Web版の発行はしばらく休止します

「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2017年12月17日日曜日

日本共産党兵庫県委員会が「3000万署名」宣伝

署名をよびかける金田峰生国会議員団兵庫事務所長(左から2人め)と松田隆彦県委員長(右奥)

日本共産党兵庫県委員会は九日の県委員会総会後、神戸駅前で「3000万署名」宣伝を行いました。

(兵庫民報2017年12月17日付)

「3000万署名を進める垂水連絡会」結成

講演する上脇氏

「平和憲法垂水区ネット」「憲法を生かす会・垂水」、「みなせん須磨・垂水連絡会」が共催で十二月十日、垂水勤労市民センターで集会を開き、会場いっぱいの参加者となりました。
前段では神戸学院大学の上脇博之教授が「安倍改憲の狙い」をテーマに講演し、次のように述べました。
―安倍首相が主張する「自衛隊明記」の由来と明記による危険を国民に明らかにすることが重要。特に、戦争法の国会論議で明らかにされたとおり「集団的自衛権行使の危険認定は政府の解釈」で実施されることから、九条以外の条項も政府「解釈」を根拠に改憲が拡大するおそれがある。
―国民投票になれば、改憲側の巨大な資金量によるマスコミあげての応援キャンペーンがくりひろげられる。改憲派に発議させない国民運動の展開が必要。安倍九条改憲を許さない「3000万署名」を成功させよう。
参加者からは、「全般を網羅した話でしたが、随所に先生の知る情報を交え、署名を進める参考になった」と感想が出されています。
後段は、垂水の三者共闘による「3000万署名を進める垂水連絡会」の発足と運動方針を論議し、満場一致で可決しました。目標は三万七千、過去経験できなかった大きな数字です。三団体の全力追求やサポーター倍増や中学校校区ごとの新しい会を結成していくことの必要性が指摘されました。
(大島伸生=平和憲法を守る垂水区ネットワーク事務局長)

(兵庫民報2017年12月17日付)

日本共産党国会報告街頭演説

(左から)こくた、堀内、宮本各氏と司会のきだ県議

日本共産党は十二月十日、神戸・三宮交通センタービル前で国会報告街頭演説を行いました。
堀内照文前衆院議員は、総選挙での市民と野党の共闘が分断の危機を乗り越え、改憲勢力による二大政党制を許さず、議席も前進させた意義を強調し、共闘のさらなる前進とその確かな力となる日本共産党の躍進に力を尽くすと訴えました。
また選挙後、安倍政権が打ち出した社会保障大改悪を批判し、国民の暮らしを守るたたかいを草の根から続けていく決意を表明しました。
宮本たけし衆院議員は、森友・加計問題で新たな音声データも示し追及した党議員団の役割を報告。こくた恵二衆院議員・国会対策委員長は、十日が世界人権デーであることを紹介し、世界人権宣言採択の前年に施行された日本国憲法が平和主義とともに人権保障でも先駆的だと強調し、安倍政権による改憲を許さない3000万署名はじめ、市民と野党の共闘をさらに進めていくと訴えました。

(兵庫民報2017年12月17日付)

灘区:たつみ参院議員迎え日本共産党と日本の未来を語り合う

講演するたつみ議員

日本共産党灘区委員会は第三回中央委員会総会をうけ、たつみコータロー参院議員を迎え「日本共産党綱領&日本の未来を語り合うつどい」を開催。会場いっぱいの参加で、日本共産党の値打ちをまるごと知ってもらう機会になりました。
「つどい」では、最初に総選挙で大奮闘した力重智之さんが挨拶。メイン弁士のたつみ参院議員は、森友学園問題での国会追及をリアルに報告。
問題の本質は、八億円以上の値引きの根拠になっている「ゴミはあったか」どうかであること、そして地中深くにあったとされるゴミが、実は一万八千年前の地層であり、ここにマヨネーズのふたや、ビニールゴミがあったとすれば、それは大発見だと述べると、会場は大爆笑でした。
抜群の論戦力の背景にある、大企業いいなり、アメリカへの追従というふたつのゆがみをただす党綱領の示す日本改革の方向について解明。日本共産党の党名に込められている資本主義社会を乗り越える展望を訴え、参加者に共感を広げました。
「つどい」は「双方向」であることを重視し、会場からの質問コーナーを設け、「財源についてはどう考えているのか」「議員の定数や、公務員削減について、党はどういう見解なのか」など質問が出され、たつみ議員がていねいに答えました。
最後に、味口としゆき市議が入党を訴え、二人が入党を決意しました。(あ)

(兵庫民報2017年12月17日付)

日本共産党芦屋市後援会が定期総会

講演する堀内氏

日本共産党芦屋市後援会は二〇一七年度定期総会を十二月九日、芦屋市民センターで開きました。
今年の総会は、「二〇一九年の市長・市議選、参院選勝利を」、「安倍改憲ノー、三千万人署名をやりとげよう」の熱い思いが語られる総会になりました。
総会に先立って堀内照文前衆議院議員が講演を行い、十月の総選挙の結果をどう見るか、その後開かれた臨時国会での森友・加計疑惑の追及や暮らしと社会保障の問題、安倍首相の憲法九条明文改憲の危険性、日本共産党を丸ごと知ってもらうことの大切さなど、多岐にわたって語りました。
選挙戦については、公示直前に希望の党による野党共闘の分断が行われたにもかかわらず、日本共産党は六十七の選挙区で候補者を降ろすことを決断し、市民と野党の共闘を最後まで大切にし、逆流を乗り越えて次につながる重要な成果を得たことを報告しました。
同時に、市民と野党の共闘をさらに前進させ、確かなものとするためには日本共産党の躍進がどうしても必要であり、そのためにも共産党の未来社会論を積極的に語って丸ごと知ってもらおう、選挙で勝てる自力をつけようと訴えました。
総会議事では、芦屋市後援会の片岡範次事務局長がこれまでの活動報告と今後一年間の活動方針を提案し、新役員とともに了承されて新しい活動をスタートしました。
(濱本鶴男)

(兵庫民報2017年12月17日付)

明石後援会が総会と記念講演

講演する大門議員

総選挙で延期になっていた日本共産党明石後援会の「総会と記念講演」を十二月九日に開きました。会場いっぱいの百五十人を超える参加があり大いに盛り上がりました。
恒例となった開会前のミニ・バザーに多くの単位後援会が出店し、色々と商品が並べられ賑わいました。
総会は中島正治副会長の開会挨拶、県後援会の森原健一会長が党第三回中央委員会総会決定を受けの激励の挨拶があり、新町みちよ党明石市委員長が総選挙での取り組みの報告を、党明石市議団を代表して辻本達也議員が市政報告を、それぞれしました。
後援会事務局から経過報告と活動方針、会計報告、予算(案)を提案し、討論と交流をしました。
最初に今年誕生した二つの単位後援会が発言。西二見後援会は「年明けに新春の集いを開催し、後援会ニュースの発行を目指している」、生活と健康を守る会内後援会は「総選挙の訴え、結果を受けてのニュースを二回発行し、生活保護費の引き下げを阻止する取り組みをしていく」と発言しました。活動の活発な大久保後援会と魚住後援会からも取り組み報告がされました。
討論のなかでは「後援会として学習会の開催や街角ウオッチングで要求をくみ上げて欲しい」との要望も出されました。
総会は、「安倍九条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」の取り組みをはじめ、情勢に見合った学習会の開催や会員拡大、より充実した後援会ニュースの発行、再来年の統一地方選挙、参議院選挙に今から取り組みを進めることを決定しました。
記念講演では特別国会を終えたばかりの大門みきし参議院議員が、総選挙での日本共産党の取り組みやこれからの展望など、縦横に語りました。
また、恒例の「腹話術」もあり、まさしく「学んで、楽しむ」ひと時となりました。
(村井孝寿=明石後援会事務局長)

(兵庫民報2017年12月17日付)

南あわじ:高校生といっしょに平和うたうコンサート

〝もっとも身近な若者〟がここに

南あわじ市議 えびす智彦

歌うS君(左)、えびす議員(中央)ら

不戦の誓いの日、十二月八日、南あわじ市で平和をうたう「ミニミニコンサート・オブ・ピース」を行いました。
開催のきっかけは総選挙での高校生との対話です。期日前投票が始まる前の日、県立淡路三原高校門前で日本共産党の宣伝・対話を行ったところ、その一人S君と話が弾み、政党助成金を受け取らない日本共産党への関心も示してくれました。
高校生の中にも変化が生まれていると実感。このつながりを生かせないかと思いをめぐらしたところ、被爆地ヒロシマ・ナガサキの声を世界に伝えるため、未来を担う若者を「高校生平和大使」として国連に派遣する運動が大きく広がっていることを知りました。
南あわじでも平和の大切さ、核兵器をなくすことの意味が、高校生にも必ずわかってもらえるはず――そんな思いで、S君に平和大使運動を応援するコンサートでいっしょに歌ってくれないかと誘いました。S君は二つ返事でうけてくれました。
九条の会の方や友人にも協力してもらい「ピースナイン」というユニットを結成。S君も風邪をおして平和を歌いました。高校生から高齢者まで二十数人が参加し、カンパも五千七百円寄せられました。「高校生はもっとも身近な若者」だと実感しました。

(兵庫民報2017年12月17日付)

神戸市議会一般質問:市民合意ない巨大開発に反対

日本共産党 赤田・朝倉両議員が久元市政を批判

十二月七日に開かれた神戸市議会定例市会本会議で、日本共産党議員団から赤田かつのり議員、朝倉えつ子両議員が一般質問に立ち、市長の所信・施政方針、垂水区の地域医療体制、まちづくりと地域課題解決への姿勢、学校園に通う障がい児への対応などについて、久元喜造市長の政治姿勢をただしました。

○一度も公表されていない計画が唐突に

赤田議員
施政方針や十一月の補正予算案などで「雲井通五・六丁目のバスターミナル建設予定地に高さの上限約百六十五メートルの高層ツインタワー建設」「市役所二号館を一号館並みの高層タワーに建替え」「神戸文化ホールを建設予定のバスターミナルと建替え予定の二号館に分割移転」「ウオーターフロントの再整備計画で新港第一突堤に百メートルを超える高層タワーマンションの建設」など、今までに一度も公表されていない巨大開発の計画が唐突に出されています。
赤田議員は「市民との合意もなく、巨大開発を進めてはならない」とただしました。

○不便解消どころか移住を誘導

朝倉議員
北区では、人口減少、少子化を理由に市営住宅の戸数を減らし、公立幼稚園は廃止、児童館は移転などが行われています。区民からは「若い人が住めない」との声が上がっています。
朝倉議員は「人口流出が増えている」「さらに公的施設をなくせば、人口減少に拍車がかかる」と課題解決への見解を求めました。
*
巨大開発について、玉田敏郎副市長らは「神戸市全体のにぎわい、経済の活性化、競争力の強化などを踏まえ進めている」「市民、区民、関係者のご意見を聞きながら丁寧に進めたい」などと答え、北区の課題について、久元喜造市長らは「強制ではないが不便なところの住民を駅前などの便利なところに定住するよう誘導したい」などと答えました。

(兵庫民報2017年12月17日付)

ことし最後の6・9行動

ルミナリエ見学の人も外国人観光客も次々ヒバクシャ国際署名


十二月九日は、今年最後の6・9行動でした。元町大丸前は、夜に行われる神戸ルミナリエの見学者でたいへんな人出のなか行いました。
兵庫県原水協の津川知久筆頭代表理事や新婦人県本部の垣本千里平和部長、日本共産党の庄本えつこ県議らがマイクで、国連総会で核兵器禁止条約の調印・批准を全国連加盟国に促す決議が採択されたことを紹介し、「安倍政権が禁止条約に反対しているのは、被爆国にあるまじき態度だ」ときびしく批判しました。
ルミナリエ見学の人たちが、掲示した被爆写真を立ち止まって見入り、「ヒバクシャ国際署名」に応じました。ドイツや香港などからの観光客も、国連に署名を届けるとの話に強い関心を示し署名に応じました。
新婦人、平和委員会、AALA連帯委員会、共産党などから参加した十一人の訴えに署名四十七人、被爆者募金八百円が寄せられました。(梶本修史兵庫原水協事務局長のFacebook記事から)

(兵庫民報2017年12月17日付)

東灘革新懇:神戸港の平和を考えるつどい

平和と暮らしを守る東灘懇話会(略称:東灘革新懇)は十二月九日、再開第一回目の企画として、東灘区民センターで「神戸港の平和を考えるつどい」を開催しました。
第一部では、ドキュメンタリー映像「よみがえる最前線『神戸と核と日米同盟』」を鑑賞。一九七五年に神戸市議会が「非核証明書を提出しない艦船は入港を認めない」と、全会一致で決議したことから、その後、米艦船は一隻も入港していません。この間、米国からの圧力が増しているのも事実ですが、核兵器禁止条約が今夏、国連で採択された情勢下での「非核『神戸方式』の今日的な意義」を共有しました。
第二部では、革新懇全国交流集会(十一月十八~十九日、愛知県で開催)への参加者四人が、「市民と野党の共同の力で、統一を実現した粘り強さに感服」「市民要求を基礎に、次の国政選挙で共闘勢力の躍進を」「革新懇こそ、共闘前進の推進力」「東灘での革新懇運動に展望」など、生き生きと報告。
第三部は、拡大世話人会の位置づけで、質疑応答と交流懇談の場とし、「当面する3000万署名の成功に全力をあげ、共闘の幅を大きく広げよう」と確認しました。

(兵庫民報2017年12月17日付)

脱原発はりまアクション:原子力防災と避難者の声聴く会


原子力防災と福島避難者の声を聴く会が十二月九日、加古川の生活創造センターかこむで開かれ、福島原発事故避難者の菅野みずえさんの訴えとフリージャーナリストの守田敏也さんの講演があり五十人近くが参加しました。脱原発はりまアクションが主催、コープ自然派兵庫が共催しました。
福島県浪江町に住んでいた菅野さんは事故後、大阪に避難したものの「あなたたちが逃げて来るから汚染が広がる」と中傷され、福島に戻り仮設住宅で過ごしたこと、すでに関西で所帯を持っていた娘さんの「帰れる実家を」との声におされ、三木へ避難しているという体験を語りました。
そのうえで、原発反対は特殊な考えや政治的に突出したことではないと強調し、「原発を止める、なくすことが、私たちのような思いをするものをつくらないことになります。ぜひ行動しましょう」と訴えました。
守田氏は、自身が被爆二世であることをあかし、ヨーロッパやトルコなどでの脱原発行動などを紹介。篠山市の原子力災害対策検討委員として避難計画やヨウ素事前配布に尽力した経験を踏まえ、世界の陸地の〇・二五%の面積に一〇%の火山がある日本ほど原発災害の危険性の高いところはないこと、大規模防災避難計画は基本的に成り立たないことなどを指摘。日本の脱原発を求める市民の活動を世界に発信すること、沖縄の基地闘争のようにリベラルな与党も巻き込んだオールジャパンのたたかいが必要であることなどを力説しました。
(立花俊治=加印革新懇)

(兵庫民報2017年12月17日付)

第二回兵庫県社会保障学校

高齢者の生活を支える介護保険制度に

「どうなる第七期介護保険」。県社保協は十二月九日、神戸市内で第二回兵庫県社会保障学校を開き七十三人が参加しました。
日下部氏
大阪社保協の日下部雅喜氏は、第七期介護保険事業計画の策定をひかえ、所得の高い層の利用者負担三割化、介護保険料の連続値上げをはじめ、「自立支援型介護転換」へ、「卒業加算」「移行加算」など先取りをする大阪府大東市を例に「総合事業」の問題点、「国の基本指針等の周知徹底と評価指標」、「介護報酬改定と生活援助切り下げ・制限」など問題点と課題を指摘しました。
自治体の課題として、①第七期事業計画は国の目標に追随させない、②要介護認定、サービス利用を阻害させない、③地域包括支援センター、ケアマネジャー、事業者に「自立支援型」を押し付けない、④高齢者の尊厳と権利を守る介護保険運営、介護保障の立場に立たせる働きかけが強調されました。
報告では、事業所の運営を無視した「ケアプランにおける減算」「保険料滞納者の報酬未払い」(垂水・NPO福祉ネット星が丘・徳岡八重子理事長)、「現行相当と緩和型は半々」としていた総合事業への移行が、実際には「研修」を通じて七割を緩和型に誘導(松沢ちづる尼崎市議)。また、「入退院時、通院のタクシー代片道七千五百円」など移動支援、「家族と同居していれば、日中の生活援助はほぼ認められない」「ゴミ出しなど生活援助は一回千二百円」、「五~六万円の国民年金で入所できる施設なし」など制約の厳しい介護保険、高額な保険外サービス負担など「低所得者には解決できない深刻な地域の暮らしや困りごと」(神戸医療生協・肥塚俊一氏)が紹介されました。
参加者からは「わかりやすかった」「事業者の困難」「高齢者をささえる制度になっていない」などの感想が寄せられました。
北村美幸事務局長からパブリックコメントが始まっている第七期介護保険事業計画に対しこれらの声を届け、解決を求める運動を各地で広げようと訴えました。
(県社保協事務局・高山忠徳)

(兵庫民報2017年12月17日付)

ひなたぽっころりん〈610〉

(兵庫民報2017年12月17日付)

喜寿から習い始めた〝趣味で腹いっぱい〟

山名さんと自画像(後ろ)、アロハシャツ、サル

芦屋市の山名重信さんは今月八十四歳になりました。喜寿(七十七歳)から習い始めた絵手紙をとば口に水彩画、立体造形、陶芸、洋裁、調理にと才能を開花させています。
夫婦で余生を芦屋で過ごそうと七年前、岡山県牛窓から越してきた翌々月、突然、妻・順子さんが他界。食事など家事に困りました。コンロや炊飯器、洗濯機の使い方などはメーカーに問い合わせ、料理はインターネットで作り方を調べ、一カ月後には三食作れるようになりました。

毎日の食事の記録

しかし、近くに友人もなく途方にくれていた時、図書館で新日本婦人の会の絵手紙教室のチラシを見かけました。「七十七のおじいさんですが、見学させてください」と勇気をだして行ってみました。描いてみたらほめられました。「下手さならだれにも負けません」と山名さんは言いますが、嬉しくなり、女性ばかりの教室に男性ひとりでしたが習い続けています。

絵手紙

水彩画は絵手紙教室の仲間から誘われて始めました。自画像、風景などを描いています。

洋裁は、たんすを整理していて見つけた海の生き物柄の布から。アロハシャツがつくれるかもと、手芸店で型紙を買ってきて手縫い。襟の付け方やボタンホール、絵柄の合わせ方など失敗と工夫を重ねて仕上げました。
この他、公民館や保健福祉センターの絵手紙、料理教室などにも参加して、ますます腕を上げています。
山名さんの器用さに気づいた新婦人の会員から「原発反対の集会に持っていくから何かつくって」と頼まれたのが二〇一五年二月の原発なくす会などによる県庁包囲行動に「原発再稼働だメー」と登場したヒツジの立体作品です。段ボールなどで体をつくり、細く切れ目を入れたキッチンペーパーを貼り重ねています。

2015年2月の県庁包囲行動に登場した「羊」(山名さんは右端から2人目)

山名さんは岡山県の建設会社で長く労働安全衛生に携わってきました。「安全対策のコストはたいしたことありません。事故を起こして信用をなくすことの方が問題です」と言います。
そのために「金を出せないなら知恵を出せ」「守らなければならないのは法律だけではない。命を守れ」と、例えばふつうは屋根の端に落下防止柵を設けてすます場合でも、作業員が滑落の勢いで柵に激突すれば怪我をするおそれがあるとみれば、屋根の途中に卓球のネットのような網を張るなどの対策を考え出しました。また、工期に無理があるのをみつけ施主にかけあい延ばしたことも。
「鬼」と恐れられるほど厳しく安全を追求し、工夫を重ねてきた人生をいま、暮らしに花咲かせている山名さんです。
山名さんの作品展は十二月二十二日までKOBE須磨きらくえんギャラリー(妙法寺駅から送迎バス)で開かれています(毎日九時~十七時)。

〔〝趣味で腹いっぱい〟は「しんぶん赤旗」で連載中の小説のタイトルです〕

(兵庫民報2017年12月17日付)

クリスタル短歌の会から:安武ひろ子選

憲法署名新聞にその名見つけたり二日前に逝きにし友の名
 西嶋節子

背を丸め家路を急ぐ人群れよ受け止めほしき九条守れを
 長谷川一枝

新婦人全国大会に参加して皆のパワーをもらって帰る
 塩野菜美

立命大の平和ミュージアムのガイド戦争の惨状熱く語れり
 広瀬弘子

エッセイ擬き書きつゝ思い巡らせば私の人生まんざらでもなし
 森ひろ美

台風の雨水あつめ岩を食み瀑布となりし布引の滝
 島田国子

マンションに子らの喚声ひゞき来る「はないちもんめ」の空は夕焼け
 平野万里子

廃線の駅洪水の見舞う村川は刻める鉄路の歴史
 宮川菊代

どんぐりのはじける秋の爽やかに自転車こぎぬ「しあわせの村」
 清水淑子

炬燵出しおでん作りし暮れる秋過ぎ去りし日々指おり思う
 岡本征子

神無月暑さの去らず日焼けせる腕出しビラまく声をからして
 正津房子

気がつけば路上にひとり転がり手のひら付きたる地面冷たく
 三浦良子

(兵庫民報2017年12月17日付)

『ラスト・タンゴ』:神戸映画サークル協議会1月例会

最も有名なタンゴ・ペアの半生つづる情熱ドキュメンタリー



『ラスト・タンゴ』はタンゴ史上最も有名なダンスペア、マリア・ニエベスとフアン・コペスの軌跡をたどり、八十歳を越えてもなお踊る男女が情熱的なタンゴ、そしてお互いを語る。

タンゴの名曲に乗せ、世界的トップダンサーたちが二人の波乱の人生をドラマティックに表現する。舞台でのダンスシーンはもちろん、当時の映像など様々なダンス場面がのぞける本作は、五十年にわたるままならない男女の愛とタンゴに捧げた人生が熱く伝わってくる。伝説的な二人のタンゴ人生を青年時代壮年期に分け、それぞれを当代きってのダンサーが踊るダンス・ドラマでもある。ストーリーに合わせた現役ダンサーたちの魅惑的で熱狂的な踊りはタンゴファンならずとも一見の価値あり。
何があってもペアを続ける二人が踊ってきたタンゴを見ていると、彼らの内に築かれてきた関係が感じ取れ、それ故彼らは唯一無二のペアだったのだろう。タンゴに賭けた人生。自分の人生を賭けられるものを持つ人間は美しい。タンゴの魅力満載に、実はタンゴに賭けた人生を送った一人の女性の生き方を描ききった作品なのだ。
(桑田葉子)

映画『ラスト・タンゴ』

1月19日(金)①11時30分②14時30分③19時、20日(土)①11時30分②14時30分③18時/神戸アートビレッジセンターKAVCホール/監督:ヘルマン・クラル/出演:マリア・ニエベス、フアン・カルロス・コぺス/2015年、ドイツ・アルゼンチン、85分/一般1300円(当日1700円)、シニア・障がい者・大学生以下1300円/主催:神戸映画サークル協議会☎078‐371‐8550、http://kobe-eisa.com/

(兵庫民報2017年12月17日付)

観感楽学

安倍政権はレーダーに捕捉されにくいステルス機能を持つF35戦闘機を四十二機購入する。墜落事故を多発する欠陥機だ。米国防総省の最新報告書はF35に関し「重大な二百七十六項目の欠陥を特定した」と明記した▼それでも軍需産業の意向も影響し、必要な日程の短縮を迫られた結果、二百七十六の欠陥が残ったとする。すでに購入した四機はソフトウェアの完成が遅れ、機関砲が撃てず、赤外線ミサイルも搭載できない。緊急発進の任務につけず、最新鋭戦闘機とは名ばかりの「単なる航空機」にとどまる▼購入方法は、前払い、米国側が価格や納期を変更しても言いなりという有償武器援助(FMS)という特殊な契約方式。当初一機八十九億円だったのが導入時には約百六十億円にもなった▼安倍政権は、ミサイル防衛やオスプレイ、長距離巡航ミサイルなど海外軍事行動関連の装備を山盛り購入。多くがFMS契約で、前年より千二百八億円増の四千八百四億円。第二次安倍政権の発足時から三・五倍にも増大した▼消費税増税など国民生活を破壊しながら、軍事費は来年度五兆二五五一億円にふくらむ。軍需産業とトランプ大統領の高笑いが聞こえてきそうだ。(K)


(兵庫民報2017年12月17日付)