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2018年5月27日日曜日

観感楽学

『剣客商売読本』を読んでいたら「湯豆腐のとき、大根を千六本に切って鍋へ入れると、豆腐がうまくなった気がする」という文章が目に入った。千六本って千切りよりさらに細く刻むことなの?なら千七本でもいいのになぜ。仕方がないから大辞林で調べると「せんろっぽん」は「繊蘿蔔(せんろふ)という中国字音の転。蘿蔔=大根を細長く刻んだもの〈日葡〉」とあった▼日葡、すなわち日葡辞典(日本語→ポルトガル語)が気になったのでお次は『角川外来語辞典』をひらく。「センロフ=繊+rapum(ラープム)(ラテン語)で、大根などを細長く刻むこと。せんろっぽんと訛る」とあり、さらに「蘿蔔の語源はrapum」と説明している。中国が先か欧州が先かはともあれ、千六本は日本的によく工夫されたあて字であることが判明▼千切りに似て非なるものが一切。もちろんひときりではなく「いっさい」である。モリ・カケ問題で国会に喚問・招致された二人の高級官僚。のらりくらりと真実を語らず首相関与について、そこだけは記憶鮮明なのか口をそろえて「一切ない」▼ウソ八百にまみれるアベ政治。なんとしても千六本に刻んで、歴史のくずかごに放り投げねば。(T)



(兵庫民報2017年5月27日付)

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