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2018年7月29日日曜日

観感楽学

先日の集中豪雨は、大小の河川を氾濫させ、岡山、広島、愛媛など西日本一帯にすさまじい被害をもたらした。全国からボランティアが救援に駆けつけているのを見て、阪神・淡路大震災が甦ってきた▼私はJR元町駅近くにあった「西診療所跡」を拠点に救援活動を開始。震災二日目には救援物資が届きはじめたが行政は混乱し物資をさばくことさえできない。「いま、被災者に最も必要なものはなにか」を見極める判断力と指導力が何より重要だと思い知らされた▼この救援事務所を取り仕切ったIさんは集まってくる救援物資とボランティアを一手に引き受け、「困っていることがあれば事務所に電話を」とボランティアを被害現場に向かわせ、被災者の要求を聞いてくるよう指示した▼「水がほしい、食べものがない、がれきを撤去して、二百人分の食器がない、大人用の紙おむつはない?…」彼らが集めてきた声は行政ではつかみきれないリアルなもので私たちは真剣に対応した▼あれから二十三年。この時、被災者と真正面から向き合った青年たちは人として一気に成長している。彼らの子どもたちが東日本大震災、この大水害で被災地に向かっている。(D)

(兵庫民報2018年7月29日付)

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