二、三月兵庫県議会では、二月二十八日、日本共産党の庄本悦子議員が本会議一般質問、入江次郎議員が、三月二日に、二〇一七年度予算補正関連議案への討論を行いました。
○庄本議員の一般質問
「行革」・県民犠牲
庄本議員は、新行革プランにもとづく十一年間の行財政構造改革をふまえ、「今年度予算で、収支不足を解消したというが、福祉等を削り県民犠牲をすすめてきたという認識はあるか」とただしました。
答弁で井戸敏三知事は、県職員の定員削減、福祉などの事務事業の見直しなどの行財政改革をおこない、震災関連県債の償還、収支不足額解消をおこなってきたことを誇り、「しかし新たな行財政運営の枠組みの検討が必要」と答弁。県民の福祉などを切り捨ててきた痛みも自覚も感じられないものでした。
国保・地域医療
国保の都道府県化問題で庄本議員は国保料(税)のさらなる値上げや徴収強化がすすむとして、県が一般会計から繰り入れを行うよう主張。病床削減ありきの地域医療構想については見直しを求めました。
国保について当局は、「県が激変緩和措置を行った後の保険料水準を踏まえ、一般会計繰り入れの要否を適切に判断されるものと考えており、保険料の賦課決定権は市町にあるため、県による保険料軽減のための一般会計繰り入れは考えていない」と答弁。一方、国に対しては「保険料軽減のための更なる財政支援や子育て支援策といたしまして、子どもの均等割保険料の廃止を提案している」と述べました。
公立高校学区拡大
公立高校の学区拡大問題で、庄本議員は、尼崎市の子どもが三年間で約七百人も市内の公立高校に行けなかったこと、進路指導などにおいても、入れるところへの輪切りの指導が行われることなどを指摘。競争教育に拍車をかけていることに言及しながら、希望者全員の入学、子どもの教育を受ける権利を保障するよう求めました。
しかし当局は、「今年の入試倍率は、一・一倍で、とくに競争がひどくなったという認識はない」と答弁。傍聴者から思わず、「ひどい」と声があがりました。
石炭火力発電所
神戸製鋼石炭火力発電所増設計画について、データ改竄をしたコベルコ科研が提供したデータの検証が不十分なうえ、石炭火力発電中止が世界の流れであり増設計画の中止を要求。当局は、審査会答申、神戸市や芦屋市、公聴会などでの意見をふまえ、知事意見を作成すると答えました。
憲法
庄本議員は、県政百五十年に関わり、日本が侵略戦争をすすめてきた歴史も直視し、憲法九条改憲をやめるよう国に求めることを迫りました。
これに対し、井戸知事は、「世界に誇る崇高な理念」としながら、「様々に議論することは大切」と答弁しました。
○入江議員の討論
三十六議案中十八議案に反対する討論に立った入江議員は、先行取得されていた用地を県が買い取るなどの予算が含まれている二〇一七年度補正予算に反対しました。
先行取得用地
丹波市柏原駅南用地はパークアンドライド方式の駐車場建設が予定されていましたが計画がすすまず、淡路市浅野神田用地は乱開発防止を理由に先行取得されており、先行取得のあり方とともに、今回の取得の目的も不明確であり反対しました。
宝塚新都市として一千二百ヘクタールを先行取得し活用されずに「塩漬け」になっている土地の一部を県が百二億円で環境林として買い取る議案について入江議員は、「県民に十分な説明がなく、環境林の名で新たな借金をつくることは許されない」と反対しました。
地域創生戦略基金
地域創生戦略基金の設置では、「地域創生と言いながら、公共施設の集約・統廃合をすすめるもの。高速道路などの大型公共事業によって借金を膨らませる内容だ」と反対しました。
県立都市公園条例
県立都市公園条例の改正では、都市公園内にテーマパークなどを設置する場合、建ぺい率の上限を二%から一二%にしようとするもので、「都市公園を営利化するもの。周辺住民、商店から困惑の声があがっている」と厳しく指摘しました。
土地改良事業
土地改良事業の改正は「中間管理機構に貸し出した農地を所有者の同意がなくても整備できるようにするもので賛成できない」としました。
(兵庫民報2018年3月11日付)