大飯原発再稼働反対!HYOGO ACTIONが十一月十一日、神戸・波止場町緑地で開かれ、山形からフォークグループ影法師、東京から社会派アイドルユニット制服向上委員会、福井から原発設置反対小浜市民の会の中嶌哲演事務局長、兵庫から原発賠償ひょうご訴訟原告の伊藤伸子さんがそれぞれの形で訴えました。呼びかけたのは原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会、原発ゼロ!核兵器ゼロ!ZEROこねっと、さよなら原発神戸アクション。約四百人が参加し、集会後は会場から関西電力神戸支社前を通り三宮、元町までパレードして市民にアピールしました。
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主催者挨拶で橋本銀河さん(ZEROこねっと)は、二〇一二年七月六日以来毎週欠かすことなく続けてきた関電神戸支社前での行動を紹介し、最初は首相官邸前行動に呼応しようという小さなつぶやきから始まり、参加者の思いを大事につながりを広げてきたことが今日の集会はじめ共同を広げてきたと述べ、一人ひとりの力を合わせて原発をなくすという大きな転換を実現しようと訴えました。
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伊藤さん |
国や自治体が信じられないなか、また本来ならいちばん身近で支える家族・親族から厳しい非難の声をかけられるなか、子どもを守るという必死の思いで避難してきた一人ひとりが悩み苦しんだ長い六年半だったと振り返り、「このような辛い思いをするのは私たちで最後にしたい。未来に生きる子どもたちに辛い思いをさせたくない」と訴えました。
飯舘村では至る所、汚染土を入れたフレコンバッグが詰まれたり、ソーラーパネルで田畑が覆われているなど、美しかった景観がずたずたにされ、放射線測定値もまだ高いのに、故郷への強い思いに便乗して、東京オリンピックまでに避難者をゼロにするというスローガンが掲げられるのは、憲法で保障されている健康で文化的な最低限度の生活をするという権利がないがしろにされていると批判しました。
こうしたおかしな事態に「ノー」というために国と東京電力を相手に、関西では、京都、関西、ひょうごと三つの訴訟を起こし、①原発事故を起こした国と東京電力の責任を明らかにすること②避難の正当性を認めさせること③避難生活を国の責任で救済させること―を求めていることを紹介。裁判傍聴に詰めかける支援者のみなさんの姿に胸を打たれていると述べ、引き続く支援を訴えました。
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中嶌さん
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②原発は過疎地に立地され、その電力を大都市が享受するという差別的な構造があり、それが大都市の市民に原発に対する無関心を引き起こしてきている。大都市での原発反対の運動と世論は風化していないだろうか。
―と指摘しました。
十月に「関電が大飯一、二号機の廃炉方針固める」との報道があったことについては、原発維持の費用が巨額になるという関電の事情があると述べるとともに、もんじゅ同様、その地元県市を蚊帳の外に置いた決め方は非民主的だと批判しました。
これらを踏まえ中嶌さんは、次の三つの取り組みが必要ではないかと提起しました。
①すべての反原発運動の基礎に福島の実態・実相を絶対に忘れてはならないし、それによりそってその実態を常に明らかにし、自分のものとして共有していく。
②原発依存経済脱却へ明確なビジョンと施策を地元住民に説得力をある形で示していくこと。
③一般顧客が「原発をすすめるならば私たちはあなたたちと縁をきるよ」「もし脱原発を決断するなら、サポートする用意はあるよ」とそういう関電からの顧客離れを加速・拡大する運動を目標を明確に立て組織的に都市部で進めていく、それがなにより若狭の私たちに対する連帯になる。
最後に、若狭の美しい風景、日常の暮らしへの思いを語り、ともに悩み、ともに考え、ともに行動しましょうと訴えました。
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影法師 |
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制服向上委員会 |
(兵庫民報2017年11月19日付)