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2018年7月1日日曜日

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:2018-06-20

国側代理人の「抵抗?」

副島圀義

六月二十日の大阪地裁では、原告代理人を代表して豊島達哉弁護士が意見陳述しました。
三月二十七日、東京高裁で被爆者六人が勝訴。国が上告を断念して確定しています。豊島弁護士は、その判決のポイントを説明したうえで「国が東京高裁の判断に従ったということは、近畿の訴訟についても国の主張に根拠がないことを認めたということになる」と訴えました。

本欄四月八日付で東京高裁判決について書いた部分を紹介しますと――
国が「積極認定」の対象にしていない脳梗塞やバセドウ氏病についても、放射線起因性を肯定し原爆症と認定。
「発病は被爆ではなく生活習慣による」という国の主張について「発病に他の原因があっても、被爆との相乗作用を認めるべき」と明確に判断。

◎被爆による健康破壊を特定の病気に限定。
◎加齢や生活習慣などが発病原因だと決めつけて放射線起因性を否認。
これらは国が原爆症認定申請を却下する一貫した「論理」?ですが、それを覆した東京高裁判決に従った(上告を断念した)以上、国が全国各地で今までと同じ「リクツ」で被爆者いじめを続けることは許されません。

ところが、この日、豊島弁護士の意見陳述のあと、国側代理人があえて言いました。
「原告代理人が、必ずしも東京高裁判決を正確に引用したとは思われない。裁判所は慎重に判断して頂くよう、一言申し上げたい」と。
さすが「東京高裁判決は○○の部分で誤りがある」とは言えません。「慎重な判断を」とは一般論としては当たり前。
「何が言いたかったの?」とは、弁護士さんも傍聴者も共通の感想でしたが、「とにかく、真理も道理も論理も関係なく、国の態度は変えませんよ」ということでしょうか。
まさに「安倍政権が国会でやっていることの法廷版」と聞こえた次第です。

(兵庫民報2018年7月1日付)

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