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2018年2月24日土曜日

観感楽学

先日の新聞一面は、羽生選手が六十六年ぶりに五輪男子フィギュアで連覇したことと藤井棋士が六十三年ぶりに一般棋戦の最年少優勝記録を更新したことで飾られました。「ぶり」が重なったので、はてと思い辞書を引いてみました▼「十年ぶりの最新版」という帯のかかった広辞苑より大辞林のほうが「ぶり」の説明では丁寧。「時間を表す語に付いて、それだけの時間を経過して再び同じ状態になることをあらわす」とありました。古語辞典にも同じ用法が出ており、引用例文から少なくとも江戸時代には使われていたことがわかります▼さて、その日の夕飯にブリの刺身。もはや寒ブリとは言えないのですがじゅうぶんおいしくいただきましたが、もしやと思い今度は語源辞典を引いてみました。「年を経(へ)た、経(ふ)るという意味からの命名か」とあります。中国では老魚と呼ばれ日本では「経魚(ふるうを)」といいあらわし、フルウヲ→フリヲ→ブリとなった、そこには「何年ぶりか」という漁師の思いが込められている、と解説。なんと、ぶりとブリは同じだったのです▼もちろん、「かの人の厚顔無恥ぶりには腹が立つ」など別の用法もあります。最後は無茶ぶりでした。(T)


(兵庫民報2018年2月25日付)

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