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2018年5月20日日曜日

借上住宅裁判:地裁・高裁あいつぎ和解を提案

神戸市と西宮市がURとの契約期限を理由に借り上げ復興市営住宅の入居者に明け渡しを迫り、継続入居を求める被災者を訴えた裁判で、裁判所があいついで和解を提案。入居者と借上弁護団は、「継続入居を前提」に和解協議に応じる意向を表明しており、神戸市と西宮市の態度が問われています。
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シティハイツ西宮北口入居者を西宮市が訴えた裁判では、四月の西宮市長選後初めての弁論が五月九日、神戸地裁尼崎支部で行われました。
この裁判では昨年、和解協議が打ち切られていましたが、この日、河田充規裁判長が和解協議を再提案しました。

神戸市・西宮市への働きかけを強化:借り上げ住宅継続入居へ弁護団・支援者

四月十五日に西宮市長に就任した石井登志郎氏は、市長選に向け借上弁護団やひょうご借り上げ住宅協議会が行ったアンケートに対し、「しかるべき立場に立った際、西宮市がこれまでしてきた主張や背景をしっかり咀嚼し」などとも述べていますが、「裁判の取り下げを視野に対応することを基本と考える」「継続入居を認めていく方向で考えるべき」「被災入居者の居室のみを借りる『戸別借り』の手法など……のご意見もお聞きした上で、諸課題の精査を行い、前向きに対処していきたい」と答えていました。
五月九日の裁判で市側代理人は「持ち帰って検討する」と答えていました。
これに対し、借上弁護団は石井市長あてに「継続入居による早期解決を求めます」とのFaxを送り、六月議会へ向け五月中に要請・激励を強めようと提起しています。詳しくは同弁護団☎078・382・0121(神戸あじさい法律事務所)へ。
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神戸市兵庫区のキャナルタウン・ウエストのNさんを神戸市が訴えた裁判の控訴審の第二回弁論が五月十四日、大阪高裁で行われました。
山田陽三裁判長は、入居者・神戸市、双方にすれ違いはあるものの主張は尽くされたとして借上弁護団が求めた証人調べなどを認めず、結審を宣言しました。しかし、「判決によらない解決があり得るかどうか双方から意見を聞きたい」と和解協議を提案し、弁論後、三者で短時間の話し合いが行われました。
その後の報告集会で、借上弁護団の佐伯雄三団長は、弁護団としては「継続入居を前提」に協議に応じることを表明したが、神戸市側は話し合いの余地はないとの頑なな態度を示したこと、七月に再度、協議を行うことになったことを報告しました。
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同弁護団は、五月二十三日(水)に「被災者追い出し反対キャラバン」を神戸市役所前(十時)、西宮市役所前(十一時)で行い、継続入居による借り上げ復興住宅問題の早期解決を訴えます。
また、五月二十六日(土)には日本住居福祉学会との共催でシンポジウムを開催し、裁判の論点を確認しながら、被災者の救済と「居住の権利」を求める取り組みについて討論します。

借上復興住宅弁護団&日本居住福祉学会シンポジウム:「被災者追い出し裁判」を考える

5月26日(土)14時~16時、TKP神戸三宮カンファレンスセンター(中央区御幸通6丁目)/「借上復興住宅の実態」市川英恵&借り上げ復興住宅入居者、「これまでの各事件の経緯」吉田維一(弁護団事務局長)、「民法(借地借家法)からの考察」吉田邦彦(学会理事・北海道大学教授)、「公営住宅法からの考察」水野吉章(学会会員・関西大学准教授)/参加費無料/問い合わせ☎078‐382‐0121(弁護団)


(兵庫民報2015年5月20日付)

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