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2018年6月3日日曜日

観感楽学

先ごろ、安倍首相がロシアを訪問しプーチン大統領と会談した。訪問するたびに日ロ平和条約とか「領土」返還交渉をうんぬんするが、今回も具体的進展はない▼その時、世界が注目していたのは「米朝会談」。トランプ大統領が、突然、「米朝会談の中止」を発表して、世界中のトップニュースになっていた。朝鮮半島非核化の機運が高まっていただけに、中止の報道は衝撃的だった▼間髪をいれず動いたのは韓国の文在寅大統領。ただちにトランプ大統領に電話を掛け、北朝鮮の金委員長と会談し、「米朝会談」中止回避に向け奔走した▼思い起こしてみると、米朝は、今年初めまで相互にののしり合い、一触即発の危機すらはらんでいた。ところが韓国の文大統領は二月の平昌オリンピックを契機に、アメリカに働きかけながら、一方で北朝鮮との会話を通じて友好関係を築き、四月には板門店で金委員長と歴史的な握手を交わすなど、一気に信頼関係を回復させた。同じ民族同士とは言え、積年の対立関係を和らげ、相互の信頼関係を修復させた力量には敬服する。会話を否定し「圧力強化」しか語れぬ安倍首相は、文大統領から外交とは何か真剣に学ぶべきだ。(D)


(兵庫民報2018年6月3日付)

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