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2018年1月27日土曜日

兵庫で140万達成へ共同の到達に確信もち、地域を舞台に


「安倍九条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」(三千万署名)の兵庫県での目標百四十万筆を達成するための交流会議が憲法改悪ストップ兵庫県共同センターと兵庫県革新懇の共催で一月二十一日に開かれました。
津川知久憲法共同センター代表が、改憲発議を今年狙う安倍政権の動きと改憲を許さない国民世論・運動など、情勢を語り、「全県で百四十万筆を集めきり、改憲発議をさせない世論をつくろう」と呼びかけ、各地域の多彩な経験を交流しようと提起しました。
経験交流では、総選挙での市民と野党の共闘が署名推進に発展しているとの報告が各地から相次ぎました。
「市民アクション」については「衆議院を野党共闘でたたかった人たちで結成」(西宮芦屋)、「結成し、昨日キックオフ集会開いた」(尼崎)、「実行委員会をつくりスタート集会の開催を」(明石)、「新社会・みなせんと学習会開催を決めて立ち上げた」(須磨区)、「地域で呼びかけ人を組織している。戦争法反対では断った人も今度は『安倍はひどい』と呼びかけ人になってくれた」(東園田)などの経験が語られました。
また、「七万五千を目標に、宣伝もすでに九十回を越え、憲法カフェなど多彩に繰り広げている」(新婦人)などのとりくみも報告されました。
さらに、「『目標達成には全戸訪問しかない』と取りくみ、その中で若い人を〝発見〟し、対話した」(荒田)など経験も各地から語られました。
労組のナショナルセンターを超えた共同でつくった総がかり行動兵庫県実行委員会が今年も五月三日に一万人規模で集会を計画、そのプレ集会を三月一日に開催(十八時三十分、神戸市勤労会館大ホール)することも紹介されました。
最後に宮田静則革新懇事務局長が、「全県でつくってきた今までにない共同の到達に確信を持とう」と強調し、「改憲策動との激しいたたかい。到達をリアルに直視して遅れを挽回しよう。主戦場は地域であり、地域とタテ線が協力し、励ましあってさらに頑張ろう」とまとめの発言をし、閉会しました。

安倍9条改憲NO!全国市民アクション

(兵庫民報2018年1月28日付)

全国市民アクション・尼崎キックオフ集会


尼崎で三千万署名を前進させようと「安倍九条改憲ノー!全国市民アクション・尼崎」キックオフ集会が一月二十日午後、尼崎市内で開かれました。
この集会は、これまで考え方の違いを超え幅広い団体・組織が結集している「戦争・原発・貧困・差別を許さない尼崎共同行動」を中心に十六人が呼びかけて開催されたものです。
集会には百三十人が参加し、新聞「うずみ火」代表の矢野宏さんが記念講演をしました。
矢野さんは「安倍首相は年頭記者会見で憲法のあるべき姿にもどすと改憲に意欲を示している。改憲のネタは日本会議にある。日本会議の改憲は憲法九条に三項を加え自衛隊を明記すること。これにより自衛隊の活動全般を憲法が認め、戦力を保持しない二項を形骸化させ海外での武力行使拡大へつなげていこうとするものである。首相は今年の通常国会に憲法九条改正発議を狙っている。国民投票になれば広報に関する規制がないので、資金力のある改憲派が有利になる。発議させないたたかいが大切だ」と訴えました。
東園田九条の会、尼崎医療生協、戦争アカン女たちの会が決意表明。尼崎医療生協は「改憲発議させないたたかいをと昨年十月に署名用紙を取り寄せ、二万を目標にしてとりくみ一万一千筆を突破した」と報告しました。
最後に五月三日までに尼崎で十万筆の署名を集めることを確認しました。

挨拶する堀内前議員

堀内照文前衆議院議員も発言し、参加者を激励しました。
徳田みのる(尼崎市議)

(兵庫民報2018年1月28日付)

共産党伊丹市委員会と後援会が三千万署名推進学習会

目標達成へ党と後援会の役割を

日本共産党伊丹市委員会と伊丹後援会は一月二十日、安倍九条改憲NO!全国統一署名推進のための学習会を、小林明男党県常任委員(三千万署名担当)を講師に開催しました。
上原秀樹市議が党市委員長として開会の挨拶をしたあと、小林氏が昨年末に開催された全国三千万署名担当者会議に基づき講演しました。
小林氏は、この署名運動の意義、安倍改憲策動をめぐる情勢を語り、総選挙での野党と市民の共闘が大きな財産になり、いま署名運動での共同へと広がっていることや各地の多彩なとりくみを紹介しました。
三千万(兵庫県で百四十万、うち共産党で五十万)の目標を達成することは容易ではないが、やりきる意義は大きいと指摘。保守も含め憲法九条を守る共同を思い切って広げ、国民に安倍改憲の危険な本質を知らせ、担い手を増やし、党と後援会としてその役割を果たそうと訴えました。
上原氏も、この間の署名対話の経験や伊丹市での市民連合結成の相談が他党ともすすんでいることを報告しました。
参加者から、「目標達成には全戸訪問は必要だが各地でどういう経験があるのか」「安倍改憲の中身が知られてない」「自衛隊の設立のいきさつは」などの質問にも小林・上原両氏が答えました。
最後に、関口勝巳後援会会長が「伊丹でなんとしても三千万署名を集めきる構えでがんばりましょう」と閉会挨拶しました。

(兵庫民報2018年1月28日付)

堀内照文エッセイ(15)

実績抜群の名護市長:米軍再編交付金なしでも福祉充実

名護の街並み

阪神・淡路大震災から二十三年がたちました。戦後五十年でもあり一つの転機となった年でした。
この一九九五年のもう一つの重大な出来事が沖縄少女暴行事件です。沖縄県民の怒りが沸騰し、八万五千人もの県民大会もおこなわれ、日米両政府は普天間の「閉鎖・撤去」を約束せざるを得ませんでした。しかし、それが移設条件付きの「撤去」だったことから県民の新たな怒りを呼び、さまざまな分断攻撃をも乗り越えて、こんにちの「オール沖縄」の団結に至っています。
その要ともいうべき存在が名護市長です。昨年末、私も支援に駆けつけました。三日間二十二カ所で街頭演説をおこないました。地方議員の皆さんが十二月議会さなかのため、「もう八十になるよ」と笑っておられた外間久子元県議が一人で宣伝カーを回しておられたので、少しは役に立ったでしょうか。
今回初めて公明党が支援に回った相手は「辺野古隠し」で公開討論会からも逃げていますが、米軍再編交付金の受け取りを明言するなど新基地推進の姿勢は隠せません。
サトウキビ畑が広がる屋我地島で訴えていると、小さな商店から百歳を超えるおばあが出てきて聴いてくれ「熱烈に応援している」と。小さな子どもを抱いた若い母親も米軍による被害に顔を曇らせます。
米軍再編交付金がなくても、予算を増やし、子どもの医療費無料化など福祉を充実させる現市政の実績は抜群です。何としても勝利を!
(前衆院議員)

(兵庫民報2018年1月28日付)

「大門ゼミ」番外編:神戸製鋼など不正の背景は?


「神戸製鋼…あいつぐ大企業の不正! 儲け優先経営でいいのか? おかしいぞ、資本主義 みんなで変えよう政治と経済」をテーマに、「大門ゼミ―政治経済キホンのキ」番外編が一月二十日、新長田勤労市民センターピフレで開催されました。
「大門ゼミ」は、大門みきし参議院議員が、生徒役のマリリンこと木田真理子さんとのやりとりも交え、経済の問題をわかりやすく解説する、人気のインターネット番組で、日本共産党のホームページから視聴できますが、今回は神戸で「番外編」として〝ライブ開催〟しました。
大門議員はまず国会情勢で、「北朝鮮とはどんな国か」を詳しく解明し、国際世論も紹介して、安倍政権がいかに愚かで孤立しているかを浮き彫りにしました。
本題の経済問題では、「素材メーカーの不正は日本産業に対する信頼を地に落とし、安全・安心を大きく損なう大事件」だと喝破しました。
こうした大企業のモラルハザードの背景を解明。旧ソ連や東欧の崩壊で「社会主義は失敗した」とされ、資本主義が「革命」を恐れる必要がなくなり、それまで「革命対策」として取ってきた社会保障や労働ルールなどの規制をなくす、いわゆる新自由主義が横行しだした経過などを指摘しました。
大門議員は続けて「どうするか」について言及。「労働組合も金融政策を持つ」ことなどをあげるとともに、「体制側からも〝このままではダメ〟との声が出ており、学者がいわゆるポスト資本主義を論じているが、それらの主な論は、日本共産党の〝資本主義の枠内での改革〟政策と一致している」と紹介。同時に、やはり資本主義を乗り越える理論をもっている日本共産党が伸びる必要があると提起しました。
神鋼やJRの元労働者、港湾労働者、青年などから質問が出され、丁寧に回答。「いい会だった」「力が湧いた」などの感想がよせられました。

(兵庫民報2018年1月28日付)

阪神・淡路大震災から23年

早朝追悼集会やメモリアル集会 

早朝追悼のつどい

阪神・淡路大震災から二十三年となる一月十七日、各地で様々な取り組みが行われました。
神戸市中央区諏訪山のビーナステラスでは、被災者ネットワーク、ボランティアグループ「すまいる」、NPO法人Earthなどでつくる実行委員会が早朝追悼のつどいを開催。地震発生の五時四十六分に黙禱し、「神戸・希望の鐘」をついて犠牲者を悼みました。
また神戸市勤労会館で市民追悼のつどいをひらきました。

長田メモリアルウオーク

震災復興長田の会などでつくる実行委員会主催のメモリアルのつどいは長田区のふたば学舎で行われ、神戸・長田区(森本真市議)、宮城県(遠藤いく子県議)、岩手県陸前高田市(藤倉泰治市議)、熊本市(山部洋史市議)の状況が報告されました(括弧は報告者)。

ケミカルシューズ製造業者から話を聞く

宮城県では災害公営住宅の家賃減免が切実な要求になっていること、壊れた自宅に住み続けている在宅被災者の苦難、医療費窓口負担免除について県が責任をもたず、市町では制限を強めていることなどが語られました。
陸前高田市では県立病院など、被災前と同じ場所・規模での「現状復旧の原則」という国の制度の改善が課題となっていることが指摘されました。
熊本市でも医療費窓口負担減免を「財政的理由」で継続できないとした市の姿勢が問われていることが報告されました。
新長田再開発地域でのウオークも行われました。
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(左から)原発事故避難者の森松明希子さん、ボランティアグループ「すまいる」の岡部眞紀子さん、被災者ネットワークの安田秋成さん

市民追悼のつどい実行委員会は、関西の原発事故避難者と阪神・淡路大震災被災者らが語りあう「つなぐ会」を開催、原発賠償訴訟で問うている〝避難する権利〟やそれぞれに生活の現状を語りあい、音楽セラピーも楽しみました。
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阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議のメモリアル集会では、借り上げ復興住宅からの被災者追い出し、災害援護資金返済、被災者生活再建支援法の拡充、アスベスト被曝などの課題について提起されました。
また、原発事故被害の現状とたたかい、九州北部豪雨災害による被災状況や生活・生業再建の課題などについて報告されました。
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日本共産党からは、堀内照文前衆院議員のほか、こくた恵二・田村貴昭両衆院議員、武田良介参院議員が早朝追悼のつどいなどに参加しました。

(兵庫民報2018年1月28日付)

「民泊」:神戸市条例の課題

地域の安全・安心守る効果的制限を

日本共産党神戸市会議員団団長 森本真

二〇一七年六月に「住宅宿泊事業法」いわゆる「民泊」法が成立し、今年六月から施行されます。
住宅を利用して宿泊する「民泊」については、安全や衛生などの確保を定めた旅館業法の許可や要件を満たしていないなどの「違法民泊」が各地で近隣トラブルを引き起こすなど問題になってきました。施行される「民泊」法は、届け出さえすれば営業を認めるというものであり、「違法民泊」を事実上、合法化し野放しにするものです。
日本共産党は、国会審議で「違法物件が犯罪の温床となる」と追及しました。その結果、「民泊」法には、提供日数を年百八十日泊とすること、地域の実情によって条例で宿泊数を縮減できること、知事への届け出の義務付け、家主不在の民泊は管理業者に委託することなどが盛り込まれました。しかし「民泊」法の規定のままでは、発生しているさまざまな問題の解消にはつながりません。
また、「民泊」法では、自治体の権限として、民泊事業者に必要に応じて業務改善命令や業務停止、立ち入り検査等が可能とされました。
そのため神戸市は、「(仮称)神戸市住宅宿泊事業の実施の制限等に関する条例」の制定をめざし、骨子(案)を発表しました。
神戸市の条例(案)骨子は「住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するとともに、地域との調和を図り、もって法の適切な運営を確保すること」を目的にしています。骨子(案)は、法律の規定以上に規制を強化する内容となっていますが、いくつか改善が必要な点があります。
日本共産党神戸市会議員団は、「民泊」制限条例の制定にあたり、現時点の神戸市骨子(案)についての問題点を指摘し、以下についての改善を求めるものです。
住居専用地域では、すべての期間、実施できないこととしていますが、その他の地域では可能です。マンションでは「民泊禁止」と管理規約を改定する必要があります。
神戸市として実態を把握し、さらに、「民泊事業者が市への届け出をする際には、「民泊」事業が認められていることを証明する、管理組合の署名や規約のコピー提出を義務付けることが求められます。
「民泊」施設は、家主または管理者が常駐して近隣地域住民の不安を解消することが求められます。「民泊」施設内には「管理者常駐」の義務付けが求められます。
「民泊」事業者の衛生・安全確保の義務付けを行うこと。旅館業法・建築基準法・消防法で規定しているホテル・旅館と同様の要件を課すなど、消防用設備の義務付けと火災等緊急事態に対応できる人員配置と体制を常時確保することが求められます。
「民泊」事業者への業務改善命令や業務停止、立ち入り検査などを強化できるよう担当部署の人員強化と、区役所での市民からの通報・相談・苦情などに対応できる体制をつくることが求められます。
日本共産党神戸市会議員団は、引き続き市民や旅館事業者など意見をうかがいながら、「違法」民泊が野放しにならないよう、地域の安全・安心を守るための効果的な「民泊制限」条例となるよう力を尽くすものです。

(兵庫民報2018年1月28日付)

兵庫労連が春闘方針決める

改憲・労働法制改悪反対:大幅賃上げと一体に

挨拶する堀内前議員

兵庫労連は一月十三日、第五十五回臨時大会を開催し、二〇一八春闘方針を決めました。
成山太志議長が開会挨拶。昨年は二つの大きな出来事として、総選挙での市民と野党の共闘が逆流を乗り越えたことと、国連で核兵器禁止条約が成立したことをあげ、市民が政治を動かしていると指摘しました。
今年は安倍政権の憲法九条改悪を許すかどうかのたたかいの正念場、労働法制改悪も許してはならないと強調し、今春闘で大幅賃上げを勝ち取ることと一体にたたかうことを呼びかけました。
また、郵政職場で、転々と転職してきた非正規労働者たちが組合に加入し「初めて人間として認められた」「自分に自信が持てた」と語っていたことを紹介し、今こそこういう温かい労働組合のネットワークを広げようと訴えました。
北島隆事務局長が二〇一八国民春闘方針を提案しました。
「憲法のかかった歴史的情勢」だと春闘をとりまく情勢を語り、全労連結成の意義にも触れ、全労連が提起した「ABS(安倍暴走ストップ)立憲チャレンジャー」も紹介し、三千万署名運動を全組織あげてとりくむ春闘にしようと呼びかけました。
破綻したアベノミクス・安倍「働き方改革」を阻止へ共同を広げ、たたかうこと、そのために職場で徹底した論議を行い、要求にこだわる全員参加の春闘にしようと訴えました。
この提起に応え、三千万署名、雇い止めとのたたかい、公務員削減攻撃との官民一体のたたかいなど十四人が発言。JAL争議団、エミレーツ航空争議団、全厚生闘争団も連帯挨拶をしました。
*
日本共産党の堀内照文前衆議院議員も連帯挨拶をしました。
総選挙以後も各地で共闘が息づいていることを紹介し、今年、沖縄・憲法―二つの共同のたたかいで安倍暴走を打ち破ろうと訴えました。労働法制改悪でも〝生産性向上〟を目的に戦後作りあげてきた民主的諸権利の土台を壊そうとしていると厳しく批判し、共同のたたかいの発展へともにたたかう決意を述べました。

(兵庫民報2018年1月28日付)

前川喜平さん大いに語る

講演する前川さん

「前川喜平さん講演会」が実行委員会(十一団体)主催で一月十六日、県民ホールで開かれました。
講演会には、三時間前からぞくぞくと参加者がつめかけ、第二、第三会場まであふれました。八百五十人以上が参加しました。

憲法に基づく学習権・教育権



前川さんは、国民の学習権・教育権を規定した憲法二十六条と、その前提となる「すべて、国民は個人として尊重される」とする憲法十三条から解き明かし、国に学習権・教育権を保障する責任があることを強調しました。
自らボランティアで夜間中学での学習支援をしている経験にもふれながら、発達障害、不登校などの理由で義務教育から置き去りにされた児童、成人にも学びの場を保障する夜間中学の重要性を語りました。また、教師は学習指導要領にしばられず、自由な発想で主権者を育てる教育をすすめてほしいと述べました。

行政ゆがめる安倍政権

第2会場

加計学園問題では、「不公正」、「不公平」、「不透明」の三つのキーワードから安倍政権と官邸が行政をゆがめ、私物化した実態を指摘。文科省事務次官として官邸や大臣と応対した体験から「最初から加計ありきだった」と強調し、国会での関係者の証人喚問が必要だと指摘しました。
前川さんは予定の八十分を超える二時間あまり立ったまま大いに語られましたが、参加者からは「もっと聞きたかった」「前川さんの誠実な人柄がわかった」という感想が出されています。
前川さんの本『これからの日本、これからの教育』二百冊が完売となり、足りませんでした。
西川幸(実行委員会事務局)

(兵庫民報2018年1月28日付)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:2018-01-16

国の逆転意図は退けたが…

副島圀義


一月十六日、大阪高裁での判決は、六人の方すべてについて「地裁判決は妥当」としました。
三人の方の甲状腺機能低下症について原爆症と認めた地裁判決を維持(勝訴)。一方、心臓疾患やケロイドで申請した三人の方への「却下処分容認」の地裁判決も維持(敗訴)。
判決が出た直後、法廷から走ってきた弁護士さんが「勝利」の幕を掲げたのですが、よく聞くと「三勝三敗」。どういうことかな?と報告集会での説明に耳を傾けました。

「核抑止論」「原発依存」にしがみつく国は、内部被ばくや低線量被ばくの影響を否定するための法廷戦術に力を集中してきました。
「これらが発病の原因になりうる」との学術論文を発表した医師に「私はそんなつもりで書いていない」と前言を翻す「意見書」を書かせたり、法廷での証人に立たせようとするなど手段を選ばず。
あるいは結審直前になってから決着済みの議論を蒸し返して裁判を長引かせようとしたり…。
本欄では、そのような場面を度々ご紹介してきました。
なかでも、国の「積極認定」範囲を超えた方の甲状腺機能低下症を認定させない(地裁判決を逆転させる)ことは、国が特別に力を注いでいたことだったと思います。
そのような意図を退けた限りで「勝利」との評価があったのかな?と、素人理解をした次第です。

しかし地裁での敗訴を覆すことはできませんでした。
判決骨子には「心筋梗塞及び狭心症の放射線被ばくとの関連性については、低線量域も含めて一般的に肯定することはできないが…発症が被ばくの影響を受けた…ことを肯定できる例も相当適度ある」との一節があります。前段の叙述はまったく不当なものです。裁判所に被爆の実相を直視させることはたいへん大きな課題なんだと、あらためて思わされたところです。

一月には二十二日と二十五日の弁論と二十三日の判決とが予定されています。次回はこれらをまとめてのご報告になるでしょう。

(兵庫民報2018年1月28日付)

日本共産党文化後援会が総会

ニュースと文化の集いを軸に活動充実へ

挨拶する段野会長

文化運動の中に日本共産党の風を起そうと奮闘している日本共産党兵庫県文化後援会は一月二十一日、神戸で二〇一八年度の総会を開きました。
はじめに、段野太一会長が、文化講演会の開催やニュース『風を起す』の定期発行で県下の文化運動の中に後援会活動が広がりつつあり、大きな選挙のない今年度の活動を一層充実させていきたいと挨拶しました。
つづいて、松田隆彦党県委員長が、総選挙の結果とその後の情勢の発展について触れて、挨拶を兼ねた発言をしました。安倍政権が、憲法改悪を急ぎ、軍事費拡大、大企業優遇政策をとる一方で社会保障の破壊や労働行政を改悪しようとしていることを厳しく批判し、野党共闘の発展の要としての日本共産党の役割とその拡大強化が大切であると強調しました。
総会の議事については、堤隆二事務局長が二〇一七年度の活動報告と今年度の活動計画について報告し討論を呼びかけました。
活動の柱としては、当面する実行委員会主催の小林多喜二虐殺八十五年・小林多喜二記念集会を成功させるとともに、日常的にはニュース『風を起す』を活用して文化運動の中で日本共産党の理解と支持を広げようと呼びかけました。
討論では文化の分野での憲法改悪反対三千万署名のとりくみを重視して対話を広げることや青年との結びつきを意識的に強める活動など、後援会活動充実への提案が多く発言されました。
また「地についた後援会活動を発展させるためには今年度の課題や目標を明確にした運動と組織活動を進めることが重要だ」などの指摘もあり、ニュースと「文化の集い」を軸にしながらより充実した活動にしていくことが話し合われました。
総会は最後に会財政の決算を承認し、段野太一会長と四人の副会長を含む二十三名の役員体制を確認しました。
堤隆二(文化後援会事務局長)

(兵庫民報2018年1月28日付)

亀井洋示「神話その2」


(兵庫民報2018年1月28日付)

観感楽学

「現実と私たちの間には、知らないうちに何かビニールの膜のようなものが出来ていて、現実の真実の姿がなかなか目に映らないのである。形成が重大になって来て、現実の方がこの膜を破って姿をあらわすまで、私たちは気づかずにいるか、あるいは多少気づいても直視しようとはしない」吉野源三郎の『同時代のこと』(一九七四年・岩波新書)の一節である▼彼は八十一年前、日本が中国侵略を全面展開し始めたころに『君たちはどう生きるか』という本も出している。コペル君というあだ名をつけられた中学二年生が、友人とのつながりの中で様々な失敗をおかし、自分を責めさいなむ。あだ名の名付け親であるおじさんがそのコペル君に心を寄せ、労働・貧困・世界そして人としての値打ちとは?を一緒に考えてくれる、そんなやりとりが内容▼その漫画版が原版と共にいま爆発的に売れている。ウソとペテンを力尽くで押し通そうとする政治や経済。その中で人間としての尊厳が壊され、だからこそ自らの内に人間を回復したいという思いがひたひたと広がっている▼この本と「安倍九条改憲NO!」の三千万署名運動はビニールの膜を破る産婆役である。(T)


(兵庫民報2018年1月28日付)

2018年1月20日土曜日

三宮再開発計画:神戸市がパブリックコメント募集

「市民の声を神戸市に集中させましょう」

日本共産党神戸市議 大前まさひろ

神戸市は大企業のもうけを最優先に、安倍政権の成長戦略に沿って、三宮一極集中の巨大開発を強行しようとしています。
開発を具体化するものとして「『えき≈まち空間』基本計画(案)」「新たな中・長距離バスターミナル整備に向けた雲井通五・六丁目再整備基本計画(案)」が発表されました。神戸市は、二月九日まで市民意見募集(パブリックコメント)を行っていますので、市民のみなさんからのご意見・ご批判を神戸市に集中していただきますようよろしくお願いします。
それぞれの計画案にはきれいなように見えて実はさまざまな問題点が隠れています。

「えき≈まち空間」基本計画(案)


意見提案用資料から

「えき≈まち空間」には、「三宮クロススクエア」、五つの駅前広場、バスターミナルなどの公共施設が新設される計画です。これに加え、市役所付近に新庁舎をつくります。
*
一つ目の問題点は、この計画(案)が予算について全くふれていないことです。
一体いくらかかるかわからないものにどうコメントしろというのでしょうか。これで市民意見も聞いたからと税金を注ぎ込まれたらたまったものではありません。
*
二つ目の問題点として交通の分析も無く、湾岸道路延伸を合理化しているということです。
「三宮クロススクエア」は交通センタービル交差点を中心として付近の道路を車両が通れなくするものです。そのため、三宮を通過しようとする車両は南北を走る道路に迂回しなければなりません。
その迂回するのに阪神高速道路湾岸線延伸も必要だというのが神戸市の考えです。三宮の再開発に合わせて、湾岸道路の延伸工事まで合理化しようとしています。
*
三つ目の問題点は、にぎわいづくりとして既存の商業を考慮していないことです。
神戸市はバスターミナルを伴う巨大ビルを建設し新たな商業床を増やす計画です。市役所二号館も一号館と同規模の高層ビルに建て替え低層部に商業施設を誘致しようとする計画です。かなりの数の商業床が増えることになります。
しかし三宮センター街、センタープラザ、サンプラザ、二宮市場など既存の商店にどれだけの影響があるのか、神戸市は一切調査をしていません。これでは新たに商業施設ができることで既存の商店街はつぶされかねません。これまでもミント神戸ができて地域にどれだけ影響があるか調査を求めてきましたが、それすらされてきませんでした。
*
四つ目の問題点はさらなる補助、規制緩和が行われようとしていることです。
基本計画(案)には「都心地域へのオフィス進出を促すための経済インセンティブの検討」とあります。しかし神戸市はすでに「都心地域オフィス等立地促進事業」で三宮ビルディング北館に六甲アイランドから移転してきた「P&G」一社に五年間で四億五千万円の補助を出しています。これを上回る補助を検討するということです。
「商業、業務系の建築物に対する容積率の検討」ともあり、すでに都市再生緊急整備地域ということで容積率の緩和が行われ高層ビルが建てられるというのにさらに容積率を緩和しようというものです。
大企業のもうけのためにというその本音が表れています。

新バスターミナル基本計画(案)


意見募集用資料から

「新たな中・長距離バスターミナル整備に向けた雲井通五・六丁目再整備基本計画(案)」の問題点についてです。
神戸市は区役所、勤労会館を市役所三号館に移転し、その跡地にバスターミナルを伴う巨大ビルを建設しようとしています。あわせて地域の文化施設を廃止し三宮に集約しようとしています。
そんな巨大開発が必要でしょうか。地方自治の本旨は「住民福祉の増進」です。しかし特定都市再生緊急整備地域では目的が「国際競争力の強化」となっています。国際競争力の強化のために地域の会館をなくし、「住民福祉の増進」が脇に置かれるようなことになってはいけません。
*
一つ目の問題点は利用者の声をほとんど聞かずに区役所などが移転されることです。
区役所、勤労会館の移転にあわせて、生田文化会館、葺合文化センターまであわせて集約すると、市長選後に、市長は突然言い出しました。
生田文化会館、葺合文化センターは生田区と葺合区が合区され中央区となったときにそれぞれの地域住民が文化交流施設をつくってほしいと要望してつくらせた地域の施設です。
また神戸文化ホールについても大ホールはバスターミナルを伴う巨大ビルに中ホールは市役所二号館に移転させる計画です。
利用者の声を聞かずにトップダウンで移転を決めてしまうことが許されるでしょうか。
*
二つ目の問題点は居住者が増え、近隣の小学校がさらに過密するということです。
再整備ビルの構成イメージには「中長期滞在機能」と書かれていますが、後の文章では「中長期滞在などを可能にする高機能な居住機能」と書かれています。
雲井通五・六丁目は中央小学校の校区です。神戸市が「今後六年について、児童の受け入れのために何らかの対策が必要、またはそのおそれがある小学校区」として「要注意地区」に指定している校区です。
ここに大規模な居住機能をつくればどうなるでしょうか。中央小学校は子どもたちがあふれてしまい、子どもたちの教育環境を損なうことになります。今必要なのは三宮巨大開発ではなく、安心して学べる教育環境です。
*
三宮は今の魅力を大切に、既存の個店や事業者のリフォーム助成や営業支援に力をいれ、バリアフリーなど時代に合った改善こそ、活性化の本道です。

22日に学習会

以上のようにこれらの基本計画には問題点が多数あります。ぜひパブコメに参加をして意見をあげましょう。今後議員団としては一月二十二日(月)十八時三十分から、神戸市勤労会館講習室403で学習会も行います。市民の声で三宮再整備をストップさせましょう。

(兵庫民報2018年1月21日付)

3000万署名:西宮芦屋市民アクション結成

内田樹氏、中西覚氏ら呼びかけ山中芦屋市長もメッセージ


「安倍九条改憲NO!西宮芦屋市民アクション」の結成総会が一月十三日、西宮勤労会館で開かれ、会場一杯の百二十六人が参加しました。内田樹神戸女学院大学名誉教授、作曲家の中西覚氏、医師の大澤芳清氏など二十三名が呼びかけたものです。
結成に向け、「市民と野党の共同を発展させて、保守も含めた大きな運動にしていこう」など、魚谷直生・西宮中小商工協会会長、奥山篤・憲法生かす阪神連絡会事務局長、樫村庸一・西宮革新懇常任世話人が繰り返し相談を重ね、賛同呼びかけ人を募り、その呼びかけで賛同団体と賛同者を広げつつ、署名用紙を届け準備をすすめました。
*
開会挨拶で奥山氏は「三千万署名を成功させるためには、一人でも多くの方が署名を持って、どれだけ周りの人に声をかけていただけるか、そこにかかっています」と強調。
川元志穂弁護士の記念講演の後、魚谷氏から「安倍首相は、自衛隊を軍隊にしようとしている危機的な中、署名を集めて改憲を阻止したい。そのために、市民と立憲野党が協力・共同しながら安倍九条改憲NO!の運動の裾野を広げていきたい。署名の担い手を広げ署名目標をやりきろう」と目的・方針などを提起しました。
発言では、「黄色の揃いのパーカーを用意し街頭で宣伝・署名に取り組んでいる」「一軒一軒訪問する活動は、ハードルが高いようだが、『考える機会』と『署名ができる機会』を提供することで、『署名をするかどうかは相手が決める事』と気軽に取り組んでいる」「法事の時に親戚に訴えて集めた方、遠方に住んでいる友人・知人に手紙と署名を送って署名に取り組んでいる方がいる」などが語られました。
冨田宏治関西学院大学法学部教授は、閉会挨拶で「この一年が正念場だ。三千万署名は、改憲勢力が怖くて改憲発議・国民投票に打って出ることはできない状況をつくる運動。保守の方も含めた幅広い人たちに署名を集める側に立ってもらう取り組みを作っていきましょう」と強調しました。
立憲民主党の桜井シュウ衆院議員の秘書が同議員のメッセージを紹介。芦屋市の山中健市長もメッセージを寄せました。
*
結成総会の後、JR西宮駅前で街頭宣伝署名のキックオフ行動が寒さ厳しい中、五十六人の参加で行われました。


参加した日本共産党、社民党、新社会党、緑の党の市議や冨田教授、西宮女性九条の会、みなせん@西宮芦屋、野党は共闘!西宮芦屋市民の会(準)のメンバーらがマイクで訴え、署名は四十七筆が集まりました。
*
参加者からは、「いろんな立場の方がおられ、広さを感じ、署名目標達成の可能性があると思った。地域の戸々訪問の経験の発言などに励まされた」など多くの感想が寄せられています。
樫村庸一(西宮革新懇常任世話人)

(兵庫民報2018年1月21日付)

3000万署名:平和を願う姫路市民の会

署名用紙・ビラも工夫して姫路城バックに宣伝


平和を願う姫路市民の会が一月十四日、国宝姫路城をバックに三千万署名を訴えました。
予告をネットでみたと明石から駆けつけた人を含め九人で取り組みました。
全国市民アクション作成の紙芝居『変える? 変えない? 憲法九条』を使って訴えたところわざわざ近づいてきてのぞき込む方もありました。
また、姫路市民の会の世話人で相談しながら作った新しいビラを配りました。これは、署名用紙部分を切り離すことではがきとして送れるようにし、しかも周囲を糊付けすれば署名部分が隠れるようにプライバシー保護にも配慮しました。


受け取った人は、さっそくビラを裏返したり折ったりしながら持ち帰っていきました。
寒波に覚悟をして行動を始めましたが、訴えに熱が入り、着て来た防寒着を脱いで訴えました。
出田馨(西播労連事務局長)

(兵庫民報2018年1月21日付)

3000万署名:北区推進委員会がジャンプアップ集会

国民に働きかけ尽くそう

講演する冨田教授

「安倍九条改憲NО!全国統一署名」北区推進委員会は一月十四日、神戸市北区のすずらんホール多目的室で三千万署名推進のためのジャンプアップ集会を開きました。
関西学院大学の冨田宏冶教授が「衆議院選挙の結果と改憲阻止の展望」と題して講演しました。
―安倍政権が国民の怒りと運動に解散総選挙に追い込まれてから、小池百合子東京都知事の「希望の党」結党、「希望」への合流に至る前原誠司民進党代表の裏切りに対し、日本共産党の共闘追求の態度表明、立憲民主党結党、二百四十九選挙区での野党候補一本化実現の経過を詳述。
その中で市民の運動が立憲勢力を〝死守〟したことあげ、「それに確信を持ちたい。我々は決して諦めない。諦めない限り勝つ。沖縄のたたかいに共通する」と強調しました。
「安倍九条改憲NO!三千万署名」について冨田氏は、「民主党政権への失望から選挙投票棄権層となった二〇%=二千万の人々に働きかけること。政治的無関心層ではなく投票先の模索を続けているこれらの人々を戦争法反対署名千五百万人に上乗せし、その力で安倍改憲発議を阻止し断念させよう」と呼びかけました。
さらに、この間の大事なキーワードは排除と寛容だとして、国民を分断支配する排除か、互いに信頼し寛容の精神で相手をリスペクトして連帯を広げるのかが世界的な政治的激動の中の共通のキーワードだと政治的激動の内容を詳しく解明。
二〇〇五年から二〇一七年までの国政選挙得票の詳細を示して、市民と野党が共闘して、棄権してきた人たちに働きかけて投票所に足を運ばせたところでは勝利していることを示し、「信頼とリスペクトの精神で粘り強く働きかけ尽くそう」と参加者を激励しました。
参加者六十五名二万七千円のカンパが集まりました。
松浦勝(東神戸医療互助組合北支部)

(兵庫民報2018年1月21日付)

3000万署名:兵庫労連が署名推進・成功めざし決起集会

「立憲チャレンジャー」やDVD活用など提起


兵庫労連は一月九日、三千万署名の推進・成功をめざし、神戸市内で決起集会を開催しました。
和田進神戸大学名誉教授が「安倍九条改憲の狙いと背景」と題した講演を行い、学習を深めました。
和田氏は、安倍政権は戦後初めて軍事大国化を自覚的に目指した政権だと指摘。九条に自衛隊が明記されれば、自衛隊法など軍事法制が「改正」され、九条一・二項は死滅化する。そして自衛隊が海外で「殺し・殺される」ことになり、国民も権利が制約されることになる。私たち国民にも影響が大きいと述べました。和田氏は最後に、安倍政権の本当の狙いを暴露し、この署名を幅広い人に広めようと訴えました。
北島事務局長は、DVDの活用や立憲チャレンジャーなど具体的な取り組みを提起しました。参加者らは組合員と対話を広げ目標を達成しようと決意を新たにした集会となりました。
土井直樹(兵庫労連事務局次長)

(兵庫民報2018年1月21日付)

3000万署名:加印の2市2町総がかり行動と革新懇

取り組み急ごうとキックオフ


「三千万署名目標達成をめざすキックオフ集会」を二市二町総がかり行動実行委員会と加印革新懇の主催で一月十三日、加古川市民会館大会議室で開き三十六人が参加しました。
兵庫県憲法共同センターの津川知久代表が講演しました。一九三七年刊の吉野源三郎『君たちはどう生きるか』がいまミリオンセラーになっていることにふれ、若い人たちは社会が壊されていると感じているのではないかと述べ、安倍政権の動きも示し、三千万署名の取り組みが急がれると指摘。五月三日までに全県百四十万筆をやりきるために励まし、刺激しあい、網の目の活動を広げることを呼びかけました。
参加者から、「今の取り組みのままでは全く届かない。今までの署名と違う、命がかかっている」「安保条約、地位協定、自衛隊はアメリカの指揮下である。この三点を訴えよう」などの声が出されました。
岸本たてき(加古川市議)

(兵庫民報2018年1月21日付)

センター試験受験生と民青同盟・共産党が対話

北朝鮮問題危惧する受験生も安倍政権での改憲には反対と署名



民青同盟は一月十三日、阪急六甲駅前で、センター試験を終えた受験生に「あなたの願い聞かせてアンケート」というシールアンケートを行い、対話しました。「安倍九条改憲NO!三千万人署名」も同時に取り組みました。
日本共産党からは県委員会青年学生部や大前まさひろ神戸市議などが参加。党と民青の共同の対話宣伝となりました。
「安倍首相が二〇二〇年までに憲法九条を変えようとしていますがどう思いますか?」という問いかけには、「急ぐ必要はない」や「変えない方がいい」と答える受験生が多数となりました。
急ぐ必要はないと答える人にも、憲法をいつかは変えた方がいいのではと考えている人もいます。「そういった人にも安倍政権のもとでの改憲を許さないという点で署名を集めているんだよ」と訴えると三千万署名に応じてくれました。
「改憲してもいいと思う」と答えた受験生もいました。理由を聞くと、「北朝鮮問題があるから」「軍拡をして抑止力を強めた方がいい」という意見などあり、そうした受験生には「北朝鮮問題は改憲しても解決せず、むしろ悪化する。対話するしか解決できない問題ではないですか?」「抑止力とは突き詰めて考えれば核兵器を持つことになる。そんな国に本当にしたいですか?」などと問いかけました。
そして、韓国政府はどう解決しようとしているのか、核兵器禁止条約が採択されて世界の流れは核兵器をなくしていく方向なんだと伝えると、受験生も納得し、安倍政権のもとでの改憲には反対しますと三千万署名に応じました。
上園隆(民青県委員長)

(兵庫民報2018年1月21日付)

長田区市議補選に日本共産党・宮野つるお氏が決意

長田区神戸市議補選1月26日告示・2月4日投票


日本共産党兵庫・長田・北地区委員会は一月二十六日告示・二月四日投票で行われる長田区神戸市議補欠選挙(欠員一)に新人の宮野つるお氏を立てたたかいます。
宮野つるお氏(60)は神戸医療生活協同組合の病院、診療所、介護事業所などの事務職員として医療・介護に携わり、二〇一二年からは党地区委員も務めてきました。

不正腐敗を許さない

今回の補選は、自民党議員の死去に伴うもの。亡くなった議員は、政務活動費の不正を行った「自民党神戸」の団長を務めたこともありました。
宮野氏は、不正腐敗を許さないために、日本共産党の議席が必要だと訴えています。

三宮一極集中より暮らし・地域優先を
久元喜造市長は安倍政権が推し進める「成長戦略」に沿って三宮再開発など巨大開発を加速させています(一面に関連記事)。
その一方、長田区では、借り上げ住宅問題や新長田再開発、ケミカルシューズをはじめとする地場産業など、阪神・淡路大震災から二十三年を経ても復興の課題が多く残っています。また、少子高齢化が市内で最もすすむなか、子育て・高齢者の医療・介護、市バス路線など、暮らしにかかわる区民の様々な要求は募っています。
宮野氏は、巨大開発優先を改め、暮らし・地域の課題解決・実現へ全力をあげると訴えています。

「憲法壊すな、平和を守れ」の声を長田区から

神戸では、被災者生活支援法や神戸空港の是非を問う住民投票など、市民と野党の共同・共闘が先駆的に取り組まれ、日本共産党はその発展に力を尽くしてきました。
いま、「安倍九条改憲NO!三千万署名」のとりくみが長田区でも始まっています。
宮野氏は、補選勝利とともに「憲法壊すな、平和を守れ」の声を長田区から全国に届けたいとしています。

日本共産党神戸市議団を単独第二党に

神戸市議会では、自民・公明・民進・維新などは安倍政権追随・市長トップダウンの神戸市政に賛成しています。市民の暮らしを守り、各地域課題を解決するには、宮野氏の議席獲得で日本共産党神戸市議団を市議会単独第二党となることが大きな力になるとして、日本共産党地区委員会は全市・全県からの支援をと呼びかけています。

(兵庫民報2018年1月21日付)

TPP、米直接支払い制度・種子法廃止など安倍政治から農業を守ろう

日本共産党兵庫県農林漁民部長 金田峰生

安倍政権はTPP参加や二国間の自由貿易拡大を強引に進めています。また、米の直接支払い制度全廃や種子法廃止・種苗法改定なども強行しました。
こうした動きに対し、「国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会」(全国食健連)が昨年に続いて「春のグリーンウエーブ(食糧の波共同行動)」を提起し、兵庫でも取り組みが進んでいます。日本共産党兵庫県委員会も、「農・漁業県でもある兵庫にとって重大な課題」と位置づけ、この間、関係者との懇談や連携を強めています。
「チーズ自由化」で、国内産のチーズへの打撃が懸念されています。国産乳がダブつき、卸売単価がさらに下がれば、酪農家の廃業が進み、県産牛乳がなくなる危険性があります。農家が激減して生産体制が脆弱になっています。
また、今年三月末でコメの直接支払い制度が打ち切られます。今期の米価持ち直しも再生産に見合う水準ではなく、二〇一三年、一四年と安倍内閣が〝過剰米〟を野放しにした結果大幅下落したのが「戻った」というのが実態です。
政府は営農の大規模化を進めていますが、多くの経営体が戸別所得補償で経営を維持しており、「経営がさらに悪化し、企業参入に頼らざるを得なくなる」との心配が出ています。
種子法廃止と種苗法改定は、多国籍企業・バイオ企業の遺伝子組み換え種苗が市場を占めることになるとの危機感が強まっています。
ある農協幹部は「自民党は憲法と共に、農業も壊そうとしているのではないか」「こんなにアメリカ追従でいいのか」と怒りを隠しません。
日本共産党は綱領で、異常なアメリカいいなりと大企業・財界べったりの政治を国民が主人公の政治に切り替える民主主義的改革を提起し、「国の産業政策のなかで、農業(漁業)を基幹的な生産部門として位置づける」としています。
「グリーンウエーブ」とも連携し、農林漁業を支援し、食の安全を確保するために引き続き取り組みを強めます。

(兵庫民報2018年1月21日付)

淡路農林水産祭:日本共産党が宣伝行動

(左から)洲本市の、まもり和生、近藤あきふみ、片岡ただし各市議、淡路市の、かまづか聡市議、岡田教夫地区委員長

淡路農林水産祭が一月十五日、淡路島伊弉諾神宮で行われ、日本共産党淡路地区委員会は恒例の宣伝行動を行いました。
淡路島内の党市議らが、米の戸別所得補償制度の廃止や種子法の廃止、漁師の船舶の燃油高騰問題を取り上げ、農漁業者の所得向上につながる施策をと訴えました。
また、「九条改憲NO!三千万署名」を呼びかけ、一時間に五十筆以上が集まりました。
岡田教夫(党淡路地区委員長)

(兵庫民報2018年1月21日付)

『弁護人』:神戸映画サークル協議会2月例会

国家保安法違反の冤罪とたたかう



一九八〇年五月の光州事件で学生、市民を空挺団を用い弾圧した韓国政府は八一年、ソウルの大学路の学林茶房に集まった学生連盟のメンバー二十四名を国家保安法違反で逮捕。懲役一年〜無期懲役の判決を下した。
同じ年の九月、釜山で社会科学書の勉強会を開いていた学生、社会人十九人をソウルと同じく令状もなく逮捕。二十日以上にわたり、監禁、拷問を行い、彼らを反国家団体構成員とし、国家保安法違反の罪を捏造して逮捕。懲役一年半〜六年の判決を下す。朝鮮戦争以降、米国から多額の資金援助を受け、反共を国是としていた韓国の社会情勢を反映した冤罪事件が釜山でも起きた。
映画『弁護人』は釜山で起きたが故に釜林事件とよばれたこの事件を題材に弁護を引き受け、最後までたたかった若き日の故盧武鉉元大統領を描いた作品だ。主演のソン・ガンホ、準主役で食堂の息子ジヌに扮するイム・シワンも映画の舞台、釜山近くの出身だ。
松本正憲(神戸映画サークル協議会)

映画『弁護人』

2月16日(金)①11時30分②14時30分③19時、17日(土)①11時②14時/神戸アートビレッジセンターKAVCホール/監督:ヤン・ウソク/出演:ソン・ガンホ、イム・シワン、キム・ヨンエ、クァク・ドウォンほか/22013年、韓国、127分/一般1300円(当日1700円)、シニア・障がい者・大学生以下1300円/主催:神戸映画サークル協議会☎078‐371‐8550、http://kobe-eisa.com/

(兵庫民報2018年1月21日付)

劇団四紀会『熱海殺人事件~鎮魂歌~』で

60周年記念連続上演ファイナル‼

六十周年記念連続上演も、いよいよフィナーレを迎えました!
その最後を締めくくりますのは、五年前の上演で大好評を博した、あの『熱海殺人事件~鎮魂歌(レクイエム)~』です!
日本演劇界の鬼才・つかこうへいが残した伝説の名作『熱海殺人事件』を、四紀会一の〝つかリスト〟狂井たかしが、東日本大震災犠牲者への哀悼を込め大胆に脚色、再び挑む超意欲作です。
今回は、旧メンバーと新メンバーとのスクラムによって、初演から更にグレードアップした仕上がりに。二〇一八年のオープニングを飾る、激しくも切ない四紀会版『熱海』、是非とも皆様お見逃しの無きよう、よろしくお願い申し上げます!
里中真(劇団四紀会)

劇団四紀会第157回公演『熱海殺人事件~鎮魂歌(レクイエム)~』

原作:つかこうへい、脚色:くるひたかし、演出:村井伸二/1月27日(土)と2月3日(土)①13時②18時/1月28日(日)と2月4日(日)①11時②16時/元町プチシアター(劇団四紀会スタジオ)/2,500円(当日3,000円)/☎078‐392‐2421(20時~)・090‐8389‐0300(里中)、Fax078‐392‐2422、E-mail: shikikai@rose.ocn.ne.jp

(兵庫民報2018年1月21日付)

クリスタル短歌の会から

安武ひろ子選

訪い来るカナダの孫に伝えたしもちつき雑煮カルタ羽根つき
 正津房子

誕生日迎えし君よいつまでもいついつまでも健やかにあれ
 森ひろ美

帰り道「おかえり」の声に振り向けば同じ電車に夫の笑顔が
 塩野菜美

君の舞う愛燦燦のあで姿八十二歳の白塗り化粧
 広瀬弘子

暮れの残る陽に洗濯もの片寄せてベランダから見る海のなつかし
 平野万里子

窓の外つるべ落としの夕暮の「早よ帰りや」と子らを呼ぶ声
 清水淑子

小春日和何かいいことありそうなリュック背負いて自転車をこぐ
 岡本征子

若き日は難なく登りし摩耶の山今や一歩は苦行のごとく
 島田国子

廃線の枕木等しく並びおり渓谷の道が車窓の風景
 宮川菊代

退院しほっと気分も心地よしどうだんつつじの輝くをみる
 三浦良子

背を丸め家路を急ぐ人むれよ受け止めほしき「九条守れ」を
 長谷川一枝

憲法署名続け来れる夫の棺に妻しのばせぬ「敢闘賞」を
 西嶋節子

(兵庫民報2018年1月21日付)

観感楽学

昨年末、ニュージーランドの反核・平和活動家ジェラルド・オブライエンさんが亡くなり、日本原水協の高草木博氏の心のこもった追悼文が掲載された(「赤旗」十二月三十日付)▼同氏の初来日は一九八四年。神戸市に立ち寄り、神戸港の活動家たちは、いま立ち退き問題に揺れる阪神元町駅の地下飲食街の居酒屋で御夫妻を歓迎。元労働党副党首で首相最有力だった経歴をもつ同氏は、「神戸式」の歓迎に驚きながらも楽しんだ▼同氏は非核「神戸方式」に強く共鳴し、帰国後、自国の非核法制定に実らせた。阪神・淡路大震災直後には米国のジョゼフ・ガーソン氏ととともに被災被爆者宅を激励してまわってくれた▼当時の兵庫県原水協理事長大川義篤牧師が、亡くなる直前に宗教と科学的社会主義の共同のあり方を問うた『現代に生きる宗教〈共働〉―キリスト信仰と科学的社会主義』を上梓した際にも心のこもった祝辞を届けてくれた▼大川氏の逝去直後の原水爆禁止世界大会で、広島に移動する新幹線が神戸を通過する際に海外代表に呼びかけ、一列に並んで黙禱してくれた▼国際連帯の絆で支えられて大震災二十三周年、非核「神戸方式」四十三周年を迎える。(K)



(兵庫民報2018年1月21日付)

2018年1月13日土曜日

国民春闘兵庫県共闘委員会・兵庫労連旗びらき

共同発展へあふれる熱気

「バンバロー」を唱和する成山議長(マイク)と堀内・菊地両氏(その左右)ら

国民春闘兵庫県共闘委員会と兵庫労連の新春旗開きが一月六日、神戸市勤労会館で開かれました。
昨年、総選挙を野党共闘でたたかった堀内照文前衆議院議員、菊地憲之新社会党県書記長も来賓として挨拶するなど、市民と野党の共同の発展へ熱気あふれる発言が相次ぎました。
成山太志兵庫労連議長が開会挨拶。昨年の国内外の激動に触れ、知事選、神戸市長選につづき総選挙をたたかい、突然の解散・総選挙で、民進党の希望の党への合流の逆流を乗り越え野党共闘が前進し、改憲勢力の国会独占を許さなかったと指摘。今春闘と一体に安倍改憲を許さない三千万署名運動を成功させ、安倍「働き方改革」を阻止し、大幅賃上げを勝ち取るためにさらに共同を広げようと訴えました。
堀内氏は、兵庫では日本共産党と新社会党との協定をはじめ共闘ができたことの意義を強調し、さらに発展させようと訴えました。また、大企業が非正規労働者の正規化への法改正をすりぬけるためにクーリング期間をつくるなどの動きや、天井なしの労働時間を認める安倍「働き方改革」を絶対に許してはならない、共同のたたかいで打ち破ろうと訴えました。
菊地氏は、総選挙のお礼を述べ、明石では三千万署名運動推進の市民アクションから市民連合へ発展させる協議がすすんでいることを紹介し、安倍政権を倒す共同のたたかいの発展への決意を語りました。
津川知久憲法県政の会代表幹事、磯谷吉夫兵商連会長、畦布和隆元兵庫労連議長らが連帯挨拶。JAL争議団・エミレーツ航空争議団も訴えました。
文化行事では、大阪自治労連からKKコンビが来演、維新政治のもとでの大阪市役所の実態を笑いで告発しました。
閉会挨拶を国労兵庫地区本部の本田信幸委員長が行い、新幹線台車事故、大企業のデータ不正にも触れ、資本の暴走とたたかう労働組合の役割を強調し、共同の発展で春闘勝利へ頑張ろうと訴え、参加者で団結ガンバローを行い閉会しました。

(兵庫民報2018年1月14日付)

参院比例7議席を:兵庫は山下氏の活動地域

山下副委員長
日本共産党はこのほど、来年二〇一九年の参議院選挙の比例代表予定候補者七氏を発表し、八百五十万票・一五%の得票で七氏全員当選をめざすことを明らかにしました。
兵庫県は大阪府、滋賀県、奈良県、和歌山県とともに山下よしき副委員長・参院議員の活動地域です。
井上さとし参院議員は京都府、東海、北陸信越、紙智子参院議員は北海道、東北、梅村さえこ前衆院議員=新=は北関東、小池晃書記局長・参院議員は東京都、しいば寿幸千葉県副委員長=新=は南関東=、仁比そうへい参院議員は中国、四国、九州・沖縄が活動地域です。

(兵庫民報2018年1月14日付)

労働災害対策・郵便局新設:堀内前衆院議員ら政府に要請

南芦屋浜への郵便局新設を要請する(左から)堀内、森、金田の各氏

昨年十二月二十六日・二十七日の二日間、堀内照文前衆院議員と兵庫県委員会は、倉林明子参院議員事務所と連携し、労災対策と郵便局新設について政府などに要請を行いました。
*
二十六日には、県内製造現場や新名神工事現場で相次いでいる重大死傷事故を踏まえ、緊急停止装置の義務化、適正な工期や人員配置基準を設けること、二〇一〇年に廃止された「労災防止指導員」に代わる体制・制度の創設を求めました。
*
翌二十七日にはまず、MTBI(軽度外傷性脳損傷)患者の労災認定について要請しました。
画像では見つからないなど診断の困難さがあるため、二〇一三年に厚労省が課長通知を出し、認定を本省で行うとしました。その際、WHOの定義にもとづいて診断を行なっていますが、裁判では「通知はWHO定義についてなんらかの態度を示したものではない」などと主張しています。
このことについて堀内氏が「どうなのか」と質すと担当者は、「通知はWHO定義を踏まえるという趣旨」であると認めました。
診断基準では「三十分以内の意識消失」とあるのに、「昏睡」など基準より重度の症状でなければ認めないとしている事例もあることを指摘すると、当局担当者はいずれも「実態を確認して連絡する」と回答しました。
自己都合ではない失業者の国民健康保険料軽減措置について要請しました。
適用を受けるには「雇用保険受給資格者証」が必要で、病気などで求職活動ができない場合は交付されないため軽減されません。「雇用保険受給資格者証」以外でも事実確認を行い、軽減するよう求めたところ、厚労省国保課の担当者は「(関係部局と)話をしてみる」と対処を約束しました。
*
芦屋市南芦屋浜への郵便局新設について森しずか芦屋市議とともに、日本郵便株式会社と総務省双方に要請しました。昨年四月にも要請した住民要求です。日本郵便株式会社は「今日いただいた情報も精査して、引き続き注視したい」と述べました。(金田峰生=党国会議員団兵庫事務所長)

(兵庫民報2018年1月14日付)

大門みきし「強欲資本主義のなれの果て」

昨年末、マルチ商法大手「ジャパンライフ」が事実上倒産しました。「ジャパンライフ」は、独り暮らしのお年寄りなどにやさしい言葉で近寄り、磁気ベルトなど健康器具の「レンタル商法」に誘い込んで、多額のお金を出資させていました。
いま、たくさんのお年寄りが、出資したお金が返還されず、老後の生活資金を失う危険にさらされています。被害額は数百億円とも一千億円をこえるともいわれています。「ジャパンライフ」の営業を許せば必ずこういう事態をまねくと何度も国会で指摘してきたのに、いままで放置してきた行政の「怠慢」に強い憤りをおぼえます。
行政の「怠慢」の背景には、加藤勝信・働き方改革担当相(当時)が「ジャパンライフ」会長と会食し「広告塔」の役割を果たしていたことや、下村博文元文科相が「ジャパンライフ」から政治献金を受けていたなど政治家の関与があったとおもわれます。また、「ジャパンライフ」のお中元先リストには、安倍首相をはじめわが党を除く与野党の国会議員、幹部の名前がずらりと並んでいます。さらに「ジャパンライフ」とその関連団体には内閣府、経産省、消費者庁のOBがたくさん天下りをしてきました。よってたかって、お年寄りを食いモノにしてきたと批判されても仕方がない。
それにしても、お年寄りの老後の資金まで巻きあげるとは、あまりにむごい。「ジャパンライフ」問題はまさに強欲資本主義のなれの果てといわなければなりません。
(連載エッセイ23 日本共産党参院議員)

大門ゼミ―政治・経済キホンのキ―新春番外編

1月20日(土)14時、新長田ピフレホール会議室A/神戸製鋼はじめ相次ぐ大企業の不正…儲け優先経営でいいのか、大門みきし参院議員が大いに語り、疑問にも答えます/参加無料/主催:日本共産党兵庫県委員会☎078‐577‐6255

(兵庫民報2018年1月14日付)

クリスマス闘争市民集会


第57回神戸港平和のためのクリスマス闘争市民集会が12月25日、波止場町緑地で開かれました。神戸港が米軍基地に接収されクリスマスには多数の米兵が繰り出しトラブルが多発。「静かなクリスマスを」と1961年12月24日に港湾労働者と市民が共同で「基地撤去」の集会を行ったのが最初で、74年の米軍基地完全返還、75年の非核「神戸方式」誕生に結実。今回は「安倍政権は核兵器禁止条約に参加せよ」「憲法改悪ストップ」「沖縄新基地建設やめよ」と訴えました。

(兵庫民報2018年1月14日付)

被爆者援護・連帯餅つき


兵庫県原水協、神戸市内各区原水協と神戸宗教者平和協議会は12月23日、第48回被爆者援護・連帯もちつき大会を妙法華院で行い、150kgをつき150人の被爆者に届けました。受け取った被爆者からは、核兵器禁止条約採択やノーベル賞受賞への喜びとともに、日本政府の態度ははずかしいとの声も寄せられました。

(兵庫民報2018年1月14日付)

成人式宣伝

日本共産党や民青同盟、新婦人の会などが会場前でお祝いと励ましの宣伝を行いました。

神戸市の新成人へお祝いの声をかける堀内前議員

1月8日、堀内照文前衆院議員は神戸市の総合運動公園駅前でお祝いの声をかけました。

尼崎でのシールアンケート

民青同盟はシールアンケート。「政治・社会に望むこと」に、神戸では「憲法9条を変えないでほしい」、尼崎では奨学金や最低賃金・長時間労働などへの回答が多数を占めました。

(兵庫民報2018年1月14日付)

みんぽう川柳〈十二月〉「新鮮」選者 島村美津子

特 選

平和賞ヒバクシャもいる新鮮さ
 神戸市 古賀 哲夫

【評】ICANのノーベル平和賞受賞、授賞式で被爆者のサーロー節子さんの「核兵器は絶対悪」との訴えに涙を流してうなずく人々、同じく文学賞を受賞したカズオ・イシグロさんも受賞記念スピーチで平和について熱心に語っておられたことも全て画期的で新鮮でした。

入 選

ノーベル平和賞輝くICAN新鮮だ
 尼崎市 富田明美

被爆者に温かい餅とどけ四十八年
 神戸市 亀井洋示

新鮮で美味な魚に基地いらぬ
 神戸市 梶山洋枝

新鮮な日の出悪政根絶やしに
 神戸市 山元三恵子

新鮮な香り仄かな年賀状
 神戸市 藤田幸子

年老いて川柳作りリフレッシュ
 芦屋市 梶原嘉代子

新鮮さ売り物にして今日も畑
 神戸市 塩谷凉子

新鮮な地産地消で健康を
 神戸市 川上 峻

俎の音も新鮮ギブス取れ
 神戸市 玉山歳子

新鮮はワクワク連れてやってくる
 尼崎市 中内眞佐子

百年経ても鮮度落ちずの漱石さん
 神戸市 水田裕子

初日の出新たな希い卒寿の身
 神戸市 松尾美恵子

半世紀前ピチピチだったこの私
 神戸市 山本尚代

九条は今も新鮮海渡る
 神戸市 小林尚子

(兵庫民報2018年1月14日付)

亀井洋示「9条トラック走る」


(兵庫民報2018年1月14日付)

日中友好・不再戦を誓う旅

田中信一(兵庫県平和委員会)

南京大虐殺記念館で献花する一行

十二月十一日から十五日、南京市を省都とする江蘇省を関西地区日中友好協会訪中団の一員として訪問しました。京都、大阪、奈良、兵庫から総勢二十一名で兵庫からは九名が参加。一九七二年九月二十九日に日中国交正常化されて四十五周年ということで中華人民共和国駐大阪総領事館の御招待による訪中でした。
十一日に関西空港を出発した私たちは、上海で入国手続きを済ませ昼食のあと、片側四車線もある高速道路をバスで江蘇省蘇州市に向かいました。道路沿いには高層マンションや高速道路の建設ラッシュで七〇年代の日本を思い起こさせる風景でした。
江蘇省は中国の東側沿海地域の中部に位置し、長江下流の両岸をまたがっていて、東に中国最大の経済センターの上海市と隣接し人口は約八千万人をかかえています。最初に訪れた蘇州市は、二千五百年以上の歴史を持つ庭園もある観光都市であり工業生産もトップレベルということで、十二日には中国企業・日系企業の見学・拙政園の見学もありました。夕方には揚州市に移動し、翌日揚州大学日本学科の学生と茶道交流も行いました。蘇州市・揚州市とも夜には市の友好協会による歓迎会が開かれ、豪華な中華料理での歓迎をうけました。

南京大学の学生と交流する兵庫県連の前田清会長

〝十二月十三日〟は南京大虐殺八十周年にあたる日で、中国では国家行事として祭典が行われました。私たちは式典には参加できませんでしたが、夕方南京市入りしました。
十四日は南京大学日本語学科の代表と茶道で交流、南京博物館・中山陵の見学、夜は江蘇省人民対外友好協会による歓迎会が開かれて友好を深めました。
最終日十五日に南京大虐殺記念館に向かい副館長との懇談、献花、黙祷を行ったのち館内を見学しました。リニューアルされた館内には、発掘された状態の遺骨が保存されて子どものものと分かる遺骨もありました。副館長が「この記念館は、これからの平和のために」「歴史的事実は忘れてはならない」「戦争で南京虐殺もあったが」「日本でも広島・長崎など多くの市民がなくなった」「この不幸な歴史は忘れてはいけない」と述べたことが記憶に残りました。
再び戦争をする国にしてはならないとの意を強める旅となりました。


(兵庫民報2018年1月14日付)

「母―小林多喜二の母の物語」上映に寄せて

三浦綾子さんが伝えたかった平和への思い

神戸三浦綾子読書会 池田真一

多喜二の遺体に呼びかける母セキ(©現代ぷろだくしょん)

昨年二月から、「母―小林多喜二の母の物語」という映画が全国の各地で上映されています。『蟹工船』で有名な、作家・小林多喜二の母・セキさんの、おおらかな人柄とともに、捕らえられて殺された息子・多喜二の辛苦の生涯を描いた作品です。
この映画は、作家・三浦綾子さん(一九二二~一九九九)による『母』という小説が原作で、三浦さんの代表作の一つでもあります。

『氷点』発表当時の三浦綾子さん

三浦さんは一九六四年(昭和三十九)、朝日新聞の一千万円懸賞小説入選作『氷点』で作家デビューし、八十冊あまりの著作を出されました。その作風は、キリスト教徒としての観点から、社会的弱者に温かい眼差しを向けつつ、「人間が人間として、人間らしく生きることの素晴らしさ、またその逆の意味での難しさ」を根本的な主題としたものですが、その中でも特に、ご自身が戦時中、小学校の教師として軍国教育をしてきたことの経験から、「苦難」の問題、「戦争と平和」の問題について、『銃口』を始めとした様々な作品を発表してきました。
また三浦さんは作家生活の中で、様々な大病を患いました。『母』という作品は、その大変な中で執筆され、一九九二年に角川書店から出版されました。夫・光世氏の長年の祈りと強い勧めにより、作者はこの作品を書こうと決心しました。最初は、共産主義の思想や知識に疎かったこともあって、なかなか執筆を始めるきっかけがつかめませんでした。しかし、多喜二が生まれ育った家庭の明るさ、そして、多喜二を生み育てた母セキさんの温かい人柄に感動し、その一方で、息子・多喜二が、治安維持法によって捕らえられて拷問を受け、不当にも殺されたことへの、母の深い悲しみとやるせなさに深く心を痛め、時には涙を流しながら描き上げました。
池田真一さん
この小説『母』は、これまで、演劇や朗読などによって広く伝えられてきました。さらに今回、映画という媒体によって、この物語が紹介されたことを大変うれしく思っています。原作に忠実に描かれて、母・セキさんの大きな愛情が伝わる素晴らしい映画です。ぜひ皆様もご鑑賞くださいますとともに、周りの方々にもお勧め頂ければ幸いです。
この作品が、これからの時代を生きる私たちにとっての道標となり、広く用いられますことを期待致します。

映画「母―小林多喜二の母の物語」



  • 1月13日(土)14時、明石市民文化会館中ホール
  • 1月14日(日)①10時20分②14時30分、姫路市文化センター小ホール
  • 2月25日(日)14時30分、東灘区民センター大ホール
原作:三浦綾子『母』(角川書店)、監督:山田火砂子、出演:寺島しのぶほか/上映前に山田監督の舞台挨拶を予定/前売1,200円(当日1,500円)/前売券申し込み・問い合わせ:現代ぷろだくしょん☎03‐5332‐3991、神戸三浦綾子読書会☎090‐3670‐3583、日本共産党兵庫県委員会☎078‐577‐6255

(兵庫民報2018年1月14日付)