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2017年12月23日土曜日

安倍9条改憲NO!3000万署名

義士の街・赤穂で:高校生の反応に励まされ


「安倍九条改憲NO!アクション・赤穂」は十二月十八日午後、JR赤穂駅前で「安倍九条改憲NO!3000万署名」に九人で取り組みました。ハンドマイクで交互に「安倍改憲は戦争への道。ぜひ平和を守る憲法九条を守りましょう」と訴え、一時間で四十四筆集まりました。「寒いのに頑張っているね」と多くの方が署名してくれました。
「戦争になると若い者が行かされる。だから僕は九条改憲に反対です」など、署名に応じる高校生たちの姿が目立ちました。
祖父母からよく戦争のことを聞かされたという高校生は「前の戦争では大勢の人が死に、広島、長崎には原爆が落とされた。今度、戦争になったら核戦争です。唯一の被爆国、日本は絶対に戦争をしてはいけない。十八歳選挙権があるので国民投票になったら大事な九条守れに投じます」と頼もしく語っていました。
なかには来春卒業と同時に自衛隊入隊が決まっているという高校生も。迷った末、ペンをとり「日本の国土を守り、災害の時に国民の役に立つのが自衛隊だと思う。海外に出かけて戦争する自衛隊は絶対にいやです」と語っていました。
温かいたい焼きの差し入れもあったこの日の行動に参加した人は、「一時間でよく集まった」「高校生の反応に励まされた」など語っています。
赤穂では、毎週月曜日に隔週で朝と夕方宣伝・署名活動を行っています。
(武田信幸)

西宮革新懇:アメフト観戦の青年へも

西宮革新懇は、「安倍九条改憲NO!3000万署名」行動を十二月十七日午前、市内二カ所で行いました。


ららぽーと甲子園西門前(球場南東)ではこの日午後から甲子園ボウルが開催されることもあって若い人が多く行き来するなか、二十人が行動に参加しました。
阿波角孝治代表世話人、杉山たかのり日本共産党西宮市議、上田さちこ同党西宮芦屋地区副委員長がマイクをにぎり、署名を呼びかけました。「甲子園球場は戦争中、芋畑とされ、外野スタンド下は飛行機の退避場として使用され、野球はできませんでした」「九条に自衛隊が書き込まれアメリカと一緒に戦争する国になれば野球やアメリカンフットボールなどが再びできない事態になるかもしれません」と訴えました。
四十人の通行人が署名を寄せました。署名した二十代の青年は、「戦争だけはいやです」と話しました。


西宮北口アクタ回廊では二十四人が参加、署名八十一筆が寄せられました。(阿波角孝治)

(兵庫民報2017年12月24日付)

憲法共同センター拡大幹事会

各団体の取り組みを交流


兵庫県憲法共同センターは拡大幹事(地域・団体代表者)会議を十二月十三日に開きました。
初めに津川知久代表が情勢を報告し、和田邦夫事務局長がこの間の取り組みとともに、一月二十一日に開く共同センター総会を地域・団体の3000万人署名運動の交流会として成功させることなどを提案。交流・論議を行いました。
―毎週報告を求め、推進委員会を開き学習し、単位でも目標を持って取り組んでいる。全国民医連作成のビデオ『安倍政権が狙う九条改憲案を学ぶ』も活用。(民医連)
―「新婦人しんぶん」読者ひとりあたり十筆、兵庫七万五千筆を目標に被爆者国際署名とセットで取り組む。全班で三百回以上の「憲法カフェ」を開き、「新婦人しんぶん」を使ってクイズ形式で対話し、街頭での「ストリートカフェ」も。ロングラン・スタンディング宣伝に取り組み、西宮では校門前宣伝も行っている。(新婦人)
―区での目標を決め、民商を軸に取り組んでいる。荒田地域は全戸訪問を計画。日本共産党後援会は全会員に署名用紙を届ける。中学校単位の九条の会をいかして取り組む。二千万署名の時にお寺や有力者に区の呼びかけ人になってもらったが今回も呼びかけ人を組織したい。(兵庫区)
―第三回中央委員会総会報告と3000万署名推進の会議を開いた。3000万署名の目標はやったことない数。達成へ小学校区・中学校区単位の取り組み、探求が始まっている。各地の市民アクション結成で自治労やナショナルセンター、政党支持を超えた共同も広がっている。(共産党)
また、若者にどう参加してもらうかなど論議。方針を確認し閉会しました。

(兵庫民報2017年12月24日付)

県議会が非核平和宣言

十二月兵庫県議会で、非核平和宣言―「世界の恒久平和と核兵器廃絶を希求する兵庫県宣言」決議(二面に全文)が全会一致で採択されました。都道府県で四十二番目です。
今回の宣言採択は、被爆者をはじめ、非核平和を願う県民の声と粘り強い運動、日本共産党県議団の議会での論戦が実を結んだものです。
昨年九月、被爆者や平和団体などの求めにより、井戸知事は核兵器廃絶を求める被爆者国際署名に応じました。また今年二月議会には、原水爆禁止兵庫県協議会など七団体が、「兵庫県が非核・平和宣言を行うことを求める請願」を提出、継続審査となっていました。
国連での核兵器禁止条約の採択、ICANのノーベル平和賞受賞など核兵器廃絶の機運が高まるなか、県議会では、「非核平和県宣言」の請願を継続のままにしておくわけにはいかないと議論が始まり、十二月議会の各会派政務調査会長会で、各会派からそれぞれ案文が出され議論のすえ、決議案がまとめられました。
日本共産党県議団は、一九八〇年代から、本会議質問や請願討論などで繰り返し非核平和県宣言を求めて論戦を行ってきました。今年二月議会で出された請願についても、採択を強く主張。二月議会、九月議会の本会議で非核平和県宣言をするべきだ、と質問したのに対し、井戸知事は、「核兵器廃絶を願う被爆者の思いに賛同し、『国際署名』に知事名で署名した」「兵庫県として『宣言』を行うことは、県民の総意としての意思を表明することになるので、県議会のご判断を仰ぎながら対応していくことが適当」と答弁していました。
日本共産党県議団は、この宣言を力にして、非核平和行政の推進、そして県として国に核兵器禁止条約への批准を求めるよう、さらに力を尽くします。

「世界の恒久平和と核兵器廃絶を希求する兵庫県宣言」決議

兵庫県の歴史を振り返るとき、第二次世界大戦において、国内外で多数の県民のかけがえのない命が失われ、度重なる空襲により県土は焦土と化した、あの惨禍を決して忘れてはならない。
本県議会においては、これまで、戦後五十年となる平成七年に「核実験に反対し核兵器の廃絶を求める決議」を行うなど、世界の恒久平和の実現を願い、核兵器の廃絶を強く求めてきた。
しかしながら、今なお、世界各地で紛争が起こり武力が行使されるとともに、大量の核兵器の存在と核兵器拡散のおそれが、世界の平和と人類の生存の大きな脅威となっている。
特に、近年は、国境離島周辺での領海侵犯行為が繰り返されるなど我が国の主権がおびやかされるとともに、北朝鮮による度重なる核実験や弾道ミサイルの発射は、世界の安全保障に大きな緊張と不安を与えている。
我が国は唯一の被爆国として、広島、長崎の悲劇を絶対に繰り返させてはならない。核兵器の廃絶は我が国国民そして県民の総意である。
よって、本県議会は、次の世代に平和で安心な兵庫を引き継いでいくための一層の努力を行うこと、そして、世界の恒久平和と核兵器の廃絶を強く希求するものであることをここに宣言する。
以上、決議する。 

平成二十九年十二月十四日
兵庫県議会

(兵庫民報2017年12月24日付)

堀内照文エッセイ(14)

「前議員バッジ」も活用し地域要求を国会へ

急な解散・総選挙で中断していたこのエッセイを再開します。
選挙にあたっては読者の皆さんからも大きなご支援を賜りありがとうございました。いま各地で集いに呼ばれ、みなさんと膝詰めでお話しさせていただいています。議席を失った悔しさを共有しながら、野党共闘に力を尽くしたわが党の役割を確信にし、さらに今度は共闘の前進だけでなく、必ず共産党の前進へ何が必要か…。
長く支援くださっている方、最近になって支援くださるようになった方、それぞれ皆さんが真剣な声を寄せてくださいます。先日は滋賀県大津市で若い皆さんとトーク(写真下)。「いまどんな活動をしているんですか」という質問も寄せられました。
(動画がYouTubeで見られます https://youtu.be/1WImjl2fZw4


幸いにして(?)頻繁に上京しなくてもいいので、時間があります。集いや講演会などで共産党のことを丸ごと知っていただく機会をたくさんつくれます。政党名を書く比例代表選で「『共産党』と書く手が震えた」という方もまだ少なくありませんから、大事な活動です。また、そのことも通じて党の力も大きくしたいと思います。
そして何より、引き続いて地域の要求を国会、国政と結んで実現へと頑張ります。そのための武器ともなる「前議員バッジ」を衆議院からいただきました。国会の通行証です。
今後もよろしくお願いします。

(兵庫民報2017年12月24日付)

12月県議会:議案・請願で日本共産党が討論

国保「都道府県化」具体化、議員期末手当引き上げなどに反対

十二月兵庫県議会最終日の十二月十四日の本会議で、日本共産党のきだ結議員、入江次郎議員、庄本えつこ議員が、それぞれ討論に立ちました。
きだ議員は、議案に対する討論を行いました。
国民健康保険事業の都道府県化を具体化する条例案にたいし、きだ議員は、「さらなる負担増と徴収強化を推進する『都道府県化』では、住民の困難と制度の矛盾は深まる。本議案は国保料(税)の負担増、住民いじめの国保行政の強化につながるので容認できない」として反対を表明しました。
職員給料の引き上げとあわせて、知事、副知事、教育長の期末手当て引き上げの議案には「今でも、県民から高額と認識されている」として反対しました。
入江議員は、議員提案の議員期末手当て引き上げの議案に対し、「議員に対する県民の信頼は未だ回復しておらず、期末手当を含め議員の報酬は高すぎるというのが県民の圧倒的多数の声」として、反対しました。
庄本議員は、県民から提出された五つの請願に対して、採択を求める討論を行いました。
障害児者の豊かな教育と生活を求める件に対して、庄本議員は「特別支援学校の劣悪な教育環境が改善されないのは、本来あるべき面積など施設の設置基準がないからだ」と指摘し改善を求めました。小学校四年生までで止まっている少人数学級を早急に拡充すること、高校生の学費無償化、私学助成を拡充し、公私間格差をなくすこと、福祉職場の職員の処遇改善などを求め、すべての請願の採択を主張しました。

(兵庫民報2017年12月24日付)

日本共産党姫路市委員会のつどい

堀内前衆院議員の議席奪還の決意に大きな拍手


日本共産党姫路市委員会は、第三回中央委員会総会をうけ、日本共産党をまるごと知ってもらう取り組みとして、堀内照文前衆議院議員を迎え、「党綱領を語り日本の未来を語るつどい」を十二月十五日、姫路市市民会館で開催しました。
堀内前議員は、総選挙の結果をどう見るのかについて、市民と野党の共闘にこそ政治を変える力があり、立憲民主党が野党第一党になったことは、国会運営上非常に意義があると指摘。「前議員バッジ」を活用しながら議席奪還に向け頑張る決意を述べると、会場からは大きな拍手が送られました。
アベノミクスで大もうけした大企業と大株主に負担能力に応じて納税をしてもらい、国民一人ひとりが大事にされる社会を目指すこと、北朝鮮のミサイル発射問題でも対話を否定し、アメリカいいなりになっている日本政府の姿勢を切り替えていくことなど直面する日本社会の課題を解明。
さらに、社会主義・共産主義とは一人ひとりの能力が開花する人間の可能性が開かれる社会であり、尊厳を持って個性と能力を活かした活動ができる社会だと、日本共産党党綱領の示す日本改革の方向性と未来社会について語りました。
会場からは、「北朝鮮の本当の狙いは何か」や「参議院は必要なのか」「なぜ共産党は政党助成金を受け取らないのか」などの質問が出され、堀内前議員が丁寧に答えました。
最後に、苦瓜かずしげ市議が入党の訴えを行いましたが当日は決意に至りませんでした。しかし、参加者は改めて党綱領を身近に感じることができました。(谷川まゆみ=姫路市議)

(兵庫民報2017年12月24日付)

日本共産党兵庫・長田・北地区委員会のつどい

宮本衆院議員の呼びかけに会場で女性が入党決意


日本共産党兵庫・長田・北地区委員会は、宮本たけし衆院議員を迎え、「日本の未来と日本共産党を語るつどい」を十二月十六日、新長田勤労市民センターで開催。約百三十人が参加しました。
最初に民青同盟のメンバーが民青全国大会や活動の様子を紹介。そのあと最近入党したばかりの女性が、入党に至った経緯や思いを語りました。――福島原発事故を契機に社会や政治に違和感を覚え、閉塞感をもっていたときに出会ったのが何でも心開いて話せる党員だったこと、その後、綱領を読んで、今までの疑問に思っていた空白部分が埋まっていく感じがして入党を決意したこと、今は綱領をわかりやすく人に知らせていきたいと思っていること――との話に参加者は真剣に耳を傾けていました。
宮本議員は、総選挙の結果をどう見るかや、安倍政権の支持基盤のもろさ、森友問題の経緯や核心について報告し、野党共闘の値打ちや日本の政治のゆがみの根本を正す日本共産党の綱領路線や政策を縦横に語りました。
会場からは「未来社会をどう語ればいいか」「北朝鮮とは本当に話し合いができるのか」「改憲を阻止する展望」「国と地方の借金をどうするか」「入党や候補者を決意したきっかけは」など次々質問が寄せられ、宮本議員は、一つひとつ丁寧に答えました。
参加者からは、「すばらしいつどいだった」「とても楽しく話が聞け、力がわいてきた」「簡潔で、本質がよくわかった」などの感想が寄せられました。宮本議員の呼びかけに応えて、長田区の女性が会場で入党を決意しました。
(井上光孝)

(兵庫民報2017年12月24日付)

がんばります!:多可町議会議員 酒井よう子

困っている人に寄り添いたくて


多可町議会議員選挙で初当選いたしました、酒井よう子です。十一月の町議選は十四議席にぴったり十四人の立候補でしたので、たたかうことなく当選となりましたが、多可町で辻誠一さんの後継として日本共産党の議席を引き継げたことをうれしく思っています。
私は、下の子が一歳になる少し前から生計の担い手として、二人の娘を育てました。子育ての時期はただただ前を向いて気づきませんでしたが、今思い返すと、「頑張る人がちゃんと評価されていない」とか、「困難を困難だと素直に表現できない」不条理であふれている社会に、漠然とした無常観を持ちながら暮らしていたように思います。
今の夫と出会い、多可町に移住してきてから、住民無視の太陽光発電施設計画が我が家に降りかったことがきっかけで、生まれて初めて「住民の困難に寄り添う日本共産党の精神」に触れました。それによって困難を困難と表現してもいいんだ、頑張る人が評価を望むことはわがままではないんだと知りました。かつての弱い立場(と思っていた)の私が感じていたような、無常観を持つ人々に「それはわがままじゃない」「困っていると表現していい」ことをお伝えしたい思いで立候補を決意いたしました。
十二月、多可町議会では、新庁舎完成に向けての補正予算や、町営住宅に関する条例の改正などが議案になっています。住民もプロセスに参加でき、楽しめるような事業にすることや、弱者を切り捨てることなく、一人ひとりの希望につながるような改正となるよう、しっかりと声を出していきたいと思います。
公約にかかげた「学校の全教室にエアコンを」や「ワンコインタクシーの実現」で、子どもたちに当たり前の環境をつくること、すべての方に基本的人権でもある移動の自由を享受していただくことに取り組みます。
自然に恵まれたこのまちの、丁寧に紡がれたこれまでの人々の暮らしと、喜びを生みだし続けられるまちを未来につなぐため頑張ります。
どうぞよろしくお願いいたします。
(写真は小椋聡さん撮影)

(兵庫民報2017年12月24日付)

神鋼石炭火力発電所:255人が公害調停申請


神戸製鋼所が神戸市灘区灘浜に既存の百四十万キロワットに加え、百三十万キロワットの石炭火力発電所を新設する計画を進めていることに対し、神戸の石炭火力発電を考える会(久保はるか代表幹事)の呼びかけで兵庫県内に居住または通勤する二百五十五人が十二月十四日、兵庫県公害審査会に公害調停を申請しました。


これは、新発電所の操業により健康被害などを受けるおそれがあるとともに、石炭火力発電所は地球環境に多大な影響を及ぼし時代に逆行するものであるとし、神戸製鋼所に対し発電所新設の差し止めを求め、関西電力に対しては神戸製鋼所との電力受給契約の白紙撤回を求める公害調停です。
調停を求める項目は、
―神戸製鋼所、コベルコパワー神戸に対し、①新発電所の建設をしないこと②環境影響評価手続きを、神戸製鋼所の関連企業以外の事業者に委託してやり直すこと③既存発電所による環境負荷を直ちに最大限低減させること④既設発電所からの排水の温度・拡散状況に関するデータを開示すること―をあげています。
―関西電力に対しては、①新発電所からの電力受給契約を解除すること②新発電所からの高圧送電線を新設しないこと③既設発電所からの高圧送電線の周辺住民・通行者への電磁波の影響を軽減する対策をとること―。
*

同日夜には県民会館で申請報告・説明会が開かれました。
山本元副代表幹事が経過報告をし、公害調停弁護団の杉田俊介弁護士が調停の進め方などについて説明。申請人も決意を表明。宮城県仙台市、千葉県、神奈川県、高砂市など火力発電所問題に取り組んでいる団体からの連帯メッセージも紹介されました。
閉会挨拶で、上田敏幸副代表幹事は、西淀川公害訴訟の和解で住民に謝罪したのは神戸製鋼所と関西電力であり、同社らが再び公害で住民を苦しめることは許されないと指摘し、「私たち公害患者の苦しみを、未来の世代の子どもたちに味わわせたくない。必ず、私たちは勝つことができる。なぜなら、勝つまでやるから」と強調しました。
*

第2次申請者も募集中

同会では、第二次申請へ向け引き続き申請人を募っています。
問い合わせは☎080・2349・0490(同会事務局)へ。https://kobesekitan.jimdo.com/

(兵庫民報2017年12月24日付)

借り上げ住宅をめぐって

希望者継続入居を裁判勝利と入居者激励の集い


借り上げ復興住宅の入居者と支援者らでつくる「ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会」は十二日、神戸市中央区の神戸市勤労会館で裁判勝利と入居者激励の集いを開き、八十人を超える人たちが参加しました。
借り上げ復興住宅をめぐり現在、神戸市は、入居者の退去を求めて九世帯、西宮市は七世帯を提訴しています。
同協議会の安田秋成代表は、「わずかな人生を穏やかに、人に迷惑をかけずに過ごしたいという、私たちのささやか希望を奪おうとしています。支援者のみなさんの力もおかりして、行政の態度を正していきたい」と訴えました。
運営委員の段野太一さんは、同協議会の活動を報告。世論と運動の結果、県営住宅では「判定委員会」が申請世帯四百六十六のうち四百六十三世帯の継続入居が認められたこと、神戸市でも市にURから十二団地を買い取らせるなどの成果をつくりだしてきたと紹介。希望者全員の継続入居の実現へ支援を呼びかけました。
借上復興住宅弁護団の佐伯雄三団長は、Nさんにたいする退去容認の神戸地裁判決を批判し、大阪高裁にむけた、公正判決を求める署名と裁判支援を訴えました。
退去を迫られている入居者らは「震災で店舗兼住宅も全壊、やっと入居できたのに。二十年たって出ていけでは納得できない。ずっと住めるようご支援を」「期日を書いた貼り紙をはり、追い立てるようなやり方には納得できない」「みんなで団結してがんばっていきたい」と口々に訴えました。
集いには、日本共産党の堀内照文前衆院議員、きだ結県議、神戸市議団から味口としゆき、松本のり子、西ただす、大かわら鈴子、今井まさこの各市議が出席。入居者らを激励しました。米国アトランタ出身で神戸市在住の女性ジャズシンガーが歌で参加者を魅了しました。

県と各市へ要請キャラバン


借上住宅弁護団と入居者支援団体有志でつくる実行員会が十二月十三日、「被災者追い出し反対キャラバン」を行い、兵庫県知事、神戸・西宮・尼崎・宝塚・伊丹の各市長あてに、①「被災者居住権」を損なう政策を行わないこと②被災者の居住問題で他の自治体と不公平・不平等に扱わないこと③どこに住んでいても被災者が安心して住み続けられる制度の創設に協力すること―を要請。借り上げ住宅や神戸地裁、同尼崎支部前などで宣伝し、入居者を励まし、市民に訴えました。

東灘連絡会がつどい


借り上げ住宅東灘連絡会は十二月十七日、借り上げ神戸市営住宅シティコート住吉本町集会所でつどいを開きました。
神戸市は十一月六日、同住宅明け渡しなどを求め、入居者二人を提訴しています。
つどいには区内の借り上げ住宅入居者と支援者が参加。西ただす市議、きだ結県議が神戸市・兵庫県の動きを、借上弁護団吉田維一弁護士が裁判の経過を説明しました。
提訴された入居者は、「入居者どうし仲良くなり、仕事も病院も近く。ようやく震災の悪夢を見なくなったのに、急に出て行けと言われた。皆さんの応援で裁判をたたかう自信もできた」と決意を述べ支援を訴えました。
継続入居が認められた別の住宅の入居者(88)は「多くの人が転居し、自治会は解散。ひとり暮らしの安否確認もできない。一般入居者とうまくやっていけるだろうか」と不安を語っていました。

(兵庫民報2017年12月24日付)

新婦人兵庫県本部大会

運動あるところ新婦人あり


新日本婦人の会兵庫県本部は十二月三日、神戸市内で第三十四回県本部大会を開きました。
岸本友代会長が挨拶で、「新婦人結成から五十五年。平塚らいてうの時代から私たちは女性の尊厳と権利のために半世紀をこえて行動し続け、核兵器禁止条約など平和を構築する役割を担うまでに発展してきています。どの分野でもキーワードは女性。みんなで考え行動していきましょう」と呼びかけました。
来賓挨拶では森勇治・日本共産党兵庫県副委員長が「一カ月に五百七十人も仲間を増やすパワーはすごい! 〝運動あるところに新婦人あり〟どこにでもその姿があり素晴らしい」と激励しました。
討論では、次々、活発な発言がありました。
垂水支部は「市が会場使用を突然不許可に。すぐに抗議し取り消しさせ、若い世代と平和イベントを開いた」
三原支部は「市長と懇談し、子育てや若者支援を要望した。高齢者の交通手段確保を実現することができた」
明石・ちゅうりっぷ班は「毎月欠かさず二年間、アベ政治をゆるさないスタンディング。世論を変えてきた」
―など、憲法を守り生かす新婦人を確信する熱い討論にわきました。
「安倍九条改憲NO!3000万署名」を五月三日までに七万五千筆集めようと決意を固め合い、大会決定、新役員を全会一致で採択しました。
(荻野潤子)
*
【新役員】 会長=岸本友代、副会長=中野圭子・竹村恭子・岡本初美(新)、事務局長=桜井文子

(兵庫民報2017年12月24日付)

民青同盟全国大会に参加して

一人ひとりの要求実現を

民青同盟兵庫県委員会副委員長 伊木さち

 静岡県で開催された第四十一回日本民主青年同盟の全国大会に、兵庫から私を含め四人の同盟員が参加しました。
大会では小山農委員長から前大会以来一年間の活動を振り返った報告があり、大会決議案が出されました。それを受け、各都道府県の参加者が自分たちの行ってきた活動、その中で大事だった点を報告しあいました。
*
各地の努力や感動が詰まった発言に胸を打たれましたが、なかでも印象的だったのは、京都の高校生対策部員を務める同盟員の発言でした。高校生のやりたいことを一つずつ実現していき、たこ焼きや、山登り、学習会、映画鑑賞など多彩な班活動をしていました。〝やったほうがいい〟と援助者が考えたことではなく、あくまで高校生の思いを尊重し、〝自分のやりたいことができる〟という経験の積み重ねを大事にし、その中で新しい仲間を迎えてきたと話していました。また、高対部で高校生の悩みや様子を相談しあっていることもいいなと思いました。
*
兵庫からも二人が発言しました。
二日目には日本共産党の志位和夫委員長が一時間ほどのまとまった挨拶をしました。今回の総選挙結果の受け止めや、資本主義の利潤第一主義に追い詰められる若者と、それを解決する道筋としての未来社会論を語り、民青のパンフを手に取って、「一人ひとりのやりたいことが出発点というのがいいですね」と話してくださいました。とても元気の出る講演だったと思います。
大会に参加して、各地の経験を聞き、あらためて民青の魅力について気づき、考えることができました。この経験を兵庫でも語り、採択された四十一回大会決議の実践を、楽しく豊かに進めていきたいと思います。

(兵庫民報2017年12月24日付)

神戸・市民要求を実現する会が総会

市民サービス切り捨て・巨大開発に怒り


神戸・市民要求を実現する会は第七回総会を十二月十三日、神戸市内で開きました。
社保協神戸市協の中川和彦議長が国保の広域化実施について、新婦人県本部の由利美香事務局次長が子どもの医療費無料化について、神戸保連の朝倉ユミ氏が待機児童ゼロ・保育の現状についてそれぞれ報告しました。
中川氏は、国保の都道府県化実施で負担増が予想され、延滞料徴収などの問題が生じることを指摘し、負担軽減へ県・市が援助を行うべきだと述べました。
由利氏は、市長は子ども医療費無料化の公約を破ったが、全国的に無料化がすすんでおり、神戸は子育て世代に選ばれない自治体になると批判しました。
朝倉氏は、足らないのは保育所と保育士であり、待機児解消のためには市が責任を持って認可保育所を増設することが必要であるのに、民間の小規模・幼保連携などに任せている神戸市の姿勢を告発しました。
また、生健会からは生活保護切り下げ問題、兵商連からはマイナンバー・モトコーの問題、ストップ!神戸空港の会からは空港の借金を市民に押し付けながら民間に運営権を売却した問題、中学校給食を実現する会からは中学校給食がますます矛盾を深めている実態と小学校給食調理民営化の問題―など各団体から切実な市民要求が出され、それに背を向けて三宮などの巨大開発、市民サービス切り捨てをすすめる神戸市政への怒りの発言が相次ぎました。
予算要望をはじめ交渉運動をすすめること、加盟団体の行動に連帯、交流をすすめ、市政連続講座などの方針、役員などを確認しました。

(兵庫民報2017年12月24日付)

食と健康を守れ!:「グリーンウェーブ」全国集結集会

農民、労組、女性、医療団体などでつくる「国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)」が「グリーンウェーブ集結集会」を十二月八日、東京で開催。農林水産省前集会、政府要請行動、学習会と収穫祭を展開しました。「グリーンウェーブ」は十月から開始。食料自給率向上、TPP交渉中止、食の安全確保などを求め、署名など運動を広げています。
*
農水省前集会では、笹渡義夫農民連会長が「消費者と生産者だけでなく、関連産業に関わる人々とも共同が広がっている」「安倍農政に対しては農業者の七割以上が不支持を表明している。安倍政権の基盤は極めて脆弱だ」と報告しました。
*
対政府要請行動では、「食料自給率の抜本引き上げ」「官邸(規制改革推進会議)主導の農業・農協改革をやめよ」「農業者戸別所得補償制度を復活させよ」「TPP、日欧EPA、日米FTA交渉をやめよ」「福島県産米の全袋放射線検査を継続するための支援を行え」「卸売市場法の見直しをやめよ」と申し入れ。またこれとは別に四国の食健連が果樹農家の要求をまとめ、要請しました。
要請項目について当局は、TPP等で農産物の輸入が増大することを認めず、「輸出が増えることで収穫量が増え、食料自給率は向上する」「農政は官邸主導ではなく、農水省主導でやっている」「福島の全袋検査は県と県議会の意向によるものだから見守る」などと答弁。全体に官邸の顔色をうかがっているような印象でした。
*
学習会では鈴木宣弘東京大学教授が講演。アメリカいいなり、大企業中心の日本農政は異常であり、このままでは日本はとんでもないことになると警鐘を鳴らしました。
続いて各地から、「県内すべての農協を訪問し賛同を得た」「県当局や森林組合も訪問し、農業と食の安全に関する国農政への懸念で一致した」などの報告がありました。「政府への要請」に対する賛同署名は全国六十八農協・二十二自治体(十二月七日現在)になっています。
*
集会後、都内会場で「収穫祭」も催されました。集会と収穫祭には、日本共産党の紙智子参院議員と田村貴昭衆院議員が参加し挨拶しました。
(金田峰生=日本共産党兵庫県委員会農林漁民部長)

(兵庫民報2017年12月24日付)

兵庫山河の会「山河」80号より

躊躇なく身を切る風を受け止めて憲法守る署名うながす
 山下 勇

世界一厳しい審査あきれるぞ 老朽原発再稼働さすな
 西澤 愼

起て起てよ飢えたる者よとインターを歌いし革命一〇〇周年!
 古賀哲夫

貧困で食にも困る子どもいてテレビの大食い競争いかに
 新井 幸

テロップに流れる地震の速報に慣れすぎているわれの危ふさ
 古谷さだよ

アメリカをテーマの砂像リンカーン・チャップリン居てトランプも居る
 塩谷凉子

長白山無事に下り来て八十歳自信賜ひし万象に謝す
 石井敏子

隣屋の柿は鈴なり重く垂れ道行く人にお裾分けさる
 鵜尾和代

つぎつぎに馴染みの店は閉ざされて古き団地の我も買物難民
 古賀悦子

初冬過ぎ小さななすびしっかりと色あせもせず雨風に耐え
 高木庸子

ようやくに馴れ親しみしヘルパーが老親の介護に辞めゆくと言う
 延原ちづ

文化講演会あまたの仲間が集いきて熱気が冷めず二次会もまた
 大中 肇

ゆらゆらと風にゆらめく枯れすすきブランコ遊びか小雀の二羽
 安武ひろ子

降り積もる朽ち葉のあわいま緑に約束のごと水仙芽吹く
 山下洋美

(兵庫民報2017年12月24日付)

画:亀井洋示


(兵庫民報2017年12月24日付)

観感楽学

今年の流行語大賞に「忖度」と「インスタ映え」が選ばれた。前者はなるほどと納得したが、後者は困った。新聞記事の説明でやっと理解できたが、そのうち腹が立ってきた。だいたい電子網世界にはカタカナが多すぎる、責任者出てこいといいたいが世の趨勢を考えればしょせん蟷螂の斧▼ところがあの人が国会答弁で「丁寧」「真摯」「謙虚」というとき、カタカナではないがもっと頭にくる。「あんたは憲法だけでなく日本語も壊すのか」と思わず電像画面に突っ込みを入れたくなる▼そんなこんなで一年が終わろうとしているとき、『終活期の安倍政権』(二宮厚美著)と遭遇。安倍政治の異常性をめった切り。その政治の全体像を「アベノーマル=アブノーマル」と表現。トランプ米大統領いいなりの姿勢を「トランペットアベ=トランプのペット」、極右的体質を「アベクロニズム=安倍のアナクロニズム」、そして経済政策は「アベコベミクス」。自作用語だけでなく、安倍首相の母校である成蹊大・加藤節名誉教授の評「ムチムチの安倍=無知と無恥」まで紹介してくれている▼こういう片仮名は大歓迎。首尾が一貫してないぞのお叱り、平にご容赦を。(T)

(兵庫民報2017年12月24日付)