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2018年6月10日日曜日

「被災者追い出し裁判」を考えるシンポジウム

神戸市の主張では入居者死亡のおそれも

借上復興弁護団と日本福祉学会の共催で「被災者追い出し裁判」を考えるシンポジウムが五月二十六日、神戸市で開かれました。神戸市と西宮市が入居被災者を追い出す裁判が続いていることから、論点を整理・確認しながら、被災者の救済と被災者の「居住の権利」について検証しようと開かれたものです。
入居者の実態を検証しながら活動している関本英恵さん、弁護団事務局長の吉田維一弁護士、学会理事の吉田邦彦北海道大学教授、学会会員の水野吉章関西大学准教授の四氏が入居者の健康状態や、公営住宅法の解釈、住宅供給のあり方などについて専門的見地から意見を交しました。
関本さんは、兵庫区キャナルタウン住宅居住者などの健康状態を危惧しながら、抗議集会やキャラバンなどの経験を報告しました。吉田弁護士は、裁判での論点と「被告」とされている各人ごとの争点について詳しく紹介しました。
吉田教授と水野准教授は、公営住宅法三十二条六項に基づき事前通知なしでも返還を請求できるとする神戸市などの主張に対し、「同法の明け渡しの規定は、無理な明け渡し要請を禁じるために場面や必要性を特定して定められている」「(神戸市の主張では)借り上げ住宅だけは、入居者にいかなる事情――退去によって入居者が死亡するおそれも――があっても強制明け渡しが可能になるといういびつな構造になってしまう」と批判しました。
―段野太一(ひょうご借り上げ住宅協議会)

(兵庫民報2018年6月10日付)

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