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2018年3月10日土曜日

大門みきし「さやのなかの刀」

連載エッセイ25

国会は、予算案の審議など一年で一番忙しい時期をむかえ、私も連日、質問の準備に追われています。
国会に来たばかりのころ、故・正森成二さん(元衆議院議員)の秘書をしていた方から、正森さんの質問は、きびしい追及をしても、相手の首のかわ一枚はかならず残しておくという人間的なやさしさがあったと聞き、感動しました。以来、そんな質問になるようにと心がけてきましたが、まだまだです。
質問は人それぞれ、個性の表れでもあります。木刀で叩き割るような質問もあれば、居合抜きのように気が付いたら終わっていたという質問もあります。ときおり、刀を何本も用意しすぎて何がいいたいのかわからない質問もあったりしますが、それらも含めて、みんなちがってみんないいと思います。
黒沢明の映画「椿三十郎」に登場する家老の奥方は、抜き身の刀のようにギラギラしている三十郎にむかって、「ほんとうにいい刀はさやに納まっているものですよ」と諭します。なるほど、質問でも、刀を抜くまでもなく相手を動かせればそれに越したことはない。
ちなみに、麻生太郎財務大臣は、とんでもない暴言ばかりを吐く人ですが、どういうわけか、私の質問には刀を抜かずとも最初から前向きに応えてくれることがあります。ただこれは、自民党議員も「(麻生さんは)大門さんのことが好きなんじゃないの」と言うくらいなので、少し気持ちわるいですが、刀の有無とは関係のない話かもしれません。
(日本共産党参院議員) 

(兵庫民報2018年3月11日付)

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