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2018年6月24日日曜日

連載・「神戸市都市空間向上計画」完全撤回を〈3〉

地価上昇で住みにくい地域に

「計画」では三宮など都心部を「都市機能誘導区域」に指定。さらなる税金投入などで「商業・業務、文化、交流、行政などあるゆる機能を高度に集積」させ、一極集中の再開発を強行しようとしています。
神戸市の担当部長は「都心三宮再整備」の「経済効果(税収)」として、地価の高騰による固定資産税・都市計画税の税収増を挙げています。事実、三宮再開発の進展とともに、中央区より東側の行政区の地価は軒並み上昇しています。二〇一六年度から二年間で、住宅地の公示地価は、東灘区三・二%、灘区六・二%、中央区三・九%の上昇。商業地の公示地価は、東灘区四・八%、灘区七・五%、中央区一〇・九%の上昇となってます。
地価の高騰は、市民生活の向上につながるでしょうか?
日本共産党神戸市議団の学習会に参加した中央区の男性は「地価があがれば、家賃があがる。このままでは中央区に住み続けられない」と切実な思いを語ってくれました。
また地価高騰は学校や保育所など公共用地確保に深刻な影響を与えています。久元喜造神戸市長は待機児童解消が遅れていることについて「地価の上昇などがあり用地の確保が困難になった。おわびします」と本会議で謝罪せざるを得ませんでした。

駅前タワーマンションで人口減少解決⁉

久元市長は「明石市の人口が増えている大きな要因として、平成二十九年(二〇一七年)に明石の駅前に高層タワーマンションが建設され、この年に明石市の人口はかなり増えています」(二月十六日記者会見)と語っています。また議会でも「駅前再開発をもっと進めるまちづくりが不可欠。そういう観点から神戸市では都市空間向上計画として五十年先を見据えた街づくりの指針にしたい」と答弁しています。
しかし、駅前のタワーマンションの建設が、人口減少対策の切り札となるでしょうか?
人口減少社会にどう立ち向かうかは、神戸市にとっても重大問題です。しかし、困難を抱えるニュータウンなど郊外を切り捨て、タワーマンション建設で若い世代を呼び込むことでは、抜本的な対策とはなりえません。
今、必要なことは、ニュータウンなどが抱えている問題に自治体が寄り添い、老いも若きも住み続けられるまちづくりをいっしょに進めることではないでしょうか。現在ある公共施設を有効に活用し、九行政区のバランスのとれたまちづくりをすすめることが、市街地のこれ以上の過密を緩和させ、合理的で行政コストの削減にもつながるまちづくりの方向性が見えてくると考えます。

新自由主義的な自治体へ変質

本来、自治体のまちづくりはどうあるべきでしょうか?
都市計画法は「都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする」としています。民間がたとえもうからないと考える地域でも、住民のくらしに必要ならサービスを維持するのが、自治体の本来の役割であり、法の要請であることは明瞭です。安倍政権がすすめる「立地適正化計画」は、市場原理を最優先にする新自由主義的変質をすすめ、地方自治体の本旨を捨て去るものであると言わざるをえません。神戸市は「計画」を強引にすすめることで、国のまちづくり破壊の流れの先兵の役割を果たそうとしています。

活性化の鍵は地域の様々な課題の解決に

この連載の初めには、市民の声と運動によって、神戸市が「修正案」を出すことを余儀なくされ、その発表は六月、意見募集は七月の予定だと述べました。しかし、神戸市はこの問題で混迷を深め、「修正案」の発表さえ、六月にはできない状況となりました。
日本共産党神戸市会議員団は、市民のみなさんと力を合わせ「計画」の完全撤回へ全力を尽くします。神戸の街の活性化のカギは、お住まいの地域の様々な課題の解決にこそあると考えます。市会議員団は、そうした草の根の地域要求の実現の先頭に立って奮闘する決意です。(おわり)

(兵庫民報2018年6月24日付)

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