産党東灘・灘・中央地区委員会青年のつどい

大野さん、味口市議の訴えで民青へ日本共産党へ

日本共産党東灘・灘・中央地区委員会は九月八日、「青年のつどい・BBQ」を民青同盟東神戸地区委員会と共に開催。小学生や高校生、青年労働者、さらには生後八カ月の子ども連れなど幅広い若者が集いました。当日の天候の関係でBBQから屋内での焼肉パーティーに変更しての開催でした。
同盟員のつながりで参加した近隣地域の高校に通う男子高校生は、少し緊張していました。焼肉を食べながら学校生活のことや、将来の夢・これからの大学進学など色々な話をする中で打ち解けていきました。
そこで民青同盟の紹介をすると、「テレビを見ていないから社会のことはよく分からない」と言います。大野さとみ・中央区くらし相談室長(県議予定候補)と党県委員会青年学生部の長谷川晃士氏が、「今の高校生も実はたくさんの願いを持っている。学校の勉強や学費、バイトや人間関係とかなんでも話し合えて、一人ひとりが主権者として成長することを目的としているのが民青だよ」「社会のことを知るキッカケにもなるし、私たちも高校から民青を始めたんだ。ぜひ一緒にやってみよう」と加盟を呼びかけると、「面白そうなのでやってみます」と快く加盟をしてくれました。
味口としゆき神戸市議は、日本共産党綱領と入党呼びかけパンフを手に「ぜひ入党してください」と正面から参加者に訴えました。高校生の子どもといっしょに参加していた女性は「いつも応援していますから」と入党を申し込みました。
*
日本共産党の第四回中央委員会総会は、九月三十日までの特別月間で、民青同盟との共同の事業として民青同盟員を増やすことを、全党で取り組もうと提起。兵庫県内各地でも党地区が青年のつどいを企画、それを節目に民青同盟員拡大に取り組んでいます。

(兵庫民報2018年9月16日付)

兵庫労連第56回定期大会

全労働者視野に組織と要求前進させ未来を切り拓こう!


兵庫労連は第五十六回定期大会を九月八日、神戸市内で開催しました。
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挨拶に立った成山太志議長は、最初にこの間の西日本豪雨や北海道地震の被災者にお見舞いの言葉を述べました。
次に「ますます貧困と格差が広がり、アベノミクスで経済が停滞している。安倍首相はこの秋の臨時国会で改憲発議を狙っている。三千万の目標に向かってもう一度三千万署名を取り組もう」と呼びかけ、さらに春の統一地方選、夏の参議院選で審判を突きつけようと安倍政権とたたかうことを強調しました。
二〇一八年度の議案提案では北島隆事務局長がこの秋からのたたかいについて、「『働き方改革』の裁量労働制は止められたが、高プロ制度は廃案にできなかった。今後は廃案・改善に向けた取り組みを」と呼びかけました。憲法についてのDVD視聴や学習会を、引き続き多くの職場や地域で開こうと提案。秋の公務員賃金の確定闘争での公務・民間一体となった取り組みや最賃全国一律制度を求める請願署名も引き続き行うなど秋年末闘争について述べました。
また、組合員の拡大についても言及し、「対話を組合員全員で取り組もう。要求実現のための労組であり、要求をつかむためには対話が必要。組織を大きくし、要求実現・組合員の権利を守るため安倍政権とたたかおう」と呼びかけました。
*
午後からの討論では、「この社会を何とかしたいとデモに参加する人が増えた」「学習会に若い人が来るようになった」など職場での取り組みを行う中で、組織拡大・強化がされたと発言がありました。また、高教組や兵庫教組からは英語の授業が始まった小学校やエアコンがない特別支援学校など今の教育現場の実態を告発。地域労組KOBEや西播労連の代議員からは労働相談や争議について報告されるなど、たたかう労組の発言が相次ぎました。
*
大会は運動への議論が深まり、議案は全て承認され、新しい役員も選出されました。兵庫労連はさらに新たな運動を進めていきます。
―土井直樹(兵庫労連事務局長=新任=)

(兵庫民報2018年9月16日付)

科学者会議兵庫支部市民フォーラム

明治150年の意味を問う

科学者会議兵庫支部は九月八日、勤労会館で市民フォーラム「明治百五十年の意味を問う」を開催し、会員の他にも市民らが参加しました。
今回のフォーラムでは「明治維新と明治憲法体制を考える」と題して奥村弘氏(神戸大人文学研究科教授)が講演し、討論しました。
奥村氏は、日本近代社会形成過程を、天皇制官僚機構と江戸時代から続く重層的な村落共同体の力学からとらえる考え方(丸山真男による)を紹介し、明治憲法成立に伊藤博文らを介してシュタイン、グナイスト、モッセらの外人学者の寄与のあったことを明らかにしました。
明治憲法の性質として、その前文とされた「告文」「勅語」「上諭」を引用しながら、国家的義務を果たす者にそれに応じて権利を与えるという社会秩序、臣民の協力などを組み込んだ君主権の制限、植民地を想定しない領土規定などを指摘。こうして、明治憲法体制が高まる自由民権運動などへの予防的弾圧の面をもち、世界的な資本主義拡大の中で急進的な民主主義・社会主義に対応するための反動的国家体制であったとし、現在にも通じる問題があると述べました。
講演後には、地方自治、沖縄(琉球処分)、西南戦争、天皇支配と官僚・議会、日本国憲法との関連などについて、活発な議論が行われました。
―廣森勝久(同支部事務局長)

(兵庫民報2018年9月16日付)

6・9行動:北海道大震災の被災者支援も訴え

ヒバクシャ国際署名12万に/沖縄県知事選挙勝利の声を兵庫から!


六日の行動は、「ヒバクシャ国際署名」の訴えとともに、同日未明に発生した北海道大震災の被災者・被災地救援も訴えました。
AALA連帯委の井村弘子事務局長、共産党の平松順子平和部長などがマイクで、核兵器禁止条約に反対する安倍政権が沖縄県で米軍新基地建設を強行し、核基地にしかねない危険を告発。翁長知事の遺志を受けて闘う玉城デニー氏を新県知事に押し上げようと訴えました。平和委員会、神戸港、革新懇など七人が、「ヒバクシャ国際署名」を訴えました。
尼崎市の女性は、「台風21号の停電がまだ続いていて困っている…」などと話しかけながら署名に応じてくれました。「夏に広島に行って原爆資料館を観てきた」という神戸市須磨区の学生が、「核兵器は絶対になくさないと!」と言いながら署名しました。
九日も同所で沖縄県知事選挙支援などを訴えました。
(兵庫県原水協のニュースから)

(兵庫民報2018年9月16日付)

データシート:各自治体の保育所申し込み状況(2018年4月1日時点)

厚生労働省が九月七日、今年四月一日時点での「保育所等関連状況とりまとめ」を発表しました。その中から県内の市町での保育所申し込み状況のデータを再編集してみました。政府の集計では育児休業中、特定の保育所を希望、求職活動を休止などの場合を「待機児童」と分けています。なお、県内分は今年六月に兵庫県から発表されたものです。


MS-Excelデータ
CSVデータ(UTF-8、CR/LF)

(兵庫民報2018年9月16日付)

借り上げ復興住宅からの被災者追い出し裁判の「これから」を考えるシンポ


借上復興住宅弁護団は、借り上げ住宅からの〝被災者追い出し〟裁判を、神戸市と西宮市が頑なに続けている問題で、十月十四日にシンポジウムを開きます。

シンポジウム:借上復興住宅被災者追い出し裁判の「これから」を考える

10月14日(日)13時30分、神戸市立婦人会館5階さくら/基調報告「被災者追い出し裁判の現状と今後の予定」借上復興住宅弁護団/シンポジウム「借上復興住宅『被災者追い出し』問題のさらなる発信に向けて」:パネリスト=「借上復興住宅の入居者の健康状態について」広川恵一(医師・広川内科クリニック)、「国連が締約国に求めている健康標準」井口克郎(神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授)、「2001年国連人権委員会への被災者報告と日本政府に対する社会権規約委員会の勧告について」岩田伸彦(阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議事務局長)/主催:借上復興住宅弁護団☎078‐382‐0121

(兵庫民報2018年9月16日付)

いのちへの切実な思いをモダンダンスで

藤田佳代舞踊研究所がこの秋2本の公演

10月

昨年の発表会(撮影:中野良彦氏)

十月は第四十一回発表会。新作二本と再演一本を上演します。
新作「どこからきたの?」は、モダンダンス教室の生徒たちと道端の花や石を調べ、それらとの対話を踊りにしました。
新作「シンカイとぼくの はじまりの祭り」は福島県飯舘村のある集落の話を元にしたもの。原発事故で退去を迫られた住民たちが最後に鎮守の祠の前でささやかな宴を催して集落を後にします。人間たちと〝守り〟(神さまたち)がもう一度その集落で共にいられるよう、〝ぼく〟と〝シンカイ〟が彼の地あの地の〝守り〟を訪ねて旅をします。
「届ける―東北の地震と津波と原発事故で亡くなった限りない命たちへ」は二〇一二年の初演から十年間の予定で上演を続けている作品。

第41回藤田佳代舞踊研究所発表会

10月13日(土)16時30分開場・17時開演、神戸文化ホール大ホール/「届ける―東北の地震と津波と原発事故で亡くなった数限りない命たちへ」と、新作2作品「どこからきたの?」「シンカイとぼくの はじまりの祭り」/入場料:無料/招待券申し込み☎&Fax078‐822‐2066、http://www2s.biglobe.ne.jp/~fkmds/


11月

金沢景子さん(撮影:中野良彦氏)

同研究所では毎年、ソリストが順にリサイタルを開いています。ことしは金沢景子さん。
「彼方からここへ ここから彼方へ」は、万物を構成すると言われる五要素、地・水・火・風・空によって生かされている〝私〟という肉体と精神が、いまここに実在していることへの驚異と喜びを五章に分けて表現。始まりもなく終わりもないような宇宙の片隅で、移り変わりゆく命の豊かさに思いを馳せる作品です。
音楽はこの作品のためにジャズピアニスト坂本千恵さんが書き下ろしたもの。ドラマー深水洋さんをバンドマスターに七人のミュージシャンが生演奏します。

金沢景子モダンダンスステージⅤ

11月25日(日)17時開場・17時30分開演、神戸ファッション美術館オルビスホール/「彼方からここへ、ここから彼方へ」/前売3,000円、当日3,500円、全席自由/主催:藤田佳代舞踊研究所☎&Fax078‐822‐2066、http://www2s.biglobe.ne.jp/~fkmds/

(兵庫民報2018年9月16日付)

ひなたぽっころりん〈626〉


(兵庫民報2018年9月16日付)

観感楽学

安倍内閣の下で軍事費の膨張がとまらない。来年度概算要求で過去最大の五兆二千九百八十六億円。七年連続で前年を上回り、前年より千七十五億円増えた▼米軍再編関係経費などを加えると五兆五千億円を超える。加えて複数年で分割払いする「後年度負担」という隠れ借金が二兆五千百四十一億円。第二次安倍政権発足以降、後年度負担は急増し総額四兆六千五百三十七億円と過去最高に▼北朝鮮脅威を口実に陸上配備型の迎撃ミサイル「イージス・アショア」(一基約千億円を二基)やF35戦闘機、オスプレイ、イージス艦など目白押しで六千九百十七億円。有償武器援助という契約方法で米国政府から購入する。契約価格は米側の言い値。F35などは当初八十九億円が百三十億円にもなった▼米朝首脳会談以降、北東アジアの情勢は戦争回避の可能性が増大している。政府もミサイル攻撃に備えるとしたパトリオットミサイルを撤収し、イージス艦の警戒態勢も解除した▼大地震や台風など防災対応には予算をつぎ込まない。十月から生活保護費も二百六十億円削減。安倍政権の「国防」は軍事的脅威をあおり軍需産業に貢ぐが、国民を守ることは視野にない。(K)

(兵庫民報2018年9月16日付)

2018年9月9日日曜日

新温泉町の大規模風力発電事業計画の認定取り消しを

大門参院議員、金田氏、中井・山本町議が近畿経産局へ要請


日本共産党の大門みきし参議院議員、金田峰生参議院兵庫選挙区予定候補、中井次郎新温泉町議員、山本賢司香美町議員らは八月二十八日、「(仮称)新温泉風力発電事業計画」の認定取り消しなどを近畿経産局へ要請しました。

要請項目

一、「(仮称)新温泉風力発電事業」者が住民説明・同意を軽視していることは明白です。事業認定を取り消して下さい。
二、環境影響評価について、「方法書」作成・提出のやり直しを勧告して下さい。
三、事業者が届け出ている、風車設置予定箇所、工事のための取付道路施設計画、二十年後の予定などを明らかにして下さい。
四、事業者に住民への説明会開催および住民からの質問・意見に誠実に応じるよう指導して下さい。
五、電力事業に関わる環境影響評価法に基づく図書は、すべて公開し、希望者に印刷・コピー等を認めるよう指導して下さい。
六、事業者はアジア太平洋地域で発電事業を行っている「エクイス」の日本法人であることから、当該事業の最終責任は「エクイス」にもあることを確認し、「エクイス」に対し「OECD多国籍企業行動規範」の遵守を約束させて下さい。
―の六点です。
応対した近畿経産局総務企画部の大塚公彦参事官らは「言われることはよくわかるが、制度設計上、今の状況では認定を取り消すことまではできない」「事業計画書類は公開請求で」「環境影響評価手続きの結果を見守るしかない」などと説明しました。

問題意識を持った対応を

これに対し金田氏らは、「政府がつくったガイドラインで、住民への丁寧な説明と住民合意形成を怠っていれば、しかるべき対処があり得るとしている」「事業者は最初から、また他の地域の事業計画でも、住民理解・合意を軽視している、いわば確信犯であり、厳しい対処が当然だ」と追及しました。
また、「風車をどこに建設するのかわからない状態で、どうして適切な環境影響評価ができるのか」と質し、「情報公開ができないというのは、計画がまだ申請や環境アセス手続きを行う段階ではないということではないか」と迫りました。
大門議員は「この事業者は外資系投資会社であり、利益を回収したら撤退する。国内複数個所で事業計画をもっているようだが、どこでも同じ対応をしているはずで、深刻な問題になる。あなた方もそういう認識をもっておくべき」と警告しました。
今回の要請行動で、FIT法による事業計画認定も、環境影響評価手続きも、事業計画の問題点を正す機能は果たせていないことがわかりました。
*
日本共産党はこの問題について、九月二日に地元で学習会を開き、九月七日には本省と交渉を予定するなど、事業計画を止めるために奮闘しています。

太陽光パネルについても要請

今回の経産局要請では、後を絶たない太陽光発電事業を巡る住民とのトラブルについて、具体的事例を挙げて対応を求めました。
また、姫路の太陽光パネル崩落、淡路の風車倒壊も話題にあげ、当局も直接現場調査を行い、原因解明を急ぎ、必要な対応があれば行うことになるとの見解を示しました。

(兵庫民報2018年9月9日付)

新温泉風力発電問題を考える学習会

エネルギーは国民のもの


日本共産党美方郡議員団と国会議員団兵庫事務所は九月二日、新温泉町で「新温泉風力発電問題を考える学習会」を開催、他会派議員や区長をはじめ、三十五人が参加しました。
挨拶に立った金田峰生参議院兵庫選挙区予定候補は、「電力はライフラインであり、重要な社会基盤。発電事業はそういう位置づけとの目線でみると、外資系投資会社による今回の事業計画は懸念が多すぎる」と指摘。「エネルギーも地産地消型が自然環境に優しく、地域経済活性化にもつながる」とし、今回の計画を撤回させようと呼びかけました。
講師は、兵庫県宍粟市出身で、いわぶち友参院議員の秘書をしている安部由美子氏。
安部氏は「再生可能エネルギーをめぐる現状と課題」と題し、再生可能エネルギーをめぐる政治的背景、全国の取り組み、今後の展望などについて講演。「原発ありきの安倍政権によって、再生可能エネルギー導入促進がゆがめられている」とズバリ指摘し、「エネルギーは国民のもの。地産地消でこそ」と提起しました。
質疑応答では「説明会での事業者の回答は曖昧なものが多かった」「雇用はどれくらい生まれるのかとの質問に、多くて一人…と回答され失笑した」「山が荒らされると海が痩せる。町全体の問題ととらえた方が良い」「主婦は忙しいが、やはり署名とかに取り組んだほうが良いのか」など、情報交換も含め、発言がありました。
中井次郎新温泉町議が経過報告。また、「新温泉大規模風力発電を考える会(仮称)」立ち上げの提案があり、数人の世話人を確認し、「会」が発足しました。

(兵庫民報2018年9月9日付)

神鋼石炭火力発電所新設工事着工届出に「会」が抗議

神戸製鋼所が神戸市灘区の神戸製鉄所内に新設する石炭火力発電所の工事着工を経済産業省に届け出たことが明らかになったことを受け、神戸の火力発電を考える会は8月31日、抗議声明を発表しました。
また、公害調停について申請人は、新設発電所の建設中止に関する部分を取り下げました。

神戸製鋼石炭火力発電所増設に係る工事計画の届出に抗議する

2018年8月31日 神戸の石炭火力発電を考える会

株式会社神戸製鋼所(以下「神戸製鋼」という。)、株式会社コベルコパワー神戸第二は、経済産業省中部近畿産業保安監督部近畿支部に対し、電気事業法第48条1項に基づき、神戸製鉄所内に新設する石炭火力発電所について、工事着工の届出(以下「本件届出」という。)をしました。当会は、環境保全の見地から、神戸製鋼に対し石炭火力発電所の建設中止を要請するとともに、本件届出がなされたことに強く抗議いたします。

大気汚染物質の大幅な排出増をもたらすもの

神戸南部は、過去、大気汚染による深刻な公害を経験した地域であり、現在もなお環境改善の途上にある地域です。そのような地域において、しかも住宅密集地から400メートルの地点に、(敢えて環境保全上最悪の石炭を燃料として用いる)大規模な火力発電所を増設して、大気汚染物質や水銀などの有害な重金属の排出を増加させることは、認められません。

温暖化対策の流れに逆行するもの

新設発電所は、既設発電所と合わせて、毎年1400万トン(430万世帯分)のCO2を排出するもので、温暖化防止のために「脱石炭」に向けて舵を切り始めた世界の潮流に背を向けるものです。

公害調停の手続を無視するもの

昨年来、合計481名もの市民と神戸製綱らの間で、公害調停の手続が進められてきました。この手続の中で、申請人らは、大気汚染公害、温暖化をもたらす石炭火力発電所の新設を行わないよう真摯に求めてきました。本件届出は、市民との間で協議が行われている最中に神戸製鋼らによって一方的に行われたものであり、公害調停制度を冒瀆するものといわざるをえません。本件届出を受けて、申請人らの代理人は、本件公害調停申請のうち、発電所新設の中止を求める部分について、協議を続ける意味が失われたとして、本日、これを取り下げました。
*
当会としては、このような状況を受け、今後は、公害調停の申請人ら・弁護団らと協力し、新設発電所の建設を止めさせるべく、あらゆる手段を駆使して、新設発電所の建設・操業を中止させるべく行動してまいります。市民の皆様、専門家の皆様のご協力・ご支援をお願い申し上げます。

(兵庫民報2018年9月9日付)

大門みきし「左翼にまなぶ右翼」

連載エッセイ31

先日、大阪城東区の憲法のつどいで、「アベ政治を動かす影の勢力――日本会議」と題して、話をさせていただきました。
日本会議は、天皇中心の国づくりをめざす日本最大の改憲・右翼団体で、全国の神社が中心となり、政財界やマスコミにも大きな影響力をもっています。憲法改悪に執念をもやす安倍首相を支え続け、「安倍改憲案」の原案をつくったのも日本会議です。
日本会議の幹部である自民党S議員とは、同じ委員会だったこともあり、よく話をします。
以前、S議員が私に「日本会議の運動の方法は、みなさん左翼から学んだ」と語ったことがあります。日本会議は「草の根ネットワーク」をかかげ、地方議会での請願採択や署名など地道な活動を展開してきました。S議員をふくむ日本会議の中枢メンバーは、六十~七十年代に反全学連闘争をたたかった民族派学生運動の闘士たちで、社会人として活動するようになってからも、共産党や民主勢力の運動を研究してきたとのこと。
「どうせ学ぶなら思想の方を学んでほしかった」と冗談をいうと、「右と左がいるからバランスがとれる」と笑っていました。しかし日本会議の思想の本質は左翼殲滅です。
そのかれらが取り組む「憲法改正」署名がこの春、千万筆をこえ、増え続けています。私たちが取り組む改憲阻止「三千万人署名」は千八百万をこえ、九月末が第四次集約とのこと。
このたたかい、絶対に負けられません。
(日本共産党参院議員)

(兵庫民報2018年9月9日付)

芦屋で大門参院議員招き演説会


日本共産党芦屋市委員会は、九月一日午後二時から芦屋市民センターで演説会を行いました。あいにくの雨模様でしたが、追加で椅子を出すなどたくさんの方にお越しいただきました。
まず、来年の参議院選挙兵庫選挙区で三度目の挑戦をする金田峰生さんが、「被災者よりも原発、カジノの安倍自公政権では国民を守ることはできない。必ず勝利を」と訴えました。続いて平野貞雄芦屋市議団長が、与党議員の数の多さをバックに荒っぽいやり方を強行する山中市政を批判。幼稚園保育所統廃合問題に続き、学童保育の民間委託も市民無視で進めていると国の悪政を持ち込む市政の転換を訴えました。
大門実紀史参議院議員は、「モリカケや日報改竄など不祥事が連続し、TPP、『働き方改革』、カジノと悪法はすべて通るというこんなにひどい国会は初めてだった」と語り始めました。そのひどいやり方を進めた安倍首相を支える日本会議について言及。神社本庁を中心にした日本会議の勢力が、安倍一強体制をつくり、安倍の時代に憲法を変えようとしていると指摘しました。一方、「国民の中には安倍政治への不信感は根強く、くらしや経済の転換を求めており、社会保障・くらしを守るまともな政治に選挙で戻すしかない、それには明るく元気に戦うことが大事」と語りました。
司会は、ひろせ久美子芦屋市議がつとめ、沖縄選挙支援のカンパが六万四千円集まりました。

(兵庫民報2018年9月9日付)

高砂市議選:日本共産党現有2議席確保


高砂市議選は九月二日投開票で行われ、日本共産党の大西由紀(52)=新=、坂辺勝彦(60)=現=の両氏が当選し、現有二議席を確保しました。
前回より二減の定数十九に二十人が立候補し、激戦となりました。投票率は四六・四六%(前回五四・七二%)。
日本共産党の得票合計は二千四百五十九票(前回二千五百六十一票)、得票率七・一〇%(前回六・三二%)。昨年衆院選比例票との比較では、二十三票減、得票率は〇・〇七ポイント増でした。
大西・坂辺氏の「三つの緊急提案」①国民健康保険料一万円引き下げ②全幼稚園、小中学校へのエアコン設置③じょうとんバス(コミュニティバス)の拡充、タクシー券発行―の訴えが有権者の共感を呼びました。

(兵庫民報2018年9月9日付)

兵庫革新懇一泊研修バスツアー

米軍岩国基地の危険性と核兵器禁止条約の意義を実感

兵庫革新懇事務局長 宮田静則


兵庫革新懇は八月十九日・二十日、今やアジア最大の航空機基地となった米軍岩国基地、広島の平和資料館や宮島などを視察・見学する恒例の一泊研修バスツアーを行い、県下各地から三十九名が参加ました。
一日目午後、岩国に着き、バスに同乗した「住民投票を力にする会」代表の松田一志氏から説明を受けながら、基地外周と米軍住宅が建設されている愛宕山などを巡回。出撃基地として一段と増強される実態や、爆音・米兵犯罪など基地被害に対する住民運動などについて詳しい説明を受け、危険な基地全体の実像を知ることができました。
岩国基地には米軍と海上自衛隊が駐留。米軍は、今年三月三十日までに厚木基地から空母艦載機六十一機を移駐させ、これで岩国基地は第三海兵遠征軍と太平洋艦隊第五空母打撃軍の二つの〝なぐり込み部隊〟が勢ぞろい。米軍機だけで最新鋭の戦闘機など百二十機以上を擁し、直接攻撃機が出撃する最前線基地の役割を担っています。


広大な基地とその中にある戦闘機の格納庫や米海兵隊の早期警戒機など攻撃・出撃基地の現状を目の当たりにして、改めて米軍基地の存在の危険性を実感しました。
基地内の自衛隊は、哨戒機などが配備され、米軍が上陸する前の機雷爆破など露払いの任務などを負わされており、安保法制の強行後、米軍の指揮下で米軍と自衛隊の一体化が進行している姿もわかりました。
二日目は、安芸の宮島・厳島神社を訪問し、続いて広島の平和記念公園、平和記念資料館などを訪問しました。外国の観光客も多く、核兵器禁止条約の意義と広がりを感じさせられました。
参加者からは、「アメリカの属国としての日本の基地に怒りを覚える」「本土での各基地のたたかいが重要」「革新懇のツアーは、ためになり、楽しい企画で来年もぜひ参加したい」など多くの感想が話され、沖縄知事選支援募金も集まりました。

(兵庫民報2018年9月9日付)

加古川:学校統廃合を地域から考える

子どもたちの未来を考える会事務局 高見まりこ

加古川市の人口は約二十六万四千人で、市南部に集中しており、中北部では人口減少が続いています。小学校は二十八校で、その内十六校は適正規模が十八学級という国の基準を超えています。単学級は北部の五校で、市内でのアンバランスが顕著です。
市は昨年二月に公共施設等総合管理計画を策定し、公共施設の床面積の二三・四%を削減する計画です。その内、学校が四五%を占めているため、統廃合の重点になっています。
昨年三月に市議会で市長が「市北部小学校のあり方を検討する」と表明。五月には神戸新聞に五校の名前を公表しました。六月から保護者を対象に「オープンミーティング」を順次実施してきました。小中一貫も含めた統廃合に議論が集中し、賛否両論ありましたが、小規模校は地域とのつながりが強いことが確認されました。
本会は、昨年九月に第一回総会を開催。教育環境を考える学習会を定期的に実施しながら、保護者・住民に学校問題を提起し、参加を呼びかけてきました。地元住民や教師の話、他市の統廃合された経験と教訓を聞いてきました。
本会は、「学校は地域の明かり」「百人規模の学校こそ理想的な教育環境」と考えています。地域の将来をどうするのか、どんな子どもに育って欲しいのか、皆さんと共に考えていきたいと思っています。
九月十六日には総会とともに、公開学習会「なぜ道徳は教科になったの?」を開きます。

学習会:なぜ、道徳は教科になったの?

9月16日(日)13時30分、加古川市ウオーキングセンター/講師:岩本賢治(京都橘大学講師)/無料/主催:子どもの未来を考える会☎079‐452‐0817(稲岡)

(兵庫民報2018年9月9日付)

民青県委員会で豪雨災害救援ボランティア

「役に立ちたい」高校生同盟員の声から

日本民主青年同盟兵庫県委員長代理 伊木さち


民青同盟兵庫県委員会は八月三十日、岡山市に入り西日本豪雨災害救援ボランティアに取り組みました。
きっかけは高校生同盟員の「人の役に立ちたい。ボランティアに行きたい」との声からです。日程の都合が合いすぐに返事をくれた同盟員と役員二人の計四人で参加しました。
ボランティアの作業は社会福祉協議会のボランティアセンターで割り振られ、数種類のスコップを用いて、民家の側溝に大量にたまっている泥出しを行いました。
猛暑の中での作業のため、数十分ごとに休憩と水分を十分に取りました。
作業後は、別の作業に参加していた岡山県の民青の人たちと合流し、お風呂(福祉センターのお風呂が無料で提供されていました)で汗を流した後、感想を交流しました。
「気温が高く、思ったより作業が大変だった」「この暑い中、何日も続けて取り組んでいる人もいて心配になった」「一カ月経っているが、進んでいないところもあって人手が必要だと思った」「数日間水に浸っていたから家を解体しないといけないと聞いて、生活の土台である家がなくなるのは辛いと思った」など話されました。
岡山の同盟員からも「壁についている線を見たら、ここまで水位がきたんやなと思った」「町内会長さんから、近くの工場から油が漏れだしていたのに、市に相談しても取り合ってもらえないことを聞いて驚いた」など出されました。
民青岡山県委員会の小田嶋委員長からは被災した同盟員の話を聞きました。一階の玄関を開けようとしても水の圧力で開かず、大切なものを二階に引き上げたが二階まで浸水して、屋根裏で救助を待ち、不安で眠れないまま一晩を過ごして、翌日やっと助けられたとのことです。
プライバシーの問題など避難所の状況も意見交流をし、政治の役割の大きさを痛感することになりました。
民青兵庫県委員会としては、引き続き豪雨災害救援のための活動をつづけていきます。

(兵庫民報2018年9月9日付)

県弁護士会「防災の日」イベント:災害報道や社会のあり方を討論


防災の日の九月一日、兵庫県弁護士会がイベント「阪神・淡路大震災の記憶をたどって」を県弁護士会館で開き、パネリストとして防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏、神戸学院大学現代社会学部社会防災学科の安富信教授、兵庫県弁護士会災害復興等支援委員会委員の永井幸寿弁護士が報告・討論しました。
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渡辺氏は、阪神・淡路大震災発生時のNHKテレビニュースを上映。当時の気象庁の発表方式の問題もあり、第一報(五時五十分)は「東海地方で強い揺れ」と表示され、「神戸で震度6」の画面表示は六時十六分。その後、六時四十四分の神戸放送局からの電話レポート「七カ所から火災発生」でようやく神戸がただ事ではないと分かったと振り返りました。
将来の南海トラフ地震のような広域・大規模な災害の報道については現地放送局への応援体制をどうつくるかが課題になっていると指摘しました。
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当時、読売新聞阪神支局デスクだった安富氏は、報道ヘリコプターの騒音が生き埋めになり助けを呼ぶ人の声をかき消したこと、避難所への取材集中など被災者の生活の場に入りこんだこと―など当時の報道の問題点を上げ、現在の報道を検証。「読売」八月六日付朝刊で「最大三百万円支援金……政府決定」と安倍政権がさも新しく決めたような報道をしているものの、実際には既存の被災者生活再建支援法の適用にすぎないなど、報道はかえって後退している部分もあると批判し、その背景には記者が半減していることを指摘しました。
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永井氏は、阪神・淡路大震災では弁護士自身も被災したが、「机と六法があれば仕事ができる」と、県弁護士会で相談活動を一月二十五日に開始。相談件数は一年間で推計十万件にのぼり、法的な解決や支援制度の紹介などで被災者のパニックを防ぎ、精神的支援となるとともに、被災者生活再建支援法などの立法へ向けての被災者の実態・要求など事実の裏付けとなったと報告しました。
また、流言飛語などを理由に災害報道に法的な規制をしようという論があることについては、関東大震災での「治安維持令」が実際には「朝鮮人の暴動」など国自身のデマ流布を糊塗したばかりか、「治安維持法」に発展させたことをあげ、報道規制は危険であり、正確な報道こそが求められると指摘しました。
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討論では、渡辺氏が、日常生活モードと災害モードとの速やかな切り替えができる社会的な仕組みを作る必要を提起。安富氏も、台風が来るなら仕事を休みにして、地域で高齢者の避難を手伝うというような社会にしなければと応じ、永井氏は、自民党改憲草案にあるような緊急事態条項は政府に権限を集中させ三権分立の原則に反し、危険だと指摘。改憲しなくても現行制度で災害モードへの対応は十分できると述べました。

(兵庫民報2018年9月9日付)

鳴尾地域の集いに100余人

平和を願う地域住民の集い実行委員会 柳沢 尚


七十三年前、昭和二十年、十五年続いたアジア太平洋戦争終戦の年、当時の鳴尾村(編注=鳴尾、甲子園など現在の西宮市南東部)は米軍機B29による八回もの空襲をうけました。
とりわけ八月五日深夜から六日未明にかけてB29が百三十機も飛来し次から次へと焼夷弾が落とされました。人々は逃げまどい、一晩で鳴尾村は壊滅的な被害を受けました。広島に原爆が落とされた八月六日八時十五分の数時間前の事です。
それは川西航空機の工場があったからです。当時の海軍の主力戦闘機だった三菱の〝零戦〟に代わるものとして、川西航空機によって〝紫電改〟が作られていました。〝紫電改〟のために鳴尾村は犠牲となったのです。
工場跡は今、武庫川団地となり、空襲の跡形もありません。
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この鳴尾地域で住民有志による実行委員会がつくられ西宮市の後援も得て八月二十五日「集い」を開催しました。事前に地域に配布した六千枚のビラによる呼びかけに応じて百余名の参加がありました。
会場となった上田公園には、原爆パネルを展示し、公園にやってくる人たちに訴えました。
公園内の上田公会堂では、地域の人たちの自作の文化作品がずらりと並び、その数五十点余。書、絵画、切り絵、染め物、パッチワーク、絵手紙等々多彩な作品。参加者はじっと見入りました。
主催者挨拶の後、最初は沖田守男さん(西宮民商)のジャズピアノ演奏。会場はじっと聞き入りました。続いて沖田さんのピアノ演奏をバックに、劇団四紀会の女性五名による木村光一作の「この子たちの夏」一九四五年広島・長崎(副題)の朗読劇。会場は静まり咳ひとつありません。
次に西宮原爆被害者の会の武居勝敏会長による被爆体験の語り。武居さんは、昭和二十年四月生まれ。原爆が投下された時は生後四カ月で自身の記憶はありませんが、その後の生活や当時広島女学院の女学生だった姉の体験を語りました。当時の広島の少女たちは多くが県外に出なかった。被爆したことを他人に知られたくないため。人生にとって、最も大きな喜びである結婚や出産が恐怖の対象になる。この体験談に私はショックを受けました。八十六歳になるお姉さんが高槻市で暮らしていることを聞き、ほっとした気持ちになりました。
十四時からは、関西学院大学の冨田宏治教授の「核兵器禁止条約と『核なき世界』への展望」と題しての基調講演。「対話より制裁」と叫ぶ安倍政権は、核兵器廃絶、世界平和の実現に背を向けた青息吐息の政権であることもよくわかる講演でした。核兵器禁水条約が核兵器廃絶へ大きく踏み出したこと、被爆者が大きな力を果たしていることもよく理解できました。
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鳴尾地域でこの集いが持てたことは大変喜ばしいことです。各地でも住民による平和の集いが開催されることを願っています。

(兵庫民報2018年9月9日付)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記

「裁判報告集会」が「交流会」にも

副島圀義

八月二十七日の大阪地裁。法廷では双方が提出した書面や、今後の日程確認だけ。実質的なやり取りが別室での「進行協議」となったので、弁護士会館での報告集会の前半は、さながら原水爆禁止世界大会参加者の交流集会でした。
滋賀も大阪も「世界大会参加者の過半数は青年だった」と報告。
「たくさんの青年がいて、彼らも励みになったし、熟年世代も元気をもらった」「青年の集いで被爆体験を聞いてもらい、国際交流もできてよかった」「韓国からの参加者は『ろうそく革命』が朝鮮半島非核化の展望を切り開いたと、誇りと確信を語っていた」「兵庫被団協が作った署名呼びかけのポスターが好評。被爆者として生きてきてよかったと実感」「原水爆禁止運動も分裂の時代を乗り越え、統一の時代を迎えている」など、話し合われました。

進行協議を終えて和田弁護士が第二民事部にかかっている七人の方の審理の現状などを報告。
―淡路さんと高橋さんについては十月十七日の原告と医師の証言で、いよいよ最終準備書面の提出へ。来春には判決か。
―提訴後に死去された方がお二人。お一人は亡くなる前に臨床尋問で証言されていますが、もう一人の方の場合はご遺族でも、当時の様子を話せる方は遠方に一人おられるだけ。七十三年経って国の却下処分をくつがえすことの厳しさを感じます。

全国弁護団が六日の広島で合宿し、裁判の現状や課題をつっこんで検討したことも報告されました。
裁判所が、被爆の実相をきちんと理解し、公正な判断をするためにも、多くの市民が注目していることを法廷で示すことの大切さが、この日も訴えられました。

次回以後も、九月二十七日/十月十七日/十月三十一日/来年一月三十日と審理が続きます。
お読みくださった方々が裁判所に足を運んで傍聴してくださることを願っています。

(兵庫民報2018年9月9日付)

DVD『美ら海辺野古』特別号:つどい・学習会で活用を


DVD『美ら海辺野古・特別号』(美ら海辺野古編集員会・名護共同センター九月作成)が届き、県下の日本共産党事務所にもあります。
この十五分の映像作品は、翁長県知事死去にともなう沖縄県知事選(九月三十日投票)をはじめ、いまたたかわれている沖縄統一地方選などの意義をつかみ、支援をすすめるために絶好の内容です。
翁長前知事の埋め立て承認取り消し会見映像、「8・11辺野古新基地建設断念を求める県民集会」をメインにオール沖縄の姿が伝わります。最後のがんばろー三唱には玉城デニー氏も登場。沖縄に集中する米軍基地、辺野古新基地計画も説明、座り込みなども紹介され、学習にもなり訴える力にもなります。
つどいでも学習でも大いに活用しましょう。

(兵庫民報2018年9月9日付)

オール沖縄支援・連帯:兵庫県民集会&パレード


9月13日(木)18時、東遊園地南噴水広場/主催:「オール沖縄」支援・連帯兵庫県民の会☎078‐351‐2610(兵庫革新懇)

(兵庫民報2018年9月9日付)

ベトナム南北縦断・三都巡り:日ベト県連合会が参加者募集中

日本ベトナム友好協会兵庫県連合会が「ベトナム南北縦断・三都巡り」の参加者を募っています。
十一月四日(日)出発・十一日(日)帰着の八日間の旅。政治と文化の中心市ハノイ、最後の王朝の都だったフエ、最大の商業都市ホーチミンの三都をめぐります。
また、ベトナムに八つある世界遺産のうち、チャンアン景観関連遺跡、タンロン皇城の中心区域、フエの建造物群、古都ホイアンの四カ所を訪ねます。
ホーチミンではベトナム戦争の記録を残す戦争証跡博物館なども見学します。
旅行代金は参加者数によりますが十六万円程度と、別途費用約一万五千円、宿泊代六泊約三万円。申し込み締め切りは十月一日(月)。問い合わせは☎&Fax078・612・1999。

(兵庫民報2018年9月9日付)

みんぽう川柳〈八月〉「ひまわり」

選者 島村美津子

特 選

子を救いひまわりの笑みボランティア
 神戸市 長沼幸正

【評】暗い悲しい辛い最近のニュースの中で、ああよかったよかったと胸を温めてくれた出来事でした、三日間もたったひとりで生きのびてくれた小さな子供の知恵と生命力、そして何よりごくあたりまえの事をしたまでといったボランティアのおじさんの涙をいっぱいためた笑顔の素晴らしかったこと、ありがとうと思わず叫んでしまいました、その笑顔を地に咲く太陽ひまわりと捉えた作者。

入 選

ひまわりに年金下がり愚痴こぼす
 神戸市 松尾美恵子

シベリアでひまわり見たか聞けず父
 神戸市 笹 直美

ひまわりの横に笑顔の父想う
 神戸市 兵頭和子

翁長氏を悼みひまわり今日も咲く
 神戸市 梶山洋枝

昭和史のひまわりの逝く侘しさや
 神戸市 玉山歳子

休耕田期待をかけるひまわりに
 神戸市 小林尚子

ひまわりの迷路かけ抜け子らは笑む
 尼崎市 富田明美

すいすいとひまわり畑飛びたいね
 神戸市 高馬士郎

ひまわりは黄金の顔で暴雨に勝つ
 尼崎市 中内眞佐子

向日葵のバックはやはり青い空
 神戸市 塩谷凉子

八月その日うつむいていたひまわりは
 神戸市 水田裕子

九条守るひまわりたちの勢ぞろい
 神戸市 古賀哲夫

ひまわりのお陽様色は党のいろ
 神戸市 川上俊智

ひまわりの黄金の顔に赤とんぼ
 神戸市 長尾粛正

(兵庫民報2018年9月9日付)

観感楽学

先日「AI(人工知能)の進展により多くの仕事がAIに置き換えられる」という見出しで大学、研究機関では「近い将来九割の仕事が機械に置き換わり、約五〇%の仕事がなくなる」という記事を読みました▼二十年ぐらい前、私は物流システムの開発に携わっていたことがあります。当時既に「ICタグ」という物があり、もっと小型化され普及すると物流が大きく変わると言われていました▼実際、「ICタグ」は今では小さなシールに進化。書き込まれたいろいろな情報をこのシールは発信してくれます。例えばコンビニの全商品にこのシールが貼られているとします。お客さんは欲しい商品を買物カゴに入れ機械に通すだけで貼られたシールから発信された情報で精算されます。レジで店員さんに精算してもらう必要がなくなり、無人のコンビニが可能になります▼当然AIも「ICタグ」と同じように進化すると思います。どの程度の仕事がAIに置き換わるかは分かりません。でも将来、失業者が増えるのではと心配になります▼経営者は従業員を減らすのではなく就業時間を短くするなどの調整で給与と雇用を維持するよう考えて欲しいと願います。(ふ)

(兵庫民報2018年9月9日付)

2018年9月2日日曜日

暮らしより大型開発:兵庫県が「行財政運営方針(案)」提案

兵庫県議会で八月十七日、第四回行財政構造改革調査特別委員会が開かれ、十一年間の行財政構造改革の検証をふまえ、二〇一九年度以降の行財政運営の枠組みとして「兵庫県行財政運営方針(案)」、「行財政の運営に関する条例(仮称)」の制定(骨子)が提案されました。
*
日本共産党兵庫県議団は、これまで十一年間行われてきた県行財政構造改革について、震災復興に名を借り、神戸空港や関西国際空港二期事業、阪神高速道路(北神戸線、神戸山手線、大阪湾岸道路、大阪池田線等)、淡路交流の翼港など大型開発を行ってきたことが、県財政を悪化させた震災関連債の大きな要因であり、そのしわ寄せを、福祉・医療、教育、県民サービス、県職員の切り捨てで県民に押し付けるものだとして批判してきました。
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今回の「兵庫県行財政運営方針(案)」は、それまでの県「行革」が掲げた財政目標を達成しましたが、なお震災関連県債の返済、新たに発行した財源対策債などの償還をすすめ、適切な財政運営をすすめる必要があるとして、二〇一九年度から十年間の方針として提案されたものです。
しかし、その内容は、従来の大型開発事業をさらに推進し、新たな借金をつくる一方、社会保障や県民サービスをすすめる県職員の枠を財政的に制限し、「選択と集中」の徹底として、公共施設の統廃合、県営住宅の統廃合による戸数削減、病院や警察の統廃合、水道事業の広域化などで県民サービスの新たな切り捨てをすすめるものとなっています。

県民サービスさらなる削減

職員削減

運営方針(案)は、財政運営の目標として、経常収支比率の中の人件費を現状の三六%から、三〇%にまで抑えるとしています。
職員数は、この間の「行革」で削減率全国一位、人口や面積による適正な配置数に対する職員数が全国で二番目に少なく、土木事務所や福祉事務所、農業改良普及センターも削減され、十分な県民サービスを担い得ない状況になっています。今回の運営方針では、阪神南県民センターと阪神北県民局の統合が検討の対象になっています。
今回の人件費の削減は、子どもの数が減り、教員定数が減ることを見越しているといいますが、この間の「行革」で減らしてきた職員の増員や、他府県と比べても遅れている三十五人学級の拡充などを考えても、人件費枠ありきの在り方が問われます。

県営住宅削減

県営住宅事業については、これまでの行革プランで提起された管理戸数の適正化として、二〇二五年までに、四万八千戸(二〇〇七年度には五万五千五十戸あったもの)にする方針を改めて確認し、推進することとしています。格差と貧困が広がる中、健康で文化的な最低限度の生活を保障するためにも、低廉な住宅供給の充実が求められていることに逆行した方針です。

病院再編医療圏広域化

病院については、「地域医療構想」「保健医療計画」などにもとづき、病床機能の役割分担を明確にして、公立病院等との再編・ネットワーク化を推進するとしています。それにともない限られた医療資源を有効に活用させるとして、中播磨圏域と西播磨圏域を、阪神南圏域と阪神北圏域を、それぞれ統合し、「播磨姫路圏域」、「阪神圏域」として、広域化させるという方針がうちだされていますが、本来は、それぞれの圏域で完結できる医療体制の充実が求められます。

水道広域化

水道事業については、「県内水道事業体との広域連携等の取り組みを推進する」とあります。今年七月の西日本豪雨災害では中国自動車道の法面崩壊に伴い、県営水道の広域送水管が水平に押し出され破断するという災害事故が発生しました。バックアップ管路の活用や、市の自己水源活用、節水呼びかけなどで断水という事態は危機一髪避けることができましたが、水道事業の広域化は、こうした災害時のリスクも広範囲に及びます。

大型開発には何ら制限なし

高速道路

一方、この間の借金をつくってきた「高速道六基幹軸」としてすすめてきた高速道路整備は、広大な土地の北海道に次いで全国で二番目の総延長距離になっていますが、今回の運営方針(案)の中では、「ひょうご基幹道路ネットワーク整備基本計画」を策定し、「基幹道路八連携軸」等として新たに百十五キロメートル延長し、総延長距離九百十八キロメートルの高速道路整備をすすめようとしています。

県庁建て替えと元町北部再整備

また、この間、耐震化を理由に県庁舎の建て替えと、それにともなう元町北部再整備計画を打ち出すなど、新たな借金を積み増ししかねない事業計画も浮上しています。今回の運営方針(案)は、こうした大型開発を何ら制限するものではありません。
今回の運営方針(案)は、県民生活にかかわる部分の経費のフレームを決め、その枠内に抑えようとするものですが、これでは「住民の福祉の向上」をすすめる行政本来の役割を発揮しえません。

国の抑制策を前提に

知事は、震災関連県債、財源対策債の償還とあわせ、国が「骨太方針2018」で財政健全化目標を五年先送りにし、地方一般財源総額が二〇二一年度まで抑制される方針だと述べていますが、国の地方財政抑制方針を前提に、県財政の運営を行うのではなく、県民サービス向上に向け、国の財政措置を抜本的に求める必要があります。
社会保障関係費等は、国が示す自然増分や消費税増税による充実分の上乗せなどから、現状の二五%から二九%程度をめどにすると示されていますが、とくに社会保障関係費は、国が示す自然増分がそもそも抑制されており、しかも医療分野で、この間、県単独助成を削ってきたことなどをふまえ、さらに充実させることが求められます。

新たな「行革」ストップを!

9月議会で論戦

県当局は、「『行革』はおわった。これからは、財政運営方針なんだ」と強調しています。しかし中身を見てみると、従来通りの大型開発は進めながら、新たな県民サービスの切り捨てをすすめようとしている新たな『行革』方策と言わざるを得ません。
日本共産党兵庫県議団は、県が示す「二〇一九年度以降の行財政運営の枠組み」をさらに分析・検討し、県民要求実現・サービス充実の立場で、行財政構造改革特別委員会、九月議会での論戦をすすめていきます。

(兵庫民報2018年9月2日付)

山下よしき「翁長さんの遺志を継いで」

連載エッセイ8

故・翁長雄志沖縄県知事の告別式に党を代表して参列(八月十三日)。「沖縄に新たな米軍基地はつくらせない」と命が燃え尽きるまでたたかい抜かれた翁長さんに敬意と感謝を捧げました。
翁長さんはよく「沖縄県民が自ら提供した米軍基地は一つもない」と訴えていました。沖縄戦の最中、上陸した米軍が住民を収容所に囲い込み強制接収した土地につくったのが沖縄の米軍基地です。戦後も「銃剣とブルドーザー」で民家や畑を押しつぶし基地が拡張されました。その一つが普天間飛行場です。〝返してやるから代わりの土地を差し出せ〟というのは「強盗の論理だ」と翁長さんは怒りを込めて告発していました。
よく知られるように、翁長さんは元自民党沖縄県連幹事長です。のちに県民を裏切り、辺野古埋め立てを「承認」した仲井真前知事が、知事に当選したときの選対本部長は翁長さんでした。裏切りは許せないと翁長さんは自ら知事候補となり前知事に圧勝します。日本共産党も加わる「オール沖縄」のたたかいの勝利でした。
直後、翁長さんが党本部を訪ねてくれました。歓迎の拍手に包まれた翁長さんの言葉は忘れられません。
「これからは保守は革新に敬意を表し、革新は保守に敬意を表し、これからの沖縄のあるべき姿をめざして、心を一つにやっていきたい」
まさに共闘の真髄です。ご遺志を受け継ぎ、直面する沖縄県知事選勝利、来る参院選での市民と野党の共闘勝利のために全力を尽くします。
(日本共産党参院議員・党副委員長)

(兵庫民報2018年9月2日付)

全国からの応援を被災自治体へ

日本共産党国会議員団兵庫事務所長 金田峰生

全国の皆さんから日本共産党に託された義援金を届けるため、党県災害・復興対策委員会事務局長として、八月二十日から三日かけて、県内十二市町をまわりました。
義援金はどの自治体でも深い感謝と共に受け止めてもらえました。ご支援にあらためて感謝申し上げます。
首長をはじめ、担当者からは、「住民の命と財産を守るために、治山治水へ優先的に予算を充てて欲しい」との切実な要望が出されました。
年間予算が十億円を切る町で、三億七千万円にのぼる被害は、多少の国の補助があってもキツイだろうことは、想像に難くありません。
大きな被害があった宍粟市へは災害から三度目の訪問で、「土砂崩れですぐ隣の家が全壊。自宅は納屋が潰れただけで助かったけれど、いつ裏山が崩れるか不安で帰れない」というご家族の訴えも、直接お聞きしました。
また、「流出した土砂を、廃校した小学校に仮置きしているが、せめてカバーをかけて欲しい」との地元の要望もお聞きし、市長に伝えたところ、搬出が始まったと連絡がありました。
二十四日は台風二十号への対応で職員の皆さんも大変なのではないかと思いながら伺いましたが、兵庫北西部はそんなに雨も降らなかったとのことでした。
しかし、農作物への影響が懸念され、被害の全容がわかるのは、もう少し先のようです。
被災状況が新たな様相をみせています。防災へ向けての抜本対策、被災者救援・支援のための法改正を含む対応が必要だと実感しました。九月に予定している対政府要請行動で、しっかり取り上げようと考えています。
(参議院兵庫選挙区予定候補)

(兵庫民報2018年9月2日付)

北神地域で金沢市議と金田氏かこみ集い



「北神地域を考える会」を日本共産党の支部が八月二十二日、神戸市北区の北神区民センターで開催。党国会議員団兵庫事務所長で参院兵庫選挙区予定候補の金田峰生氏と金沢はるみ神戸市議を囲み、市政、農業、地域医療などについて語り合いました。
金沢市議は、七月の台風被害では、私道の土砂撤去を公費で行うことになったなどの前進点を紹介するともに、六甲砂防の計画が六割程度しか達成できていないなど、今後のさらなる取り組みが必要だと語りました。
また、市の「都市空間向上計画」について審議会委員からも批判がでていることを紹介し、どこに住んでいても住民サービスが受けられるようにしなければならないと強調しました。
また、済生会兵庫県病院については、三田市の審議会が三田市民病院の民営化・近隣病院との統合による増床で一致していることに対し、神戸市当局として統合反対の声をあげさせる必要があると報告しました。
金田氏は、この間の災害被災地の実情や日本共産党の取り組みを語り、「災害時こそ、日本国憲法の立場で人権を守り、被災者を支援しなけばならない。それができる政府をみなさんといっしょにつくりたい」と決意を表明しました。
参加者からは、大規模な太陽光発電所建設への不安や、農村部の人口減少の悩みなどについて発言があり、金沢、金田両氏もいっしょになって考えました。

(兵庫民報2018年9月2日付)